著者
細江 達郎 現代行動科学会誌編集委員会
出版者
現代行動科学会
雑誌
現代行動科学会誌 (ISSN:13418599)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.6-10, 1995-09-01

概ね行動科学の実証的方法は研究者が対象者になんらかの刺激を与えそれに対する反応を問う形をとる。研究活動が研究者の自ら設定する枠組みにそって対象に接近するという自覚的な活動であるかぎり、当然な営みであることといえる。しかし、ほとんどの実験科学において当然視されているこの方法に関して、こと人間を対象とする分野においては問題無しとはされない。それどころか特に人間関係やその相互影響を主たる対象とする社会心理学では、いわゆる社会心理学の危機論争の中で、実験の人為性や非日常性といった批判を受けることとなる。その論争の中で示されたものの一つに実験的方法以外の看過されてきた手法の見直しがある。すでに1966年にWebb,J.E., et al.がUnobtrusive Measures : Nonreactive Research in the Social Sciences という示唆的な書を出しているが、必ずしも十分知られた立場とはいえない。ここではそういった論議に沿いながら、この立ち場を紹介するともに、特に観察法について触れ、その応用可能性について考察する。
著者
田中 尚道 本村 孝幸 本村 信人 高田 孝充 柏 秀和 駒井 功一郎
出版者
近畿大学資源再生研究所
雑誌
近畿大学資源再生研究所報告 = Annual report of the institute of resource recycling of Kinki University
巻号頁・発行日
no.7, pp.17-21, 2009-03-01

[Synopsis] From respect of initial cost and running cost to method making of organic waste by brandling compost a generation of greenhouse gas little, and method of making advantageous organic waste compost. Moreover, exhausted earthworm manure provided with the condition as compost, and was suggested the possibility to be able to use for the number of microorganism groups to grow a lot of crops. Therefore, the clarified necessity was admitted in physiology morphology the influence on the growth of crops of earthworm manure in the future and amount.
著者
ラッタナブリー ナンティヤー
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.278, pp.81-86, 2014-02-28

本研究はドラマ内でみられた申し出表現の使用について考察する.具体的にはドラマ中で使用された「~てあげる」という申し出表現を中心に考察していく.ここでいう「申し出」は,川口他(2002)で定義されている,「『申し出』は『自分』が『相手』の『利益』のために『行動』しようという意図を示して『相手』にその『行動』を『決定』する意向があるかど うかを尋ねるものである」を用いることとする.「~てあげる」は,相手のために何かをしてあげるような申し出場面では,「○○してあげる」という表現より相手が恩恵を感じないように,例えば「○○します」あるいは「○○しましょう」「○○しましょうか」といった表現を使用したほうが適切であるといわれることが多い.また,日本語教育において,相手と自分の立場を考慮しながら「~てあげる」表現の使用には注意するよう教わった日本語学習者である筆者は,コミュニケーションに誤解が生じないよう「~てあげる」を使用する際には細心の注意を払うようにしている.このようにコミュニケーションにおいて使い方に注意が必要であると思われる「~てあげる」表現を用いた申し出表現はどのように使用できるかについて疑問を持ったため,本研究では二つの日本ドラマに注目して考察することにした.千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 第278集 『接触場面における言語使用と言語態度』接触場面の言語管理研究 vol.11 村岡 英裕 編"LANGUAGE USE AND LANGUAGE ATTITUDE IN CONTACT SITUATIONS : LANGUAGE MANAGEMENT IN CONTACT SITUATIONS VOL.11", Chiba University Graduate School of Humanities and Social Sciences Research Project Reports No.278This study examines the usage of 'expression of offer' in Japanese language with particular reference to two Japanese dramas which are 'KOIZORA' and 'NOBUTA WOPURODYU-SU'. In these dramas the expression of offer particularly the usage of '- te ageru' has been focused. The main characteristics of these dramas are that they have dialogues which are close to real life and thus the characters appear to be convincing. What sort of a relationship does the speaker share with the listener; it has been clearly expressed through the dialogues. Both these dramas have dialogues between people in close relationships such as friends, family, married couple. Further, it has been noticed that the expression '- te ageru' has been frequently used in both the dramas. '- te ageru' is an expression of offer where the speaker offers to do a favor to the listener even without being asked to do so. Further in order to use '- te ageru' appropriately, one of the factors to be considered is the relationship between the two people. However, usually in Japanese language when a speaker does a favor to the listener or offers to do so, he/she is expected to use humble forms such as '- shimasu','- shimasyou', '- shimasyou ka' instead of using '- te ageru' so that the listener or the beneficiary may not feel indebted. But on the basis of this study, taking into consideration the dialogues used in the above-mentioned dramas, it is concluded that in close relationships suc has relations between friends, family or in other close relations the usage of '- te ageru' is not inappropriate.
著者
大長 勇太 合田 憲人 ABDUL-RAHMAN Omar
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.155, pp.19-24, 2014-07-21

アプリケーションの可用性や実行性能向上を目的として,利用者の拠点の計算資源と遠隔のクラウドの計算資源を併用するハイブリッドクラウドが注目されている.ハイブリッドクラウドを効率よく活用するためには,ローカル資源とクラウド資源に対して処理を適切に割り当てることが重要な課題である.本橋では,ハイブリッドクラウド上でのHadoop処理の性能評価結果について報告する.本性能評価では,Amazon EC2の2つのリージョン(ap-northeast-1およびus-east-1)および国立情報学研究所の研究クラウドを用いて,3種類のハイブリッドクラウドを構築し,Hadoopベンチマークプログラムの実行時間を測定した.またハイブリッドクラウド上での実行時間予測モデルを作成し,実測結果との比較を行った.本性能評価の結果,2つのことが明らかになった.1点目は,ローカル資源に加えて遠隔のクラウド資源を利用することにより,アプリケーションプログラムの実行時間削減が期待できる.2点目は,ベンチマークプログラム実行中の通信時間の大きい場合では,実行時間予測結果と実測結果の誤差が大きいことである.後者については,実行時間予測モデルの通信時間の予測に改良の余地があることがわかった.
著者
町田 文雄
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.311-317, 2011-06-01

クラウドの信頼性を解析的に評価するアプローチについて紹介する.マルコフ連鎖や確率ペトリネットなどの状態空間モデルを用いてクラウドの信頼性を解析する上では,クラウドのスケーラビリティと複雑性への対処が課題となる.スケーラビリティに対しては,大きなモデルを複数のサブモデルに分割して解析するモデル分解手法が注目される.クラウドの品質評価にモデル分解手法を用いた研究例を紹介する.また,複雑なシステムのモデルをいかに生成するかという課題に対し,筆者が取り組むSystems Modeling Language(SysML)を用いたコンポーネントベースモデリング手法の研究を紹介する.
著者
竹内 将俊 田村 正人
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.221-226, 1993-11-25
被引用文献数
1 2

1) ウリキンウワバ幼虫のトレンチ行動を野外および室内で観察し,ククルビタシン,師管液,隠蔽との関連性について検討した。<br>2) 幼虫のトレンチ部位は,発育に伴って葉端から葉脈基部へ変化した。<br>3) 寄主植物に対する人為的な処理がトレンチ率へ与える影響を調べた結果,野外の自然状態の葉に対し,茎を切って水差し状態にした無傷の葉ではトレンチ率は低かった。<br>4) 師管液の量は野外状態の葉で多く,また茎を切って水差し状態にした無傷の葉では切断からの放置時間が長いほど少なかった。<br>5) 葉の表に細く切った紙を貼り,葉の強度を増した条件でのトレンチ率を調べたところ野外状態では100%のトレンチ率を示したが,室内において切断から2時間経った葉ではトレンチを描かずに摂食した。<br>6) ウリキンウワバ幼虫のトレンチ行動は,ウリ科植物の師管液に対する適応的行動である可能性が示唆されたが,師管液説,ククルビタシン説のいずれかに断定することはできなかった。
著者
堀川 諭 Satoru Horikawa
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学社会文化学部論集 = Otemae journal of socio-cultural studies (ISSN:13462113)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.21-33, 2000-03-25

日々報道される少年事件の背景はさまざまであり、一様に論ずることができないことはいうまでもない。また、少年法の規制の中でわれわれの知りうる情報はきわめて限られたものであるから、個々の事件をあれこれ論ずることには慎議でなければならない。しかし、こうした少年事件にしばしば衝動的で短絡的なクレッチマーのいう「短絡反応」(short circuit reaction) ともいえる心珊機制がみられることも事実である。そこで、この小文では、少年による短絡反応の事例と考えられるニつの有名な事件、一つは、事件後三百数十年もの問語り継がれてきた「八百燦お七」の物語、いま一つは、昨今の短絡的な少年事件の現代的嚆矢ともいえる高島忠夫氏氏長男の「道夫ちゃん事件」を取り上げ、それに若干の精神病理学的な検討を加えた。いみじくも両者はともに17 歳の少年による犯行であり、前者はわが国を代表する古典作品として怯承され、後者は報道規制の緩やかであった時代の、それゆえ比較的詳細に事件の本質に迫ることのできる事件として興味深いものがある。
著者
室伏 良信 木村 美佐子 桑野 晴光 飯島 康輝 山崎 光郎 金子 正勝
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.3760-3769, 1988-10-25

Addition reactions of the C^<4′>-C^<5′> double bond of griseolic acid were investigated. C^<4′>-C^<5′>Dihydrogrisiolic acid was obtained by reduction of the adduct having halogen at the 4′-position.The ring juncture of the two five-membered rings of the C^<4′>-C^<5′> dihydro derivaticves was of all-"cis"configuration. Acetolysis of the protected dihydrogriseolic acid gave the corresponding 1′-acetoxy sugar derivative. Reaction of this sugar derivative with silylated bases gave guanine and uracil derivatives of the dihydrogriseolic acid. The cyclic nucleotide phosphodiesterase (PDE)-inhibitory activity of the C^<4′>-C^<5′> cis dihydrogriseolic acid derivative was weaker than that of griseolic acid.The uracil derivative of C^<4′>-C^<5′> cis dihydrogriseolic acid completely lost the inhibitory activity against both adenosine 3′, 5′-cyclic monophosphate (cAMP) and guanosine 3′, 5′-cyclic monophosphate (cGMP) PDE, whereas the guanine derivative showed reduced inhibitory activity against cAMP PDE, but retained its activity against cGMP PDE. It was also apparent that the C^<4′>-C^<5′>trans dihydro derivative which was obtained as a minor product from the same culture broth of griseolic acid had almost the same inhibitory activity as griseolic acid.