著者
澤田 忠幸 松尾 浩一郎 橋本 巌
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.514-522, 2012
被引用文献数
1

This research focused on both the psychological benefits and costs of crying. We investigated the relationships of intrapersonal and interpersonal consequences of crying. Female nurses (<I>N</I> = 300) were requested to describe one of the most impressive negative episodes where they had cried. Then, they were asked to complete a questionnaire including a scale of their psychological changes after the crying episode and the social reactions when they cried. Factor analysis revealed five components of the psychological changes scale. Solitary crying had greater effects for both psychological benefits and costs after crying than crying in front of others. Factor analysis revealed three components of the scale of social reactions. When they cried in front of others, "catharsis", "positive attitude", and "recognition of the relationship with others" after crying were associated with "empathy and social support" from others. The factors of "recognition of negative reality" and "negative attitude" were associated with "criticism and slander" from others. These results were discussed in terms of the communicative functions and the reflective functions of adult crying.
著者
角田 令吉 管野 俊雄 辻 尊文 白水 俊次 原田 望 相原 敏 佐渡 哲夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.484-492, 1988-05-20
被引用文献数
1

背面入射型p^+n-InSbフォトダイオードアレイと埋め込みpチャンネルSi-CCDをInバンプで貼り合わせた64×64画素IRCCDを開発した.イオン注入法で作製したフォトダイオードの表面不活性化に, 陽極酸化/Al_2O_3低温スパッタ法で形成した2層膜を採用したところ, 接合の良さの指標である無バイアス微分抵抗と接合面積との積R_0Aを10^5Ωcm^2以上と大幅に改善することができた.また, Inバンプをあらかじめ円錘形に成形した後に両基板を圧接するプロセスの採用により必要圧力が減り, その結果, 両基板に損傷を与えることなしに結合抵抗を大幅に減らすことができ, 電荷注入効率が改善された.そのためγ値=1.00±0.01と優れた入出力直線性が得られた.また, InSb結晶厚さを20μmまで薄く研磨することにより, 高感度化が達成されると共にクロストークも減り, MTFの改善が図れた.これらの効果により, 画素補正を行った後の温度分解能NETDは0.05〜0.06degまで向上した.
著者
古池 若葉
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.A87-A101, 2009-03-15

本稿では,ASD 児者における言語的な問題について,語用論上の困難に焦点を当ててその様相を示した上で,語用論的能力のアセスメントに役立つと考えられる検査や手法について整理し,今後の課題について考察した。その結果,主な知見として以下の3 点が得られた。第1 に,ソーシャルスキルにおいては言語的な側面が重要な位置づけにあるが,既存のソーシャルスキル尺度は語用論的側面をアセスメントする上で十分とは言えない。第2 に,ASD 児者は,形式的な言語に問題が見られなくても,談話や会話などの語用論的側面に問題を持つことが多い。第3 に,Wechsler 知能検査は,高機能ASD 児者の語用論的能力に比べて言語性知能を過大評価しやすく,語用論的能力を測定するアセスメント方法は未確立ながら,ナラティブの産出を調べる方法や,会話を分析する方法によるアプローチが行われている。これらの知見を踏まえて,心理士として,言語臨床にどこまで携わる必要があるかについての考察を加えた。
著者
湯川 智行 塩谷 哲夫 石田 良作 渡辺 好昭
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.71-74, 1988

ライ麦の2品種を用い, 1985年10月1日から2日おきに11回播種し, 播種期と根雪前生育量及び雪害との関係を検討した。地上部乾物重は, 播種期が遅くなるにつれて急激に減少した。雪害は, 播種期が遅くなるにつれて急激に増加した。これは, 乾物重の急激な減少と乾物重の一定値以下への減少とがあいまっておこると考えられる。地上部乾物率は, 明瞭な品種間差が認められ, サムサシラズが春一番より全播種期を通して高かった。また, 雪害に関与する要因について重回帰分析を行ったところ, 品種間では乾物率が重要となり, 品種内では, 乾物率はほぼ固定的となるために, 生育の量である乾物重や茎数が重要な要因となることが示された。
著者
関根 平 春日 重光 上條 佳郎 鈴木 裕太 芹沢 麻衣子 中津川 実里 西岡 杏子 芳川 諒 岡部 繭子
出版者
日本作物学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
no.47, pp.97-99, 2012-03-31

育成した極早生ライムギ(SUR-1)と市販品種を供試し3ヵ年にわたり主要農業形質の生産力検定試験を行った.乾物収量については,「SUR-1」は3ヵ年とも市販の早生品種「春一番」や「キングライムギ」と有意差はなかった.出穂日については,「SUR-1」は2009, 2010年では市販の極早生品種「ライ太郎」と同程度だったが,両年に比べl〜3月の平均気温が低かった2011年では,「SUR-1」の出穂日は早生品種「春一番」や「キングライムギ」よりl〜2日遅かった.これらの結果から,「SUR-1」は準高冷地において冬期の気温が低い場合,市販の早生品種とほぼ同じ熟期で,乾物収量は「キングライムギ」と同程度だが「春一番」に比べやや劣る可能性がみられた.しかし,「SUR-1」の耐倒伏性は市販の早生品種に比べて優れていた.
著者
伊藤 華子
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.556, pp.109-112, 2008-06-23

ネットコミでお悩み解決/サイトでの質問マナー/プロに頼む、その前に
著者
アリフィン ヌルハヤティH.S. 増田 拓朗
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.315-323, 1997-03-28
被引用文献数
1 2

栗林公園は代表的な回遊式庭園であり,特別名勝に指定されている。しかし,近年,周辺地域の建築物の高層化に伴い,庭園景観が損なわれるようになってきた。本研究では,メインルートに沿って代表的な鑑賞地点12ケ所を選び,各地点から見える建築物の仰角および水平角を測定し,建築物の視覚的侵入の程度を調査した。調査結果に基づき,本来の庭園景観を損なわないような形での高木植栽あるいは築山居造成して高木植栽を行う可能性を検討した。この方法で,ある程度,建築物を遮蔽することは可能であるが,新たにさらに高い建築物が建設された場合にはその効果は失われる。根本的な解決のためには,周辺地域を風致地区あるいは景観保全地区として,建築物の高さ制限をすることが望まれる。調査結果に基づいて,その地域区分と高さ制限を提案した。
著者
滝澤 崇子
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.384, pp.189-191, 2001-04-30

携帯電話はどこだ?と闇雲に探しまわるより、電話をかけて音が鳴るところを見たほうがずっと早く見つかる。電子メールも同じだ。探したい言葉やひっかかりそうな言葉をキーワードにして「検索」したほうが手早く見つけられる。Outlook Expressには、手軽に検索できるよう、ツールバーに検索ボタンが鎮座して出番を待っている。
著者
水上 優子 稲波 進 神戸 三智雄
出版者
愛知県農業総合試験場
雑誌
愛知県農業総合試験場研究報告 (ISSN:03887995)
巻号頁・発行日
no.33, pp.93-100, 2001-12
被引用文献数
2

暖地・温暖地に適する、耐湿性、菌核病抵抗性、アブラムシ抵抗性、耐倒伏性に優れる複合抵抗性を育種目標とした新品種「ネオタチワカバ」(系統名:愛系41号)を育成し、2001年に農林7号として登録された。本品種は、アブラムシ抵抗性選抜系統、菌核病抵抗性選抜系統、多収性系統を主体とする20系統から集団選抜法を用いて育成された。主な特性は次のとおりである。 1.タチワカバより多収であり、特に利用1年目の収量が高い。 2.耐湿性が強く、水田転換畑でも安定して栽培できる。 3.菌核病、アブラムシに対して実用的なレベルの抵抗性を持つ。 4.耐倒伏性はタチワカバと同程度で早期繁茂性品種としては強い。
著者
臼井 伸充 仲野 忠行 島田 明
出版者
The Japan Joint Automatic Control Conference
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.222-222, 2008

本稿で取り上げる運動は,東洋, 特に, 日本の在来形式の木造船に用いられ, 主として船に設けられた櫓によって推進する小型船の「櫓漕ぎ」である。櫓漕ぎ和船の多くはスクリュー船に替わり, その数は極めて少なくなっている。櫓漕ぎ和船が現存する例としては, 滋賀県の琵琶湖東岸に位置する近江八幡の水郷地帯に 観光用に「最も遅い乗り物」と題して櫓漕ぎ和船が運行されている。この他に, 東京と千葉の境を流れる江戸川の「矢切の渡し」などもよく知られている。櫓漕ぎ和船がスクリュー船に替るには, モータやエンジンによる回転運動を推進力に換えるスクリューの発明が大きいであろうし, その他にも様々な理由があってのこととされるが, 櫓漕ぎ和船の推進原理は個性的であり, 自動化を試みることにより, 未知の運動制御技術が生み出されるかもしれない。或いは, 技能制御技術の一種として価値があると思われる。
著者
齋藤 美穂 頼 [チョンチ]
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.84-96, 1992-09-01
被引用文献数
10

前報『アジアにおける色彩嗜好の国際比較研究(1)-日韓比較・白嗜好に着目して-』では, 日本と韓国の色彩嗜好傾向を比較検討した。その目的は主に, 日本での根強い「白嗜好」を地理的・文化的に近い周辺のアジア諸国の中で展望し, また他の国における一般的色彩嗜好傾向を知る為の試みの一つであったが, その結果, 韓国でも白に対する高い嗜好が観察された。一つの仮説として白に対する嗜好が文化を基盤とするならば, アジアの他の地域でもその傾向を観察する必要があろう。今回の報告では中華民国台湾との比較を試みた。調査は東京 (160名) と台北 (156名) に在住する被験者に対し, 同一の77色からなるカラーチャー卜を呈示し, 好きな色 (嗜好色) と嫌いな色 (嫌悪色) を3色づつ選択すると同時に選択理由も明らかにしてもらうという方法により実施した。選択された色に対しては, 両国の嗜好色と嫌悪色における一般的な嗜好順位を比較し, 色相別・卜ーン別に傾向を検討した。更に両者の嗜好傾向の特徴を明らかにするために双対尺度法 (DUAL-SCALING) による分析を施し, またX^2検定により有意差を検討した。その結果, 「白」や「ビビッドブルー」は両国に共通して好まれ, それは韓国での結果とも一致していた。しかし色相や卜ーン別に検討した場合, 好みの傾向には若干の交叉文化的な違いがあることも明らかとなった。
著者
五味 洋治
出版者
文芸春秋
雑誌
文芸春秋
巻号頁・発行日
vol.90, no.4, pp.184-191, 2012-03