著者
村上 和宏 山本 一彦 杉浦 勉 井上 智裕 嶌岡 英起 桐田 忠昭
出版者
Japanese Society of Oral Medicine
雑誌
日本口腔粘膜学会雑誌 (ISSN:13417983)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.70-75, 2005-12-30 (Released:2010-02-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1

口蓋に生じた壊死性唾液腺化生の2例について報告する。症例1は, 患者29歳の女性, 主訴は右側口蓋部の腫脹および潰瘍形成。症例2は, 26歳の女性, 主訴は左側口蓋部から頬部にいたる自発痛。2例とも, 生検を行い, 壊死性唾液腺化生の確定診断にいたった。両症例ともに, 抗生剤と消炎鎮痛薬の投与で経過観察を行った。病変は自然治癒し, その後の再発は認めなかった。
著者
廣瀬 徳晃 津坂 祐司 清水 毅 山内 智裕 白石 孝 谷中 壯弘
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.81, no.826, pp.15-00087, 2015 (Released:2015-06-25)
参考文献数
17
被引用文献数
2 5

The various kinds of the electric personal mobility, which is one or two-seater, are being developed all over the world. These mobilities are applied into the substantiative experiment held in the several cities in order to investigate the effectiveness and popularity. The main specification of the personal mobility is the small footprint to reduce the parking space and alleviate traffic jam. However, the small footprint causes the deterioration of the posture stabilization. The authors are developing the personal mobility, which has a lean actuator to tilt the upper body for keeping the posture stabilization not only during turning motion but also on the uneven road surface. In this paper, the motion model considering yaw motion around roll axis is derived. In addition, the posture control method based on the motion model is proposed to realize the desired roll angle, which ensures the required range of the zero moment point. The effectiveness of the proposed approach is verified by the experiments using a prototype.
著者
伊藤 耕三
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.304-314, 1971-08-28 (Released:2009-02-17)
参考文献数
40
被引用文献数
8 16

Nitrogen dioxide is one of the main atmospheric pollutants in many communities. It is emitted in large quantities in the exhaust of automotive engines and is formed when atmospheric nitrogen and oxygen are heated to a high temperature in a flame.Experiments were made to ascertain possible synergistic effects of nitrogen dioxide and influenza virus infection in mice. Young female dd strain mice weighing 15 to 17g were challenged with mouse-adapted type A influenza virus, strain PR 8, two hours after acute and intermittent exposure to 10ppm nitrogen dioxide for two hours daily for one, three and five days. Female I.C.R. strain mice weighing 22 to 25g were also challenged with type A influenza virus after continuous exposure to 0.5 to 1.0ppm nitrogen dioxide for 39 days.Results were as follows;1) Acute and intermittent exposure to 10ppm nitrogen dioxide for two hours daily for five days significantly increased the susceptibility of mice to influenza virus infection as demonstrated by enhanced mortality.2) Extent of interstitial pneumonia was higher in the mice challenged with influenza virus after chronic and continuous exposure and acute and intermittent exposure to nitrogen dioxide than in the infected controls.3) Adenomatous proliferations of bronchial and bronchiolar epithelium were marked in the mice challenged with influenza virus after continuous exposure to low levels of nitrogen dioxide.
著者
水野 真理子
出版者
富山大学教養教育院
雑誌
富山大学教養教育院紀要
巻号頁・発行日
no.1, pp.31-49, 2020-03-12

本稿は日系アメリカ作家と彼(女)らを支えたアメリカの文学者たち(作家、文筆家、詩人、編集者)との間にどのような文学的交流が見られたのかを明らかにするという問題意識のもと、ヨネ・ノグチと女性作家たちに焦点を当てる。ノグチは『日本少女の米国日記』を執筆する過程で、英文の推敲や内容について、高い文学的素養を持ったアメリカの女性作家・文筆家たち、とくにレオニー・ギルモアから、かなりの助力を得た。彼女らとの文学的交流がノグチに与えた影響について、『日本少女の米国日記』を中心に検討する。作品に描かれる朝顔嬢という日本人女性像が、同時代の明治の日本人女性像とどのように異なっているのか、またノグチがアメリカの女性作家たちをどう評価していたのか、そして帰国後のノグチの女性像にどのような影響が与えられたのかについて考察する。
著者
近藤 弘幸
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.94, pp.25-55, 2019-09-30

条野伝平は、今ではほぼ忘れられた作家であるが、幕末には山々亭有人の号で人情本の作者として人気を博していた。明治維新後の条野は、一旦創作活動から手を引き、新興の新聞界に身を転じる。彼が『東京日日新聞』を経て一八八六年に創刊した『やまと新聞』は、連載小説を売りにする典型的な小新聞として大成功をおさめた。同紙では条野自身も採菊散人の号で創作活動を再開し、ふたつのシェイクスピア物を残している。本論は、そのうちのひとつである『三人令嬢』(一八九〇)と題された『リア王』を読み解く試みである。幕末・維新の動乱期を経て新聞界へ転身する条野の生涯を素描したうえで、『三人令嬢』の概要を紹介し、同作が、探偵小説という当時の最先端の流行を取り入れて新しい読者への訴求を図りつつ、戊辰戦争期の諷刺錦絵的手法を援用して旧幕以来の古い読者のノスタルジーにも応える、したたかで豊かなテクストであることを明らかにする。
著者
富川吟雪 画
出版者

黒本2冊(合1冊)、富川吟雪画、柱題「ば(は)けもの」、『化物三ツ目大ほうい』の題では所蔵は当館のみだが、当館所蔵『新板/風流/妖相生の盃』(請求記号:207-1712)と同内容で大東急記念文庫、東北大学狩野文庫にもあり、題簽を有する。当館本は冒頭の登場人物名を仮題としたらしく「むかし/\ゑちこの国おく山に三つめ大ほうい」と読めるが、「い」は「つ」の筆耕の書き癖で「三つ目大坊主」。当館本は相生の盃を描いた第10丁裏は欠。狩野文庫本には上下の題簽「新/板/風/流/妖相生の盃 上(下)」(振り仮名:ふう/りう/はけものあいをい[の]さかづき)に鶴の丸、馬の意匠あり。当館本『新板/風流/妖相生の盃』(請求記号:207-1712)の墨記に「宝暦壬午十二年印本」とあるが、画工名が富川吟雪なので、午(安永3[1774])年の鶴屋版。
著者
金石 圭祐 川畑 正博 森田 達也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.130-134, 2015 (Released:2015-06-17)
参考文献数
16
被引用文献数
2

終末期がん患者における不眠は頻度の高い苦痛症状の1つである.患者だけでなく,家族や介護者にとっても負担は大きい.薬物療法は主要な対応の1つであるが,多くの終末期がん患者にとって薬剤の内服は困難となる.今回われわれは不眠に対しフルニトラゼパムの単回皮下投与の有効性を示すことを目的とした観察研究を行った.睡眠の評価にはSt. Mary’s Hospital Sleep Questionnaire を使用した.主要評価項目は睡眠の質とした.30人の患者が対象となった.良好な睡眠の質が得られた患者の割合は90%であった.平均睡眠時間は7.5時間で,入眠までの平均時間は31分であった.投与後2人がせん妄と診断された.平均呼吸回数の減少がみられたが,臨床的な問題はなかった.終末期がん患者における不眠に対し,フルニトラゼパムの単回皮下投与が有効に使用できる可能性が示された.
著者
萩原 健一 鴾田 明子 三輪 昭子 川合 述史 村田 義彦 内田 明彦 中嶋 暉躬
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.77-84, 1991-06-15 (Released:2016-08-26)
被引用文献数
2 3

野外にて採集した9種類の日本産クモの毒腺中の化学成分のうちカテコラミン, ポリアミン等の生物活性アミンに着目し, これらの含有量を定量し比較した。その結果, クモ毒腺はカテコラミン類の含量は低いがポリアミンの含量が高いことが示された。ただし, 刺咬時の痛みが激しいことで知られているカバキコマチグモだけは例外的に, 毒腺にカテコラミン類およびセロトニンが検出され, これらが低分子の発痛物質として作用していると考えられた。毒腺抽出物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)により分離分析したところ, 各クモに固有のクロマトグラムパターンが得られ, クモ毒成分の多様性が示された。さらに, 逆相HPLCで分画した毒成分について, イセエビ歩脚の神経-筋標本を用いて神経伝達阻害作用をもつ物質のスクリーニングをおこなったところ, クサグモ(Agelena)の毒分画中に新たな神経毒を見いだした。
著者
斉藤 一三 飯島 利彦 林 正高
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.260-261, 1970-01-31 (Released:2016-09-05)

カバキコマチグモ, Chiracanthium japonicumの刺咬症の1例について報告した.カバキコマチグモの毒性は非常に強く, 痛みははげしく, 一般的な鎮痛剤では効果はなく麻薬を用いることによつて痛みを軽減することが出来た.
著者
桝元 敏也 桝元 智子 吉田 真 西川 喜朗
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.121-124, 1998 (Released:2007-03-29)
参考文献数
16
被引用文献数
2 4

ミズグモ (Argyroneta aquatica) は水中で生活を行う唯一のクモであるが, 日本では生息環境の分断化と悪化から限られた水域にしか生息しておらず, 早急に保全の対策が必要とされている. ところが, ミズグモの生息環境に関する情報はこれまで報告されていなかった. ミズグモを保全するための研究として, 我々は1996年の5月に京都府深泥池において, ミズグモの生息水域と生息しない水域の水の温度, pH, 溶存酸素 (DO) を比較した. その結果, ミズグモの生息する水域は pH と DO が共に低かった. 特に DO は魚の生息のできないほどの低い値であり, このことによってミズグモは天敵である魚から逃れることができるとみられる. また, この低 pH と DO は深泥池に分布するミズゴケによる環境形成作用によって維持されており, ミズグモの保全にはこのミズゴケ群落を維持することが重要である.

2 0 0 0 OA 評釈国文史

著者
五十嵐力 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1919
著者
藤田 和敏
出版者
仏教史学会
雑誌
仏教史学研究 (ISSN:02886472)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.26-44, 2019-03