著者
坂本 頼之
出版者
国士舘大学哲学会
雑誌
国士舘哲学 = Kokusikan tetsugaku (ISSN:13432389)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.75-89, 2018-03-20

本稿は「海保青陵「談五行」訳注稿 (1)」(『国士舘哲学』第十九号 平成二十七年三月)「海保青陵「談五行」訳注稿 (2)」(『国士舘哲学』第二十号 平成二十八年三月) 「海保青陵「談五行」訳注稿 (3)」(『国士舘哲学』第二十一号 平成二十九年三月) に続き、江戸時代の漢学者海保青陵 (1755~1817) の「談五行」の訳注を試みたものである。
著者
本村 あずみ 森 貴久
出版者
帝京科学大学
雑誌
帝京科学大学紀要 = Bulletin of Teikyo University of Science (ISSN:18800580)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.161-166, 2016

Saihara, which is located in north-western area of Uenohara in Yamanashi Prefecture, is a depopulated area. A traditional Kabuki play had been performed at Ichinomiya Shrine in Saihara for the autumn festival since at latest 1860s until 2001,and ceased to be performed since then. Interviews with 29 people living in Saihara held in 2009-2010 enabled us to collect information on the traditional Kabuki play. What is clarified in this article is as follows: (1) there were 3 types of play: a traditional Kabuki play performed by Saihara people, plays performed by a professional theatre company, and semi-traditional Shimpa plays; (2) during Meiji and Taisho period, most plays were traditional Kabuki plays performed by Saihara people,performance by theatre companies had become popular later, and the traditional kabuki play by Saihara people became popular again after 1980s; and (3) performance of plays for the shrine festival had become a hard task due to a change of life style in Saihara, which seemed to be the most serious cause for the interruption of this traditional local play.
著者
石月 静恵
出版者
桜花学園大学保育学部
雑誌
桜花学園大学保育学部研究紀要 = BULLETIN OF SCHOOL OF EARLY CHILDHOOD EDUCATION AND CARE OHKAGAKUEN UNIVETSITY (ISSN:13483641)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.91-106, 2018-10-31

1918年7月に鈴木三重吉によって創刊された『赤い鳥』は、児童作家を輩出し、教育運動にも大きな影響を与えた。本稿では、同書に掲載された子どもたちの「綴方」から、当時の子どもたちの状況を描き、特に子どもたちが表現した「家族」の姿を紹介し、分析している。「はじめに」で、研究史を整理し、作品研究が多いが、子ども自身の表現はあまり研究されていないことを指摘した。まず、一で、同書の「綴方」の全体像を述べた。作品総数は1200編ほどで、その4分の1以上が家族に関わるものである。二で、子どもたちが描いた多様な家族の姿を紹介した。三で、「家族の死」を表現した作品を紹介し、子どもたちがそれを受容したことについて分析した。おわりにで戦間期の乳児死亡や出産に伴う母親の死を表現することで子どもたちが家族の死を受容し、表現することで乗り越えていったと分析した。
著者
佐々木 光子
出版者
情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.128-135, 1996
参考文献数
21

学術情報センター目録所在情報サービス(NACSIS-CAT)の利用開始から10年を経て,総合目録データベースの書誌レコード数は,和図書1,104,623件,洋図書1,556,801件, Recon 736,766 ("95.12.8)と膨大な書誌ユーティリティーに発展してきた。これは, NACSIS-CATに参加している全国420 ("96.1.10)の利用機関の目録業務に携わるカタロガーの協力,共同分担目録システム(Shared Cataloging)の成果でもあろう。NACSIS-CATによる目録業務データを言語別・出版年別のコピーカタロギング, オリジナルカタロギング率から検討して言語上の問題を指摘し,書誌調整記録データの分析からその効率的軽減・軽量化について述べる。

2 0 0 0 OA 明和撰要集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[36] 十六 御褒美之部,
著者
青木 かおり 入野 智久 大場 忠道
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.391-407, 2008-12-01 (Released:2012-03-26)
参考文献数
45
被引用文献数
22 50

本研究は,鹿島沖から採取された長さ約46 mのMD01-2421コアに介在する23枚のテフラについて,岩石学的記載と火山ガラスの主元素組成分析を行い,既知のテフラとの対比を試みたものである.その結果,九州起源のATとAso-4,御岳山を給源とし中部~東北地方に広く分布するOn-Pm1,北関東に分布するAg-KP,南関東に分布するHk-TP,立山カルデラ起源のTt-D,福島県南部と茨城県北部で対比されているNm-Tgが同定された.また,本コアで得られている高分解能の底生有孔虫の酸素同位体層序を使用して,各テフラの噴出年代を算出し,SPECMAP年代に伴う誤差も合わせて示した.対比された7枚のテフラの噴出年代を,報告されている放射年代や花粉分析や海水準変動史から予想されていた噴出年代と比較して議論した.これらはMIS 6.3以降の中部から東北地方南部の標準となるテフラ層序を提供するものである.
著者
三上 喜孝
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.A21-A33, 2001-12-28

米沢市の古志田東遺跡出土の労働力徴発に関わる二点の木簡を検討し、平安時代 (九世紀末から一〇世紀初頭) の地方社会における農業労働力編成のあり方を考察する。「田人」と記され、男女の労働力を徴発した二号木簡は、従来の史料を手がかりにすると田植労働に関わるものと考えられ、田楽の儀礼をともなった田植労働が広く行われていた実態がうかがえる。これに対して男性の労働力のみを徴発した三号木簡は、灌漑施設や土木作業に関わるものと考えられる。こうした二種の労働力徴発の形態は後の大名田堵の農業経営につながる要素をもつ一方、田植労働に関しては古代以来の「魚酒」提供による雇傭労働の形態がとられていたと考えられる。古志田東遺跡からは古代から中世にいたる過渡期的な様相を見てとることができるのである。
著者
池田 威秀 足立 朋子 鈴木 真理子 秋山 豊子
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶應義塾大学日吉紀要. 自然科学 (ISSN:09117237)
巻号頁・発行日
no.57, pp.11-46, 2015

教育挿図資料近年, 当大学で発生した飲酒事故の重要性に鑑み, 飲酒事故を未然に防ぐことを目的に事業を展開した。生物学の分野から, 学生個々人のアルコールのパッチテスト, その後のアンケート調査, その解析, 意識調査, 自分の遺伝的体質の解析(アルコール分解酵素の遺伝子鑑定)や, 肝臓におけるアルコールの分解作(酵素反応)の理解を進める授業などを展開した。また, 授業用資料(PPT)やパンフレット作成を行なった。生物学を履修している学生には, これらを用いて授業を展開し, 飲酒事故防止のための理解を進める。生物学を履修していない学生には, これらの資料をウェブで公開して閲覧できるようにする。加えて, 将来的なアルコール中毒や肝機能障害のリスク回避, さらに最近多様化してきた他の薬物中毒に対しても, その危険性を広報していく。以上のことから, 全塾的・長期的に, 学生がアルコールと他の薬物への対応の仕方を習得し, 将来的に心身ともに健康維持できるよう, 教育支援を行なった。