著者
虫明 千春
出版者
広島大学マネジメント学会
雑誌
広島大学マネジメント研究 (ISSN:13464086)
巻号頁・発行日
no.11, pp.111-118, 2011-03

近年において, 外国子会社合算税制(以下, 「タックス・ヘイブン対策税制」という。)が適用されたことにより, 納税者から課税当局に対し不服申し立てを行うケースが多く見受けられる。その争いの原因の一つには, 企業が中国特有の事業形態を採用したことにより, タックス・ヘイブン対策税制の適用除外基準の枠からはみ出したものと課税当局に判断され, 課税の対象となることが挙げられる。本稿では, タックス・ヘイブン対策税制の適用除外基準に該当しない場合において租税回避行為が確認されるのかを, 来料加工貿易の事案を基に論議する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.448, pp.38-39, 2008-05-23

3月末で失効した道路特定財源の暫定税率が5月1日に復活、同財源を2008年度から10年間延長する改正を盛り込んだ道路整備費財源特例法改正案が5月13日に衆議院で再可決、成立したことで、国も自治体も保留していた道路予算の執行を再開し始めた。 政府は特例法改正案の衆議院での再可決に先立ち、道路特定財源を全額、2009年度から一般財源化する方針を閣議決定。
著者
小島 貢利
出版者
Japan Management Diagnosis Association
雑誌
日本経営診断学会論集 (ISSN:18834930)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.159-163, 2008

本研究では,まず,日本経済の今後の推移について説明し,円が今後強くなる可能性は乏しいことを指摘する。さらに,外国為替証拠金取引(FX)の特徴に関して紹介し,投資家がFXにより気軽にグローバル投資を行うことができることを示す。また,株式市場とFXとの比較を行い,FXは,一年中,平日24時間取引可能であり,イベントリスクに対して,より迅速に対応可能な取引システムであることを説明する。最後に,円資産に固執することのリスクを,日本人は強く認識すべきであり,将来の円下落や国内低金利継続に対して,FXは有効な資産保護対策になりうることを主張する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.244, pp.46-49, 1999-11-26

より的確に企業の実態を反映させるため,昨年,今年と相次いで改正された経営事項審査(経審)。しかし,改正の意に反して,資産や技術者を抱えないペーパーカンパニーに有利に働くという結果を招いている。特に,完成工事高重視を改め,経営状況分析評点(Y点)の比重を増した昨年の改正の影響が大きい。こうした事態に対し,独自に対応策をとる自治体も出てきている。
著者
ピンゲル ケン ヒギンズ ダン イプ トレウ゛ァル
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.934-939, 2007-08-01

アンソニーロスでは,カナダにあるノースウッドパルプ社に初めてスメルトスパウトクリーナシステムを販売納品致した。ノースウッド社はこのスメルトスパウトクリーナの開発とテスト段階から参加し,この度およそ3ヶ月の期間でNo.1回収ボイラーにプロトタイプシステムの導入と運転評価を行った。<BR>この装置は,自動でスパウトのトラフと取り口を効率的な動作により清掃する。このスパウトクリーナの設計にあたりアンソニーロスは,長年の自動ポートクリーナの設計ノウハウをベースに,クリーニングランスの移動方式,折り畳み式のアーム設計,又スパウト床での移動性の高い構成などの特徴ある機能装置の実現を図った。<BR>クリーニングの動作や周期は調整可能で,対象ボイラの特性や運転状況に順応できる機能を実装し,さらにアラーム通報やカメラ監視などの運用管理機能も備えている。<BR>この論文では,本自動スメルトスパウトクリーナの開発経緯を述べ,又現状の各装置の動作と特徴を設計方針とともに公開する。テスト段階の終端として,ケーススタディとなるように回収ボイラーでの適用設計図や写真も記載した。
著者
辻 隆 祖父江 義明 岡崎 廉治 川島 隆幸 齋藤 太郎 井本 英夫 新井 良一 雨宮 昭南 霜越 文夫 長谷川 修司 小嶋 壮介 下園 文雄 川村 正義 飯島 健 鈴木 英雄 佐藤 寅夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4-21, 1998-03

低温度星の分光学とともに/辻先生を送る/東京大学を去るにあたって/岡崎廉治先生を送る/新しい化合物を求めた30年/齋藤太郎先生を送る/大学を去るにあたって/新井良一先生を送る/シモコシ・回路の完成を追い求めた日々/霜越さんを送る/再見!東大・小石川植物園/小嶋壮介事務主任を送る/云うべき事と云わざるべき事:流転/川村さんのこと/三崎臨海実験所退官にあたって/鈴木英夫さんを送る
著者
Sugiyama Shin Bauder Andreas Zahno Conradin Funk Martin
出版者
International Glaciological Society
雑誌
Annals of Glaciology (ISSN:02603055)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.268-274, 2007-10
被引用文献数
28

To study the past and future evolution of Rhonegletscher, Switzerland, a flowline model was developed to include valley shape effects more accurately than conventional flowband models. In the model, the ice flux at a gridpoint was computed by a two-dimensional ice-flow model applied to the valley cross-section. The results suggested the underestimation of the accumulation area, which seems to be a general problem of flowline modelling arising from the model's one-dimensional nature. The corrected mass balance was coupled with the equilibrium-line altitude (ELA) change, which was reconstructed for the period 1878–2003 from temperature and precipitation records, to run the model for the past 125 years. The model satisfactorily reproduced both changes in the terminus position and the total ice volume derived from digital elevation models of the surface obtained by analyses of old maps and aerial photographs. This showed the model's potential to simulate glacier evolution when an accurate mass balance could be determined. The future evolution of Rhonegletscher was evaluated with three mass-balance conditions: the mean for the period 1994–2003, and the most negative (2003) and positive (1978) mass-balance values for the past 50 years. The model predicted volume changes of –18%, –58% and +38% after 50 years for the three conditions, respectively.
著者
香川 貴志
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.89-104, 1990
被引用文献数
6 1

筆者は, 先に, 東北6県の県庁所在都市を事例として, 都市内部における人口高齢化現象の地域的展開を明らかにした (香川, 1987)。その結果, 人口高齢化が著しい地区は, 都心部, 都心周辺部および市域縁辺部に展開し, 当該地区では人口減少も著しいことが解明された。また, 人口高齢化の進行は非高齢人口の地区外転出によって促進されていることがわかった。しかし, 広域中心都市である仙台市だけは, 市域縁辺部において人口高齢化および人口減少が顕著ではなかった。本稿は, 唯一例外的であった仙台市の事例が他の広域中心都市でも認められるか否かを解明するため, 北陸3県の広域中心都市として機能する金沢市を事例として進めた研究である。研究手法等は東北6県県庁所在都市の事例に準ずるが, 人口増加が著しい地区を析出するなど, 新たな分析を加え, さらに地域モノグラフとしての性格も持たせるように工夫した。研究の結果, 金沢市のケースは仙台市のそれに酷似していることが明らかとなった。すなわち, 人口高齢化および人口減少が著しい地区は, 都心部, 都心周辺部に限られ, 市域縁辺部では, むしろ人口増加が顕著であることが確認できた。
著者
山野 清二郎
出版者
鎌倉女子大学
雑誌
鎌倉女子大学紀要 (ISSN:09199780)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.142-135, 2008-03

河島皇子は大津皇子と莫逆の契りを交わしながら、大津皇子の謀反を密告した人物として『懐風藻』伝記は扱っている。一般に『懐風藻』の伝記は詩作品と関連性を有しているのに、『懐風藻』中に遺る彼の詩「山斎」は、この事件とは関係を持たない春の宴の詩と見られて来た。しかるに、語句の検証により、その詩は事件一、二ヶ月前の作と考えられ、伝の記述とつながってくることが分かる。大津皇子との親交によって、河島皇子はむしろ朝廷側から疑惑を招いた可能性があり、彼は莫逆の契りを守り、大津皇子を弁護することによって、かえって密告者の熔印を押される結果となったのであろうと思われる。
著者
川染 節江 石間 紀男 吉川 誠次
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.41-47, 1971

1) クッキーの味覚は、原料の配合比により影響されると思われるので、その関連を調べるために、単体格子方格に従って、実験回数が25のCubic Modelを採用し、官能テストとTexturometerによる硬さの測定を行なった。<BR>2) テスト方法は、毎回4個ずつ基準品と比較する方法をとり、外観、風味、甘味、硬さ、舌ざわり、総合評価の6項目とし、基準品の評価は、嗜好意欲尺度にもとついた。3) クッキーの嗜好を左右する官能的要因を検討するために、総合評価と各評価項目との関係について、単純相関係数と偏相関係数を求めた。その結果、総合評価に寄与する主な評価項目は、舌ざわり、甘味、風味であることが判明した。<BR>4) 反応曲面の係数を求めることにより、実験格子点以外の配合比による試料について、総合評価を推定することができた。それによれば、小麦粉、砂糖、卵が最小の割合 (35、15、10%) では、コーンスターチが少なくてバターが多いほどよく、もっともよい配合比は、小麦粉35%、コーンスターチ8.3%、砂糖18.3%、バター28.3%、卵10.1%であると解釈できる。硬さの測定値は25-36 (T.U.) が理想的であり、コーンスターチの適量の配合は、Texturometerの測定曲線から、「もろさ」をよくする傾向があることが判明した。<BR>5) クッキーは水分が少ない (2.3~2.5%) ので保存性に富み、デシケーターを利用すれば8週間経過したものでも食味に変化のないことを確認した。
著者
羽生 善治
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, 2012-05-15