著者
湯山 英子
出版者
社会経済史学会
雑誌
社會經濟史學 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.365-385, 2011-11-25

本稿の目的は,1910年代から1940年代初めを対象に,仏領インドシナにおける対日漆輸出の展開を,現地の日本人商店の活動に焦点をあてて検討し,解明することにある。同時に,この時期のアジア域内,台湾,中国での漆貿易の担い手,および流通過程を明らかにする。これまでの研究では,戦間期における対日貿易の担い手の検討がなされていないまま,1940年以降の日本企業進出に関する研究が主流を占めてきたという背景がある。検討の結果,現地日本商は,1910年代から,本格的には1920年代はじめから日本向け漆輸出,あるいは輸出のための調査や営業活動に奔走し,1930年代には漆供給基地として仏領インドシナでの地歩を固めていったと考えられる。また,その背景および要因として,(1)日本での需要の変化による原料獲得の必要性,(2)日本商による仏領インドシナでの流通経路の掌握,(3)日中関係悪化による中国での流通構造の変化,(4)台湾での漆栽培と「国産化」の推進,この4点が確認できた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経Linux (ISSN:13450182)
巻号頁・発行日
vol.10, no.5, pp.70-77, 2008-05

Part2ではEee PC専用のディストリビューションをレビューします。Eee PC専用のディストリビューションには,最近登場したFedoraベースの「EeeDora」や日本語版の「eeeXubuntu」などがあります。Eee PC向けにあらかじめカスタマイズされているのが魅力です。 Part1では,パソコンで広く使われているUbuntuをEee PC向けにカスタマイズする方法を紹介しました。
著者
町田 欣史 清水 誠介 井ノ口 伸人 朱峰 錦司 須田 千賀子 伊藤 司
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.29-34, 2014-10-15

リスクベースドテストは,テスト対象の機能や属性のリスクを数値化し,その値に応じて合理的にテストを削減する技法である.しかし,リスク分析を失敗すると,テストを減らして品質低下を招く可能性もある.そこで我々は,リスクベースドテストにおけるリスク分析が妥当かどうかを重回帰分析などの統計的な手法で評価する方法を考え,実際のプロジェクトに適用して有効性を確認した.本稿ではその取り組みについてまとめる.
出版者
日経BP社
雑誌
日経システム構築 (ISSN:13483196)
巻号頁・発行日
no.122, pp.124-127, 2003-06

マネースクウェア・ジャパンは2003年4月,インターネット外国為替取引システム「iFX Style」を稼働させた。100万円単位で外貨を取り引きする「きわめて高い信頼性と可用性を要求される」(マネースクウェア・ジャパン 代表取締役社長 山本久敏氏)システムでありながら,DBMSのPostgreSQL,Webアプリケーション・サーバー(APサーバー)のTomcatおよびSeasarという無償ソフトウエア…
著者
安東 一真
出版者
日経BP社
雑誌
日経インタ-ネットテクノロジ- (ISSN:13431676)
巻号頁・発行日
no.51, pp.46-55, 2001-10
被引用文献数
1

Webサイトでのアクセス履歴などから,ユーザーの好みや興味を把握し,その人に合わせたコンテンツや商品を自動的に薦める「リコメンデーション・システム」——。今年に入って製品数が倍増し,推薦コンテンツを選ぶ仕組みや,価格帯の選択の幅が広がった。数百万円台の低価格製品もいくつか登場し,中小規模のサイトでも導入しやすくなった。
著者
鎮西 清高
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
no.31, pp.27-34, 1982-06-21
被引用文献数
4

Some paleoecologic aspects of oysters are discussed, giving special emphasis on the adaptive strategy of Crassostrea to the soft muddy bottom. Crassostrea is most abundant in the muddy intertidal facies despite their sessile and suspension feeding habit. Muddy bottom environment seems unfavorable for oysters because it offers very few basis of attachment, and gives continuous danger of suffocation by rapidly accumulating mud. Crassostrea surmounts these difficulties in living on mud, and becomes dominant in this environment. The basic strategy of Crassostrea for the survival in the muddy bottom is considered to be their gregarious tendency to constitute the densely aggregated colony. The colony supports the individual shell to stand above the surface of mud, and gives the firm basis for the attachment of later generations. The later generations grow on the colony, thus manage to keep living animals atop the rising mud level. Formation of the biohermal reef is the consequence of this characteristic behavior of Crassostrea. Nongenetic variations in shell morphology are conspicuous among Crassostrea individuals. The shell outline of fossil and living Crassostrea gigas is not controlled by the population density, but is probably related to the position of the shell : individuals in the upright position tend to be elongated irrespective of their density, and those lying on the bottom are usually more rounded. The population density apparently affects the individual shell size. Where the density is low, shells are very large, while they are small in densely populated reefs. The relationship may be explained by the competitive effect in the allocation of limited food supply.
著者
荒西 太士 沖本 宜音 飯塚 祐輔 工藤 康介 平野 琢也 大久保 誠
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.21-27, 2006-03-23

カキ類(二枚貝綱翼形亜綱ウグイスガイ目イタボガキ科)は、極圏を除く世界中に分布する重要な二枚貝食糧資源である。100種以上と言われているカキ類の現生種のなかでも、Crassosrea属は、食用を目的とした養殖生産量が世界で最も多い水棲動物である。現在、食用目的で漁獲や養殖生産されているCrassosrea属9種のうち、7種は東アジアが原産であるのに対し、欧州と北米には各1種しか分布せず、Crassosrea属のユニークな地理的拡散と種分化の関係については不明な点が多い。本研究では、ミトコンドリアDNAのチトクロームc酸化還元酵素サブユニットI遺伝子を対象として、これらCrassosrea属9種の種分化を分子進化学的に検討した。当該遺伝子の塩基配列を多重整列して得られた遺伝距離および最小進化法(Minimum Evoluion Mehod)による分子系統樹の解析から、北米に分布しているC.virginicaと東アジアに分布しているCrassosrea属7種の異所的種分化が明らかとなった。さらに、中国最南部の雷州半島付近におけるC.hongkongensisとC.belcheriの側所的種分化も示唆された。本結果から、Crassisrea属の進化は、化石祖先種からは多地域起源説に従うが、東アジアにおける現生種の種分化は単一起源説に従うことが推察された。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.396, pp.12-14, 2006-03-24

公正取引委員会は2006年2月21日,沖縄県の建設会社155社に,独占禁止法違反の疑いで排除措置と課徴金納付の二つの命令案を送付した。両命令案に対する意見申し出の期日は3月20日だった。早ければ3月下旬にも改正独禁法に基づく初めての排除措置命令が出る。 「独占禁止法を順守するよう会員企業に何度となく訴えてきたが,その趣旨を徹底できなかった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.573, pp.51-53, 2013-08-12

佐々木教授の手紙が届いて間もなく、市は具体的な再生プロジェクトを始動。移設先の検討とともに、同教授を含めて土木技術史や歴史的橋梁の補修に詳しい4人の学識経験者を招いて検討会を立ち上げた。土木遺産としての価値や再利用の方法について議論を重ね…
著者
鈴木 三也 細谷 久信
出版者
新潟県内水面水産試験場
雑誌
新潟県内水面水産試験場調査研究報告 (ISSN:03861643)
巻号頁・発行日
no.5, pp.101-102, 1977

ニシキゴイの肝臓,腎臓及び脾臓の組織標本においてヘマトキシリン-エオジン染色で黄褐色に見える粗大顆粒は消耗性色素の名で総称され,ニシキゴイにおいても消耗性色素の沈着が認められる場合,病理学的にはその沈着部位を中心に臓器の機能障害が起っていることは明らかである。筆者らはニシキゴイにおける消耗性色素が臓器を押しつぶしただけの無固定無染色の標本で確認されることに着目し,麻酔後のニシキゴイの右側胸鰭後方にシルバーマン針を挿入して約1mm3の肝膵臓組織を取り出し,スライドグラス上で押しつぶして検鏡し肝膵臓における消耗性色素沈着の有無及びその程度から魚の健康状態について考察し,内臓病変診断の一助とした。
著者
岩崎 由紀夫 山田 芳明
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. V, 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.135-148, 2000-08
被引用文献数
1

近年, 図画工作科・美術科においてコンピュータを活用した教材の開発が盛んに行われている。コンピュータを用いた教材の実施の分析や傾向についての考察も試みてきたが, 子どもたちの造形表現の発達過程を無視したり, スキルを超えたりしたような教材も多々見受けられる。そこで本稿では, 子どもたちの造形表現の発達を踏まえた図画工作科におけるコンピュータ教材の開発やコンピュータの活用法を探ることにより, 造形表現の発達とコンピュータの有効的な活用法を追究してみることにする。かつて, シルバーマンは『教室の危機』で, オープン・スクールの教育形式は「教師が, 時間の枠組みにではなく, 空間に構成され高度に組織化された環境をつくりだすことから生じてくる。そして教師は, その環境が子どもの興味, 活動, 必要に応じて変わるように処置していくのである。」と述べた。これからの学校のあるべき姿として, 個別化・個性化教育を推進する一方策として, 子どもの造形表現の発達と一人一人の興味・関心に対応するコンピュータ教材の活用の関係を明らかにしたい。We would like to the way of making use of it which is the effective target of the development of the molding expression and the use forthe computer subject in the arts and crafts course and a computer based on the development of the children's molding expression.
著者
伊藤 稔明
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-6, 2006-07-31
被引用文献数
1

「小学校ノ学科及其程度」の理科項目には,従前の博物・物理・化学・生理の内容に加えて地文学の内容が多く挿入されている。この理科項目の内容には,「小学校ノ学科及其程度」の起草にあたった小学校条例取調委員のメンバーの一人である西村貞の理学教育思想が大きな影響を与えている。西村は「初等科学教育に地文学は最も有用」との意見をもっており,その意見を直接の契機として「小学校ノ学科及其程度」理科項目に地文学の内容が挿入されたと考えられる。