著者
三浦 総一郎
出版者
国際医療福祉大学学会
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-2, 2018-03-31
著者
野島 利彰
出版者
駒澤大学
雑誌
論集 (ISSN:03899837)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.41-64, 1995-08
著者
長谷川 啓一 上野 裕介 大城 温 井上 隆司 瀧本 真理 光谷 友樹 遊川 知久
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.311-321, 2017 (Released:2018-05-01)
参考文献数
32

キンラン属は、我が国の里山地域を代表する植物種群であり、菌根菌との共生関係を持つ部分的菌従属栄養植物である。全国的に、里山林の荒廃や樹林の減少に伴って生育地が減少しつつある。本研究では、キンラン、ギンラン、ササバギンランの3種を対象に、(1)樹林管理の有無とキンラン属の分布にどのような関係があるか、(2)キンラン属が生育するためにどのような環境整備が必要か、(3)ハモグリバエ類の食害はどの程度生じているのか、を明らかにし、今後、キンラン属の保全のためにどのような方策が必要かを検討した。調査は、茨城県つくば市の20.5 haの樹林において、キンラン属3種の分布と、樹林の管理状態、生育地点の林内環境(植生被度、開空率、近接する樹木の樹種と胸高直径、リター層の厚さ、土壌硬度、土壌水分)を調査した。また、ハモグリバエ類による3種の食害状況を調べ、結実率を求めた。その結果、下草刈りなどの樹林管理を行っている管理エリア(14.0 ha)では3種すべてが生育し、合計47地点で計881株が確認されたのに対し、非管理エリア(6.5 ha)では、キンランのみが生育し、その数も1地点で計3株であった。また、3種の生育株数は、微環境の違い(開空率、草本被度、土壌硬度)や、近接する外生菌根性の樹種によって異なることがわかった。他方、3種ともに、袋がけを行わなかった大半の株でハモグリバエ類による被害を受けており、食害を受けていない健全株は、キンラン1%、ギンラン12%、ササバギンラン0%であった。これらの結果から、キンラン属の保全のためには、生育環境を維持するための樹林管理に加え、ハモグリバエ類による食害対策が重要と考えられた。
著者
伊予田 邦昭 満田 直美 小川 和則 岡崎 富男
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.401-406, 2004-09-01 (Released:2011-12-12)
参考文献数
19
被引用文献数
1

症例は6歳8カ月の男児.インフルエンザワクチン接種後16日目頃から, 一過性発熱, 頭痛などに引き続き, 歩行失調, 四肢筋力低下を来し入院した.髄液検査では髄膜炎および脱髄抗体を認め, fluid attenuated inversion recovery法によるMRIで脳白質に散在性高信号域を確認した.急性散在性脳脊髄炎と診断, ステロイドパルス療法により, 比較的すみやかに後遺症なく神経症状は軽快し, 単相性で予後は良好と考えられた.
著者
明仁親王 目黒 勝介
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.p192-202, 1979-09
被引用文献数
1
著者
山口 二郎
出版者
北海道大学大学院法学研究科
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.191-208, 2004-05-06
著者
中沢 弘
出版者
公益社団法人日本航海学会
雑誌
日本航海学会誌 (ISSN:04666607)
巻号頁・発行日
no.8, pp.21-28, 1953-05-25

大洋航行中、星の観測による船位測定の重要なことは、論をまたないが、早朝のように早くから星が見え、関係位置の知れる時は別として、夕刻水平線のまだ判明するうちに3或は4の星を観測する場合、又、早朝や月明のもれる時雲間に散在する星を観測する場合、現在使用されている索星表のような複雑な計算を計算尺により、より簡単に、より早く推定位置と時刻から、恒星の高度、方位を予め求めて置き、船位測定を迅速に行いたいと思うものであります。利点としては次のようなことが挙げられます。1.推定位置と時刻(S.A.T.或はS.M.T.いづれでもよい)により予め、星名と高度、方位が知れます。従つて日没後20分位に於て計算して置けば、六分儀で星を水平線までをろしてくる、わずらはしさがなく、3或は4個の星の同時観測が出来ます。2.精度は略1°以内で計算出来るから、他の星と間違うことがありません。3.我々技術者として当然持つているだろうところの逸見式計算尺と恒星図(天測歴、天測略歴巻未)だけでよい。尚惑星については、惑星図を参考にして慨知します。4.ナ式図表によれば計算が更に簡単であるから正確な星座早見として使用出来ます。
著者
山本 靖久
出版者
了徳寺大学
雑誌
了徳寺大学研究紀要 (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.87-109, 2007-03-31

The purpose of this paper is to discuss the flatness (two-dimensionality) of painting or the creation of such a pictorial dimension by the Japanese painters. The paper examines the material used for painting its physical surface in order to form a certain pictorial world that is in accordance with the Japanese aesthetic sensibility. It also attempts to investigate the process by which such a painting could create and project such sensations of material used on its surface. The paintings after Impressionism eliminated the traditional concept of linear perspective. This new concept of pictorial dimension, or flatness in painting, derived from historical interactions between movements in arts, science, physics, psychology, and philosophy. I think it would be significant to examine the new expressive style displayed in the paintings of the contemporary Japanese artists by looking at Japonism in particular: the artistic movement which played the role of a forerunner in establishing this new concept of artistic dimension. At the same time, I would like to introduce the technique used for casein painting (one of the techniques used for tempera painting by emulsifying casein) which I regard as the best medium for both achieving and expressing flatness. This principal technique connects the Eastern and the Western approach to flatness. Furthermore, its original creation of color effects delivers the aesthetics common to Japanese paintings. The paper consists of the following five sections to examine the theme mentioned above.1) Introduction 2) The flatness of painting and the formation of pictorial dimension. 3) The concept of pictorial dimension by the Japanese artists. 4) The technique used for casein and tempera painting. Conclusion
著者
吉田 健二 齋藤 彰一 毛利 公一 松尾 啓志
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.11-24, 2014-05-15

オペレーティングシステム(OS)には高い耐障害性が求められる.しかし,耐障害性を向上させる既存手法は,専用ハードウェアや大きな実行時オーバヘッドが随伴するという問題がある.我々はOSを計算機上に複数動作させてアクティブ/バックアップ構成を組み,プロセスとファイルキャッシュを保護する耐障害性向上手法を提案する.本提案手法では,保護するデータは障害発生後に取得することで事前の実行状態保存による実行時オーバヘッドをゼロに抑えることができる.また,提案手法を実現するために必要となるリソースはCPU 1コアと少量のメモリ領域のみである.本提案手法を実装した結果,リカバリの時間は最短で0.4秒,2GB程度のデータの復元が必要となった場合でも10秒程度であることを確認した.また,テキストエディタ,NFSサーバ,データベースサーバ,HTTPサーバで障害を発生させた場合の停止時間は最長1.5秒であった.

2 0 0 0 OA エベロリムス

著者
増田 慎三
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.80-85, 2015 (Released:2015-09-02)
参考文献数
23

PI3K/AKT系のgrowth factorシグナルの中心位置に存在するmTORは,乳癌増殖において重要な役割を担っている。その作用を阻害するエベロリムスの登場により,特に進行再発ホルモン陽性乳癌の治療体系のダイナミックな変化が生じている。比較的緩やかな増悪傾向を有するホルモン陽性乳癌の治療経過において,ホルモン感受性と耐性,その機序を考察しながら,エベロリムス+エキセメスタン併用療法(BOLERO-2試験)によるホルモン療法耐性解除のベストタイミングを探る必要がある。本剤はHER2陽性乳癌領域においても,トラスツズマブ+抗ガン剤に併用する効果の検証が大規模試験で継続中である(BOLERO-1,BOLERO-3試験)。薬剤コスト,口内炎や間質性肺炎などの副作用と,有効性とのバランスを上手に担保できるようなバイオマーカー,コンパニオン診断薬などの開発が今後期待される。
著者
新井 智一
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.114, no.5, pp.767-790, 2005-12-25
参考文献数
47
被引用文献数
2 1

This study examines the interaction between the politics in Fussa City and the Yokota Air Force Base, that is "the politics of place, " from a range of political, economic, and cultural processes which maintain the existence of the base.<BR>Military bases are generally established for global geopolitical purposes. However, the establishment of a military base has cultural implications for the local communities where the base is located, i.e., increased concerns about crimes committed by seavicepersons and noise by aircrafts. Although these military bases have some serious impacts, especially in Japan, geographers have not yet examined the issues regarding a particular military base and the resultant politics in the city.<BR>On the contrary, since the 1980s, Anglo-American political geographers have paid more attention to "the politics of place" This refers to the local politics that occur due to the interaction between a structural constraint and the individuality of a particular place.<BR>Therefore, this study examines "the politics of place" on the Yokota Air Base in Fussa City, Tokyo, by using resources from the local newspapers, novels, magazine articles, and council proceedings.<BR>The results are as follows : (1) Owing to the independence between the U.S. Air Force and local political and economic actors, an urban structure and local economy that depended on the Yokota Air Force Base were constructed in Fussa Town after the establishment of the base in 1945; (2) because of this structure, the local economy became to depend on Air Force personnel as consumers; (3) however, due to a shift to the floating exchanging rate and a reduction in the population of the base in the first half of the 1970s, there was a decrease in the influence that Air Force personnel had on the local economy; (4) since the 1980s, an economic agent utilized the "atmosphere" and "image" adjacent to the base to revitalize the local economy; (5) furthermore, the mass media represented Fussa City as a "base town" and conducted a review of the city in the 1960s, thus contributing to its revitalization; (6) during the economic slump in the 1970s, some local political agents were against the existence of the base. However, successive mayors of Fussa City have accepted the existence of the base, and utilized the subsidies it receives from the national government in order to construct the urban infrastructure.
著者
石川 玲 工藤 正美 宇野 光人 三上 雅史 高橋 真由美 山口 美穂子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.B0451-B0451, 2004

【目的】筋強直性ジストロフィー(myotonic dystrophy,MyD)は,筋ジストロフィーの中でデュシェンヌ型(Duchenne muscular dystrophy,DMD)に次いで有病率が高い。しかし,Myd患者の機能的能力に関する研究報告は極めて少ない。そこで我々は,将来,MyD患者の障害像に適合した障害段階分類とADL検査表を作成するために,今回予備調査として,小人数のMyD患者を対象に,69項目の動作能力を調べ,能力低下の特徴について分析することを目的とした。<BR>【方法】対象は国立療養所青森病院入院中の成人発症型MyD患者14名(男9名,女5名,年齢36~68歳)。院内での生活動作を,起居移動,入浴,清潔,トイレ,更衣,食事,手指関連動作の7つにカテゴライズし,総計69項目の動作を選定した。そして,それぞれの項目について遂行状況を観察し,遂行能力を「自力可能」または「自力不可能」の二つの基準で判定した。これらの判定結果をもとに,起居移動動作の難易度を順位付けした。さらに,起居移動動作を除く6カテゴリーについて,歩行可能かどうかによって動作遂行能力に相違がみられるかどうかを調べるためにフィッシャーの直接確率を求めた(有意水準5%)。<BR>【結果】起居移動では,車椅子移動と寝返りは全員可能であり,以下,床上座位保持,ずり這い,四つ這い,起き上がり,移乗,つかまり歩行,椅子に座る,立っている,独歩,階段昇降,床に座る,椅子から立つ,床からの立ち上がり,片脚起立,しゃがむ,の順に自力遂行可能な者が減少した。独歩が可能な5名と不可能な9名の間では,起居移動,入浴,清潔,手指の強い把持を必用とする動作能力に有意差(p<0.01)がみられ,トイレ,更衣,食事,手指の巧緻動作では有意差がみられなかった。カテゴリー別にみると,起居移動では立位と関連する動作に加えて,起き上がりでも有意差(p<0.05)がみられた。入浴では浴槽の出入り,体を拭く,背中を洗う,洗髪で,清潔動作では手指と足指の爪切りで,手指の強い把持ではペットボトルの蓋開け,缶切り,ナイフでの皮むき,栓抜き,缶のプルトップ開けで有意差(p<0.001~0.05)がみられた。<BR>【考察】起居移動動作の難易順からみて,MyDでは立位動作における能力低下の進み方がDMDと異なる様相を呈することが推察される。また,歩行能力によって生活動作の遂行能力に違いがみられたことから,歩行能力はMyDの筋力低下や能力障害を反映する重要な指標であると言える。他の生活動作では,上肢挙上を伴う動作や手指での強い把持を必用とする動作が他の動作に比べて早くから障害されるという特徴がみられた。これらは,MyDでは三角筋と手外来筋の筋力低下が早期から生じることおよび手のミオトニアと関係していると考えられる。<BR>【まとめ】MyDでは起居移動動作能力の障害進展過程がDMDと異なる可能性が示唆された。また,上肢筋力と強い把持を必用とする動作能力が,他のADLに先んじて低下するという特徴がみられた。今後はさらに例数を増やして検討を続ける予定である。
著者
宇田 暢秀 久能 和夫 小野 幸生 青木 隆平
出版者
九州大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

炭素繊維強化樹脂(CFRP)を用いた水素貯蔵用高圧タンクの研究が国内外で進められているが、CFRP積層板の層間強度が低いために、き裂が発生すると水素漏れを引き起こすことが懸念されている。そこで、CFRP積層板の層間にカーボンナノチューブ(CNT)のような優れた力学的特性を有するナノ材料を分散させたナノ複合材料が開発できれば、これまでにない高破壊靭性複合材料となる可能性があり、水素貯蔵タンクの外板へ適用できる。しかしながら、CNTは樹脂との接着の弱さや樹脂中に均質に分散されないという問題がある。分散の問題については、製造時にCNTがお互いに絡まりあい、樹脂中で凝集したままの状態で存在してしまうことが原因の1つに上げられる。本研究では、分散性を向上させるために超音波を用いて多層カーボンナノチューブ(MWCNT)を切断し、複合材料を製作した。引張試験、摩耗試験を行い、製作した複合材料の力学的特性を評価した。超音波処理したMWCNTのSEM画像から、超音波処理を行うことでMWCNTが切断され、大きな凝集がなくなったことが確認できた。試験片として、(1)エポキシ樹脂試験片、(2)超音波処理をしていないMWCNTをエポキシ樹脂に混ぜた試験片(MWCNT/epoxy)、(3)超音波処理したMWCNTをエポキシ樹脂に混ぜた試験片(超音波MWCNT/epoxy)の3種類を製作した。MWCNTの含有量は1重量パーセントとした。引張試験の結果から、MWCNT/epoxyおよび超音波MWCNT/epoxyのヤング率は、エポキシ樹脂単体よりもそれぞれ10%と2%向上した。一方、MWCNT/epoxyの引張強度はエポキシ樹脂よりも12%低下し、超音波MWCNT/epoxyでは3%増加した。ヤング率の向上はMWCNTを含有させた効果と考えることができる。超音波MWCNT/epoxyのヤング率がMWCNT/epoxyよりもかなり低くなっている原因としては、CNTの分散が促進されたことと、ボイド率が増加したことの2点が上げられる。また、MWCNT/epoxyではCNTが凝集したままになっており、引張強度は大きく低下している。超音波処理したMWCNTをエポキシ樹脂に混ぜると樹脂の粘性が上がり、ボイドの除去が大変難しくなるという問題が発生した。摩耗試験では、超音波MWCNT/epoxyの比摩耗量がエポキシ樹脂に比較して11%低下しており、CNTの含有と分散性の向上による効果と考えられる。