著者
緒方 雄一朗 薮田 ひかる 中嶋 悟 奥平 恭子 森脇 太郎 池本 夕佳 長谷川 直 田端 誠 横堀 伸一 今井 栄一 橋本 博文 三田 肇 小林 憲正 矢野 創 山下 雅道 山岸 明彦 たんぽぽ ワーキンググループ
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.175-175, 2011

始原小天体有機物は、太陽系および生命原材料物質の起源と進化を理解するための重要な情報を記録している。「たんぽぽ計画」では、大気圏突入時の熱変成や地上での汚染を受けていない宇宙塵を、国際宇宙ステーション上に超低密度シリカエアロゲルを設置して回収を試みる予定である。しかし、この方法では、宇宙塵のエアロゲルへの衝突により変成する可能性を考慮する必要がある。そこで本研究では、宇宙科学研究所・スペースプラズマ実験施設の二段式高速ガス銃を用いて、隕石微粒子の高速衝突模擬実験を行い、マーチソン隕石微粒子をシリカエアロゲルに撃ち込んだものを取り出し、2枚のアルミ板にはさみハンドプレスして圧着された隕石微粒子を、片方のアルミ板に載せた状態で、赤外顕微分光装置と顕微ラマン分光装置で測定を行った。また、SPring-8, BL43IRの高輝度赤外顕微分光装置IFS120HRでイメージング測定を行い、衝突前後の隕石有機物の分子構造の変化を見出すことを目的とした。
著者
髙田 大輔 松田 ひとみ
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.5-10, 2013
被引用文献数
4

<b>要 旨</b><br><b>目的</b> : 楽しい会話と音読による情動反応に着目し, 自律神経系に与える影響を比較検討し, 高齢者に対する会話交流の価値とケアとしての有用性を見出すことを目的とした. <br><b>方法</b> : 65歳以上の高齢者12人を対象とし, (1) 楽しい会話, (2) 音読, (3) 黙読の3つの課題を用いた. 各課題の単独の作用を導き出すために, 1日1課題を実施した. 1つの課題の所要時間として, 実施前の安静を10分, 課題5分, 実施後の安静5分の計20分間とした. 心拍変動パワースペクトル解析を用いて自律神経系の変化を調べた. <br><b>結果</b> : 5分間の「楽しい会話」は, 自律神経系への強い刺激となり, 実施中には交感神経の活動が増加し, 実施後に減少するという先行研究の「笑い」と同様の変化がみられた. この過程において, 実施後には相反して副交感神経の活動が有意に増加し, 「音読」とは異なる影響がみられた. この副交感神経の変化は対象者の心の充足感やリラクゼーションの効果の影響であることが考えられた. <br><b>結論</b> : 「楽しい会話」の導入は「音読」と比較し, 短時間の介入でも自律神経系の働きを活性化し, 終了後に心の充足感やリラックス感が得られるとともに副交感神経の活動が増加する効果が明らかとなった. この短時間の介入によりもたらされる情動の変化は, 臨床の現場でも用いることができると考えられ, 「楽しい会話」はケアとして導入可能であることが示唆された.
著者
かわい ひろゆき 荒木 優子 瀬能 徹 Hiroyuki KAWAI Yuko ARAKI Toru SENOU
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2010
巻号頁・発行日
2010-11-24

本研究は、本学がこれまで取り組んできたさまざまな社会連携事案を踏まえ、アートとデザインの分野において社会貢献できる、新しい社会連携の形を模索することが目的である。そのために、まず、本学が持つクリエーティブ力を積極的に情報発信するためのツールの制作とその活用法を考案した。具体的なツールとしてポストカードが検討され、学内の教員や学生たちの作品50点を公募により集め、ポストカード・ブックにまとめることとした。また、それを地域のショップなどに無料配布した。配布場所の選定は作品採用者の裁量に任せることとし、採用の条件として、一人3カ所に配布することを義務づけた。さらに、配布期間を春休みとすることで、帰省先も含めたできるだけ広範囲への流布を狙った。結果的には応募者総数68名、作品点数143点のなかから52名の52作品が選ばれポストカード・ブックとなった。本研究は、学内教員と学生からの52作品によるポストカード・ブックの制作とその配布という、非常に実験的で具体的な試みであったが、初回としてはまずまずの成果をあげることができたと考えられる。In the present study, groping for the shape of new socialcooperation is a purpose that the contribution to society canbe done in the field of the art and the design based on casefor various societies on which this learning has worked upto now.Creative power of this learning was first designed andproduction and the use method of the tool to sendinformation positively were designed for that.The postcard was examined as a concrete tool, and it wasassumed that the work 50 points (the teacher and studentsin school) were collected by the public advertisement, and itsummarized it in the postcard book.52 works of 52 people were consequentially chosen from theaverage of 68 people of the total of the applicant and 143points of the number of works and it became a postcardbook.It is thought that a so-so result was able to be achievedfirst time though the present study was a veryexperimental, concrete attempt (the production of thepostcard book by 52 works from the school teacher andthe student and the distributions).
著者
古川 聡子 河口 勝憲 前田 ひとみ 加瀬野 節子 小野 公美 上杉 里枝 通山 薫
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.332-336, 2016-05-25 (Released:2016-07-10)
参考文献数
6

急性冠症候群の診断に有用な検査項目として,ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)とトロポニンTがある。今回,H-FABP定性迅速検出キット「ラピチェック® H-FABP:ラピチェック」(DSファーマバイオメディカル)とH-FABP定量迅速検出キット「ラピッドチップ® H-FABP:ラピッドチップ」(積水メディカル)およびトロポニンT定性迅速検出キット「トロップTセンシティブ®:トロップT」(ロシュ・ダイアグノスティックス)の比較検討を行い,それぞれの検査キットの特徴を評価した。3キットともに陽性を示した疾患は急性心筋梗塞,狭心症,心不全,大動脈乖離,たこつぼ型心筋症などであった。H-FABPとトロポニンTの判定が異なった症例はすべてH-FABP:陽性,トロポニンT:陰性であった。H-FABPのみが陽性を示した中には,急性心筋梗塞の超急性期の症例,腎機能低下によりH-FABP濃度が上昇している可能性がある症例,骨格筋由来のH-FABPが血中に逸脱した症例などが確認された。さらに,H-FABPのみが陽性の中には心電図や心エコー上で治療介入を要する明らかな所見が確認されなかった症例(意識消失やヘルニア)も含まれていた。また,H-FABPのうちラピチェックのみが陽性であった2例は,めまい,不安障害の症例であり,ラピッドチップの定量値はそれぞれ5.5 ng/mL,5.0 ng/mLと陰性であった。これらの症例における,H-FABP上昇の可能性は低く,ラピチェックの偽陽性であることが示唆された。それぞれの心筋マーカー迅速キットが持つ特徴を理解し,使用することが必要である。
著者
前田 ひとみ 岡本 淳子 寺本 淳子 山下 清香 山本 悌子 成田 栄子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.2_14-2_20, 1989

より行動化され易く、また、母親の意識を高めることの出来る保健指導を検討する為に、育児指導の内容や方法が異なる竜北町と熊本市の1才6ケ月児検診における母親の育児行動ならびに児の日常生活習慣の自立等の実態とそれまでに受けた指導とを比較した。 その結果、児の発達を追いながら個別性を考慮し、期間を区切って身近な目標を持たせるような指導は効果のあることが示唆された。そして、集団指導は効果的な指導の場となっており、加えて実習することによって母親自身に方法や知識が確実に習得されると思われる結果が得られたことから、項目によっては単に口述だけでなく、実習をまじえた指導がより効果的であると考えられた。一方、正常な発達過程や家族の生活形態や家族形態の影響を受け易い日常生活習慣については、指導の効果が現れにくいことが示唆された。
著者
島田 ひろき
出版者
金沢医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

13年度の研究成果より,マウスにおいてパラコート(PQ)解毒系として,肝臓の薬物代謝系酵素(NADPH-cytochrome P450 reductaseおよびCYP3A,2B)が働いていることがin vivo実験で明らかとなった。そこで,本年度はPQ代謝経路がどの様に関わっているかを更に詳細に明らかにするため,マウス肝ホモジネートよりポストミトコンドリア画分,ミクロソーム画分およびサイトゾルを調製し,in vitroでのPQ代謝活性を測定した。マウス肝ホモジネートをPQとNADPHとともに反応させると,PQが減少し,代謝中間体であるparaquat-monopyridone(PM)が生成した。CYP3A阻害剤であるtroleandomycinはPQの減少を抑制し,PMを増加させた。また,PMはミクロソーム画分ではなくサイトゾルで生成していた。フェニトインによってマウス肝のCYP3Aおよび2Bを誘導すると,ポストミトコンドリア画分でのPM生成が減少したが,サイトゾルでは変化が見られなかった。これらの結果より,PQはサイトゾルでPMとなった後,小胞体薬物代謝酵素系によって水酸化解毒されることが明らかとなった。これまでに我々はPQ毒性発現がミトコンドリアにおけるフリーラジカル生成によるものであること,細胞膜透過性フリーラジカルスカベンジャーが毒性を抑制することを明らかにしている。そこで次に,リファンピシンやフェニトイン処理によってCYPを誘導したマウスにPQを投与し,引き続きフリーラジカルスカベンジャーであるα-トコフェロール(α-T)を繰り返し静注投与した。その結果,PQ単独投与では生存率が40%だったのに対し,CYP誘導とα-T投与によって100%にまで回復した。以上のことから,PQ中毒においてCYP誘導とα-T投与が有効な治療となりうることが強く示唆された。
著者
才藤 栄一 木村 彰男 矢守 茂 森 ひろみ 出江 紳一 千野 直一
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.121-124, 1986-05-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
15
被引用文献数
8 8

嚥下障害の治療指向的評価法としてvideofluorography検査を26例の機能的嚥下障害が疑われた患者に施行し,嚥下障害のリハビリアプローチ上,重要な-むせの意義,体位の影響,食物形態の影響-について検討した.誤嚥とむせは,約3分の1の症例で相関せず,むせのないことが安全な嚥下とはいえなかった.体位では従来,体幹垂直位が推奨されてきたが,体幹後屈位の方が誤嚥の程度が軽く,より嚥下しやすい体位であった.食物形態については,固形物は口腔期障害を増悪し,咽頭期障害(誤嚥)を軽減した.
著者
名倉 秀子 大越 ひろ 茂木 美智子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.753-762, 2007 (Released:2010-07-29)
参考文献数
23

A questionnaire survey was carried out in 1998 to determine the regional characteristics of the main dishes and side dishes eaten on new year's day. The respondents were either university or junior college students from twelve hometown regions, and data were taken from 1,801 valid responses. The average number of meals eaten during the day was 2.92, those eaten out being 0.34. The number of meals eaten out in the Kanto-I area was the highest, while in the Hokkaido and Kyushu areas, was the lowest. The number of main dishes and side dishes was 2.56 dishes a meal per person including 1.97 animal foods. According to the special coefficient analysis, area was the highest for fish and shellfish, and that in the Hokkaido area was the highest for meat. It was proved that there is the regional characteristics of feast day dishes for new year's day.
著者
栗﨑 宏 藤井 義久 簗瀬 佳之 西川 智子 中野 ひとみ 瀬川 真未 清水 秀丸
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.256-263, 2015

寺社,木橋,古民家といった日本の伝統的木構造物では,擬宝珠,端隠し,根巻き,釘隠しなどと呼ばれる銅製金物が,防水の目的で施工されてきた。これら銅金物を施工した建築物では,金物の下方の木材部材の生物劣化が強く抑制されているものがある。これは,金物から溶出した銅が部材に移行し,木材保護効果を発揮したのではないかと考えられる。銅の溶出を検証するために,三条大橋高欄の銅擬宝珠付き木柱や釘隠し付き横木の表面と,橋のたもとに設置された防腐処理支柱の表面を,ハンドヘルド型蛍光X 線分析装置を用いて分析した。得られた蛍光X 線強度値から,FP 法に基づいて各元素の含有率を算出した。その結果,擬宝珠付き支柱表面では14の全測定点から銅が検出され,うち12点では防腐処理支柱表面で検出された銅含有率0.4%を上回った。今回の調査により,銅金物からは銅が溶出して周囲木材へ移行すること,また,その銅の量は木材の生物劣化抑制に十分寄与しうるレベルであることが確かめられた。