著者
今井 則博 池田 健次 瀬古 裕也 平川 美晴 川村 祐介 保坂 哲也 小林 正宏 斎藤 聡 瀬崎 ひとみ 芥田 憲夫 鈴木 文孝 鈴木 義之 荒瀬 康司 熊田 博光
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.758-760, 2010 (Released:2010-12-29)
参考文献数
5
被引用文献数
3 2

Miriplatin is a novel lipophilic platinum complex developed to treat hepatocellular carcinoma (HCC). Although HCC patients frequently have coexisting severe liver cirrhosis, there is no prospective data regarding clinical toxicity of miriplatin in HCC patients with severe cirrhosis. We retrospectively evaluated the safety and efficacy of transcatheter arterial chemotherapy with miriplatin in 34 HCC patients with severe liver cirrhosis (Child-Pugh grade B). An anti-tumor effect of complete response was achieved in 8 of 34 patients and no serious adverse events were observed. These results suggested that transcatheter arterial chemotherapy with miriplatin can be used safety for HCC patients with Child-Pugh B liver cirrhosis.
著者
芝 直哉 橋本 大祐 中谷 祥子 岡村 ひろ子 木下 肇 大塩 稔 青山 早苗 柳澤 昭夫
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.570-575, 2016-09-25 (Released:2016-11-10)
参考文献数
11

我が国の悪性新生物による死亡は増加傾向にあり,中でも大腸がんは2015年部位別罹患数予測の第1位である。そこで現状把握のため2014年4月から2015年9月の間に当センターで下部消化管内視鏡的に採取した248例・645病変の結果をレトロスペクティブに分析した。今回は特に部位別の検討を行ったが,良性悪性ともに分散しており偏在を認めなかった。年代別では,60代・4.1%,70代・5.8%,80代・19.3%と年代が上がるにつれて悪性率が上昇した。また,大きさ別にみると,5 mm未満では悪性病変を認めず,5 mm以上10 mm未満では1.8%,10 mm以上20 mm未満では13.9%,20 mm以上では62.5%と,大きくなるにつれて明らかに悪性率が上昇していた。型別にみると,病変数はIs型が圧倒的に多いが,悪性率は1.4%と高くなかった。1型以上の場合は78.6%と悪性率が高く,特に上行結腸での率は高く注意を要すると考えられた。鋸歯状病変については,過形成性ポリープ(HP),高基性鋸歯状腺腫/ポリープ(SSA/P),古典的鋸歯状腺腫(TSA)の3者に大別し検討した。大きさや型については有意差を認めなかったが,部位についてSSA/Pは右側結腸にしか存在せず,明らかな局在を認めた。同時性大腸がん合併の有無についても検討したが,TSAおよびSSA/PのみならずHPにも合併を認めた。
著者
加藤 みゆき 田村 朝子 斎藤 ひろみ 大森 正司 難波 敦子 宮川 金二郎
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.525-530, 1995-06-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
12
被引用文献数
2

後発酵茶の一つである石鎚黒茶について, その製造工程中の成分変化について検討した.ポリフェノール含量は, 他の後発酵茶と同様に製造過程で減少していた.カテキン含量については, 製造工程中で減少し, 特にエステル型カテキンの減少が大きかった.有機酸含量としては, 桶づけ後の茶葉に乳酸が顕著に生成した.
著者
村岡 ひとみ 佐藤 陽治
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.207-216, 2014-07-20 (Released:2014-10-21)
参考文献数
2

平成25年、わが国の再生医療・細胞治療の実用化を目的とした3つの重要な法律が成立した。これらの法律では、再生医療・細胞治療の臨床試験や関連する産業に対する規制について、新たな整備が行われている。特に重要な変更点としては、薬事法改正により「再生医療等製品」が「医薬品」や「医療機器」から独立した新しいカテゴリーとして分類され、一部の再生医療等製品については条件及び期限つき承認制度が導入されたことと、再生医療等安全性確保法により、医師が患者から採取した細胞を医療のために加工する作業を外部事業者に委託することが認められたことが挙げられる。本稿では、これらの新たな再生医療等に関する規制について概説するとともに、再生医療の早期実用化に必要なレギュラトリーサイエンス上の課題について解説する。
著者
橘 ゆり 鈴木 ひろ子
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.45-50, 2017 (Released:2017-03-31)
参考文献数
13

本研究の目的は、医療的ケアを必要とする子どもの在宅生活を継続している母親がどのような思いを抱いているのかを明らかにすることである。医療的ケアを必要とする子どもの在宅生活を継続している母親, 7名に半構成的面接を行い、質的記述的研究方法により分析した結果、家族は【地域のサービスを利用しながら家族そろって生活ができる喜び】、【家事、育児、ケアの時間に追われ、心身への負担を感じる】、【体調の変化に伴う緊急時の不安】、【夫や同胞へ負担をかけているのではないかという心配】、【医療的ケアが必要なことによる支援体制への不安】、【今後の生活への前向きな思い】、【子どもの成長の喜びと将来への不安】、【出生時に感じた悲哀の思い】の8カテゴリーの思いを抱いていた。母親が多様な課題をクリアしながら、安心して生活を送るためには他職種や地域の社会資源との連携を継続的に行うことが必要である。また、親の会や同じ障がいをもつ母親との出会いを促すかかわりをしていくことが大切であり、人と人をつなぐ橋渡しは在宅支援の大きな役割である。子どもの成長発達を母親とともに喜び、その思いを共有することが大切である。また家族そろって生活ができる母親の喜びの心の内には、出産時に感じた悲哀の思いを抱き続けていることを忘れず、継続的にかかわっていく必要があると考えられる。
著者
田中 ひかる
出版者
横浜国立大学技術マネジメント研究会
雑誌
技術マネジメント研究 (ISSN:13473042)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.42-55, 2003

現在、日本の生理用品の種類と性能は、世界一と言われている。しかしつい40 年前まで、日本女性は「蒸れる」「かぶれる」「ただれる」の三拍子揃ったゴム製の月経帯と脱脂綿を組み合せた不便な月経処置法を行っており、欧米に比べかなり遅れていた。このように月経処置法が日本で進歩しなかった背景には、社会学的視点から、月経不浄視など様々な理由が考えられる。このような慣習を破り、現在のような使い捨てナプキンを開発・販売、女性たちを物理的のみならず先駆的なコマーシャルによって精神的にも解放したのが、1961 年に坂井泰子が設立したアンネ社である。本稿の目的は、アンネ社について記録し、アンネ社が月経観に与えた影響を検証することである。<br> まず第1章第1節では、月経処置法の進歩を妨げていた月経に対する不浄視や偏見について触れ、それらがいかに女性たちを拘束してきたかを明らかにしている。第2節では、アンネナプキンが販売される以前、日本女性たちが行っていた月経処置法についてまとめた。第2章では、坂井泰子がアンネ社を設立してからライオンに吸収合併されるまでの過程をまとめ、アンネ社がアンネナプキンを普及させるために月経観の改革が必要だったこと、普及した結果月経観さらには女性の身体観までもが大きく変わったことを検証している。
著者
小川 久惠 奥嶋 佐知子 児玉 ひろみ
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.36-42, 2001
被引用文献数
1

肥満予防や食事制限を余儀なくされている人たちでも利用できるように, 身体に蓄積されにくいジアシルグリセロールを主成分とするクッキングオイル (市販健康エコナクッキングオイル, DAG-O) を菓子に応用した時の調理性について検討した. 試料調製には上記の油と同一原料から調製したトリアシルグリセロールを主成分とする油 (TAG-O) を用い, シフォンケーキ, フィナンシェ, シュー, クッキー, ドーナツの5種の菓子を調製し, 官能評価を中心に物性面からはクリープメーターによるテクスチャー解析およびバッターの比重の測定, 焼成前後のシフォンケーキの高さの測定などを行って両油を比較検討し以下の知見を得た.<BR>1. 官能評価法による評価の結果, シフォンケーキを除く他の4種の菓子についてはDAG-O試料およびTAG-O試料間に有意差はみられなかった.<BR>2. シフォンケーキの官能評価の結果は, DAG-O試料はTAG-O試料にくらべきめ粗く均一でない, ふっくら感で劣るなどの理由から総合的な評価において有意に低く評価された.<BR>3. DAG-Oを用いたシフォンケーキに小麦粉重量の3%のB.P. を添加すると, 炭酸ガスが気泡を押し上げることから, 総合的な評価を有意に高めることができた.<BR>4. シフォンケーキ調製時のバッターの比重を測定したところ, DAG-OはTAG-Oに比べて約0.04大きく, またクリープメーターによるかたさの測定値においてもDAG-OはTAG-Oにくらべて高値を示し, いずれも官能評価の結果を裏付けていた.
著者
大野 拓恵 柳本 ひとみ 板倉 宏予 梅田 純代 グレゴリー サムソノー 加藤 隆治 山田 惠 黒澤 菜穂子
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.62-70, 2017-12-10 (Released:2018-01-05)
参考文献数
8

PEP (the study group of Practical English for Pharmacists) was started by teachers from different fields at Hokkaido Pharmaceutical University, and has been offering English conversation class for local pharmacists. As with its turning point of three years, in January 2016, it conducted an online questionnaire survey for pharmacists all over Japan. The purpose was to find their needs for learning English, as well as to make sure if PEP teaching materials were proper enough for them. The questionnaires consisted of five areas: current working situation in terms of using English; self-evaluation for their attitudes towards English-speaking customers/ patients; their preference in learning English; their foresight into the English-related situation around their job; and evaluation on PEP sample materials. Participants were 220 pharmacists at work who were interested in learning English. They were divided into two groups (Yes-group and No-group) according to the answer to the question of whether they, as a pharmacist, thought it necessary to learn English or not. The groups were compared with each other within each of the five areas mentioned above. The results showed the overall illustrations of the pharmacists today and positive evaluation for a PEP material. Most importantly, however, contrastive difference between Yes-No groups for the type of English needed was revealed (p<0.01). This was interpreted as an evidence that No-group just have a naive intention to learn English, while Yes-group have already been involved in the situations where rather high English proficiency is required for their pharmacy jobs.
著者
古別府 ひづる
出版者
日本インターンシップ学会
雑誌
年報 (ISSN:18811663)
巻号頁・発行日
no.14, pp.27-34, 2011-12-25

本稿では、大学日本語教員養成における海外日本語アシスタントの「社会人基礎力」が、日本語アシスタントの段階及び社会に出て起業した段階において、どのように発揮されたかを、被調査者1名のケーススタディとして示すことを試みた。PAC分析(個人別態度構造分析)と半構造化面接の手法を用いて調査した結果、「社会人基礎力」を誘発し、継続させる内発的要因として、未知への関心、自分の才能、周囲の期待、志などの自尊心を支えるものと、失敗や現状不満が、注目すべき変数として抽出できた。さらに、海外日本語アシスタントの特性として、パラフレーズする(言い換える)ことや多様性への関心が挙げられた。また、海外日本語アシスタントの「社会人基礎力」の外発的誘因として、格闘せざるを得ない環境や期間が、「問題の埋め込まれた情況」を生み出し、「社会人基礎力」を育成すると考えられた。これらの結果は、大学における「社会人基礎力」育成の場面の創出の手掛かりとなると考える。