著者
堀 まゆみ 小豆川 勝見 松尾 基之
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.30, 2014 (Released:2014-09-12)

都立大島小松川公園の地中には、還元処理が施されたクロム鉱滓が埋められている。しかし、還元処理を施したにもかかわらず、現在もCr(VI)を含んだ環境水が公園周辺で検出されている。大島小松川公園周辺で環境調査を行い、高レベルCr(VI)汚染を発見し、その流出原因について考察したので報告する。大雪が降った2013年1月、高濃度のCr(VI)が歩道上の滲出水から検出され、その濃度は最大で37.0 mg/Lであった。晴天が続いた日に採取した試料からはCr(VI)は検出されず、雪の日には検出されたことから、この地点では、大雨や雪が降ると鉱滓中のCr(VI)が溶出し、地表面でCr(VI)が検出されると考えられる。また、公園周辺の別地点の集水桝中の水からは、Cr(VI)が133 mg/Lと高濃度で検出された。集水桝では、歩道に滲出した水とは異なり、常に高濃度のCr(VI)が流入していることが示唆される。今なおCr(VI)が基準値を超過して検出されることから、埋立て当時の還元処理の不十分さが指摘できる。
著者
嶋崎 まゆみ Mayumi Shimazaki
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.75-93, 1990-09-15
著者
古川 まゆみ
出版者
京都文教大学
雑誌
人間学部研究報告
巻号頁・発行日
vol.10, pp.143-165, 2007

This paper deals with Swedish Christmas. In Sweden Christmas is one of the most important annual ceremonies and Swedes spend a lot of time, energy and money on it. In the beginning of the 1990s, just when I started a cultural-anthropological fieldwork in the province of Dalarna, I had a chance of celebrating it with a family (my acquaintance) who was living in a small village on the outskirts of Leksand city. The celebration there was so impressive that an idea crossed my mind. That is making questionnaires on Christmas and distributing them to the houses of my research village. "Christmas" sounds a bright topic for me (a foreign anthropologist) to develop communication with people. The questionnaire, based on the experience at my acquaintace's, consists of 8 subjects. They are ornaments, meals, preparations, where and with whom to celebrate, Swedish Santa Claus (jultomten), presents, the Bible /church/clothes, and any comments on and memories of Christmas. In this paper I have introduced the details of the above-mentioned 8 subjects(the questionnaire in Japanese), the explanations on and the backgrounds of them, and an original questionnaire in Swedish. In the next paper I will publish answers and make some comments on them.
著者
荻原 啓文 加茂 智彦 田中 亮造 加藤 巧 遠藤 まゆみ 角田 玲子 伏木 宏彰
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.108-116, 2021 (Released:2021-02-19)
参考文献数
40

【目的】右小脳・脳幹梗塞による中枢性めまいと両側前庭障害を合併した症例に対する前庭リハビリテーションの効果を検討した。【方法】症例は40 歳代男性,めまい・ふらつきの改善を目的として当院を受診した。頭頸部の運動を伴う身体運動によってめまいやふらつきが生じ仕事復帰が困難な状況であった。理学療法士による前庭リハビリテーションと運動指導を実施した。【結果】Dizziness Handicap Inventory (DHI)_Functional,Dynamic Gait Index (DGI),Functional Gait Assessment (FGA) に改善が認められた。【結論】脳血管障害から中枢性めまいを呈した症例に対する前庭リハビリテーションは歩行能力やバランス能力,ADL の改善に有効な可能性があることが示唆された。
著者
安田 広康 野口 まゆみ 遠山 ゆり子 大戸 斉 阿部 力哉
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血学会雑誌 (ISSN:05461448)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.596-600, 1992-11-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
21

Transfusion-associated graft-versus-host disease (TA-GVHD) was described as occurring after nonirradiated blood tranfusion not only in immunosuppressed but also in immunocompetent recipients who share one HLA haplotype with HLA-homozygous blood donors.From the distribution of 1% or more frequencies of HLA-A, -B, -C, -DR, -DQ haplotypes obtained at the 11th International Histocompatibility Workshop (1991), using the fomulae of Kanter, we tried to calculate the potential risk of TA-GVHD as a result of directed donations from relatives in the Japanese and other ethnic groups.The Japanese have the greatest risk of TA-GVHD than any other populations because are more homogeneous in HLA and have a common haplotype: A24-CBL-Bw52-DRw15-DQw1 (7.5%).Of noteworthing, the risk of transfusion of HLA-homozygotes to heterozygotes among 1st-degree relatives in the Japanese was 4.7-folds compared with that of transfusion in the U. S. A. population. And, the risk of TA-GVHD among the Japanese unrelated was near to that of transufusion among the French first degree relatives.Therefore, we recommend that donations of blood components from recipient's relatives should be irradiated essentially, and as possible even from unrelated donors in the Japanese population.
著者
佐久間 まゆみ 藤村 知子
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

日本人大学生と外国人留学生による2種の尾括型の論説文による要約文の表現類型と、日本語教師・国語教師・日本人大学生各5名による3種の評価調査の結果を比較して、両者の異同とその要因を明らかにした。その結果、日本語の論説文の「要約規則」を導き出し、要約文の作成方法と評価基準に関する以下のような結論を得た。(1)日本人と留学生による要約文の原文残存必須単位の組み合わせに基づく表現類型には、日本人の要約文は原文と同じ尾括型の類型が多いが、留学生の方は、内容・表現ともに問題のある異質の類型がある。(2)要約文の表現類型と教師と学生による評価には、関連性があり、各集団において、原文に近い類型のものほど偏差値平均は、日本語教師の留学生要約文の評価平均による評価が高く、原文と異なる類型は低いという傾向がある。(3)国語教師の日本人要約文の評価平均よりも高く、大学生の評価もこれに準ずる。(4)要約文の表現類型は、教師の要約文の評価の平均偏差値や評価項目と関連があり、一般に、「結論・要点」を備え、「具体例・要約者の意見・原文以外の内容」を含まず、「文章構成・文のつながり・まとまり・簡潔さ」を満たす要約文ほど評価が高い。これらは、論説文の「要約規則」や「要約技法」と見なすことができる。(5)国語教師は日本人要約文を、文章構成や簡潔さ等の表現面の巧拙を重視して評価するが、日本語教師は留学生要約文を、内容理解や「語句・文法・表記」等の正確さに主眼を置いて評価する。(6)日本語教師の留学生要約文の評価において、評価の高い要約文の偏差値平均は国語教師よりも高く、評価の低い要約文の偏差値平均は国語教師より低い。今後の課題として、より多くの資料を用いて、本研究で得られた結果の妥当性をさらに検証する必要があるが、要約文の表現類型の分類基準の精度を高め、情報伝達の手段としての要約技法を解明することが残されている。
著者
荒 まゆみ
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.27, pp.71-88, 2016-03

尚美学園大学で行われている留学生を対象とした入学時の日本語プレイスメントテストの結果をもとに2つの仮説を実証する。次に、1年終了後の達成度判定テストとの比較、さらに日本語能力試験N1の得点との関係を検証する。
著者
島田 義也 西村 まゆみ 柿沼 志津子
出版者
独立行政法人放射線医学総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

胎児・小児期における放射線被ばくの影響評価とその防護対策は、緊急の課題である。そこで本研究では、マウスを用いて寿命短縮に対する被ばく時年齢の影響や、被ばく後の変異蓄積および発生したがんにおける遺伝子変異頻度の違いを解析した。その結果、新生児は最も感受性が高く胎児後期は低いこと、被ばく時年齢時によって遺伝子の変異頻度が変化する可能性が示され、今後の解析の手がかりが得られた。
著者
山本 まゆみ
出版者
早稲田大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

当研究は、1990年からつづく、あまりにも政治化した慰安婦言説に警鐘を鳴らし、慰安婦研究が脱政治化へと軌道修正をすることを目指し、1990年代前半の出版・研究言説から浮かび上がった「強制〔連行〕」をキータームとし、言説の政治化過程を検証した。当研究調査では、その言説を補助する史実として繰り返し登場するジャワ島中北部で1944年3月に起こった「スマラン慰安婦事件」に関する資料をオランダ公文書館で精査した。本事件は、慰安婦の女性たちが、敵性国人収容所から強制連行されたこと、日本軍上層部が状況を知りこれら慰安所を開設後2ヶ月あまりで閉鎖したこと、和蘭BC級戦犯裁判で2年余という異例の長さを費やし調査・審理したことから、日本軍のみならず当時の和蘭政府も「異常」な事件と認識していたことが明白となった。慰安婦言説の政治化を支える強制連行というキータームが、曖昧になりつつある近年、強制連行の代わりに単なる強制という言葉や権力という言葉に置き換え、言説に政治性を付帯させるという技法のほか、特殊例であったはずの「スマラン」が、慰安婦「強制連行」を支える一般例として登場し言説の政治性を精鋭していることが明確になった。本研究の意義及び重要性は、調査結果を踏まえ2009年3月にシカゴで開催された米国アジア学会年次学会で慰安婦言説の脱政治化を目指し発表した「慰安婦言説政治化への過程:スマラン慰安婦事件について」に対する歴史研究者の反応からも窺えた。当研究が警鐘を鳴らした歴史の過剰な政治化への懸念は、多くの歴史研究者から賛同を得ただけではなく、発表後、「近年慰安婦問題だけに拘わらず、単に語り出版することで「真実であった」かのように認識される現象を、研究者は真剣に考えなければならない時期に来ている」とし、世界史学会の一部の研究者たちが、「次期学会で慰安婦問題を取り上げよう」という意見を述べていただけでも大きな意義があったと考える。
著者
山本 まゆみ Horton William.B
出版者
宮城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2023-04-01

過去30年の間行われてきた慰安婦研究は、新たな進展がないまま、政治言説をも根拠資料のように扱っている研究も多く、現在の価値観で77年前の社会を理解する状況に陥っている。本研究は、当時の社会の文脈で史料を分析し、慰安婦を総合的に理解することを目指す。研究対象地域のインドネシアは、日本軍政の史料が国内外で保存され、慰安婦研究史料も数多く保管されている。特に、オランダBC級戦犯臨時法廷の尋問調書等には当事者の「生の声」も散見できる。文化人類学の方法論に用い、時間軸に「声」を描き入れ、当時の医療体制と性病予防史料も分析し、日本占領期の法律も検証し、日本占領期インドネシアの慰安婦を理解する研究である。
著者
武田 志乃 西村 まゆみ 山田 裕 上野 俊治 島田 義也
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第34回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.5156, 2007 (Released:2007-06-23)

近年、劣化ウラン弾汚染地域やウラン鉱山伏流水を飲用する地域で健康影響についての報告が増加し、子どもへのウランの毒性影響に関心がもたれている。自然界に存在するウラン(天然型ウラン)や劣化ウランは放射線毒性よりも重金属としての化学毒性が優勢とされ、カドミウムや水銀様の腎臓の尿細管障害を引き起こすことが知られている。しかし発達期におけるウランの感受性や体内挙動は十分に理解されていない。その理由の一つは、組織中の微量ウランの測定が困難であったことがあげられる。すなわち、ウランはα線放出核種であるため、β線やγ線核種のように感光フィルムやイメージングプレートによる組織分布が簡便に得られない。 我々はこれまでに、ナノビームを利用した高エネルギー領域シンクロトロン放射光蛍光X線分析(SR-XEF)や誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)による微量元素測定手法に取り組んできた。両手法は微小組織におけるウラン分析に有効であることから、我々はこれらの手法を幼若ラットにおけるウランの挙動解析に応用することを試みた。本研究では、ウランをばく露した生後6日齢および3週齢の雄性ラットにおけるウランの体内挙動、および腎臓中ウラン分布とアポトーシス誘導との関係を報告する。
著者
瀬﨑 美貴 飯島 良江 佐々木 貴子 染谷 まゆみ 豊田 夕子 佐藤 瑞穂 鈴木 敬久 野﨑 礼史 菊池 浩子 鈴木 宏昌
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.843-848, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1

【目的】栄養管理において体重は栄養投与量を算出する最も基本となる指標である。しかし、起立困難な高齢者では体重測定に難渋する。そこで、ベッドサイドで容易に計測できる項目から体重の推定を試みた。【対象及び方法】65歳以上で起立困難な、当院の入院患者及び高齢者施設入所者で、本研究に同意の得られた121名を対象とし、体重、6点法身長、脛骨長、膝高、腹囲を計測した。実測体重を目的変数とし、年齢・性別・腹囲に加え脛骨長、身長、膝高のいずれかを用い、重回帰分析により体重推定式を求めた。【結果】脛骨長から求めると、体重(kg)=-15.8-3.53×性別(男1or女2)-0.106×年齢+0.743×腹囲(cm)+0.530×脛骨長(cm) (R=0.905)となった。身長や膝高からも同様に高い相関が得られた。【結論】起立不能な高齢者でも、容易に測定可能な腹囲と脛骨長や膝高から実用的な推定体重が求められた。
著者
雪村 まゆみ
出版者
日本アニメーション学会
雑誌
アニメーション研究 (ISSN:1347300X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.89-100, 2023-01-31 (Released:2023-02-11)
参考文献数
24

アニメ聖地巡礼の世界的な人気を背景に、その経済効果を期待している地域社会も多い。本研究の目的は、アニメ聖地巡礼がアニメーションをめぐるアート・ワールドをいかにして地域社会のなかで拡張していくのか、検証することである。まず、ロケハンや遠近法の開発を事例に、キャラクターだけでなく背景美術への着目度が高まったことを明らかにした。つぎに、能動的オーディエンスは、聖地巡礼の興隆以前からアニメーションの視聴にとどまらない消費を雑誌上で行ってきたことを指摘した。背景美術が着目されることで、聖地巡礼が盛んにおこなわれるようになったが、それは日常のありふれた場所であることも多い。現実空間と作品を結びつけることで、そこに新たな文化的価値が創出される。アニメーションをめぐるアート・ワールドが地域社会と重なり合いながら醸成していくことで、開発によって失われていた地域社会における中心が取り戻されようとしている。
著者
友常 祐介 矢嶋 まゆみ 奥野 浩 山本 一也
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
pp.JOSH-2021-0017-JI, (Released:2023-01-13)
参考文献数
26
被引用文献数
1

2011年3月に起きた東日本大震災に伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所における事故において,日本原子力研究開発機構では最初の1年間にのべ約45,000人の職員が本来の職場を離れて電話相談,一時帰宅支援,環境モニタ リングなどの支援業務に従事した.特に,住民と直接に接する電話相談に従事した職員には,感情労働に伴うストレスがかかった.同機構の核燃料サイクル工学研究所ではこれらの支援業務に従事した職員に対して,組織的なメンタルヘルスケアを行った.本論文では,今回の活動を支援者への支援の具体例と位置づけ, 原子力災害において住民等の支援を行う職員のメンタルヘルスについて考察した.
著者
佐藤 まゆみ
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:18846351)
巻号頁・発行日
no.60, pp.97-108, 2019-03-31

本研究は、市町村を中心とする子ども家庭福祉の実施体制構築の必要性について、特に子どものレジリ エンスとそれを支える環境の1つとして社会的親に着目し、子ども家庭福祉を取り巻く現状を踏まえ、文 献研究に基づいて子どもの立場から理論的に検討することを目的とした。 その結果、現状からは、単相的育児の中で育つ子どもにとって、大人たちとの関わりの少なさはモデル の獲得や多様な人間関係、社会性の発達等の機会を乏しくさせていることが明らかになった。逆境にさら されても良好に適応する力であるレジリエンスは、「生涯を通して必要なもの」 であり、個人の生得的な 心の特性にのみよるものでなく、外的特性もあいまって 「支えられる」 ものである。そのため地域の中に 大人とのつながりを作ることが、子どものレジリエンスを支える環境となると考えられた。また、要保護 児童に限らず、地域で生活する子どもの中にも、親の離婚をはじめとするあいまいな喪失を体験する子ど もがおり、一生にわたり向き合う可能性があることから、レジリエンスは特に必要であることが明らかに なり、その力となるものの中には新しい関係性によるものが含まれていた。レジリエンスの防御推進要因 には、養育にかかわる大人がいることがあり、この点でも社会的親の必要性が指摘できる。 以上のことから、子どもの支援はある特定の時期に、特定の領域だけが関わるのではなく、子ども期全体、 必要があればその先まで見通し、支援チームを形成して支援の連続性を担保することが必要である。その ためには、虐待から子どもの命を救う対応等とは別の観点で、子どものレジリエンスに着目し、社会的親 と出会い、関わり生きていくための環境として、市町村を中心とする子ども家庭福祉行政実施体制を構築 する必要があると考えられた。