著者
千賀 靖子 青山 佐喜子 川島 明子 川原崎 淑子 橘 ゆかり 三浦 加代子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的】日本調理科学会特別研究である「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」において,1960年~1970年頃までに定着していた家庭料理について聞き書き調査を行った。本研究では,この調査結果を基に地域別の主菜の特徴について探ることを目的とした。<br>【方法】平成25年12月~27年3月に,県内の12地域(橋本,那賀,和海,上富田,大塔,田辺(湊浦),那智勝浦,太地,熊野川,有田川,由良,日高(御坊))を訪れ,聞き書き調査を行った。調査対象者は,合計38名の女性,平均年齢は72.3±6.3歳であった。今回は,調査結果から「魚・肉・大豆」を使用した主になるおかずを地域ごとに抽出し,検討を行った。<br>【結果】主菜の材料は,調査地域の地勢により異なった。魚のおかずでは,和海(除く紀美野),日高・由良,田辺,那智勝浦・太地などの海寄りの地域で旬の魚をさしみや焼き魚,煮魚,生節,干物などにして食べていた。一方,内陸地域では,塩物や干物,川魚であった。塩物は,県北,中部の地域では塩鯖,南部は塩さんまが多かった。肉類のおかずでは,鶏を食べている地域が多く,すき焼きにして食べていた地域もあった。牛肉の利用は少ないものの確認できたが,豚肉は全地域で調査者から具体的な料理名が出なかった。山間部では,猪や鹿などの野生の獣肉が食べられていた。鯨肉の利用は,ほとんどの地域で確認でき,調理方法も竜田揚げ,カツレツ,テキ,はりはり鍋,煮物,つけ焼き,カレーと多彩であった。さらに太地では,鯨肉のさしみ,また,いでもの(内臓)やコロ,骨はぎ(軟骨),オバキイ(さらし鯨)やイルカの肉なども利用されていた。大豆のおかずでは,内陸地域で郷土料理の豆腐焼きや豆腐の粉料理が確認できた。
著者
三浦 雅展 青山 容子 谷口 光 青井 昭博 尾花 充 柳田 益造
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.1176-1187, 2005-05-15

和声法におけるソプラノ課題に対する正解生成システムSoprano Donn´ee System(SDS)を拡張した和声付与システムについて述べる.このシステムはポピュラー音楽系の旋律に対応するために,対応する和音を古典西洋和声からポップス用に拡張し,さらに旋律に対して刺繍音,経過音,先行音などのアプローチノート処理を施すように拡張されている.このシステムはポップス系の考えうるオリジナル旋律に対応するように構築されており,AMOR(Armonizando Melodias ORiginales)と名付けられている.AMORは産学連携の枠組みの下で携帯電話用サービスのために開発され,電子メール文から自動的に旋律を生成するシステムとともに稼動している.自動生成される旋律はメール文内の「明るい」「暗い」名詞の出現数の多さに応じて,長調あるいは短調として生成され,AMORによって和声付与され,和音付きの着信メロディが生成される.自動生成される旋律だけでなく,ユーザによって入力された旋律のどちらについても,AMORは適切な和声を付与することができる.AMORは評価実験の結果より,従来の和音付与システムよりも高い性能が得られていることが確認されている.
著者
錢 昆 河邉 隆寛 山田 祐樹 三浦 佳世
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.128, 2010

チルトシフト写真の被写体がミニチュアのように見える現象は,一般にミニチュア効果と呼ばれている。チルトシフト写真を観察すると,どのような視覚的印象が生じるのか,また,どのような視覚要因が印象の喚起に関わっているかに関し,両者の関係を網羅的に検討した研究はまだない。本研究はチルトシフト写真の引き起こす視覚的印象を調べた。被験者に本城(2006)のチルトシフト写真10枚の物理的・心理的特性について5段階で評定させ,因子分析を行った結果,「ミニチュア効果」,「評価性」,「密度」,「色彩」,「ぼかし」と「撮影位置」の6つの因子を抽出した。また,ミニチュア効果の高い写真と低い写真の間に,各因子の平均評定値に差があるかを検討した所、チルトシフト写真の被写体の密度,色彩,ぼかしと撮影距離に関する視覚的印象に有意差が見られた。これらの視覚要因が写真のミニチュア効果の生起に関与することを示唆するものと言えるだろう。
著者
小松 侯子 森田 雅之 山本 道子 桜井 磐 吉田 正樹 松本 文夫 高橋 京子 三浦 香苗 関根 優子 石田 政子 辻原 佳人 国分 勝弥 高橋 孝行 白井 裕二
出版者
日本環境感染学会
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.41-48, 1995

病院給食は, 食事療法を目的とした患者に細心の注意を払い, 安全かつ衛生的に食事を提供しなければならない. そこで医療機関における配膳車および食器類の衛生管理運営状況についてのアンケート調査を実施した. またこの調査を基に, 当院の給食用配膳車および食器類の細菌汚染調査を行った.<BR>1. アンケート調査結果から細菌調査を実施した医療機関は74%あり, その内訳は手指培養試験が21%, まな板無菌試験が21%, 厨房室内汚染菌調査が19%などであった.<BR>2.病院給食の配膳および食事介助者は病棟看護婦, 病棟婦で76%を占めていた. その時の手洗い励行率は67%, マスク着用率は15%であった.<BR>3. 当院の給食用配膳車の配膳前, 下膳後の細菌汚染調査では, 配膳前と比べて下膳後に<I>Staphylococcus aureus (S. aureus), Staphylococcus epidermidis (S. epidermidis)</I> および腸内細菌群が多く検出された.<BR>4.配膳車の天蓋, 棚, 手スリ, タイヤの細菌汚染調査で, タイヤから<I>S. aureus, S. epidermidis</I>および腸内細菌群が多く検出された. また, 配膳搬送専用エレベータ床, 配膳室床からも配膳車のタイヤと同様の菌が検出された.<BR>5.独食患者および介助必要患者の病院給食用食器, トレーからは, 下膳後に<I>S. aureus, S. epidermidis</I>, 腸内細菌群が検出された.<BR>以上, 今回の細菌汚染調査結果から, 定期的な配膳車のタイヤ汚染調査は院内の環境汚染状況を把握する一つの方法とも考えられた. また食器類は患者個人専用ではないため, 感染防止上, 使用後は十分に洗浄消毒する必要がある. さらに患者給食の配膳は病棟看護婦, 病棟婦の大部分が携わっていることから, 手洗いの励行を徹底することが改めて認識された.
著者
三浦 俊彦
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:02227668)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.39-46, 2007-12-25
参考文献数
16

It seems necessary to reply to the review of my book Paradoxes of Bertrand Russell, by Natsuki Takamura on this journal No. 106. Takamura was involved in verbal trivialities and repeated a stereotyped view to the effect that Russell did not admit the significance of modality in metaphysics. On the contrary, Russell's idea of modality as properties of propositional functions, not of propositions, must be estimated to have anticipated the possible world semantics. My book suggested it, and many texts by Russell himself and other scholars support the interpretation.
著者
三浦 翔平 平石 広典
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.1041-1042, 2016-03-10

本研究では,複数のローターを搭載したヘリコプターであるドローンを利用した構内案内システムの設計を行う.構内にはドローンを移動させるためのラインを設け,ドローンは,下向きに搭載されたカメラによって,ラインをトレースするように移動する.そして,特定の場所には,特別なマーカーを設置し,自己位置の認識と特定の場所の案内を実現する.特定の場所を認識した際には,利用者の持つ携帯端末にその場所の案内情報を表示する.
著者
河邉 隆寛 三浦 佳世
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.211-214, 2006-03-31 (Released:2016-11-25)

Artists can get space and time into a static pictorial scene. Although the pictorial scene is in many parts inconsistent with the physical properties of real scene, we doubtlessly feel the pictorial scene as having a reality. On the other hand, interestingly, we know the pictorial scene is not real. How can we overcome this coexistence of incompatible realities, physical and psychological realities? Here we review the studies investigating the memory displacement of objects with the motion lines that are one of techniques to depict the motion on a still image, and discuss that the efficacy of visual stimulation by the pictorial technique determines the dominance between physical and psychological realities: when the latter is dominated over the former, we get caught up in the picture.
著者
Uyehara Cecil H 藤巻 美恵子 藤本 帝子 三浦 圭子 須永 雅子 山田 理子 山下 智久
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.85-92, 1990-02-01

ある一連の行動の方向や不活性を変えたり,行動の意識やその行動を強調しようとする意識を変えるには,大変な努力を要することはいうまでもないことである。過去10年間さまざまなやり方で日本の科学技術の脅威を十分に意識し,警戒する動きがアメリカ国内で勢いを得てきた。これらの活動のいくつかはおそらくアメリカの国外でよく知られているであろう。このペーパーは,この脅威に対する対応としてアメリカ国内で起こった活動を広範囲に記述し,評価するものである。これらの活動については以下の項目を立てて論じる:意識喚起活動,連邦政府の立法活動と国際協定,教育活動,日本の科学技術情報の流通,組織化,ライブラリーコレクション,日本の科学技術の評価,技術開発,日本の科学技術情報の利用調査,おわりに-
著者
長幡 友実 中村 美詠子 三浦 綾子 上田 規江 岡田 栄作 柴田 陽介 尾島 俊之
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.188-197, 2020-10-01 (Released:2020-11-09)
参考文献数
31

【目的】勤労者を対象とし,食費に関わる指標として等価食費とエネルギーコストを用い,これらの指標と栄養素等摂取量,食品群別摂取量,調理形態別料理摂取頻度との関連を検討した。【方法】静岡県西部にある事業所の従業員3,083名に自記式質問調査票および食物摂取頻度調査票を配布し,2,382名から回答が得られた(回収率77.3%)。性・年齢および食物摂取頻度調査票が有効であった2,160名を解析対象とした。等価食費(円/月)とエネルギーコスト(円/1,000 kcal)を三分位で分け,栄養素等摂取量との関連を共分散分析,食品群別摂取量との関連をKruskal-Wallis検定,調理形態別料理摂取頻度との関連をχ2 検定を用いて検討した。【結果】等価食費低群と比較して高群では,たんぱく質やビタミン,ミネラル類,食物繊維摂取量が多かった。また,穀類摂取量は少なく,野菜類,魚介類等の摂取量は多かった。エネルギーコスト低群と比較して高群では,炭水化物摂取量が少なく,一方,銅以外の栄養素等摂取量は多かった。また,穀類摂取量は,高群ほど少なく,その他すべての食品群別摂取量は,高群で多かった。また,両指標とも,白飯摂取頻度は高群で少なかった。【結論】勤労者において等価食費やエネルギーコストが高い者は,穀類摂取量や白飯摂取頻度が少なく,野菜類や魚介類摂取量が多いことが示唆された。
著者
三浦 徹郎
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.858, pp.28-30, 2020-09