著者
吉野 槇一 中村 洋 判治 直人 黄田 道信
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.559-564, 1996
参考文献数
19
被引用文献数
6

RA患者と健常者の笑いによる神経内分泌-免疫系の変化を, 落語観賞前後で調査した。その結果, RA患者の血漿中メチオニン-エンケファリン, ACTH, IL-6,IFN-γが, また健常者の血漿中メチオニン-エンケファリン, サブスタンスP, ノルエピネフリン, ACTH, CD4/CD8,%CD57,IFN-γが落語後に変化した。特に, RA患者で疾患の活動性に相関するIL-6値が, 落語後には落語前の1/3に低下し, 健常者の値に近づいた。これらより, 楽しい笑いは神経内分泌-免疫系に作用し, RAの活動性を改善させうることが示唆された。
著者
平田 智法 小栗 聡介 平田 しおり 深見 裕伸 中村 洋平 山岡 耕作
出版者
日本魚學振興會
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.49-64, 2011

A monthly underwater visual census was conducted in the coral-dominated habitat of Yokonami, Tosa Bay, Japan, from June 2006 to January 2009. A total of 12,586 individuals belonging to 168 species in 43 families were recorded during the study period. The number of species and individuals increased from June-August (summer), the highest numbers occurring in September-December (autumn), thereafter decreasing from January (winter) to the lowest point in May (spring). Labridae was the most dominant family in terms of species numbers (28 species), followed by Chaetodontidae (21 species) and Pomacentridae (18 species). In terms of individual numbers, Chaetodontidae was the most abundant (56.3% of total individual numbers), followed by Labridae (15%) and Pomacentridae (12.5%). The most dominant species were Chaetodon speculum (33.4%), Pomacentrus coelestis (11.1%), and C. lunulatus (8.2%). The fish assemblage was divided into 4 groups: (1) temperate fishes (1877 individuals in 26 species), (2) (sub-)tropical fishes (10,648 individuals in 136 species), (3) temperate-tropical fishes (28 individuals in 2 species), (4) unknown fishes (33 individuals in 4 species). Species and individual numbers of temperate fishes were high in summer and low in winter, whereas those of tropical fishes were high in summer and autumn and low in spring, suggesting that typhoons in summer and autumn, and low water temperatures in winter might affect fish recruitment and community density. Moreover, at least 44 tropical species were observed throughout the year during the study period.
著者
小林 佐也加 中村 洋之 岩崎 瞳 大林 彩香 山﨑 昌代 喜田 美之 井上 卓哉 喜多 信之 谷本 清隆 岡田 節雄
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.377-382, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
13

「人生の最終段階」における医療・ケアに対して,医師・看護師が,「生命維持治療に関する医師指示書(Physician Orders Life-Sustaining Treatment: POLST)」を用いて終末期指示書を作成し,終末期に患者自身の意思・希望が反映されるよう取り組んだ.多くの患者が終末期に心肺蘇生や挿管を希望しなかった.抗生物質や非侵襲的陽圧換気療法(Non-Invasive Positive Pressure Ventilation: NPPV)は希望者が多く, NPPVは緩和目的を含めて8割が希望した.全ての項目において,肺癌・非肺癌で大きな差は認めなかった.家族は患者より延命治療を希望する傾向にあったが,話し合いの結果,患者自身の希望を尊重する例が多かった.
著者
中村 洋介 中村 和郎
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.128, 2006 (Released:2006-05-18)

1.はじめに 本発表では、一本の積雲列がしばしば三浦半島から東京・世田谷方向に延びていることを発見したので報告する。関東南部の積雲列は東京環状八号線(通称「環八」)上にできる低層の積雲列「環八雲」が知られる。塚本(1990)は、夏季に形成される環八上空の積雲列を「ヒートアイランド雲」と名づけ、環八付近の高温域に東京湾と相模湾からの海風が収束し、大気汚染物質が凝結核になることで形成されると報告した。本報告での積雲列は、三浦半島の中央を南北に延びる横浜横須賀道路(通称「横横」)に沿って出現する。比較的交通量の多い横浜横須賀道路上空に一列の積雲が連なることからこの雲を仮に「横横雲」と名付けた。本発表では、「横横雲」の出現日、出現時の風向、気温、海水温、気圧配置と現段階で考察される出現の成因について報告する。分析には気象庁アメダス、神奈川県環境科学センター、神奈川県農林水産情報センター、神奈川県水産技術センターの資料を使用した。2.「横横雲」の出現 「横横雲」は低層の複数の積雲がほぼ南北方向に長く一列に並ぶ雲列である。2005年は年間20回程度の発生を確認した。観測は横浜市戸塚区小雀町の丘陵上からの目視である。積雲列を追跡すると、日平均通行台数13万台の横浜横須賀道路上空に発生していた。発生時期は3_から_9月に多くみられ、発生時の多くは移動性高気圧や太平洋高気圧に関東地方が覆われている。「横横雲」は早朝から夕方にかけて発生し、夜間は消滅する。発生時、積雲の各セルは北方向へ流れている。発生時の風向は、三浦半島の東京湾側では南東成分の風向、相模湾側では南西成分の風向を示す(図1)。冬季の北成分の風向時は発生しない。 「横横雲」発生時の2005年4月24日に積雲列を北方向に追跡すると、横浜横須賀道路から第三京浜上空に延び、川崎IC付近で世田谷(環八)方向に続いていた。一方で2005年8月4日に南方向に追跡すると逗子付近で雲が形成されていることを確認した。3.「横横雲」の成因 三浦半島のほぼ中央を南北に積雲列が並び、発生時には積雲列に向かって風が収束している。暖められた三浦半島の陸域と周りを囲む比較的低い海水温域による海風の発生が東京湾と相模湾からの風の収束を生み、「横横雲」が発生していると推察される。発生には横浜横須賀道路の交通量の関わりも考えられるが、より交通量の多い横浜新道上空には発生していないなど明瞭な交通量との因果関係は特定できなかった。4.おわりに 甲斐ほか(1995)や糸賀ほか(1998)では、「環八雲」は太平洋高気圧か移動性高気圧に覆われる南風成分の日に出現し、海風の収束とヒートアイランドによる上昇気流が成因であると報告している。「横横雲」の成因もこれらの報告と類似している点もあると推察されるが、これまでの「環八雲」の報告では東京都内のみの分析であり、本調査で「環八雲」は「横横雲」として神奈川県東部にも延びている可能性があることが分かった。中西・菅谷(2004)は、暖候期において相模湾・東京湾・鹿島灘からの海風が収束してつくられる東京湾周辺の雲列下で午後に降水がみられることを報告している。2005年7月25日には、「横横雲」出現後の17時に三浦半島から栃木県小山にかけてのレインバンドがみられた。今後は「横横雲」と降雨の関連についても検討してゆきたい。参考文献糸賀ほか 1998.環八雲が発生した日の気候学的特徴_-_1989_から_1993年8月の統計解析_-_.天気45:13‐22.甲斐ほか 1995.東京環状八号線道路付近の上空に発生する雲(環八雲)の事例解析_-_1989年8月21日の例_-_.天気42:11‐21.塚本1990.ヒートアイランド現象と雲_-_1989年夏の観測から_-_.気象34:8‐11.中西・菅谷2004.夏季の東京湾周辺に発生する雲列と局地気象および午後の降水との関係.天気52:729-73
著者
金 炳哲 杉本 正美 包清 博之 藤本 一寿 中村 洋
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.263-268, 1990-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
4
被引用文献数
2

本研究は, サウンドスケープの視点から都市空間の諸特徴を把握し, 究極的には音を配慮した都市環境整備の在り方に関する計画的示唆を得ることを目的とした。スタディーエリアとしては, 長い歴史のある都市空間であり, 福岡市の中心部に位置する博多部を取り上げた。調査・研究の結果, 音を配慮した都市空間整備の在り方を考える場合, 騒音規制という側面からのアプローチだけでなく, その地域の特有な文化, 伝統そして自然を基調とした音を保存することと共に, 音とフィジカルな都市空間との係わりを基調にした音の演出 (活用) に関する研究プログラムの樹立の必要性が認識できた。
著者
保母 敏行 飯田 芳男 石橋 耀一 岡本 研作 川瀬 晃 中村 利廣 中村 洋 平井 昭司 松田 りえ子 山崎 慎一 四方田 千佳子 小野 昭紘 柿田 和俊 坂田 衞 滝本 憲一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.363-392, 2008 (Released:2008-09-29)
参考文献数
87
被引用文献数
6 6

(社)日本分析化学会は1993年にU,Thの含有率を認証した二酸化ケイ素標準物質を開発して以来,燃焼灰,土壌,底質,河川水,排水,プラスチックス,工業材料,食品と多岐にわたる種類の標準物質の開発を続けており,現在頒布中の標準物質は23種類に上る.認証対象は特定成分の含有率で,成分はダイオキシン類,金属元素など環境分析で扱われるものが多いが,食品では栄養成分を対象とした.本会の標準物質の大きな特徴は純物質あるいはその溶液ではなく,上述のように,環境試料あるいは工業製品であること,つまり一般分析者が実際に扱う試料の形態であることである.認証値の決定方法は,まず均質性の保証された試料の調製と,多数の試験機関の参加による分析共同実験,そして得られた報告値をロバスト法を導入した統計手法で処理して評価し,信頼性ある認証値を得る,という手法によっている.また,これらの標準物質の開発時において,例えばダイオキシン類のガスクロマトグラフ分離の状況,PCBの抽出条件と塩素置換数の変化など,貴重な知見が得られたことは分析手法改善につながる収穫といえる.
著者
杉江 夏呼 成原 弘之 野口 憲一 中村 洋祐
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.16, no.33, pp.761-766, 2010-06-20 (Released:2010-06-18)
参考文献数
6

Yokohama Raw Silk Inspection warehouses, completed in 1926 to keep all raw silks which had gathered to Yokohama. This summary reports on some observations identified during the dismantling. The followings were turned out; the ways of creation and installation, and the designs.The way of creation of RC canopy beam was also identified. Wood piles were used for improvement of the foundation. The joint parts of reinforced bars welded together were found from the basement. Moreover, the survey shows that warehouse D had a high quality of the way of welding compared to that of warehouse B; as for warehouse B, the parts were joined together with electric power, so-called flash-butt welding. As for warehouse D, the parts were joined together with electric power and compression, so-called upset-butt welding.
著者
中村 洋 佐藤 是孝
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

ECMの分解において重要視されている酵素の1つであるMMPsとその共通の内因性阻害因子であるTIMPsのバランスの崩壊は、組織破壊の進行の重要なポイントとなっている。これまでに根尖性歯周炎関連細菌がMMP-1やMMP-9を活性化することは報告されているが、プロMMP-2の活性化およびTIMPsの不活性化についての報告は少ないので本研究で検索する。1)MMP-2活性の測定 各SBE共存下で培養したPL細胞培養上清中のMMP-2活性と、各SBEをHT1080細胞培養上清と反応したものをゼラチンザイモグラムで解析した。その結果、両実験ともにP.gingivalisSBE添加群では、活性型MMP-2と考えられるバンドの出現を認めた。2)TIMP-1量およびTIMP-2量の測定 TIMP-1量はKodamaらがそれぞれ開発したEIA法にて測定した。その結果、PL細胞培養上清ではP.gingivalis SBE添加群ではTIMP-1を検出できなかった。また、HT1080細胞培養上清とP.gingivalis SBEとの反応では、TIMP-1,2量はP.gingivalis SBEの濃度依存的に減少傾向が認められた。3)TIMP-1活性の測定 精製TIMP-1と各SBEを反応させ,反応液中に残存するTIMP-1活性をMMP-1およびMMP-2に対する阻害活性として測定した。P.gingivalisのSBEは、TIMP-1のMMP-1阻害活性を低下させた。また、リバースザイモグラム法にてMMP-2に対するTIMP-1の阻害活性を検索した。コントロールに比べて、P.gingivalisSBE添加群の場合には、その活性バンドの著しい減少(MMP-2に対する阻害活性)を認めた。
著者
中村 洋丈 横田 聖哉 吉村 雅宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.156-175, 2013 (Released:2013-08-20)
参考文献数
35
被引用文献数
6

震災害時には高速道路は緊急交通路の機能を有し,“線”として早期に道路機能が確保される必要がある.したがって盛土構造も耐震性が求められるが,既設盛土は効率的かつ合理的な照査手法がない.本論文の評価手法の骨子は,盛土基本情報の評価点法による一次評価,変形量の簡易予測図による二次評価,復旧土量から算定する許容変形量の設定から成る.この手法を用いて過去の被災区間や実際のモデル路線で適用し,実際の路線においても評価対象箇所の合理的な抽出が可能であること,復旧体制の規模によって目標時間内での復旧可否が判断可能である等の手法の有効性を確認した.これらより対象盛土の選定から残留変形量の算出,許容変形量の設定等を体系化した合理的で実務的な手法を構築した.
著者
中村 洋
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.588-591, 2015-12-20 (Released:2017-06-16)
参考文献数
2

クロマトグラフィーは電気泳動とともに現代を代表する高性能物質分離手段である。クロマトグラフィーは固定相と移動相をツールとして様々な手法で広範囲の物質群の相互分離に活用されており,産業界においても分析・解析目的から分取目的まで広い用途がある。本稿では,クロマトグラフィーの理解に必要な用語・基礎理論を解説し,液体クロマトグラフィー,ガスクロマトグラフィー及び超臨界流体クロマトグラフィーの要点を記述する。
著者
沖 允人 中村 洋
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.217-221, 1990-04-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
6
著者
芦谷 公稔 佐藤 新二 岩田 直泰 是永 将宏 中村 洋光
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.387-397, 2007
被引用文献数
13

鉄道における地震災害を軽減するには事前に施設の耐震性を向上させることが基本であるが,一方で,地震発生時は迅速かつ適切に列車運行を制御することにより事故を未然に防ぐことが重要となる。そこで,鉄道総研では新幹線を中心に早期地震検知・警報システム(ユレダス)を開発,実用化してきた。しかし,近年では,リアルタイム地震学の分野の研究開発が進展し,早期地震警報に関する貴重な知見が蓄積されてきた。また,気象庁など公的機関の全国ネットの地震観測網が整備され,その即時情報(緊急地震速報という)を配信する計画が進められている。こうした状況を踏まえ,鉄道総研は気象庁と共同して,緊急地震速報の処理手法やこの情報を活用した鉄道の早期地震警報システムの開発を行ってきた。<br> 本論では,まず,P波初動検知後数秒で震源の位置やマグニチュードを推定するために新たに開発した,B-&Delta;法やテリトリー法,グリッドサーチ法について紹介する。次に,緊急地震速報を活用した地震警報システムの概要を紹介する。このシステムは緊急地震速報を受信すると,線区沿線での地震の影響度合いをM-&Delta;法により推定し,影響があると判断した場合は,列車無線により自動的に走行中の列車に緊急停止の警報を発信するものである。また,最後に,鉄道におけるリアルタイム地震防災の今後の展望について述べる。<br>
著者
中村 洋
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.372-376, 2008-09-30 (Released:2014-11-12)
参考文献数
20

中高年にみられる関節痛のもっとも多い原因が変形性関節症osteoarthritis (OA) である. 保存的治療として, 安静, 保温, 運動療法に加えて, 薬物治療が行われる. アセトアミノフェンは容易に購入できる鎮痛薬で, 本邦では一日1.5gまで使われる. 痛みが強い場合は非ステロイド性消炎鎮痛薬nonsteroidal anti-inflammatory drug (NSAID) であるインドメタシン, ジクロフェナック, ロキソプロフェンといった薬を使用するが, 上部消化管障害などの副作用に注意が必要である. これらの薬剤はシクロオキシゲナーゼcyclooxigenase (COX) を抑えることによって, 痛みや炎症の原因となるプロスタグランディンE2 (PGE2) の産生を抑制して効果を発揮する. 近年, 胃腸障害を軽減するため, COX-2選択的阻害薬が使われるようになってきた. 関節内へ薬剤を直接注入する治療法も医療機関では行われている. ステロイド剤は即効性があり, 効果も劇的であるが, 副作用を避けるため頻回に用いないほうがよい. ヒアルロン酸はその物理的性質と抗炎症作用により, OAの症状を軽減するとされている. 副作用が少なく, 定期的に注入して効果をあげている. 現在販売されているサプリメントにはさまざまな種類があるが, グルコサミンはその作用が科学的に議論されている唯一の物質である. グルコサミンのOA治療への歴史は1960年代のドイツにさかのぼる. その後, 1990年代後半から北アメリカで大ブームを巻き起こし, いくつもの臨床治験が行われた. 有効性を示す研究結果があるが, 否定的な意見もある. 一方, グルコサミンの基礎的研究は盛んに行われており, 抗炎症作用, 軟骨分解酵素の抑制作用が明らかにされ, OAの症状を軽減するだけでなく, 進行を抑制する可能性が強く示唆されている.
著者
中村 洋一
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.16-29, 2009-10-31 (Released:2015-03-28)
参考文献数
7

最近の日本においては,国民経済計算や産業連関表を中心とする包括的な経済統計の信頼性の向上のため,それらの推計方法や相互の関連について改革を 進めることの必要性が認識されている.とくに経済センサスの活動調査が 2011年を対象に初めて実施されることを受け,国民経済計算,産業連関表ともに推計の枠組みから見直すことが必要となっている.このため本稿では,国際 標準であ る国連の基準と日本の現行体系を比較し,主要国の経験を参考にしつつ,日本における改革の方向を探ることを目的とする.第1節で は国連の産業連関表の枠組みを概観する.第2節では日本の国民経済計算における産業連関表の取り扱いについて述べる.第3節では日本の産業連関表基本表と 国民経済計算および国際基準との関係について述べ,第4節では主要国の産業連関表について,国民経済計算との関連を中心に概観する.最後に結論を簡単に述べる.
著者
川俣 茂 田井野 清也 宮地 麻央 中村 洋平
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.306-314, 2016
被引用文献数
3

イセエビ(頭胸甲長 CL:59-93 mm)によるツマジロナガウニ(4 サイズ群:殻径 10-19,20-29,30-39,40-49 mm)の捕食を水槽実験で調べた。被食ウニの最大殻径は CL の増加に伴い増加した。サイズ群別のウニに対する捕食成功率(捕食個数/攻撃回数)は,CL に対して最小サイズ群でほぼ一様に高く(約 75%),最大サイズ群で低く(<11%),また中間の 2 サイズ群で CL の増加に伴い増加した。この結果は,大型(>40 mm)のウニでは大型イセエビでも捕食され難くなることを示唆する。