著者
功刀 卓 青井 真 中村 洋光 藤原 広行 森川 信之
出版者
SEISMOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
地震 第1輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.243-252, 2008
被引用文献数
20

A new calculation method is proposed for a real-time seismic intensity indicator (<i>I</i><sub>r</sub>), whose concept is similarly to the JMA seismic intensity (<i>I</i><sub>JMA</sub>)defined by Japan Meteorological Agency. With the increasing requirements of earthquake early warning (EEW) system, it is much more obvious that <i>I</i><sub>JMA</sub> has a real-time delay since the <i>I</i><sub>JMA</sub> needs a filtering operation in frequency domain. In order to improve the real-time calculation suitable for the EEW system, a new real-time seismic intensity indicator, <i>I</i><sub>r</sub> (real-time seismic intensity), is defined by using an approximating filter in time domain instead of the original filter in frequency domain. This indicator, <i>I</i><sub>r</sub>,can be calculated as a time series on real-time and its maximum value, <i>I</i><sub>a</sub> (approximate seismic intensity), corresponds to an approximate value of <i>I</i><sub>JMA</sub>. The relationships between <i>I</i><sub>JMA</sub> and <i>I</i><sub>a</sub> value are examined by means of using a large number of strong motion records. Results show that <i>I</i><sub>a</sub> value estimates <i>I</i><sub>JMA</sub> with reasonable accuracy in wide intensity ranges. For a small computing system like a strong-motion seismograph, it is easier to process <i>I</i><sub>r</sub> than processing <i>I</i><sub>JMA</sub>. Therefore, <i>I</i><sub>r</sub> is suitable for using in an EEW system based on the concept of JMA seismic intensity.
著者
堀内 茂木 上村 彩 中村 洋光 山本 俊六 呉 長江
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.399-406, 2007

緊急地震速報は,大きな揺れが到着する前に,震源とマグニチュードを配信し,地震災害の軽減を目指すものである。我々は,緊急地震速報を実用化させることを目的として,防災科学技術研究所のHi-net他約800点のリアルタイム地震観測データを利用して,P波が観測されてから数秒間で信頼性の高い震源を決定するシステムの開発を行った。このシステムは,P波到着時刻の他に,P波が到着してないという情報を不等式で表すことにより震源決定を行っている。この手法の利点は,到着時刻データの中にノイズや別の地震のデータが混入した場合,残差の小さい解が存在しなくなり,ノイズ等の混入を自動的に検出できる点である。本研究では,ノイズ等のデータが混入した場合,それを自動的に除去するアルゴリズムを開発した。また,2個の地震が同時に発生する場合の解析手法を開発した。その結果,99%の地震について,ほぼ正確な情報が即時的に決定できるようになった。このシステムは,気象庁にインストールされ,緊急地震速報配信の一部に利用されている。現在の緊急地震速報には,約30km以内の直下型地震に対応できない,震度推定の精度が低いという課題があるが,地震計を組み込んだ緊急地震速報受信装置(ホームサイスモメータ)が普及すると,これらの課題が一挙に解決されると思われる。<br>
著者
中村 洋 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏 水口 充
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-8, 2011-01-14

ユーザが携帯電話を所持していても,実際に相手と通話できるか否かは相手の物理的・社会的状況に依存する.そのため,相手の無事を知るために通話をしたいと感じても,相手が通話に応じてくれるかどうかわからないため,漠然とした不安が生じてしまう.そこで本研究では,相手の携帯電話に付与したセンサにより相手の状況を自動的に判別し,相手が通話できかつ電話に出てもよいと考えているかどうかという通話是非情報を通知する手法を提案する.それにより,「相手の無事による安心感」,「相手に自分を助けてもらえることによる安心感」,「相手の意思・意図」の 3 つの感覚が伝達でき,その結果として安心感の拡大や行動を決定する上での判断の助けとなる.アンケート評価の結果,安心感を拡大することができ,行動を決定する上での判断の助けとなることがわかった.さらに試作システムによる携帯電話所有者の通話是非状態の判別精度を評価し,高い精度で判別できることを確認した.Whether a person with mobile phone can receive someone's call is dependent on the physical and social situation of him/her. Therefore, when we want to communicate with our partner to know his/her safety, we feel insecure because we cannot know whether he/she can accept our call or not. To solve the problem of insecurity feeling, we propose a method which helps to emphasize our sense of security by notifying the partner's acceptability of receiving our call. The acceptability is estimated with several sensors attached to mobile phone. The method aims to transmit three senses ― "sense of security about the partner's safety", "relief by the partner's help", "intention of the partner". From the result of questionnaire about the proposed method, it is found that the method can enhance sense of security so that we can decide what to do. In addition, it is found that the prototype can estimate participants' acceptability with high accuracy.
著者
井川 憲男 中村 洋 古賀 靖子 古城 真也
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.494, pp.15-22, 1997
被引用文献数
6 8

Suitable standard data on daylight and solar radiation are absolutely prepared and offered for the excellent energy saving interior environmental design. The first step of the modification of the data by real measurements into the useful standard data is to classify the sky, conditions when the data were gained. A proposal of a means is stated in this paper in order to divide the sky conditions into ordered categories. The sky conditions when the data were measured are arranged based upon the comparison with the sky, luminance distribution data obtained by sky scanning and the theoretical results on CIE(Commission Internationale de l'Eclairage) Standard Clear and Overcast Sky and Intermediate Sky by one of the authors. The sky conditions are finally classifred into Clear, Near Clear, Intermediate, Near Overcast and Overcast Sky. This Research work is deeply related to the IDMP(International Daylight Measurement Programme) promoted by CIE. Its result convinces authors of its great contributions to the progress IDMP and development of interior environmental design.
著者
吉野 槙一 中村 洋 黄田 道信 東海林 宏
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.171-174, 1990-05-18
被引用文献数
3

TKR後の可動域をより増すために術後訓練を次のように工夫した.1) 訓練中の疼痛を軽減するため,開始1時間前にNSAID座薬を用いる.2) 徒手他動的ROM訓練の準備運動としてCPMマシーンを用いる.3) CPMマシーンによる準備運動後,直ちに徒手他動的ROM訓練を開始する.4) 術後7〜10日位までに術中に得られた最大屈曲角度まで屈曲する.5) その後,退院するまで少なくとも1日1回最大屈曲角度まで屈曲することを続ける.以上の方法に従って術後の訓練を行ったところ,術後可動域は平均131°へと増大し,そのうち50%はfull flexion が可能になった.
著者
中村 洋
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.372-376, 2008-09

中高年にみられる関節痛のもっとも多い原因が変形性関節症osteoarthritis(OA)である.保存的治療として,安静,保温,運動療法に加えて,薬物治療が行われる.アセトアミノフェンは容易に購入できる鎮痛薬で,本邦では一日1.5gまで使われる.痛みが強い場合は非ステロイド性消炎鎮痛薬nonsteroidal anti-inflammatory drug(NSAID)であるインドメタシン,ジクロフェナック,ロキソプロフェンといった薬を使用するが,上部消化管障害などの副作用に注意が必要である.これらの薬剤はシクロオキシゲナーゼcyclooxigenase(COX)を抑えることによって,痛みや炎症の原因となるプロスタグランディンE_2(PGE_2)の産生を抑制して効果を発揮する.近年,胃腸障害を軽減するため,COX-2選択的阻害薬が使われるようになってきた.関節内へ薬剤を直接注入する治療法も医療機関では行われている.ステロイド剤は即効性があり,効果も劇的であるが,副作用を避けるため頻回に用いないほうがよい.ヒアルロン酸はその物理的性質と抗炎症作用により,OAの症状を軽減するとされている.副作用が少なく,定期的に注入して効果をあげている.現在販売されているサプリメントにはさまざまな種類があるが,グルコサミンはその作用が科学的に議論されている唯一の物質である.グルコサミンのOA治療への歴史は1960年代のドイツにさかのぼる.その後,1990年代後半から北アメリカで大ブームを巻き起こし,いくつもの臨床治験が行われた.有効性を示す研究結果があるが,否定的な意見もある.一方,グルコサミンの基礎的研究は盛んに行われており,抗炎症作用,軟骨分解酵素の抑制作用が明らかにされ, OAの症状を軽減するだけでなく,進行を抑制する可能性が克く示唆されている.
著者
堀内 茂木 入倉 孝次郎 中村 洋光 青井 真 山田 真澄 干場 充之 正木 和明 香川 敬生 正木 和明 倉橋 奨 香川 敬生 大堀 道広 福島 美光 山本 俊六 赤澤 隆士 松崎 伸一 呉 長江 ZHAO Jhon
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

東南海、南海、東海等の巨大地震発生時に、面的震源をリアルタイムで推定するための開発を行なった。P波部分の震度の距離減衰式を調べ、P波部分も震源域で飽和することが示された。震度の観測データやシミュレーションデータを使い、震源域の広がりをリアルタイムで推定する手法を開発した。また、速度や加速度の最大値から、断層近傍であるかを判定し、震源域を推定する方法も開発し、リアルタイムでの巨大地震情報配信の目処がたった。
著者
中村 洋介
出版者
公文国際学園中等部・高等部
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

丹沢山地の標高1,000m以上に分布するブナ林の衰退状況を把握し、その要因について地形学的、気候学的に明らかにすることを目的に調査した。調査は現地踏査、植生調査および1960年代から現在までの空中写真の判読である。調査対象地域はおもに丹沢山地の畔ケ丸-大室山-蛭ケ岳-丹沢山-塔ノ岳の主稜線部である。調査の結果、おもに西向き・南向き斜面でブナの枯損・枯死が多く、風の通り道となる鞍部でも顕著であった。この西向き・南向き斜面には主稜線部でササ草原が多いことが判読され、この周辺においてもブナの枯損・枯死が多くみられた。冬季の踏査では、ブナの枯損・枯死がまとまってみられる場所や西向き・南向きのササ草原で相対的に積雪量が少ない、または積雪がほとんどないことが明らかになった。空中写真により1960年代から現在までのブナ林周辺の植生変化を判読すると、かつてはブナ林であったと推測される落葉広葉樹林が西向き・南向き斜面で減少し、ササ草原が拡大していることが明らかとなった。丹沢山地玄倉川流域の主稜線部では、現在でも崩壊地が多く分布し、崩壊地の谷頭はササ草原になっていることが多かった。このような崩壊地の谷頭でブナの枯損・枯死がみられる。崩壊地の谷頭では風が集まるため相対的に強風になることが多かった。丹沢山地の風向分布は、冬季は季節風由来の西風が多く、ササ草原上の偏形樹も西風を示していた。夏季は南風が卓越していた。現在、主稜線部でブナが立ち枯れている南西向き斜面と健全なブナ林が広がる北東向き斜面において年間の気温をデータロガーによって観測中である。現地踏査では、ブナハバチによるブナの葉の食害が5月を中心に多く見られ、この食害が西向き・南向きの風衝地側で多いことが認められた。食害に遭っているブナでも風上側の北または東側のブナの葉は健全である。
著者
新井 宏朋 中村 洋一 生地 新
出版者
山形大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

従来の成人病検診における眼底検査は働き盛りの脳卒中予知を主たる目的としていたが、高齢化社会においてはこれに加えて脳卒中による寝たきりや動脈硬化によるぼけ老人の予知が重要な課題となる。本研究では、まず最初に山形県F町における70〜75歳の在宅高齢者の眼底所見の有病率を検討した。Keith,Wagener分類O群は男39.3%、女39.8%、I群は男39.3%、女42.0%、IIa群は男18.9%、女12.7%、さらにK、WIIb群に相当する典型的な動脈硬化性網膜症が男2.5%、女5.5%に見られた。同時に実施したBenton視覚記銘検査との関連性を検討した結果、Keith,Wagener分類とBenton検査の正確数の間には統計的に有意の関連性は認められなかった。次に眼底所見を中心に血圧、心電図の循環器検査所見及びBenton検査の正確数、誤謬数等との関連について林の数量化III類を用いて検討した。第1軸は循環器所見の有無と解釈できたが、第2軸については解釈できなかった。また眼底所見はBenton検査の正確数、誤謬数と近接した関係は見られなかった。次いで、Y町で65〜74歳の在宅高齢者を対象に循環器検診5年後の日常生活動作、ぼけに関する症状等19項目の質問調査を実施した。Keith,Wagener分類と日常生活動作との関連では、全体的な傾向としてKeith、Wagener分類O,I群がIIa以上群に比較して良好な比率が高く複数の項目で有意差が認められた。ぼけに関する症状等については、各項目とも有意差は認められなかった。次に、この調査から精神科医のスクリーニングで痴呆の可能性が疑われた者(症例群と略)と対照群に柄沢式及び長谷川式簡易知能評価スケールを実施した。柄沢式では「ぼけあり)が症例群4.8%対照群0.01%であったが、長谷川式では症例群(平均26.3点、標準偏差6.4点)と対照群(28.0点、4.1点)に有意差は認めなかった。また両群の眼底K、WIIa以上出現率にも有意差を認めなかった。
著者
柳井 晴夫 亀井 智子 中山 和弘 松谷 美和子 岩本 幹子 佐伯 圭一郎 副島 和彦 中野 正孝 中山 洋子 西田 みゆき 藤本 栄子 安ヶ平 伸枝 井上 智子 麻原 きよみ 井部 俊子 及川 郁子 大久保 暢子 小口 江美子 片岡 弥恵子 萱間 真美 鶴若 麻理 林 直子 廣瀬 清人 森 明子 奥 裕美 外崎 明子 伊藤 圭 荘島 宏二郎 植田 喜久子 太田 喜久子 中村 洋一 菅田 勝也 島津 明人 金城 芳秀 小林 康江 小山 眞理子 鶴田 恵子 佐藤 千史 志自岐 康子 鈴木 美和 高木 廣文 西川 浩昭 西山 悦子 野嶋 佐由美 水野 敏子 山本 武志 大熊 恵子 留目 宏美 石井 秀宗 大久保 智也 加納 尚美 工藤 真由美 佐々木 幾美 本田 彰子 隆 朋也 中村 知靖 吉田 千史 西出 りつ子 宮武 陽子 西崎 祐史 山野 泰彦 牛山 杏子 小泉 麗 大西 淳子 松本 文奈 鶴見 紘子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

近年、看護系大学の急増と医療の高度化に伴い、卒業までに取得すべき看護実践能力の評価の重要性が増加している。その一環として、臨地実習に入る直前の段階までに看護学生が取得すべき知識・能力を正しく評価しておくことは看護実習の適正化のための急務の課題である。このような状況に鑑み、申請者は、2008~2010年に科学研究費補助金を受け、看護系大学の学生が臨地実習以前に必要とされる知識・能力の有無を検証することを目的として、看護学18領域から約1500の多肢選択式形式の設問を作成し、730名の学生に紙筆形式のモニター試験、および、220名の学生に対するコンピュータ試験(CBT:Computer Based Testing)を実施し、その結果を比較し、全国看護系大学共用のコンピュータ試験の有用性を確認した。
著者
今井 新悟 伊東 祐郎 中村 洋一 酒井 たか子 赤木 彌生 菊地 賢一 本田 明子 中園 博美 西村 竜一 篠崎 隆宏 山田 武志 家根橋 伸子 石塚 賢吉 ファム ターンソン
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

日本語学習者のための日本語スピーキング能力をコンピュータ上で自動採点するテストシステムを開発した。インターネットを介して受験でき、時間と場所の制約を受けずに受験が可能である。音声認識技術を使い、受験者の発話から特徴量を抽出することにより、自動採点を実現している。項目応答理論を用い、受験者の能力に適合した難しさの問題を出題するアダプティブテストとなっており、少ない問題数で能力の判定ができる。
著者
三浦 剛史 沖田 功 江口 誠一 中村 洋 森谷 和子 東 祐一郎 島袋 明子 中西 敬
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.70-75, 1989-02-20

症例は64歳の主婦, 主訴は血痰である。既往歴としては正常分娩が2回, その後子宮外妊娠で手術が行われている。第2子出産後より月経に一致して血痰が出現し, 10年程前の閉経後も数年に1回くらいの出血があった。2年前より出血はなかったが, 最近再び血痰があったため昭和62年6月9日に岡田病院放射線科を受診した。気管支鏡検査では右底幹の外側壁に中心陥凹を有する低い隆起性病変がみられ, 周辺部は白色調を呈していた。生検鉗子によるbiopsyにて細胞に富む間質に囲まれた子宮腺に類似した腺管組織が認められ, 気管支子宮内膜症と診断された。著者らの調べた限りでは本症例は気管支鏡にて病変部を直視しえた最初の報告例と思われた。今後このような症例に積極的に気管支鏡検査が施行され, 本症の気管支鏡所見が明らかにされることが望まれる。
著者
伊東 祐郎 酒井 たか子 三枝 令子 谷部 弘子 村上 京子 中村 洋一
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究の特色と意義本研究は、テスト開発過程に不可欠なテスト理論(「古典的テスト理論」と「項目応答理論」)を導入し、統計的分析を加えることによって、これまで日本では認識の低かった試験問題の精度を向上させられる実証的研究を行い、項目プール実現化へ向けての基盤研究を行った。また、テスト開発における項目プール化は、日本ではほとんどそのための研究が行われておらず、本研究を通して得られた知見は、今後のテスト開発の新たな方法として、具体的な形で多くの大学等で応用できるものとなった。本研究を通して開発したシステムは、次のような5つの機能を持つものである。(1)蓄積機能:作成した問題項目を、コンピュータ内に蓄積し、保存することができる。また、問題項目のほかに、過去の試験結果のデータや項目分析結果も蓄積できるので、将来の問題項目作成を効率よく行うことができる。(2)抽出機能:出題領域や評価対象領域、また困難度などの条件に基づき、必要な数の項目を抽出して試験問題を構成・作成することができる。(3)組み替え機能:抽出条件が同じでも、設問の組み合わせや選択肢の組み合わせが可能となるので、異なる試験問題を作成することができる。(4)加工機能:蓄積・保管されている試験や問題項目を、測定目的に応じて編集・加工・削除することができる。また、既に蓄積されている項目を基礎に、全く新しい問題項目を作成することができる。(5)製版機能:抽出された問題項目を、パソコン上でレイアウト・編集ができる。
著者
浅川 和宏 中村 洋
出版者
経営行動科学学会
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.223-234, 2005-07-31
被引用文献数
1 3

While R&D performance of individual researchers working within firms is considered to be influenced by the extent of their collaboration with the external research community such as universities as well as their interaction with other intra-firm units, we still do not know much about the mechanism under which different types of external/internal collaboration affect their R&D performance. In this paper, we report the factors that influence their R&D performance, with a particular focus on the balance between their external and internal R&D collaboration. Based on data from 130 R&D researchers within seven pharmaceutical firms, we tested our hypotheses on the impact of R&D collaboration on their R&D performance. Setting individual researchers as the unit of analysis, this study provides complementary insights into the research on the knowledge-based-view of the firm which is usually discussed at the firm level. (134 words)