著者
中村 誠 上田 香織
出版者
日本神経眼科学会
雑誌
神経眼科 (ISSN:02897024)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.293, 2017-09-25 (Released:2017-10-06)
参考文献数
22

日本神経眼科学会は,厚生労働省網脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究班と合同で,レーベル遺伝性視神経症(Leber hereditary optic neuropathy:LHON)の指定難病認定を目的に,認定基準策定ならびに全国疫学調査を行った.認定基準は,特徴的な主徴候と検査所見を基にLHONを確定例,確実例,疑い例,保因者に区分した.日本眼科学会専門医制度認定施設ならびに日本神経眼科学会会員在籍施設の合計1,397施設に対して,2014年1年間に新規で発症し,ミトコンドリアDNA 3460, 11778, 14484変異のいずれかを有するLHON確定例と確実例の症例数ならびに男女の内訳をアンケート調査した.その結果,新規発症患者数は117人(95%信頼区間:81~153人)と推計された.11778変異例が86.4%,男性が90%以上を占め,ともに海外に比較し,高い割合であった.発症年齢の中央値は30歳を超えており,既報よりも高齢であった.認定基準の策定と患者数の特定は,当初の目的達成に加えて,一般眼科医の啓蒙ならびに研究者や企業の治療開発意欲の促進に資するであろう.
著者
松村 香織 笹栗 正明 光安 岳志 新井 伸作 前野 亜実 中村 誠司
出版者
一般社団法人 日本口蓋裂学会
雑誌
日口蓋誌 (ISSN:03865185)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.212-216, 2016

断端神経腫は,末梢神経切断後に神経の中枢側断端に生ずる腫瘤である。口腔領域における報告はオトガイ孔部や下唇が主で,上唇の報告例は1例のみであった。今回,われわれは口唇形成術後に上唇に発生した断端神経腫の1例を経験したのでその概要を報告する。
著者
平木 敬 稲葉 真理 中村 誠 玉造 潤治 西村 亮 青嶋 奈緒 Felix Marti Wael Noureddine 来栖 竜太郎 坂元 眞和 古川 裕希 生田 祐吉 加藤 朗 山本 成一 長谷部 克幸 根尾 美由紀 稲田 友 村上 満雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.8, pp.1-6, 2005-04-13

2004年10月から12月にわたり実施した、超遠距離TCPシングルストリーム実験の実験環境、実施状況を述べ、実験結果を示す。その結果、TCP層とデータリンク層が適切に協調することにより、超遠距離のTCPシングルストリーム通信速度が、ネットワークの端点にあるサーバのバス(PCI-Xバス)で決定され、TCP方式自身は通信のボトルネックでないことが示された。これは、今後の超高速ネットワークの利用にとり重要な結果である。
著者
宇佐川 智也 中村 誠 津田 栄三 加藤 啓介
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.75-78, 1988

近年の豊かな食生活は「飽食の時代」と言われるまでになって,食肉に対しても高級化・多様化が求められている。ラム肉(子羊肉)は欧米では高級肉と位置づけられているが,わが国では新鮮でおいしいラム肉を食べる機会が少ないため,くさい肉,ジンギスカン用,というマトンのイメージがまだ強いようである。ラム肉のおいしさが知られるようになると,高級品としての新鮮なラム肉が今以上に求められる事は十分に予想される。めん羊は体躯の大きさが手ごろで性質が温順であるので飼いやすく,一村一品運動の好適な対象になり得る。わが国のめん羊飼養頭数は,昭和32年の約100万頭をピークに,昭和51年には約1万頭と激減した。その後,昭和61年の26,200頭とわずかに回復したにすぎない。国民一人あたりの飼養頭数でみると,イギリスの0.6頭,オーストラリアの9.0頭,ニュージーランドの21.8頭に比べて,わが国ではわずかに0.0002頭である。したがって,北海道や長野県などのめん羊飼育の盛んな地域を除けば,冷凍の輸入品が市販されてはいるものの,ラム肉を食べる機会は非常に少ないのが現状である。本研究では,本県でのめん羊飼育の可能性を探る手初めとして,サフォーク種めん羊を用いて,生後約6ヵ月間飼育したときの増体成績および産肉成績について,わが国内外の資料と比較検討した。
著者
佐藤 徹哉 山本 紀和 中村 誠
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.191-196, 2006-06-25 (Released:2011-02-17)

世界初の有効840万画素16: 9CCD, 広角28mm相当からの光学4倍の光学式手プレ補正 (O.I.S.: Optical Image Stabilizer) 搭載Leica DC Vario-Elmaritレンズを搭載したDMC-LX1により, 撮影アスペクト比を操る楽しみをはじめとする新たな楽しさの提案を行った.新開発のレンズとCCDをはじめとする要素技術とデザインが一体となって商品開発を行って, コンパクトサイズを犠牲にすることなくクリエイティブコンパクトモデルと称するにふさわしい表現力を備えたカメラを実現した. ユーザアンケートの結果では, 購入者の多くが新たな16: 9での撮影に満足されている一方で, 4: 3での撮影と併せて, 撮影アスペクト比を一つの表現手段として使う様子が伺われた.
著者
峯川 洋己 稲崎 一郎 中村 誠 鈴木 繁 上間 丈司 横田 秀雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.66, no.646, pp.2054-2059, 2000-06-25
被引用文献数
4

The cooling lubricants are still widely used for machining operation today to extend the tool life and to improve the quality of the machined surface. However, due to increasingly strict regulation aiming at controlling environmental pollution, the costs of using cooling lubricants are rising. It is, therefore, necessary to reduce the amount of cooling lubricant used in production lines. The logical step which can be taken to avoid the environmental problem is dry machining. But sometimes dry machining is not possible due to manufacturing process aspects, such as extensive tool wear and insufficient surface quality. To solve those problems, this study proposes cutting with minimal quantity lubrication(MQL), which is able to achieve the function of the cooling and lubrication with an extremely low consumption of lubricants and great amount of air flow. In this paper, the mechanism of the MQL system is introduced and by using this system, milling provess on carbon steel and aluminum alloys is tested to see the effectiveness of the MQL method.
著者
上田 毅 濵上 知宏 福本 陽二 中村 誠一 澤田 隆 清水 哲 遠藤 昭博 浅井 泰雅
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.846-850, 2011 (Released:2011-10-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

症例は62歳,男性.多発結腸癌および直腸癌に対しD3郭清を伴う直腸切断術が施行された.総合所見がf-StageIIIaであったことから補助化学療法としてカペシタビン単独療法を外来にて開始した.内服開始4日目,歩行困難,全身倦怠感,精神錯乱にて再来され,脳MRIにて白質脳症と診断された.薬剤の中断と対症療法により数日で症状は軽快しMRI所見でも白質脳症に伴う変化は消失した.薬剤性の白質脳症は様々な抗腫瘍薬で発症が報告されているが,カペシタビンによる白質脳症の本邦報告例は無い.自験例ならびに海外の報告からは,内服開始から発症までの期間が数日間と短い傾向があり,初回投与の際に十分な注意が必要と思われる.
著者
松浦 好治 鈴木 賢 宇田川 幸則 樋口 範雄 BENNETT F. G. Jr. 姜 東局 岡 克彦 外山 勝彦 小川 泰弘 角田 篤泰 増田 知子 中村 誠 佐野 智也 SHEE Huey-Ling HWANG Ren-Hung DING Xiang-shun LEE Heejeoung
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、日中韓台・漢字文化圏の法情報について、深い相互理解と比較法研究の推進を目的とし、次の成果を得た。法情報共有の環 境整備として、各国研究者と共同で、中韓台法令とその英訳の対訳約14万文、英文官報の画像と日英対訳約16万文を集積するとともに、4法域法令用語標準対訳辞書の項目候補約13,000語の検討を推進した。また、日本法令の機械翻訳や文書構造化の手法を開発した。一方、分かりやすい法情報の提供事例として韓国とEUを調査するとともに、特定分野の理解を促進する法情報パッケージLawPackの例を構築した。また、地方自治体例規約98万本を蓄積・横断検索するシステムeLenを開発した。
著者
中村 誠太郎
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.94-106, 1990-11-20

標準模型は電磁相互作用と弱い相互作用を統一し,ゲージ理論の基礎の上に立って広い範囲の現象の説明に成功していると信じられている。しかしくわしくしらべると弱い相互作用に関与する重粒子カーレントはnon-leptonic decayとsemi-leptonic decayとで相互作用の選択律がちがう,また共に普遍的にV-A型では説明できない,これはたとえクオークの力学が完成したとしても,それだけでは説明できるかどうか分らない程複雑である。また巨大質量をもつウィーク・ボゾンの質量を説明すべく導入されたヒグスボゾンは定義が不十分で実験以前に問題が残っている。さらに,ワインバーグ角やカビボ角のような任意常数の値を現象毎に調節していることは完全な理論とはいえない。われわれはこのような不完全な普遍性をもつ標準理論をやめて,まず素粒子の多重項と強・弱の二つの相互作用の中から,素粒子の対称性の理論を建設し,これにもとづいて,相互作用の選択律を推定した。軽粒子の相互作用は,ミンコフスキー空間の中のhelicityの反転に対する不変性から導いた。non-leptonic decayではこの不変性は破れるが,更に電荷の反転をつづけて行えば不変性が成立つという複合反転を仮定し,実験との一致をえた。semi-leptonic decayに対しては,湯川理論の立場にもどり,まず重粒子カーレントからメソンへ移り,次にメソンがウィークボゾンをへて軽粒子カーレントにつながるというモデル(Strong meson dominance)を採用し,実験を説明することができた。光子の他に質量ゼロ近くに中性のウィークボゾンδがありうるかを調べた。
著者
土居 幸司 吉田 誠 中村 誠昌 松村 光誉司 打波 大 田中 國義 今村 好章
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.202-207, 2005-02-01
参考文献数
40
被引用文献数
7

脾原発血管肉腫はまれな疾患で極めて予後不良である.今回,われわれは脾原発血管肉腫の切除後に転移巣に対しrecombinant interleukin-2(rIL-2)を投与したところ,肝転移巣および転移リンパ節において奏功を認めることができ. rIL-2の有用性が伺われた.症例は52歳の女性で.2002年9月,巨大な脾腫瘍に対し脾摘術を行い血管肉腫の診断を得た.術中多発肝転移を認めたため,これに対しrIL-2の肝動注を行ったところ転移巣は著明に縮小した.2003年3月,肝十二指腸間膜リンパ節に転移を認め,IL-2の持続静注療法を行ったところ転移巣は著明に縮小した.2003年5月,脳転移と思われる病巣が出現し脳外科にて摘出手術を行ったが切除標本からは血管肉腫の所見は得られず転移とは断定できなかった.術後,肝転移巣と副腎転移巣が増大したが,副作用のためrIL-2療法が続けられず,2003年9月死亡した.
著者
町田 宗博 目崎 茂和 山下 欣一 渡邊 欣雄 都築 晶子 三浦 國雄 中村 誠司 高良 倉吉
出版者
琉球大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

本研究の目的は、以下の3点である。1.中国における風水思想とその変遷,及び朝鮮・沖縄におけるその受容と展開を風水書や民間説話などの文献・民俗資料を通して明らかにし,各地域の比較を行う。2.日本の中でも復元可能な沖縄地域の風水説の受容,政治・歴史的背景との関連,近代以降の受容を,文献と野外調査を踏まえて総合的に検討し,その全体像を解明する。3.以上の個別研究を踏まえ,沖縄を中心として韓国・台湾・香港の風水文化の異同を学際的に比較検討する。これらの目的の達成のため,本年度は,2回の研究会と現地検討会(風水巡検)を開催した。特に本年度は,沖縄県石垣島において,風水見(風水師)与儀通事親雲上鄭良佐による与那国島,波照間島を除く全集落を対象とした風水見分文書・「北木山風水記」が見つかり,風水巡検は,同文書と現地集落の対応関係に力点をおいた。この結果,沖縄における風水見の風水知識受容の態様と,具体的集落空間に対する認識形態の一端が明らかになった。このことは,「風水」が,沖縄の景観解読の一つの鍵になりうることをも示唆している。また,研究会においては次の発表を得た。【中国(香港・台湾)の風水】中国大陸の風水研究書について(宮崎順子)【韓国の風水】韓国の風水研究-村落風水を中心に-(朝倉敏夫),現代韓国の風水説(野崎充彦)【沖縄の風水】八重山の村落風水(新城敏男),与儀通事親雲上鄭良佐の風水見分(町田宗博)【インド,タイ】タイ北部の山岳民族の風水について(吉野晃),タミル風水孝-南インド内陸農村社会の自然観と経済観(重松伸司)【公開講演会】中国の呪符について(坂出祥伸),気功と風水(津村喬)【風水巡検】八重山風水文書と現地集落との対応関係(小浜島・竹富島・石垣島)【討論会】村落風水の比較研究-沖縄・韓国・中国-
著者
吉川 雅之 松田 久司 中村 誠宏
出版者
京都薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では, 薬食同源の視点から薬効が伝承されている天然薬物の中から香辛料食品に焦点を絞り, 新規機能性成分の開拓を行った. この研究過程で, 特にローズヒップ(Rosa canina)やナガコショウ(Piper chaba, 果実)の含有成分に強い抗肥満作用・抗糖尿病を有することを見いだすともに, 活性発現のための必須構造および作用機序の一部を明らかにした. また, 種々の香辛料食品から新規機能性成分を見いだした.
著者
新城 敏男 中村 誠司 上江洲 均
出版者
名桜大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1996

本研究の目的は、琉球・沖縄の歴史、とりわけ王府支配下の村々、さらには家の問題、人々の生活実態の理解を深め、沖縄の地域の歴史像を豊かにすることにある。その基礎作業として、平成8〜9年度において、沖縄の市町村・字・家レベルで地方(じかた)史料の残存状況を調査し、沖縄における地方史料の所在目録データベースの基盤をつくることを課題とした。まず、市町村史や各種史料調査報告書などの刊行資料から情報を収集整理し、また各市町村史編集室や博物館等で収集されている未刊情報についても調査を行なった。第2は、可能な限り新しい地方史料を発掘し情報化した。第3に、史料の保存と公開利用に向けて、主な地方史料のマイクロ撮影を行なった。なお、既刊資料を中心にした地方史料のテキストファイル作成は今後の課題とした。「沖縄県地方史料目録データベース」作成は、「史料カード」(24項目)をもとに可能な限り原史料に当たって情報を整理した。入力作業は、本プロジェクトのシステムに合わせて「桐」ソフトで行なった。整理・入力した各地域の主な史料群は次のとおりである。八重山の石垣市については計1809点を整理した。内訳は、石垣市立八重山博物館史料124点、石垣市管内明治35年調整図面及び石垣町・大浜村時代調整図面史料438点、石垣豊川家文書642点、石垣喜舎場英勝家文書242点、石垣石垣家文書363点である。竹富町は、竹富島喜宝院蒐集館文書391点を入力した。宮古の平良市については、宮古本永家文書35点のほか、平良市史編集室収集史料約50点を入力した。多良間村は村史に収録された537点を入力した。久米島については、新たに久米島与世永家文書396点を整理・入力した。沖縄本島北部は、名護市について583点、本部町444点、今帰仁村250点、国頭村奥区350点のほか、大宜味村・東村・伊是名村について既刊情報を整理した。沖縄本島中部は、宜野湾市17点、北谷町15点、西原町9点を入力した。以上、「沖縄県地方史料目録データベース」として約5000点を整理・入力した。
著者
中村 誠司 吉田 裕樹 山田 亮
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

癌ペプチドを用いたオーダーメイド免疫療法と早期診断法の開発のためには、癌に対する免疫監視機構やその調節機構を十分に理解しなければならない。本研究では、口腔癌の癌ペプチドの中ではSART-1が最も抗原性が強く、免疫監視機構における中心的役割を果しており、それゆえに口腔癌の治療ならびに診断に応用可能な癌ペプチドであることが判った。しかしその一方で、口腔癌が腫瘍関連抗原であるRCAS1を発現・分泌し、活性化T細胞のアポトーシスを誘導して免疫監視機構を制御していることが判った。免疫監視機構を賦活するためには癌ペプチドを用いるだけでは不十分であり、このRCAS1の作用を制御する必要性が明らかとなった。
著者
中村 誠宏 森川 敏生 加藤 泰世 李 寧 長友 暁史 池 桂花 大串 輝樹 浅尾 恭伸 松田 久司 吉川 雅之
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.48, pp.535-540, 2006-09-15

During the course of our characterization studies on bioactive saponins, the saponin fraction from the flowers, seeds of Camellia sinensis and C. japonica were found to show biological activities (gastroprotective, inhibitory effect on serum triglyceride (TG) elevation, and platelet aggregating effects, and so on). Therefore, we tried to isolate various bioactive saponin constituents from Camellia sinensis and C. japonica. 1. Camellia sinensis We have isolated nine new compounds [floratheasaponins A-I] from the flowers, twenty-three new compounds [theasaponins A_1-A_5, C_1, E_3-E_<13>, F_1-F_3, G_1, G_2 and H_1] from the seeds, and six new compounds [foliatheasaponins I-VI] from the leaves of C. sinensis. Floratheasaponins from the flowers were found to inhibit serum TG elevation in olive oilloaded mice. Theasaponins A_2 and E_2 showed inhibitory effects on ethanol-induced gastric mucosal lesions in rat, and their effects were stronger than that of reference compound, cetraxate hydrocholoride. 2. Camellia. Japonica We have isolated nine new compounds [camelliosides A-D, sanchasaponins A-D] from the flowers and six new compounds [camelliasaponins A_1, A_2, B_1, B_2, C_1, and C_2,] of C. japonica. Camelliosides, A and B showed gastroprotective and platelet aggregating effects. In addition, camelliasaponins B_1, B_2, C_1, and C_2 were found to exhibit inhibitory activity on ethanol absorption.
著者
中村 誠宏
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

苫小牧研究林のクレーンサイトにおいて地上15-20mにある枝(地上部)の温暖化処理を2008年5月から本格的に開始した。その結果、温暖化処理は、地区部処理区、地下部+地上部処理区、対象区の3つのタイプが揃った。それぞれの温暖化処理区において、このまま温暖化が続いた場合の100年後の気温を想定して5度の温度上昇を維持するための装置も設置してある。この電熱ケーブルを枝に張り巡らす地上部の温暖化処理は世界でも例を見ない手法である。以上の実験環境の整備により、北海道の代表的なミズナラ自然林を舞台に、人工的な温暖化現象を作り出し、樹木にどのような変化が現れるのかを長期的に調べることが可能な状態になった。本年度の温暖化処理区での調査は、昨年に引き続き林冠部の葉形質と食害度の調査を行った。さらに、葉の光合成と呼吸量の測定も行った。温暖化の処理効果を近接リモートセンシングで把握できるようにクレーンの上部に分光カメラと熱カメラを設置して林冠部の撮影によるモニタリングを開始した。一方、林床植物の群集構造そして繁殖戦略についての調査を開始した。土壌の温暖化を直接大きな影響を受けているのは林床植物群集であると考えている。今年度の主な結果は、ドングリ生産量が枝の地上部(枝)の温暖化処理によって2-5倍に増加したことである。また、秋の落葉も10日ほど遅くなり、地上部の温暖化は樹木の様々な生態的な特徴に影響を与えていることがわかってきた。また、樹木の生理機能に関しては、土壌の温暖化処理によって春先の葉の呼吸量が増加することがわかった。しかし、地上部の温暖化処理はこれら機能への影響は見られなかった。