著者
中野 由章 久野 靖 佐久間 拓也 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
第57回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.155-169, 2016-01-08

わが国の初等中等教育における情報教育は多くの問題を抱えているが,その中に「どのような評価を行うのがよいかの合意がない」「大学入学試験において情報の内容が出題されることが少ない」という点が挙げられる.筆者らは情報入試研究会として2012 年からこの問題に取り組み,シンポジウムなどを通じて各大学に情報の出題を促すとともに,望ましい情報入試の問題について探究し,公開模擬試験を通じてデータを収集してきた.本発表では,情報入試研究会の活動について紹介するとともに,作題に関する考え方,公開模擬試験で使用した問題や試験結果について紹介し,望ましい情報入試のあり方について議論する.
著者
中野 敬介
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.282-292, 2017-04-01 (Released:2017-04-01)
参考文献数
54
被引用文献数
1

従来の移動通信システムとは異なり,インフラを使用しない移動通信ネットワークとしてマルチホップ無線ネットワークがある.マルチホップ無線ネットワークでは送信元ノードと宛先ノードの間の連結なマルチホップ無線経路で通信を行う.それを更に柔軟にしたものとして,移動ノード間の直接無線通信と移動ノードの移動により情報を空間的に拡散し情報を伝えるというエピデミック通信や,直接無線通信を特定領域だけで許可することにより無秩序な情報拡散を防ぎながら特定の領域の不特定のノードに情報を伝えるという情報フローティングがある.これらのように,移動体同士の情報交換と移動により情報を伝えることができるという性質を生かした手法が注目されている.本論文ではエピデミック通信,情報フローティングとその安全・安心への応用について,安全・安心への応用における移動ノードの特徴的な移動との関係に着目しながら解説する.また,情報フローティングによる情報配信がノードの行動変化を促し,この行動変化により情報フローティング自体も影響を受けること等に着目して,新たな観点から行われている情報フローティングの研究について解説する.
著者
小川 秀幸 西尾 尚倫 牧野 諒平 越前谷 友樹 大塚 三和子 中野 克己
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
pp.20048, (Released:2021-06-26)
参考文献数
23

目的:回復期脳卒中患者における下肢装具による医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)に関連する要因を検討すること.方法:研究デザインは後ろ向きコホート研究とした.対象は回復期リハビリテーション病棟入棟中に下肢装具を作製した脳卒中患者95名とした.調査項目は,基本属性,入棟時のBrunnstrom Recovery Stage,感覚障害の有無,半側空間無視の有無,入棟時と退院時のFunctional Independence Measureとした.メインアウトカムであるMDRPUの発生は,National Pressure Ulcer Advisory Panel分類ステージⅠ以上とした.統計解析では,MDRPUの発生あり群となし群に分けて群間比較を実施し,多重ロジスティック回帰分析を行った.変数の選択には,尤度比検定による変数増加法を用いた.結果:MDRPUの発生要因として抽出されたのは,年齢(オッズ比=1.05,95%信頼区間:1.01~1.10,p<0.05)と,入棟時感覚障害の有無(オッズ比=5.17,95%信頼区間:1.39~19.28,p<0.05)であった.結論:回復期入棟時に若年層で感覚障害を有する場合は,下肢装具によるMDRPU発生の危険性が高く注意が必要であることが示唆された.
著者
荒川 浩久 大澤 多恵子 中野 貴史 堀 穣 荒川 勇喜 川村 和章 宋 文群 中向井 政子 石田 直子 石黒 梓
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.35-42, 2015-01-30 (Released:2018-04-13)
参考文献数
16

歯科診療所におけるフッ化物局所塗布に関する質問紙調査を実施し,244名から回答を得た(回収率14.6%).別の対象で実施した前回調査との比較,ならびに2年5か月前に静岡県歯科医師会会員を対象に実施した同様な調査との比較を行った. フッ化物局所塗布を小児に実施しているのは89.0%,成人および高齢者は52.4%と前回調査ならびに2年5か月前の同様な調査より増加したものの,成人期以降の実施率は低く,乳幼児期から高齢期まで生涯を通じてのフッ化物応用の必要性をさらに周知し,実践していくことが必要である.また,使用している塗布剤の中に,生産中止から3年以上経過しているものやフッ化物配合歯磨剤等があり,院内における医薬品管理の徹底が必要である. 小児へのフッ化物局所塗布の診療報酬の請求方法では,「フッ化物局所塗布の診療費の請求をしない」が59.5%で最も多く,「自由診療として請求する」が43.7%,「う蝕多発傾向者として保険で請求する」が14.0%,「C選療として請求する」が1.9%であり,本保険制度は利用しづらい状況にあった.フッ化物局所塗布のカルテへの記載について「診療費の請求はしない(無料サービス)ので記載しない」が28.4%あったが,医療行為であるため,カルテにその内容を記載することは必須である. 平成26年4月からう蝕多発傾向者の基準が半分以下に改正されたことから,今後の利用増加が期待される.
著者
石郷 友之 下坪 達人 髙田 遼 中野 敬太 藤居 賢 北川 学 木明 智子 中田 浩雅 福土 将秀
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.141, no.2, pp.255-262, 2021-02-01 (Released:2021-02-01)
参考文献数
25
被引用文献数
2

The efficacy and safety of linaclotide in elderly patients are poorly understood. Herein, we aimed to assess the efficacy and safety of linaclotide in elderly patients in real-world setting. We retrospectively enrolled consecutive patients who started linaclotide therapy at Sapporo Medical University Hospital from October 1, 2017 to December 31, 2019. The efficacy and safety of linaclotide were examined in relation to various factors, including age (<65 or ≥65 years) and dose (0.25 or 0.5 mg/d). Fifty-two patients were enrolled, 60% of whom were over 65 years old and 40% were female. Thirty-six patients received a linaclotide dose of 0.25 mg/d. The most common side effect was diarrhea, but there was no difference in the incidence of diarrhea between the elderly (64.5%) and non-elderly patients (42.9%, p=0.130). No significant difference was observed with respect to improvement in constipation in the elderly (83.9%) and non-elderly patients (71.4%, p=0.318). Additionally, the difference in efficacy of linaclotide in patients who received a reduced dose (80.6%) vs. those who received the recommended dose (75.0%) was not statistically significant (p=0.719). Multivariate analysis revealed that age, gender, and dose were not associated with diarrhea induced by linaclotide treatment. However, concurrent treatment with constipation-inducing medications [odds ratio (OR) 5.79, p=0.047] and linaclotide monotherapy (OR 11.1, p=0.040) were both risk factors contributing to diarrhea. Linaclotide is effective and safe for use in elderly patients. The incidence of diarrhea may increase when linaclotide is administered alone or concurrently used with medications that cause constipation.
著者
山口 利子 武田 千津 中野 静子 北尾 孝司 篠原 信之
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.145-150, 2001-06-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
14

看護婦に対するアンケート調査の結果, 94.4% (167/177) が手荒れを経験し, その悪化対策や予防の目的で71.2% (126/177) がハンドクリーム等を使用していることがわかった.そこで, ハンドクリーム等の使用が手指付着菌の洗浄に対してどのような影響を及ぼすのかを知るために実験を行った.実験は日常的に多く使用されていたザーネクリーム®軟膏 (ZO), プライムローション® (PR) および皮膚保護材のデルマシールド® (DS) の3種類を手指に塗布して行った.塗布後に付着せしめた被験菌の洗浄効果は寒天培地接触法によって測定した.手指の洗浄は, 「無洗浄」「流水洗浄」「こすり洗い」の3通りの方法で行った.その結果, 手指に付着する菌数はハンドクリーム等の塗布の有無にかかわらず差はみられなかった.菌付着手指は「無洗浄」で寒天平板培地にスタンプを繰り返したところ, ZO, PR, DSを塗布したいずれの場合においても, スタンプを9回繰り返しても付着菌が検出された.また, 「流水洗浄」の場合は付着菌の減少はみられたが, 完全には除去されなかった.さらに「こすり洗い」では, 被験菌が大腸菌の場合には, PR, DSでは1回の洗浄で, ZOでは2回の洗浄で除去された.しかし, 被験菌が黄色ブドウ球菌の場合には, 洗浄を9回繰り返しても, PR, DS, OZ塗布のいずれにおいても付着菌が確認された.ハンドクリーム等塗布の手指に付着した菌は, 塗布しなかった手指に比べて除去されにくかった.
著者
中野 敬一 Keiichi NAKANO
雑誌
女性学評論 = Women's Studies Forum
巻号頁・発行日
vol.28, pp.47-67, 2014-03

本論では聖書において「売春女性」がどう扱われているかを確認した。まず旧約聖書では「神殿娼婦」と「遊女」が登場する。神殿娼婦は異教の習慣であり、イスラエルの聖所においては厳しく禁じられていた(例:申命記23:18)。しかし実際にはイスラエルにおいても神殿娼婦との淫行がみられ、預言者は神の審判を予言したのである。(例 : ホセア記4:14)。一方、遊女に対しては神殿娼婦ほどの避難はなされていない。新約聖書には、旧約聖書における「遊女」の同義語である「娼婦」が登場する。彼女たちの社会的地位は低く、特に律法学者やファリサイ派などのユダヤ教指導者層から差別されていた。しかしイエスは「徴税人や娼婦たちの方が、あなたたちより先に神の国に入るだろう」(マタイ福音書21:31)と述べた。また「罪深い女」(ルカ 7:36)と呼ばれていた娼婦を受け入れた。イエスは彼女たちを救いに招いたのである。しかし、後のキリスト者やキリスト教会はイエスの姿勢を継承しなかったと言える。例えば、パウロはコリント教会における淫行を禁じ、そのような行いをなす人々を排除するよう命じた。彼はキリスト者が娼婦と一体となることを戒めており、「みだらな者は神の国を受け継ぐことができない」と述べた(Ⅰコリント 6:10)。パウロらの思想は後のキリスト教会に受け継がれた。教父時代においては禁欲が重視され、売春女性は教会から排除された。しかし、同時に「必要悪」として認められた。さらにこのような傾向は中世ヨーロッパのキリスト教会にも継続され、社会や教会の純潔が守られるために、売春は是認されるのである。宗教改革者たちも売春女性を厳しく差別したが、カトリック教会と同様「必要悪」として彼女たちを容認したのである。 In this paper, I explored how prostitutes are treated in the Bible. "Shrine prostitute" and "harlot" appear in the Old Testament. The shrine prostitute was a custom of paganism and was forbidden in Israeli holy places (ex. Deuteronomy 23:18). In fact, however, immoral sexual acts with shrine prostitutes were observed in Israel, and the prophets foretold the judgement of God (ex. Hosea 4:14). On the other hand, Israelis did not criticize harlots as shrine prostitutes. "Prostitute", which is a synonym of "harlot", appears in the New Testament. Their social status was low; they were discriminated against by the class of Jewish leaders such as the scribes and the Pharisees. However, Jesus said to them, "the tax collectors and the prostitutes are going into the kingdom of God ahead of you" (Matthew 21:31 ). In addition, he accepted "a sinful woman" (Luke 7:36 ) who was a prostitute. Jesus invited her to salvation. However, it may be said that the later Christian church and heritage did not follow this position of Jesus. For example, the apostle Paul forbade sexual immorality in the Corinth church and commanded that it remove people who performed such an act. Paul banned a Christian and a prostitute from becoming one body and stated, "fornicators will not inherit the kingdom of God" (I Corinthians 6:10). The thoughts of Paul were inherited by the later Christian churches. Abstinence was made much of in the Church Father era, and prostitutes were removed from churches. However, it was recognized as "a necessary evil" at the same time. Furthermore, this tendency continued in the Catholic Church of the Middle Ages, and the church approved prostitution to protect the purity of society and the church. Religious reformers also discriminated harshly against prostitutes, but accepted them as "a necessary evil" in the same way as the Catholic Church.
著者
高田 光康 樋口 進 中野 武
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第21回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.245, 2010 (Released:2010-11-07)

残留性有機汚染物質として注目されている有機フッ素化合物類の浸出水処理工程における除去特性について調査した。これら物質は、生物処理及び凝集沈殿処理工程では除去されず、活性炭吸着処理工程で良く除去されていることがわかった。活性炭による有機フッ素化合物類の除去能は、CODの除去能を上回っており、特に新炭及び入替直後の再生炭では高い除去率であった。
著者
中野 倫靖 後藤 真孝 平賀 譲
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.227-236, 2007-01-15

本論文では,歌唱力を自動的に評価するシステム開発の第1 段階として,ポピュラー音楽における歌唱力の「うまい」「へた」を,楽譜情報を用いずに自動的に識別する手法を提案する.従来,訓練された歌唱者の歌唱音声に関する音響学的な考察は行われてきたが,それらの研究は歌唱力の自動評価に直接適用されたり,人間による評価と結び付けて検討されたりすることはなかった.本論文では,聴取者の歌唱力評価の安定性を聴取実験によって確認し,そこで得られた結果から歌唱音声に「うまい」「へた」をラベル付けして自動識別実験を行った.そのための特徴量として,歌唱者や曲に依存しない特徴であることを条件に,相対音高とビブラートの2 つを提案する.聴取実験では,22 人の聴取者を被験者とし,聴取者間の評価に相関があった組の割合は88.9%(p < .05)であった.また,600 フレーズのラベル付けされた歌唱音声に対して識別実験を行った結果,83.5%の識別率を得た.
著者
神田 聖子 仲田 瑛子 小田島 祐美子 中野 都 佐藤 清香 江木 伸子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.78-87, 2020-04-01 (Released:2020-05-27)
参考文献数
36

【目的】日本食品標準成分表2015年版において,調理前(原材料)と調理後食品を用いた献立の栄養価の差を明らかにし,栄養価計算を行う際の留意事項を検討する。【方法】学内の給食管理実習における30日分の昼食献立を対象に,調理を考慮しない「作成時」と考慮した「提供時」について対応のあるt検定またはWilcoxon符号順位検定を用いて1食あたりの栄養価を比較した。食品群別による比較も行なった。【結果】エネルギーの平均値±標準偏差は作成時で 719±70 kcal,提供時で 699±65 kcalであり,提供時で有意に低かった(p<0.001)。提供時で有意に低値となった栄養素は脂質,飽和脂肪酸,カリウム,カルシウム,鉄,ビタミンA,ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンCであり,食物繊維のみ提供時で有意に高かった。食品群別にみると,肉類と野菜類で提供時の栄養価の減少が目立った。【結論】作成時と提供時の栄養価には統計的な差があり,栄養価計算は調理後食品で行うことが望ましいとわかった。両者の差は肉類及び野菜類で調理後食品を用いることにより解消できると考える。やむを得ず原材料で栄養価計算を行う際は,カリウム,鉄,水溶性ビタミンの給与栄養目標量を食事摂取基準の110~140%に設定すること,または,肉類の使用量を予定原材料の115%,野菜類を132%にすることで提供時の値に近似することが示唆された。

4 0 0 0 OA 鍋島直正公伝

著者
中野礼四郎 編
出版者
侯爵鍋島家編纂所
巻号頁・発行日
vol.第2編, 1921
著者
平山 雄大 中野 哲雄 越智 龍弥 安岡 寛理 田畑 聖吾 中原 潤之輔 酒本 高志 前田 和也
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.690-692, 2018-09-25 (Released:2018-11-12)
参考文献数
8
被引用文献数
1

100歳以上の大腿骨近位部骨折の術後成績を検討した.症例は2001~2017年に手術を施行した100歳以上の大腿骨近位部骨折11患者13例で,年齢は100~103歳,平均100.9歳,性別は男性2名,女性9名,骨折型は大腿骨頚部骨折4例,転子部骨折6例,転子下骨折2例,頚基部骨折1例であった.手術法は全例内固定術を行い,うち頚部骨折1例は偽関節のため再手術(人工骨頭置換術)を施行した.歩行再獲得率は63.6%(7/11例)で,周術期の合併症は術前肺炎1例,術後肺炎1例,術後肺炎+心不全1例であったが,全例が改善して自宅退院・施設入所・転院となった.術前評価にて手術が禁忌となるような既往症がなければ,100歳以上の患者でも積極的に手術を行うべきであると考える.
著者
中野正剛 著
出版者
鶴書房
巻号頁・発行日
1942
著者
惠多谷 雅弘 鶴間 和幸 中野 良志 村松 弘一 小林 次雄 吉田 愛 福島 惠
雑誌
学習院大学国際研究教育機構研究年報 (ISSN:21890838)
巻号頁・発行日
no.3, pp.89-112, 2017-02-01

高分解能衛星データで秦始皇帝陵墳頂を通る南北中軸線の方位を計測すると,北方向は現在の真北からやや東偏している。この南北中軸線を方位図法投影した地球の三次元球体衛星画像上にプロットしたところ,その北方向は驪山北方約700 km に位置する陰山山脈烏拉山の最高峰近くに達した。またこの時,『史記』の記述で統一秦の東門がおかれた場所とされる胊県(現在の連雲港市)を通る東西線は,『三輔旧事』で秦西門との記述がある約1,100 km 西方の汧水(千河)を横切り隴山に達することも分かった。『史記』や『三輔旧事』の記述は統一前後の秦に当時の方位を意識した空間的概念が存在したことを示唆しているが,衛星画像の解析結果は秦帝国形成において胊県(東海),隴山(汧水),驪山(渭水),烏拉山(黄河)の山水を東西南北のランドマークとした壮大なグランドプランが存在した可能性を示唆している。
著者
佐藤 みずほ 水山 元 中島 円 中野 冠
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.397-405, 2019 (Released:2019-12-27)
参考文献数
19

It is difficult to find out what consumers actually demand, in a society with various information and products. Under such circumstances, the importance of finding consumer insight is increasing. However, it is difficult to find out consumer insight. In this paper, the effect of using visuals for the discovery of consumer insight was verified compared with using text. The experiment was conducted with two groups. Each group came up with ideas on two themes. At that time, the following conditions were set: one is to use visuals and the other is to use text. Then, the contents were analyzed using Finke’s Geneplopre model. The result showed that, the number of ideas with visuals were fewer than the number of ideas with text. However, it was implied that using visuals allows for deeper and wider interpretation of ideas, which could lead us closer to true consumer insight.