著者
角野 猛 会田 久仁子 金子 憲太郎 柳 大河 黄 鎬観
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.233-237, 1991-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13
被引用文献数
3

Thirty samples of salted guts produced in Japan and forty six samples of salted guts in Korea were used in this experiment. The results obtained were as follows.1. The mean values of water activity, sodium chloride concentration and viable cell counts of three kinds of salted guts produced in Japan ranged 0.578-0.767,6.46-18.70% and2.985-4.884(log. /g), respectively, while six kinds of samples in Korea ranged 0.528-0.718,8.13-20.87% and 3.311-7.121(log. /g), respectively.2. The detection rate of coliform organisms in salted guts produced in Japan and Korea were 32.4% and 4.3%, respectively.3.Tolerance salt concentration of Bacillus subtilis and Coliform organisms isolated from Korea salted guts was 12-14% and 6-8%, respectively, at the concentration of sodium chloride.
著者
船越 公威 坂田 拓司 河合 久仁子 荒井 秋晴
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.351-357, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
16

クロホオヒゲコウモリMyotis pruinosusの九州における生息分布は,これまで宮崎県綾町照葉樹林における捕獲記録だけであった.今回,熊本県でも生息が確認されたので報告する.確認場所は熊本県東部の山都町内大臣渓谷にある隧道トンネルの天井の窪みで2007年9月30日,2008年7月27日および8月24日に成獣雄各1頭が確認された.また,2011年11月27日に同トンネルで成獣雌1頭が確認された.背面の体毛は灰黒褐色または黒褐色でクロホオヒゲコウモリの特徴である差し毛に銀色の光沢がない個体もみられた.しかし,側膜がモモジロコウモリM. macrodactylusと違って外足指の付け根に着いていること,九州ではヒメホオヒゲコウモリM. ikonnikoviが分布せず尾膜の血管走行が曲線型でなかったことを考慮して,クロホオヒゲコウモリと判定した.また,熊本県産2個体のミトコンドリアDNA(cytochrome b遺伝子1140 bp)を解析した結果,クロホオヒゲコウモリであることが支持されたが,種内の遺伝的変異が比較的大きく地理的変異があることが認められた.前腕長や下腿長は九州産の方が本州・四国産よりも大きかった.頭骨の形状についても,九州産では本州・四国産のものに比べて頭骨基底全長が短く,眼窩間幅や脳函幅が広かった.頭骨計測8項目を基に主成分分析を行った結果,九州産は本州・四国産との間で明瞭に分離された.
著者
会田 久仁子 角野 猛
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.145-152, 2007 (Released:2007-11-07)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

市販及び自家製のかぶらずしと大根ずしの諸成分と微生物について検討した。得られた結果は以下のとおりである。  1) 市販かぶらずしのナトリウム量, カリウム量, 食塩濃度および水分活性は, それぞれ平均734mg/100g, 197mg/100g, 1.9%, 0.958, 同様に大根ずしは675mg/100g, 144mg/100g, 1.7%および0.956であった。一般生菌数はかぶらずしで平均6.1×105/g, 大根ずしで4.8×106/g, 乳酸菌数はかぶらずしで4.8×105/g, 大根ずしで1.7×107/gであった。  2) 自家製かぶらずしおよび大根ずしの遊離アミノ酸総量は, いずれも同様の傾向をとり, 漬け込み直後は299.5~419.3mg/100g, 30日後には595.5~717.4mg/100gとなった。特に, 保存15日以後急激に増加が認められた。  3) 自家製かぶらずしおよび大根ずし共に, 保存にともなってGABA, アルギニン, アラニン, グルタミン酸の増加が顕著となり, 30日後にはGABA量は47.7~60.5mg/100gとなった。
著者
寺田 久仁子 岩本 佳代子 小林 睦 辻野 政司 寺岡 文雄 荒川 行生 恩田 光子 前田 頼伸
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.96-102, 2009 (Released:2010-02-07)
参考文献数
21

Bone cements have been widely used to fill the dead space of bone tissues in orthopaedic surgeries.Loaded with antibiotics,these materials are also administered for the prevention and treatment of infections,infectious osteomyelitis for example.We made polymethylmethacrylate cement preparations of five commercial vancomycin (VCM) products and compared the in vitro dissolution profiles of the VCM in them and mechanical strengths of the cements.When immersed in phosphate buffer (PB) for 30 days,dissolved amounts of VCM ranged between just 5 and 19% of the calculated contents and after immersion in PB for 40 days mechanical strengths were significantly decreased (50-75% of the control without VCM).Further,on testing a cement preparation containing pharmaceutical additives as well as VCM,the amount of antibiotic released was significantly larger than that for other preparations and the release was more rapid as well.This cement preparation also had the lowest strength among those studied.By doing this,we showed that pharmaceutical additives could have marked effect on the dissolution of the antibiotic and mechanical strength for antibiotic-laden bone cements for the first time,though these were in vitro findings.The present study clearly demonstrated that the antibiotic products used can cause functional differences in antibioticladen bone cements and also suggested that pharmaceutical additives influence cement functions.It is therefore necessary to pay attention to both the antibiotic content of commercial VCM products and types of pharmaceutical additive in the preparation of such cements.
著者
福井 大 前田 喜四雄 佐藤 雅彦 河合 久仁子
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.39-43, 2003-06-30
被引用文献数
3

北海道函館市において,これまで青森県以北には分布しないとされていたアブラコウモリ Pipistrellus abramus を捕獲した.捕獲個体は妊娠しており,本種が北海道内で繁殖をしていることも確認された.また,外部形態やエコロケーションコールの構造は本州産の本種とほぼ同じであった.今後,本種の北海道内における分布の拡大が注目される.
著者
会田 久仁子 角野 幸子 橋本 美津子 横堀 亜紀子 金子 憲太郎 角野 猛
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.206-210, 1990-05-20
被引用文献数
2

キムチのpH、塩分濃度、および微生物汚染等と女子学生の嗜好実態およびイメージについて調査し、次の知見を得た。1.市販キムチ40検体のpHは4.50〜4.99のものが多く、平均5.14であった。塩分濃度は平均2.75%、一般生菌数は10^7〜10^8/gのものが多く対数平均値は6.22/gであった。大腸菌群検出率は41.7%であった。2.嗜好の程度を「大変好き」、「好き」、「どちらでもない」、「嫌い」、「大変嫌い」として、それぞれ2、1、0、-1、-2点と評点し、各種漬物の嗜好度の平均点、95%信頼限界を算出した。キムチは平均0.72点でたくあん漬および梅干しについで高かった。なお、浅漬、福神漬、ぬか漬、みそ漬、奈良漬、わさび漬および酢漬はそれぞれ0.67、0.65、0.17、0.14、-0.01、-0.10および-0.07点であった。3.キムチは濃厚な味で、まろやかさに欠け、後味が残り、くせがあり、重々しいものであるというイメージをもっていた。
著者
鄭 秀明 内山 真一郎 大原 久仁子 小林 道子 村上 博彦
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.456-461, 1998-10-25 (Released:2009-12-07)
参考文献数
26
被引用文献数
1

発症24時間以内の脳梗塞250例において,進行性増悪例の検討をOxfordshire CommunityStroke Project (OCSP)の4病型分類別に検討した.全体では28%に進行が観察され,partial anterior circulation infarcts(PACI)群の進行は9%と他の3群(total anterior circulation infarcts: TACI, lacunar infarcts: LACI, posterior circulation infarcts :POCI)に比し低率であった.進行群と非進行群の比較では,TACIの進行群で頭部CTでの早期異常が高率で,コレステロールが低下しており,LACIの進行群ではエントリー時に機能的に重症であったが,その他の因子に差はなく,POCIでは両群間に差は見出せなかった.進行例は生命予後.機能予後とも不良であった.進行例の頻度は病型別に異なり,若干の予知因子が抽出されたが,その予測は依然として困難と考えられた.
著者
浦部 貴美子 酒井 久仁子 灘本 知憲
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.929-934, 2008-11-15

抗酸化性の高い野草を見いだすための予備的なスクリーニングとして,野草(44種)80%エタノール抽出液の1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl (DPPH)ラジカル消去活性を求めた.1)これらの野草(新鮮物1gあたり)は,α-トコフェロール相当量として8.5〜499.8μmolのDPPHラジカル消去活性を示し,特にキジムシロ,フキ,コニシキソウ,オオイヌタデ,サナエタデ,オオニシキソウ,メマツヨイグサは,すでに抗酸化作用の明らかなローズマリーの活性よりも高い値を示した.フキ以外の野草の抗酸化性については,本報告が初めてである.2)野草のDPPHラジカル消去活性とポリフェノール量との間には有意な正の相関関係(p<0.001)が認められた.しかし,高い抗酸化活性を示した7種の野草では,ラジカル消去活性値とポリフェノール量との相関は認められず,抗酸化力の強いポリフェノール,あるいは他成分の関与も考えられる.3)これらの野草とローズマリー抽出液添加によるリノール酸の酸化抑制効果をロダン鉄法により求めた.その結果,フキ,キジムシロ,メマツヨイグサ,オオイヌタデがローズマリーよりも高い酸化抑制効果を示した.
著者
伊藤 弘顕 西川 久仁子 粟野 達也 細川 宗孝 矢澤 進
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.19-23, 2010 (Released:2010-01-26)
参考文献数
24

乾膜質な花葉をもつ7種の植物種を用いて,細胞壁の形態を電子顕微鏡および偏光顕微鏡を用いて観察した.通常,花葉は一次細胞壁だけの柔細胞で構成される.しかし,少なくとも7種の植物種における乾膜質な花葉では,共通して組織すべての細胞がセルロース配向のある二次細胞壁を発達させていることが明らかとなった.また,二次細胞壁の肥厚形態は植物種によって様々であった.すなわちヘリクリサムなどキク科の植物は管状要素あるいは転送細胞のように網目状あるいは縞状に,センニチコウなどヒユ科の植物は繊維のように層状に,イソマツ科の植物であるスターチスは種皮の厚壁異型細胞のようにひだ状に,細胞壁を発達させていた.
著者
杉原 久仁子
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学社会学論集 (ISSN:02876647)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.307-336, 2011-03-28

People with dementia in the prime time of life are faced with many problems, one of which is the working problem. This paper aims to quest for better methods of the working support for people with dementia in the prime time of life. First, I introduce some working problems by referring to findings of an opinion survey for families of persons with dementia, talking of a person with dementia, and an interview with a person who has experiences of supporting a person with dementia at a working place. Second, tasks in the working support are extracted from a case study of a person with dementia who works while being supported by working support centers. Third, I try to show new directions in methods of the working support for people with dementia through examining first and second discussions.
著者
今岡 洋二 杉原 久仁子 藤原 和美 小坂 淳子
出版者
大阪健康福祉短期大学
雑誌
創発 (ISSN:13481576)
巻号頁・発行日
no.7, pp.133-142, 2008-03

増加傾向にある介護職員の離職率の高さや心身に蓄積する疲労の原因の所在を明らかにする目的で、現在介護の仕事に従事している本学および大阪総合福祉専門学校の卒業生に対するアンケート調査をもとに、介護職場における夜間勤務、残業実態について考察を行った。夜勤に関しては、多すぎる回数、人員配置の不備・不足、長い労働時間に加え恒常的な残業があるなど、心身の健康を維持しながら、長年にわたって継続できる内容の労働ではないと考えられるような実態が浮き彫りになった。また単独での夜勤という勤務形態には、物理的にも心理的にも根本的で重大な欠陥があり、これは虐待事例などの要因ともなる問題である。データから浮かび上がった諸問題の大半は、社会的・構造的な問題がその核となっており、介護の職場は情報の開示を行うことで横につながり、共通の問題に取り組んでいく必要がある。
著者
小坂 淳子 今岡 洋二 杉原 久仁子 藤原 和美
出版者
大阪健康福祉短期大学
雑誌
創発 (ISSN:13481576)
巻号頁・発行日
no.7, pp.111-123, 2008-03

2007年は、介護の専門職としての介護福祉士が誕生してから20年を迎えている。介護福祉士は看護師や保育士と比較して浅い歴史しかない。本学は、すでに700名余りの卒業生(前身の専門学校を含む)を送り出し、15年経過している。そこで、介護福祉の創設期を担った卒業生がどのように考え、働いているか、仕事を継続できる条件は何かを明らかにする目的で調査を行った。調査では、施設での夜勤を伴う介護は、心身ともに緊張感が高いことや、6割近くの介護職が入浴介助を負担となっている実態等が明らかになった。しかし、介護福祉士は生活をする上で援助が必要な人へのかかわりを通して、自らの成長を実感できる仕事であると、回答も得ている。介護福祉士養成は基本的には国の義務である。介護福祉の仕事が若者に敬遠されることの無いよう、心身ともに健康で働き続けることができる労働条件の確保が不可欠である。現行の職員配置基準や夜勤体制の規制など、国や自治体、施設が行うべき課題は多い。養成校としての教育内容の検討も必要である。希望に燃えて介護福祉士職を選んだ若者の仕事を継続できる環境づくりが急務である。
著者
阪本 清美 青山 昇一 浅原 重夫 山下 久仁子 岡田 明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.25-27, 2009-02-12

本研究では家庭内視聴環境における視距離の違いが視覚疲労に及ぼす影響についての評価実験を2種類のコンテンツを使用して42インチで行った(実験1、実験2)。さらに、ディスプレイサイズの影響を探るため65インチの大型ディスプレイを用いて行った(実験3).これらの結果は、視覚疲労の観点から、適正視距離が165cmから220cmの中間距離に存在し、ディスプレイサイズに依存せず絶対視距離に関係する可能性があることを示唆していた.