著者
山下 和彦 岡田 明 山下 久仁子 渡辺 一志
出版者
日本健康行動科学会
雑誌
Health and Behavior Sciences (ISSN:13480898)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.53-57, 2019 (Released:2020-03-12)
参考文献数
24
被引用文献数
1

This study was the examination of the sustained effects of the autonomic nerve response due to the difference in the posture of the supine and the standing after the acupuncture method of the "skin / subcutaneous tissue, exhalation phase, sitting position". The subjects were 11 healthy male college students without medication and smoking habits (age 19.6 ± 1.0 years old, height 172.1 ± 4.1 cm, body weight 70.4 ± 4.3 kg). Cardiac autonomic nerve function was measured by measuring electrocardiogram and analyzing by spectral analysis of heart rate variability. In the evaluation by spectral analysis, the high frequency component HF (0.15 - 0.40 Hz) and the low frequency component LF (0.04 - 0.15 Hz) were measured, and HF component was used as a cardiac parasympathetic function and LF / HF component was used as an index of cardiac sympathetic function. HR and HF components showed no significant change at standing posture with passage of time after the acupuncture stimulation. However, HR and HF components showed significant change at supine posture with passage of time after the acupuncture stimulation, and enhanced the cardiac parasympathetic function. Furthermore, significant increase of LF / HF component was observed between 5 minutes and 25 minutes after the stimulation in the supine position. From these results, it was obvious that the sustained effects of acupuncture stimulation in the enhancement of cardiac parasympathetic function was caused by supine posture. Moreover, it was suggested that this acupuncture method may be enhance both cardiac parasympathetic and sympathetic nerves.
著者
マクヴェイ山田 久仁子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.28-33, 2021-01-01 (Released:2021-01-01)

2020年3月にパンデミックとなった新型肺炎の影響で,ハーバード大学では3月23日から全ての授業がオンラインに切り替わり,図書館の全職員が自宅勤務となった。春学期途上の突然の移行を経て,9月の新学期はオンライン授業のみとなったが,大学図書館は,この新たな教育形態の支援を最優先として取り組んできた。本稿では,ハーバードのオンライン教育における電子資料活用の実際を,日本語資料専任ライブラリアンである筆者の職務を交えながら,報告,考察する。
著者
喜山 克彦 岡山 知世 志田 直樹 内山 友香理 永田 勝太郎 志和 悟子 大槻 千佳 雨宮 久仁子
出版者
公益財団法人 国際全人医療研究所
雑誌
全人的医療 (ISSN:13417150)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.29-40, 2020-01-25 (Released:2020-07-02)
参考文献数
6

筋痛性脳症/慢性疲労症候群(ME/CFS)は,原因不明の慢性で深刻な疲労,広範な痛み,睡眠障害に多彩な症状を呈する疾患である.【症例】14歳女性,ME/CFS,全身のアロディニア,両手指,両足趾の屈曲拘縮.日常生活活動(ADL)は機能自立度評価(FIM)で51/126点を認めた.【経過】補法による治療に加え,理学療法士(PT)によるリハビリテーションを行った.【結果】ME/CFSの症状およびADL(FIM 110/126点)は改善した.【考察】ME/CFS患者の活動性レベルは約50%以上の低下を来す.ある患者はひきこもりや寝たきりとなる.労作後の消耗や疲労感はME/CFSの最も顕著な特徴であり,診断基準にもかかわらず,患者たちはしばしば不適切な運動を処方される.本症例は,補法および患者の持つ資源の活用,担当PTによる適切なリハビリテーションによりADLが改善したと考えている.
著者
近藤 憲久 河合 久仁子 村野 紀雄
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.39-45, 2011-06-30
参考文献数
23
被引用文献数
1

札幌市手稲区(43&deg;07&prime;N,141&deg;11&prime;E)で2007年11月9日に拾得されたコウモリは,クロオオアブラコウモリと同定され,日本において8番目,札幌においては4番目の報告となった.日本でこれまで報告されているクロオオアブラコウモリ標本と本拾得個体の頭骨を精査した結果,これまで指摘されてきたように,上顎第二前臼歯が消失傾向にあることが明確となった.また,キタクビワコウモリとクロオオアブラコウモリを比較すると,上顎犬歯咬頭後稜の向きおよび下顎犬歯の高さと第四前臼歯の高さの比率が種識別に有効であることがわかった.<br>
著者
木村 久仁子 岩野 正之
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.160-167, 2009 (Released:2009-06-30)
参考文献数
55
被引用文献数
4 8

組織線維化は臓器不全に共通の病態である.したがって,線維化の機序を解明することは,臓器不全の進展予防や治療法の開発に重要である.線維芽細胞は線維化において中心的役割を果たす細胞であるが,その起源としてepithelial-mesenchymal transition (EMT),末梢血前駆細胞・骨髄細胞由来,endothelial-mesenchymal transison (EndMT)などが報告されている.細胞を取り巻く微小環境において,低酸素は線維化を誘導する重要な因子である.われわれは,低酸素刺激がhypoxia-inducible factor-1α(HIF-1α)を介して尿細管上皮細胞にEMTを誘導することを報告した.さらに,尿細管上皮細胞で特異的にHIF-1αを欠損あるいは安定発現させた遺伝子改変マウスを用いて,HIF-1αが腎間質線維化を促進させることを証明した.現在,シグナル伝達系を含む多くの線維化関連分子が同定され,これらをターゲットとした治療法の開発が進められている.EMT抑制因子,TGF-βシグナル修飾薬,およびHIF-1α活性阻害薬は線維化の新たな治療薬として期待される.
著者
室山 幸太郎 衣畑 加代子 山下 久仁子 室崎 伸二 山本 佳弘 渡辺 裕彦 曾根 良昭
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.93-99, 2005-08-25 (Released:2017-07-28)
参考文献数
23

Our previous experimental results have shown that a mixture of thiamin, arginine, caffeine and citric acid (TACC) has an enhancement effect on fat metabolism in mice and human. In this study we examined the effect of tea ingestion, which was supplemented with TACC, on energy expenditure during a rest and an exercise period from the viewpoint of fat metabolism (utilization) in healthy subjects. A single-blind, placebo-controlled, crossover study was carried out to compare the energy expenditure after ingestion of TACC-supplemented tea (thiamin, arginine, caffeine, and citric acid; 1.1, 1240, 52, and 540mg, respectively) or control tea on two consecutive days, in 10 healthy male and female subjects (aged 21-27y) in experiment 1. After the tea ingestion, subjects sat on a chair for 30 min followed by treadmill walking (5km/hr) for 30 min. Respiratory quotient (RQ) and oxygen consumption (VO2) were measured during rest and exercise periods. A double-blind, placebo-controlled, crossover study was performed in 14 healthy female subjects (aged 21-22y) in experiment 2, of which study design was the same as that of experiment 1 except for an additional measurement of RQ and VO2 before ingestion of the tea for 30 min in the sitting position. As results, total energy expenditure and fat oxidation were similar between the two cases (ingestion of control tea and TACC-tea) during the rest period after tea ingestion both in experiment 1 and experiment 2. On the contrary, treadmill walking resulted in about three-fold increase in total energy expenditure; however, fat oxidation during the exercise was significantly greater in the case of TACC-tea than in the control tea case in the both experiments. This effect of TACC-supplementation, enhanced fat oxidation and energy expenditure, seemed to be positively proportional to subjects' Body Mass Index.
著者
篠原 久仁子 笠原 真奈美 飯嶋 秀郎 小沼 真由美 木内 祐二 亀井 美和子
出版者
一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会
雑誌
くすりと糖尿病 (ISSN:21876967)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.66-75, 2013-06-15 (Released:2014-08-06)
参考文献数
31

糖尿病治療の地域連携に薬局も参画し療養支援に取り組むために,医療機関と薬局の連携をはかり,積極的に糖尿病療養支援を実践することで得られる効果を評価した.研究デザインは,対照群を置いた前向き介入研究とし,対照群には通常どおりの服薬指導,介入群には通常の服薬指導に加え,患者の自己管理能力を高める療養指導を行った.連携と情報共有には,糖尿病連携手帳とお薬手帳を活用し,医療機関での診察・指導後に,薬局で療養に関する理解度を確認し,理解不十分な点について薬局で療養支援を行なった.研究期間は8 ヶ月間とし,評価項目は,薬および治療に対する理解度,QOL(SF-8),HbA1cとした.その結果,健康食品と薬との相互作用,糖尿病型,フットケアの理解度が介入群において有意に向上した.QOLの評価では「全体的健康感」が介入群において有意に改善した.介入群のHbA1cは,6 ヶ月後に0.6 %の低下となり,対照群に比べて有意な低下が認められ,8 ヶ月後も再上昇することなく維持された(p =0.016).医療機関と薬局とが,糖尿病連携手帳やお薬手帳を活用して情報共有・連携して行なう療養支援は,薬および治療に対する理解度の向上及びHbA1cの改善に有効であると考えられた.
著者
阪本 清美 坂下 誠司 山下 久仁子 岡田 明
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.119-128, 2017-02-25 (Released:2018-12-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1

We carried out experiments to investigate the relationship between display resolution and physiological and psychological state during the viewing of 4K and 2K content on a 65-inch 4K TV as a comparison between age groups. During viewing tests of 4K scenic content by participants in their 20s and 50s, psychological evaluation scores and NIRS, an index of nervous system activity, were significantly higher during 4K scenic content viewing than for 2K viewing. However, the effect of the display resolution for content comprising video images of fine objects such as food, jewels, watches, glass and fur, was limited compared to that for scenic content between age groups. Our results suggest that content viewing at 4K tends to cause psychological elation and a surge in brain activity, although the effects varied somewhat according to content, and these effects of display resolution on physiological and psychological state were found regardless of age groups.
著者
田島 恵莉香 富永 大志 高橋 遼 吉村 久仁子 服部 潤 竹内 康雄
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.599-604, 2019 (Released:2019-10-30)
参考文献数
19

カフェイン過量摂取の報告は本邦でも年々増加傾向にある. 本稿ではカフェインの大量服用から急性カフェイン中毒に至ったが, 急性期に血液透析を施行し, 良好な経過をたどった症例を経験したので報告する. 症例は基礎疾患のない32歳女性, 市販の眠気予防薬にてカフェイン24gを自殺目的で摂取後, 嘔吐, 振戦を認め, 当院へ受診となった. 来院時患者は興奮状態であり, 頻脈, 頻呼吸, 振戦, 発汗, 筋緊張の亢進を認めた. 心拍数は142回/分で二段脈を認めた. カフェイン致死量を超える24gを摂取しており, 難治性不整脈の出現が危惧されたため, 血液透析を施行したところ, 速やかに臨床症状は改善し, カフェイン血中濃度も著明に低下した. 致死量を内服した急性カフェイン中毒の症例に対して, 血液透析は有効な治療手段の一つであると考えられる.
著者
原 久仁子 小林 正敏 秋山 康博
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.118, no.3, pp.231-240, 2001 (Released:2002-09-27)
参考文献数
28
被引用文献数
2 2

骨粗鬆症治療薬は一般に単剤での処方だけでなく, 数種類の薬剤が併用されることが多いが, その根拠となるデータは非常に少ない. ビタミンK2(メナテトレノン, K2)と1α(OH)ビタミンD3(D3)はいずれも臨床で骨粗鬆症治療薬として広く用いられている. そこで卵巣摘除ラットを用いて両薬剤の併用の意義を検討した. フィッシャー系20週齢雌性ラットを偽手術あるいは卵巣摘除し, 卵巣摘除ラットをさらに対照, K2, D3, K2+D3の4群(n=10)に分けた. 全てのラットを個別ケージで制限給餌により飼育し, K2はメナテトレノン(MK-4)約37mg/kgを混餌投与, D3は1α(OH)D3を0.3μg/kg週3回, 8週間経口投与した. 8週後の血漿中カルシウム(Ca), 無機リン, アルカリホスファターゼ活性, オステオカルシン, 1,25(OH)2D3, 副甲状腺ホルモン(PTH), MG-4濃度および大腿骨の骨密度と3点曲げ骨強度を測定した. 卵巣摘除による血漿中各パラメータへの影響は認められなかった. D3群は単独, 併用ともに血漿中Caは高値を, PTHは低値を示した. 全骨領域および海綿骨領域の骨密度は卵巣摘除により骨端部ではそれぞれ偽手術群の81%, 41%に, 骨幹部ではそれぞれ96%, 86%に減少した. K2, D3の各単独群は骨端部全骨領域の骨密度, 骨幹部海綿骨領域の骨密度, 骨塩量の低下を抑制した. K2+D3群では単独群で作用を示したパラメータの他に骨端部での全骨領域および海綿骨領域の骨塩量の低下を抑制した. またK2+D3群は骨端部海綿骨領域の骨密度, 骨塩量, 骨幹部の皮質骨厚でD3群に比して有意に高値を示した. 骨強度はK2+D3群でのみ対照群に比して最大荷重は有意に高値を, 剛性は高値傾向を示した. すなわちK2+D3群が骨端部, 骨幹部のいずれのパラメータにおいても一番高い値を示した. 以上, K2とD3との併用投与はそれぞれの単剤投与に比してより大きな薬効が期待できることが示唆された.
著者
田村 真八郎 劔持 久仁子
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.753-756, 1963 (Released:2008-11-21)
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

米粒各部分すなわち白米,ヌカ層,胚芽の総アミノ酸分布をみると(第3表),だいたい各アミノ醗の60~80%が白米部分に含まれており(チロシン,シスチン,プロリンは回収率が100%近くにならないので考察から除いた),ヌカ層には15~22%,胚芽には3~15%の各アミノ酸が分布している. 第5表に玄米,白米,ヌカ層,胚芽の総アミノ酸含量を16g窒素中の各アミノ酸g数に換算し,文献値とともに示した. 玄米の場合は著者らの結果は,平(6)の文献値よりも,リジン,スレオニン,プロリン,アラニン,バリン,イソロイシンでは低く,セリン,シスチン,フェニルアラニンでは高い測定値を示した.この原因は試料として用いた玄米の違いによるものか,アミノ酸定量法(カラムクロマト法と微生物定量法)の違いによるものかは明らかでない. 白米については著者らの測定値は木村(7),属(8)の報告よりも全般的に低い測定値を示した.これは著者らが白米よりタンパク質を抽出することなく塩酸加水分解したのに対し,文献値はタンパク質を分離してから加水分解しているための差であると考えられる.このことは著者らが第2報で報告したように,デンプン混合試料を加水分解してアミノ酸測定をする場合,測定値の低下のいちじるしいチロシン,アルギニンが文献値との差が大きいことからもうかがわれる.白米粉末をそのまま加水分解する方法と,白米粉末からタンパク質を分離して加水分解する方法のいずれがよいかは充分検討されていないが,前の方法ではアミノ酸がかなり破壊され回収率が悪くなることは明らかであり,また後の方法では白米のタンパク質を全部とりきることは困難なので,分離したタンパク質が白米の全タンパク質を代表できるかどうかに問題が残り,この両法で得られた測定値を慎重に検討して白米中の総アミノ酸含量を推定するのが妥当と思われる. ヌカ層,胚芽のアミノ酸含量に関しては,今後さらに測定値が発表されるのを待って検討するのがよいと考えられる. 米の遊離アミノ酸に関しては松下(10)が,またヌカについては西原ら(9)が報告しているが,著者らの測定はまだ予備的なものなので,今後さらに研究を続けた上で検討したいと考える. 玄米を90%にとう精し,白米,ヌカ層,胚芽に分け,おのおののアミノ酸含量を測定し各アミノ酸の分布率および回収率を計算した.
著者
安井 さち子 河合 久仁子 佐野 舞織 佐藤 顕義 勝田 節子 佐々木 尚子 大沢 夕志 大沢 啓子 牧 貴大
出版者
低温科学第80巻編集委員会
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.453-464, 2022-03-31

尾瀬のコウモリ相を把握するため,2017~2019年の6~10月に,森林での捕獲調査とねぐら探索調査を行った.その結果,2科8属11種132個体が確認され,コキクガシラコウモリ,モリアブラコウモリ,ノレンコウモリが尾瀬で新たに確認された.過去の記録とあわせて,尾瀬で確認されたコウモリ類は2科9属14種になった.森林での捕獲調査で,捕獲地点数・個体数ともに最も多い種はヒメホオヒゲコウモリだった.尾瀬のヒメホオヒゲコウモリの遺伝的特徴を明らかにするため,分子生物学的な分析を行った.遺伝子多様度は0.82583,塩基多様度は0.00219だった.他地域の個体を含めたハプロタイプネットワークでは,複数のグループに分かれなかった.
著者
牧上 久仁子 大滝 倫子 佐藤 康仁 山口 直人
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.450-460, 2005-11-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
41
被引用文献数
10 10

Objectives: To evaluate the effectiveness of mass treatment with ivermectin of scabies outbreak in institutional settings. To determine the factors, such as host susceptibility and scabetic exposure level associated with the onset of scabies.Methods: The authors investigated a nosocomial scabies outbreak in a close psychiatric ward. The index case was a man with steroid-induced localized crusted scabies. Twenty-six patients were diagnosed with scabies, 4 of them had relapse of scabies, while no staff was infested. Despite frequent surveillance and treatment of symptomatic patients with 1% gamma-benzenehexachloride (γ-BHC: Lindane), new cases were observed. Thus, all 69 patients in the ward were treated with ivermectin (200μg/kg) simultaneously on day 105 of the outbreak (the mass treatment). Patients who had scabies were compared with patients who had no scabies in terms of age, body weight, diabetes, physical functions, topical administration of corticosteroid, proximity to the index patient, and problematic behavior.Results: The mass treatment was implemented without a significant adverse event. Although two patients developed symptoms of scabies after the mass treatment, no patient in the ward had been diagnosed with scabies since the 98th day of the treatment. Regarding factors associated with the scabies onset, the only statistically significant factor was proximity to the index patient with crusted scabies.Conclusions: Oral ivermectin was safe and effective for controlling scabies in institutional settings. The exposure level to scabetic mites was more important than host susceptibility in determining the risk of scabies onset.
著者
高橋 久仁子
出版者
日本未病システム学会
雑誌
日本未病システム学会雑誌 (ISSN:13475541)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.296-299, 2007-03-30 (Released:2010-08-06)
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
佐竹 久仁子
出版者
現代日本語研究会
雑誌
ことば (ISSN:03894878)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.54-71, 2019-12-31 (Released:2019-12-31)
参考文献数
13

絵本というメディアでは、主人公に男が多いことや男女の描かれかたに違いがあることなど、ジェンダーバイアスが存在することが先行研究により指摘されている。本稿では、これに加えて、登場キャラクターのことばづかいの性差も大きいことを、自称代名詞と文末形式の調査から明らかにした。それは、日本語概説書などでとりあげられる「ことばの男女差」どおりのものである。絵本のジェンダーバイアスはことばにも存在し、絵本はこどもに日本語の〈女ことば/男ことば〉規範を教えるメディアとなっているといえる。
著者
坂木 孝輔 内野 滋彦 宮城 久仁子
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.241-248, 2019-07-01 (Released:2019-07-01)
参考文献数
36
被引用文献数
1

医療の著しい進歩によりICUを生存退室する患者は増加しつつあるが,一方でその多くに精神機能障害がみられ問題となっている。近年,その罹患要因としてICU滞在中の患者の記憶が関連していることが明らかになってきた。患者の記憶は,事実の記憶,感情的記憶,妄想的記憶に分類され,特に妄想的記憶はICU生存者の26〜73%にみられ,忘れられ難く,不安やうつ,posttraumatic stress disorder(PTSD)などの精神機能障害やQOLの低下,復職率の低下への関連が示唆されている。記憶に対する援助として,ICU滞在中の記憶を適切に構築すること,記憶の再構築を援助し妄想的記憶を残さないことが重要であると考えられているが,さらなる研究が求められている。不快な記憶は長期に患者を苦しめることを理解し,ICUを退室した後も患者が体験を語れる機会を提供し,フォローアップをしていく必要がある。
著者
会田 久仁子 角野 幸子 小林 智子 角野 猛
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.74-77, 1989-03-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13

In order to clarify the bacterial contamination and sugar contents of wet Japanese-style confectioneries on the market, we examined 84 samples by inspecting total bacterial counts, coliform group, sucrose, glucose and fructose contents.The results obtained were as follows:1. The total bacterial counts were in the range of below 3.0×102/g to 9.1×106/g.2. Detection percentage of coliform group in Mushimono, Mochimono, Yakimono and Nerimono were 5.4%,40.9%,5.9% and 0%, respectively.3. Mean contents of sucrose of Mushimono, Mochimono, Yakimono and Nerimono were 299.8mg/g,289.1mg/g,311.2mg/g and 399.4mg/g, respectively.4. Mean contents of glucose and fructose of wet Japanese-style confectioneries were 7.3mg/g and 4.5 mg/g, respectively.
著者
清水 久仁子
出版者
日本国際観光学会
雑誌
日本国際観光学会論文集
巻号頁・発行日
no.21, pp.53-58, 2014-03

Online Travel Agencies (OTA) as new intermediaries have been chosen by consumers as their leading product choice when choosing accommodation since the Japanese OTA was firstly launched in 1996. Hotels and ryokans began to manage their real time room inventories and daily prices although they had limited control of under the traditional distribution agreement known as "Kyotei ryokan & hotel" for a long time. Therefore, the introduction of OTAs provided a productive technological initiative to expand domestic and overseas markets throughout the Japanese lodging industry.
著者
大倉 俊 長 優子 河野 由子 今泉 久仁子 河崎 靖範 槌田 義美 池田 啓一
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.A3P3071-A3P3071, 2009

【目的】当院は脳性麻痺児に対し、整形外科的選択的痙性コントロール手術(OSSCS)を施行している.術後リハビリテーション(リハ)の経験から、当院における術後リハの現状を調査したので若干の考察を加えて報告する.<BR>【対象】2007年4月から2008年3月の間に当院にてOSSCSを施行した脳性麻痺児で、術後リハを実施した35名(年齢8.6±5.4歳、男児27名、女児8名、県内在住10名、九州内在住21名、九州外在住4名)を対象とした.<BR>【方法】手術の目的別に、歩容改善群21名(A群)、疼痛の緩和・股関節脱臼などの二次障害改善群9名(B群)、運動機能向上群5名(C群)の3群に分類し、それぞれの群において粗大運動能力分類システム(GMFCS)、年齢、入院期間、術後の変化を後方視的に調査した.<BR>【倫理的配慮】本研究はデータ抽出後、集計した後は個人情報を除去し、施設内の倫理委員会の審査を経て承諾を得た.<BR>【結果】A群はGMFCSIレベル13名、IIレベル7名、IIIレベル1名、年齢10.6±5.7歳、入院期間27.2±15.6日、術後の変化として股関節内転・内旋歩行が改善した、内反尖足歩行から足底接地歩行が可能となった、結果的に足底接地できたことで装具なしでの歩行が可能となったことが挙げられた.B群はGMFCSVレベル9名、年齢4.4±2.9歳、入院期間11±2.9日、術後の変化として痛みが和らいだ、自発運動が多くなった、脱臼が改善した、介助量が軽減したことが挙げられた.C群はGMFCSIIIレベル5名、年齢7.4±1.7歳、入院期間21±9.5日、術後の変化として座位が安定し座位保持時間が長くなった、立位姿勢が改善し耐久性が向上した、伝い歩きが数歩可能となったことが挙げられた.<BR>【考察】A群はGMFCSが高く、年齢が学童期から青年期であることからリハに必要な期間の入院が可能であり、入院期間内で歩容改善という目的がおおむね達成できたと思われた.しかしB群、C群では遠方からの入院や家族の事情のために早期退院が多く、退院後も病院・施設または家庭でリハを継続する必要があった.そのため、手術内容や手術による影響などを含めた細かな情報提供書、継続して行ってもらえる分かりやすい家族指導が重要になると考えられた.今後は入院中の変化を客観的に評価し、退院後の長期的な変化を検討することが課題であると思われた.