著者
蛯子 隼 大久保 宏貴 仲宗根 素子 川越 得弘 金城 政樹 普天間 朝上 赤嶺 良幸 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.799-803, 2018

<p>Ollier病による上腕骨変形に対する治療はMultiaxial correction systemを用いた報告が多い.これは創外固定器装着後に変形矯正が可能だが,衣服の着脱が困難で女性への適応は躊躇することが多い.単支柱型創外固定器を用いて変形を矯正し得た症例を報告する.14歳,女児.進行する左上腕変形のため,外観が気になるようになった.単純X線像で上腕骨近位約80%は内軟骨腫に占拠され,3D-CTでは健側と比較して外反65°伸展37°,内旋22°変形し,45 mm短縮していた.手術は3D-CTシミュレーション通りに骨切りを行い,変形を矯正した後,単支柱型創外固定器を装着した.仮骨延長を行い,延長量は43 mmでhealing indexは45 days/cmであった.創外固定器装着中も衣服の着脱は容易で,愁訴はなかった.最終観察時,変形は矯正され外観に満足している.</p>

1 0 0 0 伊賀史叢考

著者
久保文武著
出版者
[久保文武]
巻号頁・発行日
1986
著者
倉本 直樹 大久保 章 藤井 賢一 水島 茂喜 稲場 肇 藤田 一慧
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

近年、普遍的な基礎物理定数によって、キログラムを定義することが検討されている。これまでに我々は、シリコン単結晶の密度などからアボガドロ定数を高精度に測定し、定義改定実現のための研究を進めてきている。アボガドロ定数測定の高精度化には、密度測定に必要なシリコン単結晶球体体積測定の高精度化が支配的な役割を果たす。本研究ではキログラムの基礎物理定数による定義実現のため、次の研究開発を行う。1) 質量1 kgのシリコン単結晶球体の直径を、ほぼ原子間距離に等しい0.3 nmの精度で測定する青色半導体レーザー干渉計を開発し、球体体積を1.0E-8の精度で決定する。2) 28Si同位体濃縮シリコン結晶を用い、アボガドロ定数を世界最高精度(1.4E-8)で決定する。この目標を達成するために、以下の項目を平成29年度に実施した。1)Si球体直径測定用青色半導体レーザー干渉計開発:426 nm付近で光周波数チューニングが可能なシステムを構築した。光周波数の基準には長さの国家計量標準である「光コム」を用い、モードホップのない20 GHzの範囲にわたる光周波数掃引を可能とした。2)28Si単結晶球体を用いたアボガドロ定数測定:28Si単結晶球体の直径測定、質量測定、表面分析を実施し、アボガドロ定数を世界最高精度(1.2E-8)で決定した。新たなキログラムの定義は、原子の質量と密接に関連するプランク定数となる予定である。科学技術データ委員会(CODATA)は、2017年10月に新たなキログラムの基準となるプランク定数の値を決定した。この値の決定に、本研究で決定したアボガドロ定数から導出したプランク定数も採用されている。これは、1889年に国際キログラム原器によって質量の単位が定義されて以来、130年ぶりとなる定義改定に大きく貢献する歴史的な成果である。
著者
野村 恵美 鎌田 恭子 久保 知子 福岡 達仁 碓井 裕史
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.53-60, 2007 (Released:2007-09-28)
参考文献数
11

肥満の成立には食物の摂取量,食習慣や運動量の他に遺伝素因も関与することがわかってきた。β3アドレナリン受容体遺伝子には安静時代謝量が低下する多型があり,日本人の約30%が該当する。減量指導にこの遺伝子の多型を調べ応用した。対象は職域健診でBMI (体格指数) 24以上の男女で,遺伝子検査を承諾し,生活習慣病の治療を受けていない45人 (男性39人,女性6人) とした。遺伝子多型は静脈血白血球から抽出したDNAを用いて,PCR法および制限酵素切断法により解析した。β3アドレナリン受容体の遺伝子型は変異なし群33人,変異あり群12人であった。保健師が各人の生活習慣や食行動を調査し,職域を巡回して,遺伝子検査結果の説明および減量のための個別指導をおこなった。指導開始から3か月後にBMIの低下した人は変異なし群75%,変異あり群92%で,いずれの群も指導前に比べBMIは有意に低下した。指導8か月後では変異なし群で57%,変異あり群では67%の人にBMIの低下が見られた。ただし,どの時点においても遺伝子の変異あり,なし両群間におけるBMIの変化に有意差を認めなかった。また,変異なし群は49%,変異あり群は75%に行動変容が認められ,約80%の人が「自分の身体に興味が持てた」や「ダイエットのきっかけになった」など遺伝子検査を受けて良かったと答えた。遺伝子解析結果を応用することで個別性のある減量指導をおこなうことができた。
著者
Edi SANTOSA 杉山 信男 中田 美紀 河鰭 実之 久保田 尚浩
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.220-226, 2005-09-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
9

西ジャワ州クニンガン県におけるカキ栽培の経済性を明らかにするため, 農民へのインタビューを実施した.その結果, カキ栽培からの所得が農業所得の19~35%を占めていることが明らかになった.カキの樹齢は1年生から100年生で, 平均29年生であった.農民は除草と収穫のために年に1ないし2回, 果樹園に出かけるが, 施肥, 農薬散布, 灌水は行っていなかった.カキの樹間でチャ, コーヒー, ショウガ, 野菜などを間作する農民もいた.新梢は雨季が始まる9月から11月に萌芽し, 11月に開花した.収穫は4月下旬から6月下旬の間に行われていた.7月から8月の乾季には多くの樹が落葉した.1樹当りの収量は94から130kgであった.農民や仲買人は収穫した果実を生石灰入りの水に5日間漬けて脱渋処理を行っていた.農民はカキ栽培が土壌浸食を防止する効果があることを認識していた.これらの結果から, 急傾斜地のカキ栽培は環境を破壊せずに農民の所得を向上させる上で有効であることが明らかになった.
著者
大久保利謙著
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
1988
著者
船越 公威 久保 真吾 南雲 聡 塩谷 克典 岡田 滋
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.156-162, 2007-11-30 (Released:2018-02-09)
参考文献数
16
被引用文献数
1

奄美大島では大規模なマングースの駆除事業が展開されているが、その駆除を効果的に実施する上でも、マングースの詳細な生息状況と分布を把握することが不可欠である。今回、トラッキングトンネルを利用したマングースの生息状況の把握を試み、その有効性を検討した。予備実験後に、本種の放逐地点から島を縦断する林道を含む計4つの道路沿いで、夏季と冬季の2回にトラッキングトンネルを累計各556、347基設置した結果、マングースの足跡の採取率は各季16.9%、22.5%であった。特に、放逐地点から奄美中央林道沿いの14km地点までの採取率は41.4%、戸口林道沿いでも34.6%の高い値を示し、徹底的な駆除が行われながらも高密度にマングースが生息していることが確認された。この背景には、捕獲ワナを警戒したトラップ・シャイの個体の存在も考えられる。また、放逐地点から30km以上離れた奄美中央林道沿いや奄美北部でも足跡が得られ、分布の拡大が認められた。加えて、マングース以外のノイヌやノネコの足跡が24ヶ所、ネズミ類などの足跡が300ヶ所で採取され、これらによる在来希少種への影響が懸念された。これまでのマングースの駆除事業では大幅なマングース個体数の減少に成功しているが、一方で少数個体によると思われる分布拡大がみられる。極低密度域などでトラッキングトンネルを活用し、マングースの生息有無が確認できれば、駆除事業がより効率的に展開できるものと期待される。
著者
久保田 紀久枝 小林 彰夫 山西 貞
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.1049-1052, 1982
被引用文献数
4

オキアミ加熱臭の特性をより明確にするために,外観上よく似ているサクラエビ生凍結品の加熱臭をオキアミと同様に分析し,比較検討を行った.本研究では,とくに含硫化合物に注目した.<br> 1)GC-FPD分析の結果,一定のt<sub>R</sub>の範囲(Fr.A)に含硫化合物が集中していたが,これは,オキアミボィル凍結品と類似していた.<br> 2) サクラエビのFr. Aの成分をGC-MSで分析した結果,9種の化合物が同定された.そのうち8種は,トリチオラン類(3種),ジチイン類(1種),チアゾール類(1種),チアルジン類(3種)からなる含硫化合物であった.このうち,チアルジンが最も多く,Fr. Aの58,2%を占めていた.<br> 3) オキアミとサクラエビの匂い成分の槽違点は,含まれている化合物の種類は共通しているものが多いが,組成は異なり,サクラエビは側鎖にエチル基を持つものが少なく,これが匂いにも影響していると思われた.<br> 4) サクラエビ加熱臭成分中の低分子アルデヒドをTLCで検索した.エタナールに比べプロバナールが非常に少ないことが示され,プロパナールが前駆体の1つとなるチアルジンのエチル誘導体がサクラエビに少ない結果をよく説明していた.
著者
山下 欣一 有満 孝二 有村 百代 伊地知 優 上久保 晃 澤山 信二 塩満 浩二 重村 誠一 曽山 浩幸 種子田 圭司 徳永 正博 福田 雄二 福留 たける 若松 隆二
出版者
鹿児島国際大学
雑誌
社会調査実習報告書
巻号頁・発行日
vol.60, pp.E1-168, 1986-03

昭和55年から谷山ふるさと祭は実施されていて、年々盛大に開催されてきている。昭和55年度の第一回谷山ふるさと祭を行なうようになった動機については、すでに記述してあるが、ここでさらに箇条的に要約すると次のようになる。(1)人口の急激な増加-10万人突破記念事業(2)谷山地区の主要な神祭であった伊佐智佐神社の浜下りの代りをする祭が必要となった。(3)鹿児島市のおはら祭が大型化し、鹿児島市街の中心地区で開催されるので、副都心としての谷山地区でも開催することにした。以上のように要約した谷山ふるさと祭の実施に至る背景について検討してみるとさらに次のようにもいえると思う。(1)都市化の進展とした谷山地区谷山地区の人口(男女比)職業別、産業構造などでみてきたように、谷山地区の進展は目ざましいものがある。さらに谷山地区の歴史的背景で概観したように、本地区は鹿児島市街地の近郊農村として、独特の地位を占めている。その第一に指摘できるのは平地が多く、水田地帯を中心に集落が形成されていた。そして、外城を中心に市街地があり、それに付属して野町があったことでもある。また、錦江湾にてって発展した浦と呼ぶ漁村としての集落があった。谷山地区の近世におけるこのような要素をまとめてみると次のようになろう。外城と麓(武士集落)-行政 農村-農業 野町(松崎)-商業 浦-漁業このように、都市化へと進展する要素を内部に保持し、明治期に村制を施行し、それから町制、市制、鹿児島市への合併を迎えることになるのである。ここで注意しておきたいのは鹿児島市との関係である。もともと鹿児島市は現在の上町地区を中心に発展し、甲突川が市の南限であった時代が長かった。現在の荒田は地名が示すように水田地帯であり、中郡という地名は中村、郡元村などという農村集落であり、これらの農村集落をへだてて、谷山地区があったのである。谷山地区は、小規模であったが都市的要素を持っており、主体は近郊農村であった。いわゆる、鹿児島市とは独立した地域集団を形成してきたのであった。谷山地区の人口増加は、産業、卸売団地、団地住宅などの増加によるものがその主因である。これらは、谷山地区の周辺地区に展開しており、やはり中心地区には谷山に長年生活している人々が中心となっている。鹿児島市と合併後もやはり谷山地区という地域が鹿児島市役所谷山市所(もと谷山市役所)を中心に一つのまとまりのある独立地域という意識が強いということが指摘できよう。この谷山支所周辺がもとの外城や麓地区であることからも、この意味は大きいものがあると考えることができる。しかしながら、谷山地区の都市化の進展は、昔のような谷山地区からその様相を変化させたといいえる。それは、従来のような谷山地区の人々の共同体的意識での連帯が破綻をきたしたことをも意味している。従って、新しい意味での谷山地区の人々の連帯を求めるという考え方が発生してきたのは当然のことであった。谷山ふるさと祭は新生谷山のシンボルとしての位置を占めているといえよう。(2)伊佐智佐神社の神祭との関係伊佐智佐神社の10月の浜下りは谷山地区における中心的祭礼であった。和田名という中世的余韻を残している地名の集落を組織している門という親族集団によって支えられており、久津輪崎までのみこしの巡幸は海と山という二分された世界が統一されていくことを示しているといえよう。戦後において、このみこしが松崎から谷山本通りを巡幸し、谷山支所前の谷山小学校校庭に至り、一泊して還行するということも見逃してはならない点である。松崎はもともと野町であった。前に指摘しておいたように、谷山支所、谷山小学校周辺は外城と麓であった。伊佐智佐神社のこの巡幸は、和田名という農村から出発し久津輪崎という海すなわち浦(漁村)に至り、さらに松崎(野町-商業地区)を通り、谷山支所前の谷山小学校(外城、維)に到着し、一泊するということを、すなわち、農村→漁村→商業地区→外城、麓(行政)へとの巡幸して、聖なる祝福を与えるということである。谷山地区のあらゆる地域を巡幸していくということでもある。谷山ふるさと祭が松崎から鹿児島市電停留所前までを実施する場所としているのには交通規制その他の条件もあるが、伊佐智佐神社のみこし巡行との関連において考えるとその意味は深いといえると思う。(3)鹿児島市のおはら祭との関係鹿児島市のおはら祭は、あまりにも市街地中心に偏している。従って、地域毎に小規模の「まつり」を実施している現状である。ここでいう「まつり」とは、都市における民俗的伝承による「まつり」を指示している。しかし谷山ふるさと祭は、その規模においては大規模と呼んでいい「まつり」であると思う。そして、この「まつり」は、その組織考みても理解できるように、谷山地区の行政機関、金融機関、農協から地区公民館、校区別町内会、通り会に及んでいる。組織からみると、地域総ぐるみであるといえる。そして、町内会は各戸10円、通り会は各通り会毎に30,000円の負担金を支出している。また鹿児島市は年々補助金を与えており、谷山商工会、観光協会が協賛している。従って、行政機関と地域住民の支出が中心になり谷山ふるさと祭は実施されることになっている。もちろん寄付金の占める部分は大きいが、これらはかなり流動的であることを考えると、谷山ふるさと祭の予算的基盤は確固たるものがあると考えられる。しかして、実際の実務は谷山商工会ならびに谷山商工会青年部が中心になって実施しているものである。そして、この谷山ふるさと祭には谷山商店街の活性化と振興という意味も大きいのである。鹿児島市街地中心の購売動向をいかに谷山商店街に定着させ、呼びもどすかという願いも含まれていることを忘れてはならない点であろう。谷山地区は交通の点からみても、その地位からみても、鹿児島市街地とは別にーつの中心地を形成するのに、歴史的な背景もあり、都市化の進展により、さらにその傾向は強まっていくものと考えられる。このような発展の契機としての谷山ふるさと祭は伝統にのっとり、また新しい谷山地区のシンボルとして、谷山商店街の振興にもつながるという三点の特色をあわせて保持していると思う。
著者
中下 幸江 大久保 芳伸 堀之内 彰 松本 朱美 北崎 直 佐藤 恵一朗
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第33回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.215, 2006 (Released:2006-06-23)

【目的】ラットはヒトと比べて体重あたりのエネルギー消費量が多く、消灯時の活動期に断続的な摂食活動を継続しなければ正常な発育を維持することができない。一方、ラットの毒性試験では、血液検査条件の標準化や肝臓の病理組織学的検査の精度向上などを目的として剖検前夜の消灯前から絶食処置を施すことが多い。しかし、絶食開始から剖検までのエネルギー代謝の変動を経時的に調べた報告は少ない。本報告では、ラットにおける絶食条件下のエネルギー代謝の経時変動を調べた。【方法】消灯1時間前から絶食を開始し、25時間後までの肝臓や血液などにおける糖新生酵素PEPCK、β酸化、蛋白分解酵素をはじめとするエネルギー代謝関連項目を測定し、絶食処置を施さなかった場合と比較した。【結果及び考察】絶食処置を施したラットでは、絶食後5時間以内に肝グリコーゲンが急速に枯渇する一方、速やかに肝臓及び腎臓のPEPCKの活性が亢進した。また、糖新生の活性化と関連して、肝臓の細胞質あるいはミトコンドリア画分及び血中においてAST/ALTの高値が確認された。しかし、血糖値の低下を止めるには至らず、糖新生による血糖維持には限界があることが示唆された。これらの変動とほぼ並行して、代替エネルギー源である遊離脂肪酸やケトン体の血中濃度の増加がみられ、特に、ケトン体は絶食3時間後より増加し、その後著しく上昇した。ラットにおけるこれらの変化は、ヒトの絶食時の変動と比較して、非常に短時間で生じることが特徴的であった。以上の結果から、ラットではヒトと異なり、短時間の絶食がエネルギー代謝に著しい影響を及ぼすことが示唆された。エネルギー代謝系に何らかの影響を及ぼす被験物質では、げっ歯類の非絶食時やヒトの絶食時には発現しない、げっ歯類の絶食時に特有の変化が投薬によって顕在化する可能性があると考えられた。
著者
吉村 仁志 門田 直也 赤峰 修一 大久保 利一
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.210-211, 2010

我々の研究室では,液体を使わない全固体によるEC素子の作製を目指している.全固体型EC素子では液漏れや発火の恐れがなく,素子の厚さを薄くすることが出来る.これに使われる透明電極をこれまではITO薄膜によって作製, 研究してきた.しかし,ITOに含まれるインジウムの生産量は世界的に限られていることや,それにともなう価格の高騰などの問題がある.そのためITO以外の材料でも透明電極の作製を目指している.新しく透明電極として使用するための素材として酸化亜鉛アルミニウム(AZO)に注目した.PLD法によってAZOの薄膜を作製,研究した.
著者
久保 勇貴 志築 文太郎 田中 二郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.1061-1072, 2017-05-15

本論文において,我々は超小型端末向けの新しいタッチジェスチャとして,ベゼルからベゼルへのスワイプジェスチャBezel to Bezel-Swipe(以降,B2B-Swipe)を示す.ユーザは指の触覚から各ベゼルを見ることなく区別できるため,B2B-Swipeをアイズフリーで行える.また,矩形の超小型端末の場合,B2B-Swipeは16通り存在する.さらに,B2B-Swipeは1本指による1回のスワイプであるため,超小型端末が備えるタッチパネルのみを用いて実装可能である.これらにより,B2B-Swipeは端末にセンサを追加することなく,かつ既存のタッチジェスチャと共存しつつ超小型端末の入力語彙を増やすことができる.本論文では,B2B-SwipeがBezel Swipeおよびフリックと共存できること,およびアイズフリー入力可能であることを検証するために行った性能評価実験の結果も示す.B2B-Swipe is a single-finger swipe gesture for a rectangular smartwatch which starts at a bezel and ends at a bezel. B2B-Swipe enriches input vocabulary by utilizing a bezel. There are 16 possible B2B-Swipes because a rectangular smartwatch has four bezels. Moreover, B2B-Swipe can be implemented with a single-touch screen with no additional hardware because B2B-Swipe only uses one finger and one swipe. Our study shows that B2B-Swipe can co-exist with Bezel Swipe and Flick and can be performed in eyes-free.