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著者
久保寺 憲一
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.820-824, 1990-11-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
16
著者
佐原 奈々美 中村 俊彦 逢沢 峰昭 大久保 達弘
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.102-109, 2018-08-01 (Released:2018-10-01)
参考文献数
43
被引用文献数
2

亜高山帯落葉樹林の実生の発生・定着におけるコケ群落の役割について明らかにするため,日本中部の亜高山帯において常緑針葉樹林の伐採約60年後に成立した落葉広葉樹優占林の森林構造および実生・稚樹の発生・生育状況についての調査を行った。その林分ではダケカンバ等の落葉広葉樹が高木層・亜高木層に優占し多量の種子を生産しているにもかかわらず低木層以下では落葉広葉樹よりシラビソやオオシラビソ等の常緑針葉樹が優占していたことから,今後この林分の常緑針葉樹林への遷移が示唆された。林床では地表面でカニコウモリ型とコミヤマカタバミ型の草本群落,また倒木上ではキヒシャクゴケ型とタチハイゴケ型のコケ群落が存在した。倒木上の2種類のコケ群落では多くのシラビソとオオシラビソの実生・稚樹がみられ,その高さと年齢はキヒシャクゴケ型よりタチハイゴケ型で高かった。シラビソとオオシラビソの実生・稚樹の成長を調べ,またシラビソの種子落下および播種試験を実施した結果,コケ群落による落下種子の捕捉および発芽床としての効果が確認され,亜高山帯林での常緑針葉樹の実生・定着に倒木上のコケ群落が大きな役割を果たしていることが明らかになった。
著者
村上 正志 平尾 聡秀 久保 拓弥
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第52回日本生態学会大会 大阪大会
巻号頁・発行日
pp.362, 2005 (Released:2005-03-17)

植食性昆虫の群集構造を制限するメカニズムとして、捕食者や寄生者を介した植食者間の見かけの競争が重要である可能性が示唆されている。しかし、これまでのほとんどの研究は実験条件下での検証であり、野外においてはわずかに一例が報告されているにすぎない。森林生態系において、ジェネラリスト寄生者である寄生蜂は被食者である潜葉性昆虫間に見かけの競争を引き起こす可能性があるが、これは空間構造をもつ生息場所を舞台として生じており、空間構造が見かけの競争の有無に影響を及ぼしていると考えられる。寄生者の分布様式に空間的な集中が見られるならば、近接する樹木個体上に生息している潜葉性昆虫個体群の間に見かけの競争が生じていることになる。本研究では、森林生態系において潜葉性昆虫_-_寄生蜂群集を対象として、空間スケールに依存した生物間相互作用の定式化を試みる。調査は北海道大学苫小牧研究林で行った。30m四方の調査プロットを5つ設定し、樹木7種の位置を計測した。また、すべての樹木個体から潜葉性昆虫を定量的にサンプリングし、潜葉性昆虫を飼育することによって樹木パッチあたりの寄生率を調べた。生物間相互作用の空間パターンの解析に際しては、寄生の空間相関モデルを検討した。モデルでは正の空間相関が検出されたときに見かけの競争があることを仮定している。寄生蜂の空間分布パターンは潜葉性昆虫種や寄生蜂種、モデルで仮定する近傍情報に依存して様々な変動を示したが、近傍までの距離が比較的近い場合,寄生の空間パターンとして正の空間相関が見いだされる傾向があった。これらの結果から,森林内で寄生蜂は空間的に集中し、潜葉性昆虫の間に見かけの競争が生じていることが明らかになった。
著者
田中 裕子 久保 裕史
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2017 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.167-180, 2017 (Released:2017-05-12)
参考文献数
14

これまで、製造業を中心に業務自動化の取組みが広く進められてきたが、我が国の労働人口が 今後減少すると予測されているなか、ホワイトカラー業務の自動化、なかでも人工知能を活用し た業務の自動化が注目されている。一部の企業においては具体的な検討が進められているが、人 工知能を活用した業務自動化においては、従前の業務自動化とは異なる課題が存在すると考える。 そこで、本論文では、人工知能を活用した業務自動化において想定される課題をとそれに対する有効な方法を示すことを目的とし、過去の人材紹介サービス業における人工知能を活用した業務自動化プロジェクト事例を取り上げ、事例のプロジェクトにおいて発生した問題への対応方法として P2M 理論の適用が有効であることを示す。さらに、人材紹介サービス事業に限定しない一般的な人工知能を活用した業務自動化においてもその有効性を確認する。
著者
久保田 英雄 田中 直文
出版者
一般社団法人日本医療機器学会
雑誌
医療機器学 (ISSN:18824978)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.2-12, 2013 (Released:2013-07-19)
参考文献数
8
被引用文献数
1 3

We built a traceability system for the management of individual surgical instruments by using 2D symbol and Radio Frequency Identification tags, for the purpose of improving the quality of infection control and risk management, operational improvements and accurate asset management.With this system, we have been able to identify both surgical instruments and patients in a short period of time. It indicates that the traceability system is effective in infection control and risk management. In addition, restoration of discarded data on surgical instruments could be recorded in this system.Therefore, it would be easy to have an accurate inventory and cost data, which may be utilized to make a budget. Consequently, the traceability management will be useful for hospital management. From this time forward, we think that the verification of cost-effectiveness and the standardization of traceability system will be needed.
著者
谷所 基行 大久保 克彦 江原 鉄男 中山 典保
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-43, no.9, pp.1-6, 2018-09-20

SDN / NFV 環境の品質確保のためには,低コストかつ高精度な遅延測定環境が必要であるが,専用測定器は高価であり,ソフトウェア測定器は精度が得られないといった問題がある.これらの問題を解決するため,Network Processing Unit (NPU) を搭載した SmartNIC を用いて,サブマイクロ秒の高精度な転送遅延計測装置を開発した.本稿では,その実現方法 ・ 実装について示すとともに,本装置を用いて測定した遅延の測定結果について報告する.
著者
戸張 和明 坂本 潔 岩路 善尚 金子 大吾 上松 初 大久保 智文
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.130, no.5, pp.614-624, 2010-05-01
参考文献数
8
被引用文献数
2 1

We propose a new beatless control mechanism for permanent-magnet synchronous motor (PMSM) drives. In drive systems, the three-phase voltage source induces a ripple component whose frequency is six times that of the voltage source frequency in the DC voltage. Therefore, if the motor frequency becomes six times the voltage frequency, a beat phenomenon, which causes an increase in the motor current ripple is observed. We analyze the beat phenomenon which causes current ripples and propose a method based on periodic disturbance current regulation, i.e., beatless control. We carry out time-domain simulation and various experiments and demonstrate the effectiveness of the proposed controller.
著者
沢 一馬 山口 敬太 久保田 善明 川崎 雅史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.42-53, 2013
被引用文献数
1

近代以前の琵琶湖や内湖沿岸の水郷集落では,集落内に張り巡らされた水路が,田舟による荷物の運搬,生活用水,農業用水等に用いられ,長きにわたり生業の風景を形成してきた.本研究は水郷の面影を残す数少ない集落の一つである伊庭(東近江市)を対象に,文書や地図資料に基づき明治・大正期の水路網構造を復元し,明治以後の水路網の変遷(埋立,暗渠化,付替えなど)ならびに住民による各時代の水利用の実態について明らかにした.その結果,集落内に網目状に広がる水路が多面的な役割を有していたこと,水路自体の役割の変化が水路構造の変容と持続に密接に関わっていたことを明らかにした.
著者
沢 一馬 山口 敬太 久保田 善明 川崎 雅史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.42-53, 2013 (Released:2013-05-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

近代以前の琵琶湖や内湖沿岸の水郷集落では,集落内に張り巡らされた水路が,田舟による荷物の運搬,生活用水,農業用水等に用いられ,長きにわたり生業の風景を形成してきた.本研究は水郷の面影を残す数少ない集落の一つである伊庭(東近江市)を対象に,文書や地図資料に基づき明治・大正期の水路網構造を復元し,明治以後の水路網の変遷(埋立,暗渠化,付替えなど)ならびに住民による各時代の水利用の実態について明らかにした.その結果,集落内に網目状に広がる水路が多面的な役割を有していたこと,水路自体の役割の変化が水路構造の変容と持続に密接に関わっていたことを明らかにした.
著者
気賀澤 悠 中村 理恵子 大森 泰 高橋 常浩 和田 則仁 川久保 博文 才川 義朗 竹内 裕也 北川 雄光
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.86-87, 2015-12-12 (Released:2016-01-06)
参考文献数
4

論文撤回のお知らせ 論文タイトル: 術後の癒着・狭窄予防にステロイド局注が著効した下咽頭表在癌の1 例 著者: 気賀澤悠・中村理恵子・大森泰・高橋常浩・和田則仁・川久保博文・才川義朗・竹内裕也・北川雄光 掲載誌: 「Progress of Digestive Endoscopy」第87 巻1 号,pp. 86-87 撤回理由: 編集作業上の事故により同一論文を2 回掲載してしまったため、2 回目掲載の本論文を撤回いたします。 本件は二重投稿には当たらず、出版社が引き起こした多重出版であることをここに明記いたします (撤回通知掲載:第90 巻1 号)。 「Progress of Digestive Endoscopy」編集委員会 委員長 髙橋 信一
著者
松浦 弘幸 玉川 雅彰 中野 正博 根本 哲也 久保田 正美
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.83-88, 2011-10-20 (Released:2017-09-04)
参考文献数
9

人体損傷を規定する要因は,大別すれば物理的要因と生物・医学的要因に分けられる.物理的要因は,生体に負荷されるが外力・撃力に関連して,主に4つの要因から規定される.それは受傷部分が転倒・落下する高さ,受傷部分の質量,受傷部分の面積,及び,受傷部分の大地との撃力応答時間である.この4つの情報を基にして,簡単な物理学的原理と回転・自由落下仮説を組み合わせて大小のダミー人形や,標準的な日本人男女の転落・転倒時における人体損傷の評価,解剖学的重症度AISやHICを計算して見積もった.男性ダミー同士が,5km/hで衝突し転落して大地で直接的に頭部,胸部等を強打するケースを想定した.防具なしでのこの衝突・転落は,致死的であるが,発泡スチロール素材の防具を用いれば,損傷レベルを著しく低値に抑えられる.時には,大きな外れ値の出現が起こるため,頭部以外では更なる防具の工夫が望まれる.
著者
賀数 康弘 福島 淳一 久保 和彦 小宗 徳孝 門田 英輝 君付 隆
出版者
JIBI TO RINSHO KAI
雑誌
耳鼻と臨床
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.30-36, 2008

外耳道から中耳に及ぶ扁平上皮癌に,乳突洞削開による腫瘍摘出術と放射線治療を行った後, 5年が経過して気脳症を発症した症例を経験した。髄膜炎と水頭症を併発し,意識レベル低下が見られて危篤状態となったが,保存的治療で症状は軽減した。最終的に内耳を含めて側頭骨腐骨部分を摘除し,死腔と硬膜損傷部位を遊離腹直筋弁で充填,閉鎖した。現在まで腫瘍も髄液瘻も再発していない。側頭骨へ照射を行った後に生じるさまざまな合併症の中に髄液漏や本疾患も含まれる。本疾患発症の場合,髄膜炎や脳炎など重篤な頭蓋内疾患を合併して致死的経過をたどる場合もあり,照射を行った患者に対する経過観察においては癌の再発のみならず本症例のような合併症にも留意すべきであると考えられた。
著者
久保山 昭 松崎 早苗
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1973, no.12, pp.2249-2252, 1973

77 Kにおいて,各種の結晶性溶液中で測定したアセナフテンキノソのリソ光スペク5ルは,いずれもその短い寿命(12~16ミリ秒),振動構造および溶媒効果に基づいて,π nスペクトルに帰属された。n-パラフィン中では,鋭いリン光バンドが観測された。 n-ヘキサンの場合は,たがいに接近した二つのリン光スペクトル(両者の間隔は約180 cm-i)が観測されたが,一方, n-ヘプタンの場合は,n-ヘキサンの場合の短波長のスペクトルに相当するスペクトルのみが観測された。このことから,Shpo1'skii効果の規則にしたがって,短波長と長波長のスペクトルはそれぞれ, n-ヘキサン結晶中で,その同称軸をn-ヘキサン分子の平面ジグザグ形の長軸方向に平行および垂直にして配位したアセナフテンキノン分子によるものと考えられるeジオキサンと四塩化炭素中のリソ光スペクトルは,アセナフテソキノソと溶媒間の強い電荷移動相互作用(四塩化炭素はO-アクセプターとなる)により,n-パラフィン中のそれにくらべて大きくブルーシフト(それぞれ約1100および700cm-目)し,かつ,幅が広い。
著者
宮城 政雄 内田 干城 米田 隆志 小山 浩幸 舟久保 熙康
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.840-844, 1998-06-05
参考文献数
7
被引用文献数
4 3

The number of lower limb disabled people have lately been increasing because of traffic accidente and aging society. Most of the lower limb disabled people daily live on wheelchairs. Stairs and step are considerable obstacles for the people whose living depends upon wheelchairs. Although stair climbable robots have been developed as robots for extreme tasks, they are of large size, and heavy weight, and too forceful for stairs at home or hospitals. Therefore they are not suitable for welfare purpose at home or hospitals. This study aims at the development of stair clibing wheelchair which offers assistance to the lower limb disabled people. The stair climbing wheelchair has been developed for welfare purpose. The second report described hou to develop stair climbing mechanism of leg and wheel type wheelchair. This report describes how to succeed in automating stair climbing by loading new developed measurement system on the stair climbing wheelchair.
著者
塩見 雅彦 田部井 隆雄 伊藤 武男 大久保 慎人
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

西南日本の地殻変動場は,フィリピン海プレートの斜め沈み込みによる弾性圧縮変形が支配的である.先行研究におけるGPS変位速度データの解析から,量的には小さいながらも,中央構造線(MTL)を境とする前弧スリバーのブロック運動と,MTL断層面の部分的固着による剪断変形が確認されている.地殻変動場の理解には,これらの定量化と分離が必要である.本研究では,南海トラフ・プレート境界面上の固着分布,前弧スリバーのブロック運動,MTL断層面上の固着分布の同時推定を試みた.推定にはマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いた.MCMC法は,マルコフ連鎖に基づく極めて多数の反復計算によりパラメータの事後確率分布を確率密度関数として求める手法で,パラメータが高次元であるようなモデルに対しても解を推定することができる.解析には,2004-2009年の期間の近畿から九州へ至る291点のGEONET最終座標解から算出した3次元 GPS変位速度に加え,MTLトラバース稠密GPS観測37点と海底地殻変動観測12点を加えた,合計340点の変位速度を使用する.この変位速度場を,グローバルプレートモデルMORVELを基に,アムールプレート準拠に変換する.深さ5-50 kmのプレート境界面を1000枚以上の三角形要素群で近似し,さらに四国西部から東部に至る長さ約250 kmのMTL断層面を,深さ下限15 km,傾斜角45度の56枚の三角形要素群で表現する.推定するモデルパラメータは,各断層面上のカップリング率と,アムールプレートに対する前弧スリバーのブロック運動のオイラーベクトルである.陸上のGPS変位速度のみから推定した結果をCASE-A,陸上データに海底地殻変動観測結果を加えたデータセットから推定した結果をCASE-Bとした.本研究の特色は,陸域から海域にわたる変位速度データを全て使用し,MCMC法を導入したことによって,前弧スリバーとその境界のより詳細な変動を議論した点にある.解析の結果,深さ15 km以浅のプレート境界面で,CASE-Bの方がAより大きなすべり欠損速度が推定された.CASE-Bではトラフ軸付近まで50 mm/yr以上の値が推定されたのに対し,CASE-Aでは30 mm/yr程であった.一方,15 km以深ではCASE-A,Bともに,類似したすべり欠損速度分布が得られた.土佐湾の深さ15-25 kmのプレート境界面上に50 mm/yrを超える最大すべり欠損速度が推定された.この領域は1946年南海地震(Mw8.1)の主破壊域とほぼ一致し,次の地震に向けてひずみを蓄積している状態であると解釈できる.25 kmより深部では,豊後水道(深さ30-40 km)を除いて,すべり欠損速度が急激に減衰する.豊後水道では,40-50 mm/yrのすべり欠損速度が推定された.この領域では,6-7年間隔で長期的スロースリップが発生し,1回あたり約300 mmの累積すべり量が見積もられている.発生間隔とすべり欠損速度を考慮すると,この領域に蓄積されたひずみは繰り返しスロースリップの発生により解放されていると考えられる.推定された前弧のブロック運動は反時計回りの回転を示し,アムールプレートに対する相対速度は約5-7 mm/yrであった.MTL断層面浅部の固着は一様ではなく,四国東部ではほぼ完全に固着しているのに対し,西部や中部では固着が弱い.MTL断層面の北傾斜構造と固着分布から,MTLの北側に剪断帯が形成されていることが示唆される.本研究により,プレート間固着による地殻の弾性変形やブロック運動を定量的に分離できただけでなく,従来は分離が困難であったMTL断層面の固着による影響も同時推定できたと言える.
著者
福井 勝則 大久保 誠介 本間 直樹
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
資源と素材
巻号頁・発行日
vol.112, no.5, pp.303-308, 1996
被引用文献数
7

A method to estimate rock strength with TBM cutting force is proposed. It is assumed that thrust force for a disc cutter increases linearly with product of rock strength and cutting depth. This assumption leads to the following equations:<BR>(Rock strength)&prop;(Resultant thrust force)/(Penetration rate)<BR>(Rock strength)&prop;(Resultant torque)/(Penetration rate) <SUP>1.5</SUP><BR>By the method, rock strength along Niken-goya tunnel was estimated. The tunnel mainly consists of sandstone and slate. Estimated rock strength well agreed with the results of geological investigation; extremely small strength in fragmented slate, on the other hand, very large while boring through massive sandstone. The estimated rock strength was compared with the results of Schmidt hammer test, and it was found that the correlation between the two was excellent. Correlation between estimated rock strength and rock classification was also examined. It was found that the correlation existed, however, the classification used was too rough to evaluate the proposed method precisely.<BR>The proposed method is relatively simple and requires only three values: thrust force, torque and penetration rate. It can be said that the proposed method is promising for real-time estimation of rock strength on the face.