著者
伊藤 まり子 金森 悟
出版者
日本産業看護学会
雑誌
日本産業看護学会誌 (ISSN:21886377)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.62-69, 2022 (Released:2022-11-08)
参考文献数
15

目的:企業内産業看護職の業務に対する関与の必要性と能力について,企業担当者と産業看護職の認識を明らかにすることを目的とした.方法:企業担当者および産業看護職(主に,人材紹介会社A社の登録者)を対象に,web調査を行った.産業看護職の15種類の各業務について,①関与の必要性に対する企業担当者の認識,②関与の必要性に対する産業看護職の認識,③能力に対する企業担当者の認識,④能力に対する産業看護職の認識という4つの視点で結果を比較した.結果:解析対象者は企業担当者104名,産業看護職80名であった.結果の一部として,「傷病者対応」は企業担当者の認識において他の業務と比べて相対的に高く,産業看護職では低いことが示された.結論:本研究の結果から,双方の認識の相違について5つの仮説が導き出された.今後,日本全国の企業担当者と産業看護職を対象とした場合に,これらの仮説が支持されるのか,検証していくことが望まれる.
著者
小川 和夫 巖城 隆 荒木 潤 伊藤 直樹
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.1193-1195, 2012 (Released:2012-11-28)
参考文献数
13
被引用文献数
4 5

根室に水揚げされたサンマのフィレ内のアニサキス寄生の有無を目視で検査した。その結果,フィレ 1 枚あたり 0.9% の寄生が認められた。虫体の形態観察とミトコンドリア Cox2 遺伝子の解析によってヒトのアニサキス症の主原因となっている Anisakis simplex sensu stricto(狭義の A. simplex)と同定された。これによって,サンマ加工食品の生食によるアニサキス感染のリスクが初めて確認された。フィレ内の虫体は目視で発見できるので,加工や調理の際に確実に取り除くことが推奨される。
著者
安部 晃司 北 恵実 中谷 朋昭 村上 智明 伊藤 暢宏 中嶋 康博
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.286-291, 2021 (Released:2021-03-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1

In this study, we examined the differences in food preparation efforts and their causes. We used two-step online survey data comprising 50,000 samples with 726 samples in each step. We clustered the data by the degree of effort, obtaining four clusters of individuals—those who enjoyed preparing and expressed concern for every meal, enjoyed preparing dinner, sought to minimize their efforts, and preferred quick meals in all situations. We then measured the food values using the best–worst scaling method and found that attitude differences toward food preparation were well characterized by differences in food values and socioeconomic conditions.
著者
伊藤 崇志
出版者
国際タウリン研究会
雑誌
タウリンリサーチ (ISSN:21896232)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.9-11, 2015 (Released:2019-09-20)

我々のグループは主に心臓や骨格筋におけるタウリンの病態生理学的意義を解析する目的でタウリントランスポーター欠損マウスを作製し、解析を行ってきた。その中で、組織タウリン合成能が極めて低い心臓及び骨格筋において組織タウリンの欠乏に伴い機能的及び形態的異常を見出した。また、近年、このマウスが加齢依存的な組織異常を呈し、さらに、寿命が短くなることを見出した。このことから、組織タウリンが寿命と関連する可能性があると考えている。
著者
雨宮 智浩 青山 一真 伊藤 研一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.86-95, 2021 (Released:2021-04-01)
参考文献数
28

Due to COVID-19, university lectures in Japan faced a change of face-toface lecture to a live online lecture. However, students at home need extra efforts to stay engaged to online lectures. This paper aims to increase engaged participants by changing the instructorߣs face shown over the lecture slide. First, students selected an in-favor and out-of-favor instructor photo which was both used to animate facial expressions in real-time using an open source deepfake software “Avatarify”. Students posted comments during the lecture and answered a simple quiz at the end. No significant difference was found for the quiz result, although the number of posting comments increased for the favorable photo. Therefore, we speculate that facial appearance influences the engagement of student participation in a live online lecture.
著者
宮崎 泰広 種村 純 伊藤 慈秀 三寳 季実子 福本 真弓
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.289-296, 2003 (Released:2006-04-21)
参考文献数
22
被引用文献数
3 1

失語症患者8人を対象に,呼称課題を施行した。その課題施行時に出現した保続を分析し,保続の出現機序について考察した。  まず出現した保続を,保続として出現した語彙が表出されてから直後に出現したか否かで直後型・遅延型に分類し,その出現した保続と目標語間での意味的・音韻的類似性について検討した。この結果,出現した保続と目標語との間に意味的または音韻的類似性がある場合の割合が,直後型に比べ遅延型のほうが有意に高かった。  以上より,遅延型保続の出現には保続した語と目標語との意味的もしくは音韻的類似性が影響していることが示唆された。このことより,遅延型保続の出現には意味・音韻の処理過程における選択性の障害が関与していると考えられた。保続出現機序は一般に経時的な抑制障害である易動性の障害で説明されるが,易動性の障害によってのみでは説明できず,意味もしくは音韻の処理過程における選択性の障害の関与を示唆すると考えられた。
著者
立原 一憲 大城 直雅 林田 宜之 西村 美桜 伊藤 茉美
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

琉球列島におけるバラフエダイ、バラハタ、ドクウツボの年齢と成長を解析し、各年齢と体重におけるシガテラ毒の含有量を分析した。その結果、寿命は、バラフエダイ79歳、バラハタ20歳、オジロバラハタ15歳、ドクウツボ25歳であった。いずれの種も高齢魚・大型魚ほどシガトキシンの含有量が多い傾向が認められた。バラフエダイでは、体長500㎜、体重4kg、年齢20歳以上になると強毒個体が出現し、宮古諸島のものが特に高い値を示した。バラハタとオジロバラハタでは、強毒個体は、いずれも1個体のみであった。ドクウツボでは、強毒個体は出現せず、大量摂取しなければ中毒を発症する恐れは少ないと判断された。
著者
伊藤 理絵
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.122-127, 2012-07-21 (Released:2017-07-21)

笑いに関する質問紙調査を通して、大学生および大学院生(以下、大学生)における笑いの性差について検討した。24の質問について、19歳〜25歳の大学生108名(男性50名,女性58名)の回答を分析、比較した。6男性の平均年齢は20.82歳(SD=1.38)、女性の平均年齢は20.43歳(SD=0.62)であった。その結果、女性は男性よりも、人をバカにする笑いを好ましく思っていなかった。また、女性は、笑うことは健康につながると思っており、「笑い」を色に例えると暖色系だと感じる傾向がみられた。一方、男性は、異性を笑わせたいと思う欲求が女性よりも強いという結果が示された。本調査は、大学生という発達段階の一部の対象者を取り上げた結果ではあるが、笑いやユーモアの研究を進めるにあたっては、対象者の男女構成比に配慮し、得られた結果についても性差の影響を考慮に入れる必要性が示唆された。
著者
伊藤 克樹 宇佐美 範恭 寺島 常郎 清水 隆宏 福島 曜 麻生 裕紀
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.390-394, 2019-08-20 (Released:2019-08-30)
参考文献数
13

背景.右肺下葉S6に空洞性結節と周囲への散布陰影を呈し,外科的生検により診断した浸潤性粘液性腺癌症例を経験したので報告する.症例.71歳男性.肺癌検診にて異常陰影を指摘され,X年9月に精査目的で当院紹介となる.CTにて右S6に空洞を伴う結節影と周囲に散布影を認めた.X+1年11月のCTで空洞性結節は徐々に増大傾向を示したため,気管支鏡検査を施行したが,確定診断は得られなかった.炎症性病変が示唆されたが,悪性も否定できなかったため,外科的生検を施行し,浸潤性粘液性腺癌の診断を得て,右下葉切除術を施行した.周囲への散布影は全て同一葉内肺転移であった.結論.浸潤性粘液性腺癌は肺炎類似の画像所見を呈することが広く知られているが,本症例の如く空洞性結節を示す場合もあることは,画像診断上認識する必要があると考えられた.
著者
伊藤 隆行
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.88-92, 2012-06

テレビ東京のプロデューサーとして、「モヤモヤさまぁ〜ず2」や「やりすぎコージー」などの人気番組を作り続ける伊藤隆行さん。オリジナリティーあふれるバラエティー番組は、同じ作り手のテレビ業界関係者にも注目されている。他の民放各社に比べて、人材や資金が決して潤沢というわけではない。そんな中で、伊藤さんはどうやって成果を出し続けているのか。

7 0 0 0 OA 責の話

著者
伊藤晴雨 [著]
出版者
温故書屋
巻号頁・発行日
1929
著者
木村 周平 小西 公大 伊藤 泰信 内藤 直樹 門田 岳久 早川 公
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究はソーシャルデザイン実践について、生活・地域・教育の領域において、それを推し進める「準専門家」(後述のようにアドバイザーやコンサルタント、研究者等を含む)の実践に着目して研究することで、ソーシャルデザインに対して文化人類学からどのような関わり方が可能なのかについての知見を提示することで、人類学や近接学問領域の蓄積、さらに公共的な実践に対して貢献しようとするものである。
著者
伊藤 二良
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.30, no.8, pp.632-640, 1976-08-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
12

10年位前まで大がかりな機器とスタッフを要した同時録音は, 現在は機器の発達できわめて少ない人員で処理できるようになった.16ミリでは, 完全に1人で同時録音ができるカメラが普及し, また, アマチュァの8ミリでも, 同時録音が可能となった.しかし, これら同時録音には幾つかの方式があり, 取材目的に即した方式を選択する必要がある.そこで現在ある同時録音のシステムを取材から後処理まで通して見なおし, 整理してみた.
著者
伊藤 一成
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.47-61, 2018-06-06

本論文では,人型ピクトグラムを用いたプログラミング学習環境「Pictogramming(ピクトグラミング)」を提案する.PictogrammingはPictogramとProgrammingを合わせた造語である.ピクトグラムは表現の抽象度の高さから,それを見た人物が自分自身や本人に関わる人物事物を想起させる効果があるといわれている.人型ピクトグラムを人間の動作に模倣して動かす,今回実装したプログラミング学習環境は,構築主義の提唱で知られるPapertが重要視する同調的学習の概念と相性が良い.人型ピクトグラムを変形する“ピクトアニメーション”コマンドと移動の軌跡を図として表示する“ピクトグラフィックス”の2種類のコマンドを併用することで,コンパクトな命令セットで,かつスモールステップ学習可能な環境のため,短時間でピクトグラムのデザイン指針に準じた多様な作品を作成することができる.実際に100人程度の中学生を対象とした実践授業を行い,提案アプリケーションの有用性や教育現場での利活用の展望について観察,アンケート,理解度テストの3点から評価・分析した.観察の結果,“ピクトグラフィックス”を学習した授業で,人型ピクトグラムの動作を学習者自身が模倣する動作が見られた.またアンケート,理解度テストいずれも概して良好な結果を得,同調的学習を喚起させたと思われるアンケート回答もいくつか見られた.ただし,条件分岐を学習する授業については,他の授業よりアンケート,理解度テストともに有意に低い結果となっており,検討・改善の余地がある結果となった.