著者
浅井 康文 佐藤 昌太 坂脇 英志 相坂 和貴子 加藤 航平 水野 浩利 前川 邦彦 丹野 克俊 森 和久 奈良 理 高橋 功 目黒 順一
出版者
一般社団法人 日本交通科学学会
雑誌
日本交通科学学会誌 (ISSN:21883874)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.21-27, 2011 (Released:2018-03-01)
参考文献数
6

北海道では、ドクターヘリ(3機体制)と北海道防災ヘリなどとの共存体制や、さらなる航空機医療の充実を目的に、2010年5月北海道航空医療ネットワーク研究会が設立された。本研究会では、試験事業として民間企業からの寄付によって小型ジェット機を1ヶ月間チャーターし、患者搬送、医師搬送、臓器搬送を実施したので、その結果と運航の可能性や課題等について報告する。結果は、総出動件数16件で、患者搬送9件(要請11件)、臓器搬送4件、医師搬送3件であり、事故なく安全に運航できた。また、着陸可能な北海道内の8空港で見学会を開催し、普及活動も同時に実施した。1ヶ月間の固定翼機運航の成果を踏まえて、北海道地域再生医療計画に基づき、2011年度より3年間に渡り、固定翼機(メディカルウイング)の運航が実地される。
著者
佐藤 昌子 木村 あやの 藤崎 春代
出版者
昭和女子大学
雑誌
昭和女子大学生活心理研究所紀要 (ISSN:18800548)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.25-38, 2010-03-31

An important function of the Counseling Room affiliated with the Showa Women`s University is training graduate students in clinical psychology. Graduate student interns in this institute, supported by clinical psychologist, assess and counsel clients varying from children to the elderly. In the Counseling Room, the use of the Wechsler Intelligence Scale(WISC and WAIS) for assessment has continued to increase and currently accounts for nearly 40% of all cases in 2009.The results of WISC tests performed on 30 participants (aged 6 to 16 years) between April 2006 and June 2009 are reported and the contribution of using the scales to the education of clinical psychologists is discussed.
著者
佐藤 昌子 楠 幹江 奥山 春彦
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.123-128, 1974-04-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
4

目的: 脱水後の布の含水率が, 再汚染におよぼす影響を検討するため, ローラー式絞り機と遠心脱水機を用いて, 比較実験を試みた.方法: 試料布5種, 汚れ粒子2種, 界面活性剤3種を使用した.結果: (1) ローラー絞りでは, 含水率が減少するにつれて, 汚れ付着量も減少する傾向がみられるが, 脱水機では.必ずしも, 同様な傾向はみられなかった.(2) 同一含水率における汚れ付着量は, ローラー絞りよりも脱水機の方が多い.(3) 分散液の粒子の分散状態と汚れ付着量の関係は, 汚れ粒子や界面活性剤の性質などにより異なり, 種々の汚れ付着量を示す.
著者
岡村 かおり 前田 翔平 飯田 則利 佐藤 昌司 米本 大貴 飯田 浩一 和田 純平 卜部 省悟
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.278-285, 2019-04-20 (Released:2019-04-12)
参考文献数
72

胎児内胎児は多胎の発生過程で一児が他児に取り込まれた稀な奇形で,奇形腫とは異なる病態であるが,予後に大きく関わるため両者の鑑別は重要である.大半は新生児期から乳児期に発見され,液体で満たされた囊胞内に骨構造を有する充実成分と,充実成分へ流入する血管を認めるといった超音波所見を呈し,診断の参考となり得る.今回,我々は比較的高度な身体器官の形成を認め,また特徴的な画像所見から,出生前診断された1例を経験した.腫瘤は出生後も増大し哺乳障害を認めるようになったため,新生児期に手術を行った.MRIやCTは脊椎構造の有無,栄養血管や周辺臓器との位置関係を把握でき,手術時期やアプローチ法の決定に有用である.
著者
佐藤 昌利
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.297-306, 2014-05-05 (Released:2019-08-22)

1937年,Majorana(マヨラナ)によって,電気的に中性な素粒子を記述する新しいフェルミオンが導入された.のちにマヨラナフェルミオンと命名されたそのフェルミオンは,複素数の場で表される通常のディラックフェルミオンと異なり,実数の場で表すことができ,そのため自分自身が反粒子であるという特徴をもつ.ニュートリノがマヨラナフェルミオンであると期待されているが現時点では直接的な実験的証拠は見つかっていない.ところが,最近,超伝導体の励起状態としてマヨラナフェルミオンが実現される可能性が議論され,実際に実験によってその証拠が報告されはじめている.この記事では,素粒子の世界でなく,超伝導体という通常の電子の世界で何故マヨラナフェルミオンが実現されるのかということを解説する.まず,最初にマヨラナフェルミオンが実現される舞台であるトポロジカル超伝導体について説明する.トポロジカル超伝導体とは,基底状態の波動関数から計算されるトポロジカル数がゼロでない値をとるトポロジカル相の一種である.トポロジカル相には,バルク・エッジ対応と呼ばれる数学的構造よりその表面に質量ゼロのディラックフェルミオンに類似の集団励起が存在する.更に,超伝導体では,クーパー対の存在によって,電子とその反粒子である正孔とが同一視され,そのため,超伝導体中のフェルミオン励起は自分自身が反粒子となる.この2つの条件が重なることで,自分自身が反粒子であるディラックフェルミオン,すなわちマヨラナフェルミオンがトポロジカル超伝導体表面で実現されることになる.マヨラナフェルミオンがトポロジカル超伝導体で実現されることは,2000年にReadとGreenによって分数量子ホール状態とスピン三重項超伝導体の類似性を用いて初めて示された.トポロジカル超伝導体内の超伝導渦にマヨラナゼロモードが存在すると,渦自体の統計性がボーズ統計から非可換統計(粒子の交換によって新しい状態が作れる統計)へと変化することが示され,量子コンピュータなど新しいデバイスへの応用の期待から,注目を集めることとなった.しかしながら,スピン三重項超伝導を実現する物質が非常に少ないこともあり,実際にマヨラナフェルミオンが実現されたという報告はなかった.ところが,2003年の筆者の研究に続いて,2008年にFuとKaneがディラックフェルミオンのs波超伝導状態でマヨラナゼロモードを実現する可能性を示したことを発端とし,非可換エニオンを実験室で実現する機運が高まってきた.更に,2009年に筆者と藤本氏によって,通常の電子のs波超伝導状態もスピン軌道相互作用とゼーマン磁場によって,トポロジカル超伝導体へ相転移することが示され,冷却原子系からナノワイヤー系まで様々な系でマヨラナフェルミオンが実現可能であることが明らかになった.
著者
及川 充 大塚 正男 森 邦宏 佐藤 昌美 小口 正信
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.416-419, 1995-08-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1

We statistically studied several problems related to critical flicker fusion frequency (CFF), which was used to design the interlaced scanning method of television systems. Since CFF values closely depend on the physical and mental state of the observer, statistical treatment of data is essential. We studied the difference between up and down discrimination threshold series and the coincidence between CFF values for equal energy colors, mainly by adapting a variance method analysis.
著者
佐藤 昌人 八反地 剛 松岡 憲知
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.133-153, 2016-02-25 (Released:2016-03-22)
参考文献数
168
被引用文献数
4 3

Weathering processes on Martian surface are among the essential issues for both understanding landform evolution and exploring water availability on Martian surface. Studies are reviewed on various weathering processes on Martian surface based on images, data collected by rovers, and laboratory approaches. Recent explorations by the Mars Exploration Rovers reveal that chemical weathering occurs on the surface of basaltic regolith. Dissolution of olivine and oxidation of Fe produces weathering rinds on basaltic surface regolith. Rock interiors also show vugs and veins filled with light-toned efflorescence indicative of chemical weathering. In particular, in high-latitude areas the two Viking landers and the Mars Pathfinder observed honeycomb weathering, angular rock fragments, and polygonal cracks in bedrock. Most of these features are also observed in the Antarctica and other cold deserts on Earth, and are generally attributed to physical weathering such as salt crystallization, thermal weathering, and/or frost weathering. Some studies successfully estimate periods and rates of weathering on the Martian surface, which promote a further understanding of environmental changes and landform evolution.
著者
佐藤 昌也
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.201-204, 2015-09-01 (Released:2017-02-10)

本校第4学年の応用物理実験のテーマに「電子の比電荷(e/m)の測定」がある。著者が担当した当初から,得られる電子の比電荷の測定値は,現在知られている真値(e/m≒1.76×10^<11>C・kg^<-1>)から大きくかけ離れており,その原因を明らかにできずにいた。今回,文献1)を参考に測定結果を解析し,誤差の原因について分析した。
著者
十時 寛典 越智 徳昌 佐藤 昌之 村岡 浩治
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第57回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.1590-1597, 2014 (Released:2016-03-02)

JAXAが実施している公募型研究の一環として,Tilt Wing VTOL無人機の1種である4発ティルト翼無人機(QTW-UAV)の飛行制御則を設計した.本研究では,固有不安定なQTW-UAVを安全に飛行させるための安定増大装置と,パイロットのワークロード軽減のための操縦性増大装置を設計した.これらの設計にはそれぞれLMIおよびコントローラの低次元化に基づくPID制御則設計手法を適用した.本発表ではこれら2つの設計法を紹介し,得られた制御則の有効性を確認するために実施した非線形Human-in-the-loopシミュレーションの結果を報告する.
著者
山口 喜雄 天形 健 福本 謹一 新関 伸也 奥村 高明 結城 孝雄 中島 望 佐藤 昌彦 安東 恭一郎 村上 尚徳 渡邊 弘 本田 悟郎 株田 昌彦 森田 香緒里 田和 真紀子 石野 健二 茅野 理子 渡辺 浩行 山田 有希子 村松 和彦
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

(1)『芸術教育文献解題ブックレット:英日対訳』2012・2013刊行 (2)雑誌論文72、国内外での学会発表55、図書5 (3)アジア・欧米・オセアニア・アフリカの13ヶ国・地域の学校・美術館等に国際調査と研究成果の還元 (4)宇都宮大学で映画会・シンポジウム等を5回実施 (5)『美術教育の世界ドキュメント2015+日本美術科教科書研究2015+芸術教育文献解題ブックレット2014・2015』刊行 (6)英日対訳Webサイト「アーカイビング研究会」http://www.ae-archiving.jp/art-e/で情報発信
著者
小畑 伸一郎 木村 圭志 前田 和弘 真田 功 佐藤 昌彦 松村 克己 河野 文夫 東 輝一朗 紫藤 忠博
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.174-176, 1991-02-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
12

40歳男性, 粘血便, 下痢を主訴とし注腸, 大腸内視鏡, 生検所見より左半結腸型の潰瘍性大腸炎と診断された. プレドニゾロン30mg/日及び, salicylazosulfa pyridine4.0g/日の約1年にわたる投与でも, 緩解に導入できず症状持続. 当科入院後経管栄養を併用により一時的に緩解となるも3ヵ月後粘血便出現, 大腸内視鏡, 組織学上活動性であった. プレドニゾロン60mg/日に増量し, 柴苓湯を併用した. 症状は消失し, プレドニゾロン減量が可能となり, 10週後には外来通院となり, プレドニゾロン中止するも緩解を保っている. 柴苓湯にはステロイド効果の増強作用が知られており, ステロイド減量に成功し良好な経過を得た.
著者
田澤 沙也香 山本 亮 佐藤 昌弘 矢﨑 純子
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨 2022年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
巻号頁・発行日
pp.5, 2022 (Released:2022-07-08)

蛍光観察では、アコヤ真珠の浜揚げ珠は黄色、漂白珠は青白色などの特徴があり、鑑別でも用いられている。しかし真珠は生体生成物であるため個々のばらつきがある。また、一般的な紫外線ライトは、点滅がわかるように青色等の可視波長の色が加えられているため、観察真珠の蛍光色に青が加わり、本来の色とやや異なって見えている場合も考えられる。本発表では、まず目視で可視波長カットのフィルターを用いた長波紫外線(365nm 付近)照射時の試料真珠の蛍光を観察した。次に、観察した試料真珠の 3 次元蛍光分光測定を行い、目視観察との比較検討を行い鑑別への応用を検討した。1.アコヤ真珠浜揚げ珠と漂白珠浜揚げ、漂白試料真珠を長波紫外線照射下で観察すると、浜揚げ珠は黄色味を帯び、漂白珠は青白色である。紫外線カットフィルターを通して照射したところ、漂白珠にもやや黄色味は確認できたが、浜揚げ珠に比べ青みが強い。次に、試料真珠の 3 次元蛍光分光測定を行ったところ、漂白前後で明らかなピークの変化が見られた。浜揚げ珠は、励起波長 290nm付近で 345nm 付近の蛍光ピークが現れ、漂白を行うことでこの蛍光は減少し、励起波長380nm 付近で 450nm 付近の蛍光が強くなり、漂白後に蛍光の青みが強くなる現象が測定された。アコヤ真珠の浜揚げ珠は、いわゆるアコヤ吸収と呼ばれる 3 つの小さな吸収があるが、年月で消失するとも言われ、蛍光測定の併用で、より正確に浜揚げ珠(未処理珠)の判別ができるようになると考えられる。2.その他の試料真珠放射線照射によって蛍光が弱くなることが報告されているが、処理真珠と未処理ブルー珠についても同様に観察測定した。