著者
佐藤 愛子 岩原 信九郎
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.232-235,254, 1962-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
5

某県の高校入学者の女子について,入学試験,入学時の知能検査結果,および入学後の学業成績間の相関を求めたところ,入試と学業の相関がきわめて高く,また学業成績は学年がすすんでもあまり相対的位置をかえないにもかかわらず,知能と成績との相関は意外に低く,しかも学年のすすむにつれて低下の傾向を示した。このことは入学後の成績の予言には入試のもつ重みはきわめて高いが,知能の重みは無視できるほど低いことと,学業成績は年とともに知能の因子を含む割合が減少する傾向のあることを示している。この点,大学入学のときの学科試験や進学適性検査のもつ意味といちじるしく異なる。なぜなら大学の場合はこれら2つの変数は入学に適さないものを落すという意味はあるかもしれないが,入学後の成績を予言することは非常に困難であるからである。
著者
豊辻 宏旨 松崎 拓也 佐藤 理史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.3G11, 2017 (Released:2018-07-30)

センター試験「化学」の正誤問題に対する自動解答システムを開発した。選択肢に対し意味解析を行い、生成された中間表現に基づき正誤判定を行う。まず、化学物質の知識と状態や操作を表す用言に関する知識をオントロジーとしてまとめた。さらに、並列や連体修飾など分野に非依存な言語現象を処理するため形式文法を実装した。形式文法にオントロジーに基づく意味表示を組み込むことで、誤った解析を防ぎつつ、意味解析を行える。
著者
佐藤 紀子 雨宮 有子 細谷 紀子 飯野 理恵 丸谷 美紀 井出 成美
出版者
千葉看護学会
雑誌
千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1-11, 2018-09

[抄録] 本研究の目的は,介護予防事業従事者(以下従事者とする)が活用できる「高齢者のエンパワメントに着目した介護予防支援ガイド」(以下ガイドとする)を作成し,ガイドを活用した従事者間の振り返りの内容からガイドの有効性を検討することである。まず,先行研究で明らかにした高齢者のエンパワメントに影響を及ぼす支援内容を精錬化させ,7項目21の支援内容からなる支援指針を作成した。ガイドは,この支援指針を含む6つの項目で構成した。作成したガイドを活用して,3施設で3か月間介護予防事業を実施してもらった。開始から1か月,2か月,3か月の時点において,従事者間でガイドを用いて支援の振り返りを行ってもらい,その内容をデータとした。振り返りの内容と変化から,1.従事者が高齢者のエンパワメントの視点から有効な支援ができたか,2.ガイドを活用した従事者間の振り返りによって,改善点を見出すことができたかの観点から有効性を検討した。その結果,「高齢者の理解」,「従事者と参加高齢者との関係性」,「他者との相互作用の場の提供」,「高齢者が継続的に介護予防に取り組める環境整備」というエンパワメント支援に求められる視点から実践の質を高められることが確認できた。また,本ガイドは「支援の方針の共有」「できている,あるいは不十分な支援を確認」「支援の必要性や重要性への気づき」「課題と今後の方向性の明確化」という振り返りを促進するものであり,実践の改善点を見出すことに有効であったといえる。[ABSTRACT] The purpose of this study was to create a "long-term care prevention support guide focused on the empowerment of elderly people"( hereinafter, "care guide") that can be used by long-term care prevention practitioners, and to investigate the efficacy of this care guide based on the reflections of practitioners who used the care guide. The first step involved refining the details of support that influence the empowerment of elderly people revealed in earlier research and subsequently creating a support guideline based on 21 types of support organized into 7 items. The care guide was formed of six of the items included in this support guideline. The created care guide was then used in the long-term care prevention activities of practitioners at three different facilities for three months. At one, two and three months after introducing the care guide, practitioners working at the three facilities were asked to reflect on support using the care guide. The details of these reflections were then rendered as data. The details of and changes in reflections were used to examine the efficacy of the care guide in terms of the success of(1) the care guide in effectively motivating practitioners to act from the perspective of empowering elderly people, and(2) reflections in improving the practices of practitioners who used the care guide. The results confirmed that the care guide was able to enhance the quality of practices required to support empowerment, such as "understanding elderly people," "relationships between practitioners and participating elderly people," "providing a place for interaction with others," and "providing an environment where elderly people can continuously work on long-term care prevention." Further, the care guide was also able to enhance the reflections, such as "sharing support strategies," "verifying feasible or inadequate support," "recognizing the necessity and importance of support," and "clarifying challenges and future objectives." This confirmed the efficacy of the care guide since practitioners were able to reflect on support in a way that enabled them to improve their practices.
著者
吉富 淳 佐藤 篤彦 須田 隆文 千田 金吾
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.1352-1355, 1997-12-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
13
被引用文献数
2

症例は86歳の女性で, 気管支拡張症感染増悪のため1996年6月10日に緊急入院し, 気管内挿管下に人工呼吸管理となった. 病室は3階の個室でほぼ毎日家族が付き添っていた. 口腔内洗浄も連日行われていたが, 6月19日に鼻腔, 口腔から体長約1cmのハエ幼虫 (ヒロズキンバエ) が20匹以上出現した. 虫体を除去するとともに, 内視鏡にて鼻咽腔から喉頭を観察したが, ハエ幼虫の温床となるような化膿性病変や壊死性病変は指摘できなかった. 経過から, 挿管後数日の間に親バエが鎮静剤の投与された患者の鼻腔または口腔に産卵したと考えられた. 清潔を旨とする病院においてもハエの侵入は認められ, ハエ幼虫症という事態が起こり得ることに留意する必要がある.
著者
田中 貴大 周藤 高 末永 潤 高瀬 創 佐藤 充 大竹 誠 立石 健祐 上野 龍 宮崎 良平 村田 英俊
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.58-64, 2018 (Released:2018-02-14)
参考文献数
17

We report herein five cases of symptomatic brainstem cavernous malformations (CM). Specific surgical approaches were designed to directly access each lesion. Neuronavigation and intraoperative monitoring were used. Four lesions underwent gross total resection, and one was subtotally partially removed. None of the patients developed new neurological deficits and all cases showed an improvement based on the modified Rankin Scale and the Karnofsky Performance Status. Although brainstem CM have a relatively high rate of re-bleeding, thus adversely affecting the neurological status of the patient, recent reports have demonstrated favorable outcomes after their resection. Hence, surgical removal can be recommended for cases of symptomatic brainstem CM, particularly those with re-bleeding. An optimal surgical approach, providing direct access to the lesion, is critical for successfully resecting brainstem CM.
著者
渡辺 研一 高橋 誠 中川 雅弘 太田 健吾 佐藤 純 堀田 卓朗
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.255-263, 2006-09-20
被引用文献数
1

2-フェノキシエタノールの麻酔剤としての効果を、9種の主要な増養殖対象種(ブリ、マダイ、マアジ、カンパチ、シマアジ、ヒラメ、トラフグ、メバル、クロソイ)について、水産用医薬品であるFA100と比較、検討した。網で掬っても魚が暴れない程度に麻酔が罹り、麻酔後清水に移して一晩経過後に死亡個体が認められない2-フェノキシエタノール濃度は、おおむね200~1,000μl/l であった。一方、FA100の効果的で安全な濃度はおおむね100~500μl/l であり、2-フェノキシエタノールの場合と比較して範囲が狭かった。2-フェノキシエタノールで麻酔すると、FA100の場合より麻酔からの覚醒時間が短く、麻酔翌日の生残状況が優れた。さらに、2-フェノキシエタノールでは観察されなかった麻酔液表面の泡立ちがFA100で観察された。以上のことから、2-フェノキシエタノールは増養殖における麻酔剤として優れていることが示唆された。
著者
佐藤 亨至 三谷 英夫 メヒア マルコ A 伊藤 正敏
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:0021454X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.300-310, 1996-08
被引用文献数
8

咀嚼と脳賦活との関わりについての基礎的検討として, 若年者を対象として個体が示す顎顔面骨格構成および咬合形態によって, 咀嚼時の脳血流動態に差異が存在するかどうかについて調べるため, 酸素標識の水とポジトロンCT(PET)を用いて検討を行った.研究対象は, 21∿32歳の健常ボランティア男性6名である.それぞれ頭部X線規格写真の撮影と歯列模型の採得を行い, 顎顔面骨格構成および咬合について検討した.脳血流動態については安静時とガムベース咀嚼時にPETを用いて測定を行った.得られた脳血流画像について関心領域を設定し, ガム咀嚼に伴う局所脳血流(rCBF)の変化を求めて咬合や顔面形態との関連について検討した.その結果, ガム咀嚼による脳血流変化には個体差が大きいものの, 上・下顎骨に調和のとれたおおむね良好な咬合を有する者では, 1次運動感覚領下部(ローランド野), 島, 小脳半球などで明らかな脳血流の増大が認められた.一方, 顎顔面骨格や咬合に種々の問題を有する不正咬合者では咀嚼による脳血流変化が正常咬合者と異なる傾向が認められ, 1次運動感覚領下部や島での明らかな賦活は認められない者もいた.以上のことから, 咀嚼による脳の賦活化部位とその量は個体間でかなり変異に富んでおり, それには個体の示す顎顔面骨格構成および咬合とそれに関わる咀嚼運動様式が関与している可能性が示唆された.
著者
佐藤 衆介 西脇 亜也 大竹 秀男 篠原 久
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.95-104, 1999-03-03 (Released:2017-10-03)
参考文献数
35
被引用文献数
1

岩手県の低投入型放牧酪農家2戸(N牧場、K牧場)の家畜福祉性を、主として乳牛の行動の調査結果に基づき、乳生産や疾病記録を加味して評価した。両牧場とも急傾斜地にあり、面積はN、K牧場とそれぞれ46ha、40haで、改良草地放牧地、野草林間放牧地および採草地からなっていた。N牧場には、加えて採草放牧兼用地があった。両牧場ともまき牛繁殖で、放牧地での自然分娩であった。N牧場では2ヵ月齢までの自然哺乳、K牧場では3ヵ月齢まで人工哺乳であった。両牧場ともに、無施肥による放牧地管理をし、フスマやビートパルプといった農産副産物の他には、濃厚飼料は無給与という低投入型で、牛乳を4,000kg/頭/年程度生産していた。N牧場の乳牛では、全行動レパートリーが出現したが、6月の食草・樹葉摂食行動は1日当たり平均11.0時間となり、それは過去の報告例の上限に近い水準であった。強制離乳子牛1頭に模擬舌遊び行動が観察された他には、異常行動は観察されなかった。K牧場では、人工哺乳のため母子行動は発現できなかった。K牧場での全摂食行動(食草、樹葉摂食、給与飼料摂食)は6月および7月には昼夜を問わず間断的にみられ、それぞれ1日当たり平均52時間および82時間であった。しかし、9月の食草・樹葉摂食時間は2.8時間と極端に短くなり、特にシバヘの依存が急激に低下した。N牧場では1994年の治療回数は2回で、捻挫と子牛の奇形による難産が理由であった。K牧場では1995年には下痢子牛3頭、後産停滞2頭、起立不能症1頭で治療を要した。両牧場とも、ウシの疾病率が低く、さらに異常行動は1頭を除き発現せず、行動レパートリーのほとんどが出現し、各行動時間配分も通常範囲内にあり、行動的にもほぼ正常であり、家畜福祉レベルは平均的な酪農家に比べて高いと判断された。しかし、N牧場では、強制離乳された子牛のストレス性の軽減が、K牧場では晩夏以降の草生の改善が、さらなる家畜福祉性改善に必要であると示唆された。日本家畜管理学会誌、34(3) : 95-104、1999 1998年4月16日受付1999年1月7日受理
著者
佐藤 衆介
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.978-982, 1992-09-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
7
被引用文献数
2
著者
佐藤和男著
出版者
神社本庁研修所
巻号頁・発行日
1992
著者
須藤 元気 佐藤 珠希
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.435, pp.146-149, 2018-09

「お金を稼ぐこと」にフォーカスし過ぎないことですかね。お金を稼ぐためだけに何かをやるのではなく、楽しいことをやっているとお金が入ってくる仕組みをつくった方がいい。誰だって、どうせ仕事をするなら、お金を稼ぐためにやりたくないことを嫌々やって…
著者
小島 彩子 佐藤 陽子 千葉 剛 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.80-88, 2018-04-25 (Released:2018-04-25)
参考文献数
41

病者が健康食品を摂取している状況から,健康食品と医薬品の併用による有害事象の発生が懸念されている.そこで過去の有害事象を症状の重篤度と医薬品の薬効の視点で分析し,注目すべき事項を検討した.事例は,『健康食品』の安全性・有効性情報(HFNet)の収載論文64報,その中の患者71名を対象とした.その結果,症状としては肝障害,医薬品としては抗てんかん剤,抗悪性腫瘍剤,不整脈用剤,血液凝固阻止剤等のハイリスク薬が,健康食品と医薬品の相互作用において注目すべき事項であることが明らかとなった.また,論文中の健康食品の素材・成分に関する情報が曖昧で不十分な点が,相互作用の影響を検討する際の障害となることが示唆された.
著者
佐藤 真紀
出版者
慶應義塾大学大学院法務研究科
雑誌
慶應法学 = Keio law journal (ISSN:18800750)
巻号頁・発行日
no.35, pp.205-231, 2016-08

論説1 はじめに2 分野特殊的な規制と競争法3 「よりよい規制」(Better regulation) (1) アクセスにかかる規制 (2) 対称規制(電子通信事業者一般に課される義務) (3) 非対称規制(SMP事業者に課される義務)4 電子通信市場における競争法の適用 (1) マージン・スクイーズ (2) 不可欠施設の法理とアクセス義務5 競争法による電子通信規制の見直し6 競争促進政策としての電子通信規制 (1) NGA(次世代アクセスネットワーク)政策 (2) 新たな対称規制(フランスの「建物事業者」に課される義務)7 おわりに