著者
友成 健 後藤 強 佐藤 紀 大澤 俊文 後東 知宏 西良 浩一 加藤 真介
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11812, (Released:2020-11-02)
参考文献数
32

【目的】本研究の目的は,末期変形性股関節症(以下,股OA)患者の脊椎アライメントおよび脊椎可動域を明らかにすることである。【方法】末期変形性股関節症患者11 名(以下,OA 群)と健常高齢者16名(以下,対照群)を対象とした。測定項目としてspinal mouse® を用い,立位での静的な脊椎アライメントの比較および,立位および四つ這い位での動的な脊椎可動域を測定した。【結果】立位による胸腰椎の脊椎アライメントは両群間に有意差は認めなかった。立位および四つ這い位におけるOA 群の腰椎可動域は,対照群と比較して有意な減少を認めたが,胸椎可動域は有意差を認めなかった。【結論】末期股OA 患者は静的な胸腰椎アライメントは健常高齢者と差を認めないが,動的な腰椎可動域に関しては減少することが示唆された。
著者
宮國 泰史 福本 晃造 佐藤 洋俊 大塩 愛子 杉尾 幸司 Miyaguni Yasushi Fukumoto Kozo Sato Hirotoshi Oshio Aiko Sugio Koji
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.179-187, 2018-02

現在の教育現場ではICT やデジタル教材の導入・活用が求められる一方で,導入検討の際に重要となるはずの,同一のテーマに対するアナログ教材とデジタル教材が学習者にどの程度の学習成果量の差を生むかに対する情報の蓄積は不足している.本研究では,論理的推論を育成する知育パズル玩具「Chocolate Fix」について,学習者が実物のパズルピースに触れて課題を解く従来型のアナログ玩具と,同じ課題をiPad のデジタルアプリケーションとして画面上で体験するデジタル玩具の二種類を用意し,この二種類のパズル玩具を用いた公開講座を小・中学生を対象に実施した.公開講座において受講生が規定時間内に解いた問題数を記録し,インターフェースの違いに対する受講者の学習成果量の差を比較した.また,受講生及びその保護者に対して実施したアンケートから,教材のインターフェースの違いに対する受講者の意識・感想の抽出にするとともに,教育現場におけるICT 機器の導入に対する保護者の意見を抽出した.調査の結果,受講生のiPad アプリ版の回答数と実物版の回答数と統計上有意な差は見られなかったものの,アナログ玩具での回答数がデジタル玩具での回答数を上回る傾向があった.一方で,「どちらをもう一度やりたいですか?」という設問に対しては,受講生の内9名はデジタル玩具を指向するなど,学習成果量と受講生の興味が必ずしも一致しない傾向がみられた.これらの結果をもとに,教育におけるICT 機器導入の有用性について議論する.
著者
佐藤 真理恵
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.44-57, 2008-12-31 (Released:2017-05-22)

A classical Greek noun, prosopon originally means both face and mask. This paper takes advantage of the reason why this term connotes both of them, which seem directly-opposed ideas by our means. Prosopon is consisted of prefix pros and noun ops, and signifies the thing towards etes literally. It is, to sum up, appearance as surface-front, and dislocates structure of binomial confrontation between face and mask. Nevertheless, it is also impossible to disregard the rest of prosopon which is beyond description in just an aspect above-mentioned of it. Because, prosopon which need the others and is given by the exterior, is fated to be read by someone confront, for indeed its character it is open for and exists in the exterior. And, from a point of view of the watching it, these surface prosopon is a field presence and absence crossing. However, in the other side, in the ancient Greek texts, the action that restores its primary mean as appearance has applied to a moment for conquer a fear of death. Anyway, different from a modern concept, prosopon in the ancient Greek is heteronomous, the face that could not but start from the character of surface-front.
著者
佐藤 真紀
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.57-69, 2006-09-30 (Released:2017-05-22)

La musique nouvelle acheve de s'affranchir des ordres tonals, et la se revele l'abondance de la matiere sonore. Mais la suffisance du son, elle fait la musique discontinue. La discontinuite pourrait etre met en danger de reduire l'oeuvre musicale a neant. Alors, Brelet trouve l'unite du temps dans la musique nouvelle pour vaincre la negation de soi. C'est le silence et l'instant de donner le moment de l'unite du temps. Le silence n'est jamais le neant, mais une source originelle ou sommeillent toutes les virtualites sonores, et fait ressortir l'instant sonore, centre sur lui-meme, dans son autonomie et sa suffisance. La suffisance de l'instant libere l'auditeur du souvenir et de l'attente pour le concentre sur "le maintenant" de l'instant. Et chaque instant s'est renouvelle perpetuellement par l'imprevisibilite du temps reel. De la, on trouve l'unite du temps vivant. Ce n'est rien d'autre que le temps musical chez Brelet.
著者
佐藤 大祐
出版者
公益社団法人日本地理学会
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.74, no.8, pp.452-469, 2001-08-01
参考文献数
26
被引用文献数
3

海岸の観光地では,海浜別荘地や民宿地域などが大都市からの距離や利用者の社会階層などに応じて発達し,観光産業を基軸とした地域が形成された.その中にあって,近年マリーナの増大が顕著で,漁業などとの海域利用の競合が発生している.本研究では,東京を中心としたマリーナの立地と,マリーナ利用者の属性とレクリエーション行動を解明することを目的とした.1960年代に三浦半島の相模湾岸において別荘地帯の延長線上に開設されたマリーナは,充実した施設を併設している.この利用者は,東京都区部の西部に居住する高額所得者層から成り,夏季を中心にリゾートマンションなどに滞在して,沖合海域において大型のクルーザーヨットでのセーリングとモーターボートでのトローリングを,沿岸海域に密集する漁業活動とすみわけっっ行っている.一方,1973年の第1次オイルショック以降,東京湾において産業施設から転用されたマリーナは簡易な施設で構成されている.中産階級にも広がる利用者は,週末に日帰りし,波浪の静穏な東京湾内湾の中でも沿岸寄りの海域を小型モーターボートを使って行動することで,沖合の大型船の航路とすみわけている.,このようなマリーナとその海域利用の実態が明らかとなった.
著者
姜 尚中 佐藤 珠希
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.438, pp.140-143, 2018-12

──今年に入り、朝鮮半島情勢が大きく動いています。政治学者として長年にわたり東アジア情勢を注視してきた姜さんは、今の状況をどうご覧になっていますか? オバマ政権時代の「戦略的忍耐」、つまり北朝鮮が非核化の意思を表明しない限り対話しないという…
著者
松本 主之 新井 正美 岩間 達 樫田 博史 工藤 孝広 小泉 浩一 佐藤 康史 関根 茂樹 田中 信治 田中屋 宏爾 田村 和朗 平田 敬治 深堀 優 江﨑 幹宏 石川 秀樹 岩間 毅夫 岡﨑 康司 斎藤 豊 松浦 成昭 武藤 倫弘 冨田 尚裕 秋山 卓士 山本 敏樹 石田 秀行 中山 佳子
出版者
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
雑誌
遺伝性腫瘍 (ISSN:24356808)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.79-92, 2020 (Released:2020-09-25)
参考文献数
52

若年性ポリポーシス症候群は全消化管に過誤腫性ポリープである若年性ポリープが多発する,希少疾患である.SMAD4あるいはBMPR1A遺伝子の生殖細胞系列バリアントが原因として報告されている.約75%は常染色体優性遺伝形式を示すが,約25%は家族歴のない孤発例である.また,がん遺伝子パネル検査によって診断される可能性がある. ポリープの発生部位により全消化管型,大腸限局型,胃限局型に分けられ,胃限局型ではSMAD4の病的バリアントを原因とすることが多く,胃癌のリスクが高い.また,SMAD4の病的バリアントを有する症例では,遺伝性出血性毛細血管拡張症を高率に合併し,心大血管病変の定期検査も考慮する. 本診療ガイドラインでは,小児から成人にかけてシームレスに,正確な診断と適切な治療・サーベイランスが行われるよう, 基本的事項を解説し,3個のクリニカルクエスチョンと推奨を作成した.