著者
高橋 孝典 篠崎 毅 二宮 本報 遠藤 秀晃 佐藤 公雄 多田 博子 深堀 耕平 広瀬 尚徳 大友 淳 杉江 正 若山 裕司 苅部 明彦 沼口 裕隆 三浦 昌人 福地 満正 菊地 淳一 渡辺 淳 白土 邦男
出版者
Japanese Heart Rhythm Society
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.606-613, 2003-11-25 (Released:2010-09-09)
参考文献数
27

アミオダロン (AMD) が慢性心不全患者の左室収縮能に与える効果を検討した.頻脈性不整脈の治療目的にAMDが投与され, かつβ遮断薬を使用しなかった慢性心不全患者のうち, AMD投与後6カ月以上生存した連続15例を前向きに観察した, NYHA機能分類 (NYHA) , 左室駆出率 (EF) , 左室拡張末期径 (LVDd) , 心拍数 (HR) , 収縮期血圧, QTc, BNPについてAMD投与開始時から6ヵ月間の変化を検討し, 年齢・性別をマツチさせた対照群15例と比較した, AMD投与後にEFとQTcは有意に増大し, NYHA, LVDd, HR, BNPは有意に低下した.EF, QTc, NYHA, LVDd, HRの変化は対照群に比べて有意に大きかった.全15例中5%以上のEFの改善を示した9例は, 5%未満であった6例に比し, その後の心不全入院回避率が有意に高かった.EFの変化とHR, QTcの変化の間には相関を認めなかった.結論: AMDは慢性心不全症例の左室収縮能を改善させる.その効果はQTcおよび心拍数の変化で説明することはできない.
著者
佐藤 寿晃 鈴木 貴寿 植村 健一郎 渡部 真紀
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.2-7, 2016 (Released:2016-09-30)
参考文献数
21

本研究は、健常若年者を対象に口腔機能を評価する上で重要である咬合力と口唇閉鎖力の関連を調査した。対象は健常若年者71名(男性34名、女性37名)であった。測定項目は咬合力、口唇閉鎖力、握力とした。その結果、咬合力は、男性で699.4±165.7N、女性で465.9±150.9N であった。口唇閉鎖力は、男性で6.6±1.5N、女性で4.4±1.3N であった。握力は、男性で46.9±5.9kg、女性で29.2±4.8kg であった。性差に関しては、咬合力、口唇閉鎖力、握力ともに女性より男性の方が有意に高値であった(p<0.01)。また、咬合力、口唇閉鎖力、握力の3項目で有意な相関関係を示したのは、男性、女性とも咬合力と握力であり、相関係数0.37(p<0.05)、0.44(p<0.01)であった。しかし、咬合力と口唇閉鎖力には相関関係は認められなかった。以上の結果より、咬合力と口唇閉鎖力との相関関係が低値であるため、口腔機能を評価する上では咬合力と口唇閉鎖力はそれぞれ測定する必要があると考える。
著者
佐藤 康男
出版者
法政大学経営学会
雑誌
経営志林 (ISSN:02870975)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.p89-100, 1991-01
著者
佐藤 祐造 曽根 博仁 小林 正 河盛 隆造 渥美 義仁 押田 芳治 田中 史朗 鈴木 進 牧田 茂 大澤 功 田村 好史 渡邉 智之 糖尿病運動療法・運動処方確立のための学術調査研究委員会
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.850-859, 2015-11-30 (Released:2015-11-30)
参考文献数
21

わが国における糖尿病運動療法の現状を把握することを目的に,糖尿病運動療法の実施状況に関して,患者側に質問紙調査を行った.全国各地の専門医に通院中の糖尿病外来患者5,100名に質問紙調査を行い,同意が得られた4,176名(81.9 %)を解析対象とした.診察時に運動指導を受けている患者は食事療法とほぼ同率であったが,運動指導を「受けたことがない」が30 %存在し,食事療法の10 %より高率であった.医師から運動指導を受けている患者が52 %と,コメディカル(理学療法士,健康運動指導士等)による指導は少なかった.一方,食事療法では,64 %の患者が管理栄養士に指導を受けていた.運動療法を実施している患者は約半数であった.医師側(第1報),患者側いずれの調査でも,糖尿病運動療法の指導体制は不十分であり,食事療法と比較して,「較差」が認められた.日本糖尿病学会編集による「糖尿病運動療法ガイドライン」作成を要望する.
著者
佐藤 努
出版者
広島女学院大学人間生活学部
雑誌
広島女学院大学人間生活学部紀要 (ISSN:21884447)
巻号頁・発行日
no.5, pp.57-62, 2018

Japanese anchovy fillets were preserved in salt at 4°C for various periods and then stored at 20°C inolive oil for varying durations after being bottled to produce so-called anchovies. The salting durationswere 0 (no salting), 1.5, 3, 7, 17, 28, 42, 56, 70 and 388 days. The marinating periods were 0 (no marinating),7, 14, 28 and 365 days, and all of the fish were marinated except for those that were salted for 388 days. The condition of the anchovies during the aging process and the extent of putrefaction were determined through the monitoring of water activity (Aw) and volatile basic nitrogen (VBN) levels, and the extent of protein decomposition was determined by means of SDS-polyacrylamide gel electrophoresis (SDS-PAGE). The proteins in the fillets were found to have decomposed into smaller molecules during salting without undergoing putrefaction, and the decomposition progressed during the 388-day salting period. Protein decomposition continued during the 365-day marinating period and was accompanied by a slight rise in VBN levels (which weren't evaluated as putrefaction-related), and the decomposition was less in fillets that were salted for a long time before being marinated. In contrast to the fillets that were salted before marination, those that were marinated without having been salted exhibited rapid protein decomposition to smaller molecules—changing steadily from big to small—with VBN levels evaluated as being clearly associated with putrefaction.カタクチイワシは,内臓の消化酵素活性が高く,その鮮度落ちは外観からも腹部の穿孔に確認される.また,魚肉の脆弱化も速やかであり,これにはタンパク質分解酵素活性の高さが関与している.鮮度が良いうちの活用を考えると,カタクチイワシは扱いにくい魚であるが,筋肉タンパク質の分解による熟成が,品質にとって重要な要因となる発酵食品の原料としては,この魚の特性は優れている可能性がある.本研究では,カタクチイワシの発酵食品であるアンチョビに焦点を当て,様々な塩漬および油漬期間のサンプルを調製し,塩漬,油漬それぞれの意義を調べるとともに,状態を化学分析し評価することを目的とした.広島県内で購入したカタクチイワシをフィレーにし,その一片一片の表面が食塩に接するようにプラスチック容器に入れ,そのまま4℃で一定期間(0, 1.5, 3, 7, 17, 28, 42, 56, 70および388日間)塩漬し,その後,388日間塩漬分以外のものについては,食塩を振るい落とした後,ジャム瓶に詰めオリーブ油を満たし,20℃で一定期間(7, 14, 28および365日間)油漬した.各段階の試料につき,(1)水分活性(Aw),(2)微量拡散法による揮発性塩基態窒素量(VBN)を測定し,併せてSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行なった.その結果から,各試料の保持具合や,熟成に伴うタンパク質の分解の程度を推定し,アンチョビの熟成に及ぼす塩蔵と油漬の効果を評価した.フィレーの数日以上の塩漬により,Awは一般的な細菌が増殖できない0.80前後に低下し,その状態は塩漬最終日の388日まで持続した.また,腐敗細菌によるタンパク質分解産物の生成量を示すVBN値は,塩漬処理を施すと,初期腐敗と判断される値(30 mg%)の約1/3量を維持した.塩漬後の油漬期間においても,数日以上の塩蔵処理を施したフィレーには,Aw,VBN両値において塩漬終了時の低い値(Aw:0.80前後,VBN:30 mg%未満)の保持が確認された.一方,フィレーの電気泳動結果からは,塩漬,油漬両期間におけるタンパク質の分解が確認された.タンパク質の分解は,塩漬せず油漬処理のみを施したサンプルにおいて最も進行しており,初期腐敗値の約25倍ものVBN(758 mg%)が検出されたが,1.5日以上の塩漬処理群においては,油漬期間中のタンパク質の分解は同様に進行していたものの,Awは0.80前後に維持され,VBNの著しい増加は認められなかった.このことから,数日以上の塩漬後に油漬すると,内部の自由水が制御された状態で熟成が進み,魚肉中には低分子化したタンパク質やペプチド等が蓄積されていくものと推察された.
著者
福森 崇貴 後藤 豊実 佐藤 寛
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.150-159, 2018
被引用文献数
7

<p>In this study, we developed a Japanese version of the Professional Quality of Life Scale for Nurses (ProQOL-JN). The scale was designed to evaluate the quality of life of people working as health care professionals and involves three subscales: compassion fatigue/secondary traumatic stress, compassion satisfaction, and burnout. The scale's reliability and validity were examined using data from 618 Japanese nurses. The results indicated that this scale had three component structures; furthermore, a test–retest correlation and an internal consistency indicated that the scale had high reliability. Correlations with the Impact of Event Scale-Revised, the Japanese version of the Posttraumatic Growth Inventory, and the Japanese version of the Burnout Inventory were mostly consistent with the current theory of professional quality of life, which supports the high validity of the ProQOL-JN. These results indicated that the scale has the required reliability and validity to measure nurses' quality of life.</p>

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著者
佐藤成裕 著
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻5-6,
著者
佐藤 惣之助[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1931-12
著者
佐藤 大祐 美原 義行 佐藤 吉秀 田中 悠介 宮本 勝 佐久間 聡
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-10, 2018-01-30

本研究では,イベント会場における混雑度を即時的に把握・可視化することで,イベント運営者に混雑リスクの注意喚起をすることを目指す.イベント会場内の混雑度の取得のため,会場内にBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを多数設置し,来場ユーザのスマートフォンアプリ(以下,アプリ)で取得したBLEビーコン電波情報をサーバで収集することで会場内の群集密度を計測する.1つのBLEビーコンがカバーする範囲内の人数として,そのBLEビーコンの電波を最も強く受信したユーザの数を数えることで求め,この人数をカバー範囲の面積で割ることで群集密度を求める.BLEビーコンを設置できない箇所も存在するため,空間内挿によりBLEビーコン地点間の混雑度を求める.本システムを,2日間で約5万人が来場する大規模なイベントに対して適用した.表示デザインの視認性の観点から判断し,10m程度の間隔でビーコンを設置し,ビーコンの出力電波強度を最大の+4dBmに設定した.イベント期間中の混雑時間帯において,会場で電波受信環境を調査したところ,圏外となった地点が存在しなかったことを確認した.そして,イベント期間中,本システムはアプリからの全120万件のビーコン電波受信ログのアップロードに対して,エラー率0で処理を完了させた.最終的な群集密度表示については,イベント運営者に実態と混雑度マップを比較いただき,実態と差異がなかったという評価をいただくことができた.In this research, we aim to alert the congestion risk to event operators by instantly grasping and visualizing the congestion degree at the event site. In order to acquire the congestion degree in the event site, we installed a lot of BLE (Bluetooth Low Energy) beacons and collected the BLE beacon information acquired by the visitor's smartphone application by the server. The server measures the congestion degree in the hall. Place the BLE beacon in the venue so that radio waves from at least one BLE beacon can be received at any point. There are no omissions in the number of installed users. In this research, the crowd density to be used as an indicator of congestion degree is obtained for correspondence of congestion risk. The number of people within the range covered by the BLE beacon is obtained by counting the number of users who received the radio waves of the BLE beacon most strongly and the crowd density is obtained by dividing this number by the area of a coverage area. Since there are places where BLE beacons can not be installed, the degree of congestion between BLE beacon points is obtained by spatial interpolation. In order to improve scalability, processing for finding the BLE beacon that received the strongest radio waves was cut out to the application side. In 2 days visitors offered this service with a large scale event of about 50,000 people. Regarding crowd density indication, we asked event operators to compare actual conditions and congestion degree maps, and received an evaluation that there was no difference with the actual situation. For the architecture that shared functions on the application side and the server side, processing was completed with an error rate of 0 with respect to the upload of all 1,200,000 beacon radio reception logs from the application. Furthermore, the effectiveness of being able to grasp the congestion degree in a bird's eye view from the operator was evaluated.
著者
佐藤 栄城 原田 要之助
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-10, 2013-02-08

近年、パブリッククラウドサービスが普及しており、ユーザ企業 (以下、ユーザという) は自社でハードウェアリソースなどを管理することなく様々な情報システムを利用することが可能となっている。しかし、多くのユーザは自社管理下と比べて情報セキュリティの脅威をパブリッククラウドサービスよりも高く感じているのが現状である。そのため、パブリッククラウドサービスを受けるときに、事業者を選定する上で ISMS や P マークなどの第三者認証取得の有無を参考とすることが多い。これらの認証制度はユーザが期待する情報セキュリティを必ずしも保証するものではなく、ユーザの期待と実際の保証との間にギャップが生じていると考えられる。これらを示す例として、両認証を取得していたファーストサーバ社 (FS 社) が引き起こしたデータ滅失・漏えい事故について考察する。本稿においては、 FS 社の事故を参考に ISMS や P マークなどに見られる第三者認証制度や保証サービスなどの特徴を比較し、その問題点について考察した。また、クラウドサービスなどの第三者認証制度や保証サービスに求められているものと現実とのギャップを説明するモデルを考察した。Recently, public cloud services have become popular. Business users can choose various information services without managing hardware resources on-premises, but the other hand, higher security threats compare with in-house systems are identified and recognized. Therefore, user entity tends to refer the presence of third parties certificates, such as the Privacy Mark (P-mark) of Japan or ISO/IEC 27001(ISMS) Certification, for selection of a cloud service provider. There is a gap between the user's expectations and the actual warranty coverage, for instance, guarantee of system safety is not considered in certification systems/process. The user's data loss and leakage case by First Server Corporation who has certified both certifications is studied as a case. In this paper, the features and problems in Third-party certifications as well as similar assurance service, information disclosure are summarized and compared. A model is proposed to explain gaps with actual coverage and the required elements for certification in cloud services.
著者
佐藤 健一
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.220-232, 2013-03-01
参考文献数
63

インターネットのトラヒック量が増加するとともに,ハイパージャイアントコンテンツホルダの出現により,ネットワークのトラヒックの流れが大きく変わりつつある.一方,半導体の性能の進展速度が低下するとともに,消費電力のボトルネックが顕在化しつつある.将来の大容量トラヒックを扱うためには,スループット当りの消費電力が極めて小さい光ルーチング技術の重要性が増加する.しかしながら光の特性を最大限に生かしたネットワークの実現にはノード技術の革新が必要である.今後の光ネットワーク技術の開発方向を議論する.Relentless Internet traffic increase and the recent advent of hyper giant content holders are changing traditional Internet paradigm. Limitation of silicon-based technologies is becoming more and more tangible, which stems from ever increasing LSI power dissipation. Exploiting optical technologies is the way to resolve the problems, however, their introduction remains limited. The barriers mostly exist in the node technologies. The next steps to proceed in removing them are presented with some state-of-the-art technical development.
著者
田島 直幸 藤原 誠 佐藤 直樹
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.410, 2010

細胞あたりの葉緑体数は葉緑体の分裂頻度と細胞分裂に伴った葉緑体の分配によって決まり、ほぼ一定に維持されているが、葉緑体の分配機構は詳しく分かっていない。ヒメツリガネゴケ(<I>Physcomitrella patens</I>)の原糸体は先端成長または枝分かれにより成長する。先端分裂時には43~55%、平均して47%の葉緑体が頂端側の細胞に分配される。分配率の内訳を調べると、細胞分裂時の葉緑体の大きさと関連しており、葉緑体分配率が低い細胞では基部側の葉緑体が先端側と同じくらいの大きさであるのに対して、葉緑体分配率が高い細胞では基部側の葉緑体は成熟した葉緑体と同じ大きさであった。大きな葉緑体は基部側に集まり、小さな葉緑体は先端側に集まるという可能性を連続観察により検討した。その結果、細胞内での葉緑体の相対的な位置関係はほとんど変化しないことが分かった。また、細胞分裂後2時間位から次の細胞分裂までの約10時間後までの間、核と葉緑体の相対的な位置関係は大きく変化しないことが分かった。これらのことから、葉緑体は細胞分裂後の早い時期に次の細胞分裂で先端側と基部側のどちらに分配されるかが既に決まっていると推定された。
著者
野溝 万吏 馬場 長 鈴木 彩子 山西 恵 山口 綾香 角井 和代 松村 謙臣 吉岡 弓子 近藤 英治 佐藤 幸保 濱西 潤三 小阪 謙三 万代 昌紀 小西 郁生
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.40-45, 2013

子宮びまん性平滑筋腫症は,無数の小さな筋腫結節が粘膜直下の子宮筋層にびまん性に増生する病態を呈し,特殊な発育様式をとる子宮筋腫に分類される.小筋腫は往々にして100個を超えて筋層内および粘膜下に発育し,高度の過多月経や月経痛を生ずるため,手術や薬物治療が必要となる.20~30歳代の女性に好発することが知られており,妊孕性を保った管理法が求められるが,従来の核出術では多数の筋腫を核出することは容易でなく,術後すぐに再発することが多い.今回,われわれは高度貧血をきたす子宮びまん性平滑筋腫症を認め,また妊孕性温存を希望する姉妹の例を経験した.いずれも術前に長期間の偽閉経療法を行った後に,子宮を半割し小筋腫核を可能な限り核出することで,術後長期にわたって過多月経や月経痛を伴うことなく経過観察が可能であり,1例では術後に生児を得た.実母も若年から多発子宮筋腫を発症し,同症であった可能性が高く,同症が家族性に発症することが示唆される.今後の症例集積により病態解明および若年患者の管理法がさらに確立することが期待される.〔産婦の進歩65(1):40-45,2013(平成25年2月)〕
著者
佐藤 慶幸 景山 陽一 西田 眞
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp._7-4-1_-_7-4-2_, 2009

In this paper, we propose a method to identify commands by analyzing three kinds of lip motion features: lip width, length, and ratio of width and length. Our experimental results for twenty kinds of commands, spoken by nine persons, suggest that the proposed method is suitable for identifying various commands.
著者
入口 晴香 森 勉 甲斐 裕介 長田 真由美 大垣 敏弘 佐藤 孝臣
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.214, 2009

【はじめに】<BR> 左片麻痺を呈しながらも主婦として家事全般に取り組んでいる女性(以下、A氏)と出会った。A氏は高い能力を持ちながらも、生活や人生に対して悲観的であり、背景に「効率の良い家事ができていない。」という質に対する不満を抱いていることが伺えた。<BR> そこで、家事動作の質の向上を目標とした環境作りや心身機能の促進を行い、活動・参加の質の向上に繋げることができた。さらに、このことが希望を持って前向きに生きるきっかけとなり、様々なことに挑戦を始めるという良い循環を作ることができた。以下、経過をふまえ事例報告をする。<BR>【事例紹介】<BR> 60代女性。H20.2脳梗塞を発症し左片麻痺を呈する。K病院、Y病院を経てH20.7自宅退院。要介護1の認定を受け、H20.9より当施設利用開始(2回/週)。夫・息子と3人暮らしの現役主婦。以前より多趣味で洋裁・踊りなどをしていた。地区の民生委員を務めるなど社会参加も活発であった。<BR>【利用開始時評価】<BR> BRS(Rt):下肢-上肢-手指:VI-VI-II。Mental:認知症なし。感情失禁あり。「誰とも会いたくない」「迷惑がかかる」と悲観的な思考・発言多い。移動は両側金属支柱付き短下肢装具・T-cane使用にて自立だが立位・歩行時の不安定さあり。5m歩行:23.59秒。3m折り返し歩行:24.59秒。立ち上がり10回:24.59秒。握力:右18.5kg。FIM:107/126点。<BR>【経過と変化】<BR> 利用初期より意図的に、脳卒中後遺症を呈する主婦や障害受容の進んでいる利用者と過ごし意見交換、共感、叱咤激励を受けられるよう環境設定をした。そのような環境の中で、A氏は徐々に自己の障害と向き合い、希望を口にするようになった。同時に立位・歩行の安定性向上を目指した運動を取り入れ、まずは家事動作においての上肢の自由度向上に繋げることを目標とした。半年後、身体機能に関しては5m歩行:9.44秒。3m折り返し歩行:18.4秒。立ち上がり10回:10.63秒。握力:右25kg。と向上し、屋内移動が両側金属支柱付き短下肢装具使用での独歩自立となり、立位・歩行も安定した。上肢の自由度も増し家事における速度や効率が向上し、「皿洗いがしやすくなった。」「中腰で草取りをしている。」などの報告が聞かれた。更に現在、発症以前に行っていた洋裁、友人との散歩などを楽しまれている。また、「今後したいこと」として自らの生活をまとめた冊子作り、ミシンがけなどが挙げられている。<BR>【考察】<BR> 今回A氏は、まず利用者との関わりで希望を持つきっかけができた。加えて、活動性の向上により、実際の家事場面において効率が上がったことを実感した。そして現在、生活の多岐に渡り工夫を凝らしながら前向きに取り組み、できることを増やしつつある。今後、A氏との出会いによってまた新たな希望が生まれていくことを期待している。A氏の生活の質の向上が、脳卒中片麻痺を呈する主婦の方々の希望となることがA氏の望みでもある。