著者
馬 〓 飯田 一弘 謝 孟春 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.21-30, 2002-01-01

多数本のケーブルを最適に配線する最適配線経路選定問題に対する遺伝的アルゴリズム(GA)の構成法を提案する.配線経路に制約のない場合は, 個々のケーブルの最適経路を有限離散グラフにおけるダイクストラ法により得ればよい.しかし配線経路に容量の制約をもつ場合はダイクストラ法では最適化できない.提案するGAは, 2階層からなる染色体コーディングを採用した2階層GAである.各ケーブルの経路とケーブル経路の組合せとをそれぞれの階層とし, それぞれの階層における遺伝的操作によって全体として配線経路選定の最適化を図る.前者の階層における遺伝的操作として, ブロック交叉とブロック突然変異を導入した.また, 後者の階層で生成される制約条件を満たさない致死遺伝子を利用する手法も工夫した.コンピュータシミュレーションにより, これらの遺伝的操作をもつ2階層GAが, 経路探索問題に対して有効に働くことを確認した.
著者
板倉 正佳 相沢 雅彦 大照 完 橋本 周司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.321-322, 1991-02-25

最近、音楽の分野でも、リズムパターンの認識や旋律に対する和音付けなどニューラルネットワークの応用が盛んである。本研究では、ニューラルネットワークを用いてモーツァルトの遺した「音楽のさいころ遊び」の小節の自動分類を試みた。「音楽のさいころ遊び」は16小節からなり、第1小節目用、第2小節目用といった、各小節ごとに11種類ずつ、計176個の小節が用意されている。これを、各小節に1個ずつ選択し、第1小節から第16小節まで順次並べると、きれいなメヌエットができるというものである。作成例を図1.1に示す。
著者
岩下 友美 倉爪亮 辻 徳生 原 健二 長谷川 勉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.109, pp.119-126, 2003-11-06

カメラ画像など2次元,3次元空間内で移動体を追跡する際に,SnakesやDeformable surfaceなどの動的輪郭モデルが広く利用されている.これらはノイズに対して頑強な境界軌跡法であるが,分離や結合など位相変化への対応は困難であった.一方,近年本質的に位相変化が可能なLevel Set Methodが注目を集めているが,この手法は初期化や更新時の計算コストが高いことが問題とされていた.そこで本報告では,高速で安定なLevel Set Methodの解法として提案したFast Level Set Methodの概要を示し,その応用例としてビデオ画像上の移動物体のリアルタイム追跡,およびステレオカメラを用いた人体概形の3次元リアルタイム追跡を紹介する.This paper presents an efficient implementation technique for the level set method(LSM) named the Fast Level Set Method (FLSM). Various applications based on the LSM have been presented including motion tracking and 3D geometrical modeling. However, the calculation cost of reinitialization and updating of the implicit function is considerably expensive as compared with the cost of conventional active contour models such as "Snakes". To tackle this problem, we have proposed an efficient algorithm of the LSM named the FLSM. This paper introduce some experiments of realtime tracking of moving objects in video images and 3D stereo range images using the FLSM.
著者
小倉 肇
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.14-25, 2004-08-31

In this paper, I propose that the phonotactic restriction that 衣 ([e]) should be used at the word-initial position and 江 ([je]) should be used otherwise was formed in the early part of the 10th century. The phrase "e-no-je (えのえ) ", which is included in Ametsuchi-no-uta written by Minamoto-no-Shitago, also follows this phonotactics. Around the middle of the 10th century, the phonotactics began to lose force gradually, and the change from [e-] to [je-] occurred at the initial position of the second (and subsequent) word in the combination of words. Consequently, the delimitative function of [e] weakened, and [je] came to be used at both the initial and non-initial positions. By the end of the 10th century, [e] had completely merged into [je].
著者
彭渠江 高倉 佐和 古郡廷治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.20, pp.59-66, 2001-03-05

本稿では、単語の意味的曖昧性を解く手法の開発と、それをもとにして行った曖昧性解消の実験結果を報告する。テキスト中の単語の語義(sense)は、一定の文脈の中で、その単語とよく共起する他の単語と高い相互情報量をもつ。この特徴を使い、単語(w)が使われている文脈中で出現し、wと類似度の高い単語のベクトルと、wがもつr個の語義のそれぞれが使われている文脈中で出現し、wと類似度の高いk個の単語のベクトルとの間の相互情報量を計算し、その値が最も高くなった密度値と結合している語義をwの語義として採用する。この手法によって行った実験では、91.5%の高率で多義語の正しい語義を特定することができた。We describe a method and its experimental results for word sense disambiguation that is based on a statistical measure of word similaritites. First, we obtain contextual-similarity vectors for the senses of a polysemous word using a corpus. Second, we define also the contextual representation for the same word appearing in text. Third, we do a calculation of distributional matrix between each contextual-similarity vector and the contextual representation for the word to be disambiguated. Fourth and finally, comparing the values of distributional matrices, we select the sense with the highest value as the meaning of the polysemous word. An experiment shows that the rate of finding correct word senses exceeds over 91%.
著者
大倉 与三郎
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.477-480, 1978-08-05
被引用文献数
1 4

これまで主として全鉄の定量に用いられていた1,10-フェナントロリン吸光光度法を,多量の鉄(III)と共存したままで,微量の鉄(II)の定量に適用する方法を確立した.鉄(II)と共存する鉄(III)を,あらかじめEDTA滴定法で定量しておき,必要に応じて適宜希釈した試料溶液に0.2% 1,10-フェナントロリン10ml,次いで5%クエン酸水素二アンモニウム緩衝液10mlを加え,水を加えて全量を100mlとしてから,(20〜90)分後に,ほぼ同量の鉄(III)を含む空試験液を対照として,510nmで吸光測定する.本法によれば2000 μg(20 ppm)鉄(III)と共存する50μg(0.5 ppm)の鉄(II)を定量できた.又100μg程度のマンガン,カドミウム,銅,マグネシウム,スズ,鉛,亜鉛が共存しても,EDTAなどでマクスしないでも妨害なく鉄(II)を定量できた.定量下限は0.2 ppm,又鉄(III)1500μgを含有する実試料中の200μg前後の鉄(II)の定量における変動係数は約5%であった.
著者
吉田 哲也 五十嵐 敏文 朝倉 國臣 宮前 博子 彌富 信義 橋本 晃一
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
資源と素材 (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.120, no.10,11, pp.577-583, 2004 (Released:2006-05-09)
参考文献数
22
被引用文献数
1 3

To reduce the volume of precipitates generated by the neutralization of acid mine drainage (AMD) containing high concentrations of Fe and As, ferritization of the precipitates was attempted by a two-step neutralization process in which magnesium oxide (MgO) was used as the first neutralizer and sodium hydroxide (NaOH) as the second. Batch neutralization experiments with MgO and continuous flow experiments by the two-step neutralization were conducted in laboratories and an AMD treatment plant. The results showed that the precipitates by the neutralization were magnetized in the continuous flow experiments, although there was Al and Si that prevented the generation of ferrite in the AMD. This indicates that ferrite was formed from the precipitates after removing most of the soluble Al and Si by the first neutralization. In addition, aging of the precipitates under reducing conditions and returning the aged precipitates to a ferrite tank were required to form ferrite. The molar ratio of As to Fe in the precipitates reached a constant value at pH>3.5. This suggests the coprecipitation of As and Fe.
著者
大石 哲也 峯 恒憲 長谷川 隆三 藤田 博 越村 三幸 倉元 俊介 永田 廣人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.473, pp.37-42, 2007-01-16

これまでユーザに特化したWeb検索に関する研究が多数行われてきたが,ユーザの視点や状況に注目したWeb検索に関する研究は,まだ十分に行われていない.ユーザが必要とするときに必要な情報へ容易にアクセスできるようにする機能は,これからのユビキタス情報環境を構築する上で,最も重要な機能のうちの一つと言える.そこで,本稿では,ユーザの視点や状況を時間に沿って把握するための情報源として,時間の要素とユーザの趣向を併せ持ったスケジュールデータを用いた情報推薦システムを提案するとともに,そのシステムの概念について具体例を用いて説明する.
著者
鍋倉直 著
出版者
木島文六
巻号頁・発行日
1879
著者
白勢 彩子 原 直 藤村 浩司 伊藤克亘 武田 一哉 板倉 文忠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.124, pp.253-258, 2003-12-19

本研究は,音声対話システムの利用に必要な知識,技術の学習過程および問題点を明らかとし,これらがシステム評価に与える影響を検討するため,実システムを用いた観察実験を行ない,それによって得られた結果に基づいて,ユーザの達成度とアンケートによるシステム評価との関連性に関する基礎的な議論を行なった.分析の結果,発話認識率と発話数とに相関がある評価項目はほとんどなく,むしろ,会話満足度,システム理解度と多く関連することが明らかとなった.従来,認識率とシステム評価とがよく一致することが知られているが,他の観点からの評価も考慮する必要があることが示唆された.今後は,被験者数を増大させて条件を統制した実験を行ない,より詳細な議論をしていきたい.This study aims to describe user problems and process of learning skill in using spoken dialogue systems and to reveal how these impact on the evaluation of the system usefulness. For this aim, we designed a new dialogue system and carried out a field test for a large number of subjects and asked them to evaluate the usefulness of the system. The results showed that the evaluation of the system did not correlate a recognition rate but user satisfaction and comprehension. This suggested that the spoken dialogue systems should be evaluated in terms of user factors. Controlled experiments are needed to discuss in detail.
著者
志村 匡代 岩倉 政城 井川 恭子 小関 健由
出版者
東北大学
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.99-105, 2003-12-30

口臭に対する関心が高まりつつある現代社会において, 口臭外来の需要は高まりつつある。口臭と歯科疾患, 全身疾患, 精神疾患の関連が論じられ, 口臭症の国際分類も提唱されている。一方で, 地域住民の口臭の度合や口臭に対する意識の程度は十分に把握されていない。本研究では宮城県一農村地区の成人歯科健診受診者333名を対象に口臭測定器による口臭検査ならびに質問紙調査を行った。口臭検査による口臭の有無, また質問紙調査による口臭意識の有無で対象者を群別し, 歯科健診項目をあわせて関連性を検討した。その結果, 本調査対象者の44.4%が口臭ありと判定され, このうち65.5%が自分の口臭に認識を持たなかった。また91.9%には口臭での受診歴がなく, 潜在的な口臭症の治療対象者と考えられた。一方, 口臭なしと判定された者のうち, 自分の口臭に対する認識を有する13.2%には, 自臭症(仮性口臭症および口臭恐怖症)の可能性が高いと考えられた。この群の81.8%には口臭での受診歴がなく潜在的な口臭症治療対象者の可能性が示唆された。なお口腔内診査の結果から, 舌苔のある者, 口腔清掃状態の悪い者で有意に口臭が認められた。さらに自分の口臭に対する意識のある者では, 有意に年齢が低く, 未処置歯数が多く認められた。
著者
井倉 法久 力宗 幸男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.312, pp.1-6, 2004-09-10
被引用文献数
1

国際標準のDAISY仕様のディジタル録音図書は音声だけでなく、文字・画像を利用できるため、障害の有無にかかわらず子供からお年寄りまで利用できるユニバーサル図書である。しかし、その普及は余り進んでいるとは言えず、その原因として、特に、あらかじめ録音した音声とそれに対応する文章との同期を取る作業の煩雑さや面倒さがあげられる。そこで、本稿では、録音された音声データの音声区間を検知、分割後、大語彙連続音声認識システム「Julius」を利用して、その対応関係を調査し、音声と文章との同期を自動的に取ることが出来るツールを構築した。
著者
倉光 修
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.144-151, 1980-06-30

学業テストにおいて,学習者がテスト結果をどの程度検討しているかを調べるために,英語・数学について,高校生202人を対象に質問紙による調査が行われた。結果は,テスト結果の検討が不十分であることを示唆するものであった。 そこで,英語・数学について,高校生のべ294人を対象に,テスト結果の検討をより十分にさせるためのフィードバック方式が工夫され,その効果が実験的に検討された。実験は3部からなり,各実験共,実験群と統制群を形成し,Pre-testとPost-testの差によって,テスト結果の検討の程度が推定された。 実験Iでは,実験群(n=29)に,テスト各問の出題領域が示され,学習者が再学習するべき領域をチェックできるようなチェックリストが与えられて,統制群(n=29)と比較された。結果は,両群に有意差はなかった。 実験IIでは,実験Iの手続に加えて,両群に再テスト(Post-test)が予告された。実験は2校で行われ,A校では実験群(n=40)が,統制群(n=41)よりも,有意に高い成績の伸びを示し,B校(実験群: n=36 統制群: n=38)では,その差は有意な傾向を示した。 実験IIIでは,実験群(n=41)に,学習者自身がテスト範囲や使用教材を指定し,テスト結果のフィードバックにおいて否定的表現が用いられないような個人別小テストが繰り返され,統制群(n=40)と比較された。結果は,実験群が統制群よりも高い成績の伸びを示し,その差は有意な傾向を示した。以上から,テスト結果の検討を促進する要因として,結果の検討を容易にする詳細な情報を与えること,結果の検討が有益であると思わせること,結果の検討に伴なう不快感を軽減することの3点が挙げられ,これらを組み合せることによって,大きな効果が期待できると考えられた。 また,実験II,IIIの実験群と実験IIIの統制群では,Pre-testの成績が悪かった者ほど,高い伸びを示す傾向が顕著に認められた。これは,成績の悪かった者ほど,テスト結果の検討を怠りがちであり,逆に結果の検討をすれば高い伸びが期待しうることを示唆すると考えられた。