著者
名倉 ミサ子
出版者
愛知県立大学
巻号頁・発行日
2020

元資料の権利情報 : CC BY-NC-ND
著者
楢原 義之 金沢 秀典 福田 健 張本 滉智 松下 洋子 城所 秀子 片倉 玲樹 厚川 正則 中塚 雄久 坂本 長逸
出版者
日本門脈圧亢進症学会
雑誌
日本門脈圧亢進症学会雑誌 (ISSN:13448447)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.227-233, 2009-11-30 (Released:2012-12-28)
参考文献数
26

2004年から2009年までに当科に入院したのべ929例の肝硬変患者のうち,入院時あるいは入院中にクレアチニンが1.5 mg/dl以上を呈した腎障害合併肝硬変患者142例を対象とし,International Ascites Clubの診断基準に基づく1型肝腎症候群症例の実態について検討した.対象中急性腎障害を106例に認め,27例が1型肝腎症候群であった.1型肝腎症候群の平均Child-Pugh scoreは12.4点,総ビリルビン平均値は15.1 mg/dl,クレアチニン平均値は3.22 mg/dlであった.誘因は感染症16例,腹水穿刺5例が多く,その他6例であった.治療としてアルブミン投与21例,terlipressin投与11例,ドパミン投与11例,ノルアドレナリン投与1例,血液濾過透析施行1例などが行われた.Terlipressin以外の通常治療を行った16例中15例は死亡し,平均生存期間は12日であった.1型肝腎症候群は急性腎障害合併肝硬変例の25%にみられ,重度な肝不全を基盤としており,通常治療では予後は極めて不良であった.
著者
中島 淳 鬼倉 徳雄 及川 信 松井 誠一
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.515-519, 2006-12-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
36

カマツカの水槽飼育自然産出卵を用いて, 卵の孵化率, 孵化所要日数に及ぼす水温の影響を11~31℃で調べた。全孵化率は14~27℃で水温に拘らずほぼ一定で60%以上であり, この温度範囲で全孵化仔魚に占める正常孵化率はほぼ100%であった。したがってこの温度範囲が本種の最適孵化水温と考えられる。この最適孵化水温の範囲はこれまで知られている魚類の中では最も広い。本種は河川の上流から下流まで広く分布することが知られている。したがって本種の広い最適孵化水温の範囲が, 広い流程分布を可能にしている要因の一つと考えられる。
著者
小倉 泰
出版者
東京大学比較文学・文化研究会
雑誌
比較文学・文化論集 (ISSN:0911341X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.99-110, 1986-05-15
著者
平山 尚 名和 徹 浪越 為八 十倉 健彦 下江 俊成 坂口 孝作
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.63-68, 2011-12-28 (Released:2012-02-22)
参考文献数
21

症例は60歳代,男性.2006年4月より尋常性乾癬に対し,合成レチノイド製剤(エトレチナート)内服と活性型ビタミンD3(以下VD3)外用剤(マキサカルシトール)を併用していた.2010年8月下旬より水様性下痢,食欲不振が出現し,ウイルス性腸炎の診断で近医で保存的加療を行われていた.その後,下痢症状は改善するも全身倦怠感が持続するため,近医より当科に紹介受診となった.来院時,尿素窒素(BUN)158.2mg/dL,血清クレアチニン(Cr)11.16mg/dL,カリウム(K)8.1mEq/L,重炭酸イオン(HCO3-)15.6mmol/L,補正カルシウム(Ca)12.4mg/dLと急性腎不全,高K血症,代謝性アシドーシス,高Ca血症を認めたため入院,緊急血液透析を施行した.長期にわたりVD3外用剤を使用されていたことから,VD3外用剤による高Ca血症とそれに伴う急性腎不全と推察された.VD3外用剤と合成レチノイド製剤内服を中止し,計5回血液透析を実施後に離脱した.その後,腎機能はCr 2.46mg/dLまで改善し第58病日に退院となった.VD3外用剤の副作用として,高Ca血症と腎機能障害の報告例はいくつか認めるが,その多くは外用剤の中止と高Ca血症に対する治療で軽快しており,緊急血液透析を要した報告はない.今回,われわれはVD3外用剤の副作用によって,緊急血液透析を要した1例を経験したので報告する.
著者
大倉 韻
出版者
首都大学東京・都立大学社会学研究会
雑誌
社会学論考
巻号頁・発行日
no.32, pp.109-134, 2011-10-31

現代日本のアダルトゲーム(ポルノゲーム)はただ性行為を消費するだけではなく、感動的な物語や登場キャラクターへの恋愛感情をも消費対象とするような独特の進化を遂げている。それを消費するオタクたちは概して現実の恋愛や性行為に対する意欲を欠くため、しばしば「虚構に逃避している」と批判されてきた。だが実際には彼らは逃避しているのではなく、恋愛に関して独自の価値観を持っているようであった。そこでアダルトゲーム消費者にインタビューを行ったところ、次のような知見が得られた。(1)中学高校時代を「一般人」として過ごした者は恋愛の実現に意欲的な傾向があり、「オタク」として過ごした者は意欲的ではなかった。(2) 前者は友人や先輩などから恋愛に関する情報を多く得ており、後者にそのような経験はなかった。Berger and Luckmann の「第二次的社会化」の概念を用いれば、人は「意味ある他者」と恋愛に関する情報交換をすることで恋愛の実現を自明とみなす価値観を内面化していくと考えられる(「恋愛への社会化」) 。前者はその主観的必然性が強化されるものの後者は強化されず、よって「多くのオタクは一般人と比較して恋愛の実現にあまり動機づけられていないため、虚構の恋愛描写で十分満足できる」という可能性があることが見出された。
著者
熊倉 陽介
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.533-540, 2019-05-15

抄録 居場所ということばには心理的な意味合いが含まれており,自らのアイデンティティが確かめられる環境のことを意味する。居場所のなさはメンタルヘルスに大きな影響を与える。本稿では,ホームレス支援を居場所の臨床と位置付け,その新しい支援の方策であるハウジングファーストについて紹介する。ハウジングファーストは,「まず安定した住まいを確保した上で,本人のニーズに応じて支援を行う」という非常にシンプルな考え方であり,その根幹は「住まいと支援の分離(独立)」にある。治療を受けることや回復することなどの条件を求めず,居場所としての住まいを提供するという支援のあり方を考えることを通して,居場所について考察する。
著者
泉 裕子 平松 直樹 糸瀬 一陽 井上 隆弘 柄川 悟志 西田 勉 垣内 佳美 外山 隆 中西 文彦 井倉 技 田村 信司 辻井 正彦 辻 晋吾 考藤 達哉 竹原 徹郎 笠原 彰紀 佐々木 裕 福田 和人 今井 康陽 林 紀夫
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.109-115, 2004-02-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
15
被引用文献数
1

症例は58歳女性. 全身倦怠感, 発熱にて近医受診したところ, 総ビリルビン6.4mg/dl, AST 8327U/l, ALT 10879U/l, プロトロンビン時間7.5%と著明な肝機能低下を認めたため, 当院入院となった. 発症3日後の入院時には脳症II°となり, 劇症肝炎急性型と診断し, 直ちに血漿交換などの集中治療を開始したが, 肝炎劇症化から15時間後には脳圧の上昇とともに, 深昏睡となった. 2日後, 生体肝移植術を施行. 術後, 肝機能の増悪はなかったが, 意識レベル低下, 脳圧亢進は改善せず, 感染症を併発して入院8日目に死亡した. 剖検にて, 脳に出血や梗塞による組織変化は認めず, 脳圧亢進は肝性脳症によるものと考えられた. また, 本症例の劇症肝炎の原因はB型肝炎ウイルス (HBV) 感染であった. HBV genotype Bで, precore 領域, corepromoter 領域の遺伝子配列はともに変異型であった. 劇症肝炎発症の極めて早期に, HBs抗原陰性, HBs抗体強陽性となり, その後のIgM HBc抗体価3.2 (cut off index), IgG HBc抗体57.6% (200倍希釈) の結果から, HBV初感染による劇症肝炎と診断しえた. 比較的予後良好とされる急性型劇症肝炎において, HBV初感染による電撃型ともいえる劇症肝炎を経験した. HBV初感染による劇症肝炎例では, 本症例のように急速な転帰をとる症例があり, 肝移植を念頭に入れたより迅速な対応が必要であるものと考えられた.
著者
乾 隆帝 西田 高志 鬼倉 徳雄
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-17, 2012 (Released:2012-09-08)
参考文献数
32
被引用文献数
2 2

本研究では,福岡県日本海側の漁港の船揚場スロープ(以下,漁港スロープ)と,周辺水域の様々なタイプの自然海岸の魚類群集構造を比較することにより,漁港スロープにおける魚類の出現特性を明らかにすることを試みた.漁港スロープでは,70種,合計8875個体の魚類が採集された.漁港スロープ未成魚群集は,静穏で内湾的な地点と類似し,種数,個体数ともに豊富であった.一方成魚の群集構造は,砂浜海岸の一部と漁港によって構成されるグループと類似し,種数,個体数ともに豊富な,静穏な内湾や汽水域の中で,特に緩い潮間帯傾斜を持つ地点とは類似していなかった.これらのことから,漁港スロープは,未成魚の生息場として,一部の内湾的な自然海岸と同等の機能を持つ可能性がある一方,成魚生息場としては不十分な環境であるということが示唆された.
著者
金子倉吉 著
出版者
製菓実験社
巻号頁・発行日
1934
著者
石川 達也 竹内 大介 玉山(加藤) 葉 倉島 彰
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.20-00075, (Released:2021-06-11)
参考文献数
27
被引用文献数
3

三重県早田浦の磯焼け海域で2010年2月から2019年12月にガンガゼ類の除去実験を行った。ガンガゼ類はダイバーおよび船舶からの捕獲により除去した。磯焼け海域に除去区を3区設け,海藻被度とウニ類,サザエ,アワビ類の密度を調査した。継続的な除去でガンガゼ類密度が低く保った結果,除去区の海藻被度が増加した。また,除去前と比較してガンガゼ類以外のムラサキウニやナガウニ類等のウニ類密度が増加し,ウニ類の種数増加が認められた。除去前に確認されなかったサザエやアワビ類が,海藻被度が増加した後に確認された。