著者
長谷川 哲也 内田 良
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.108, 2018

大学図書館における「教育」の機能は重要さを増しており,その成否の鍵を握るのが図書館職員である。本研究の目的は,国立大学の大学図書館における「教育」活動に着目し,その担い手となる職員の量と質に関して,大学間の格差の実態を明らかにすることである。分析の結果,とりわけ司書数における雇用形態別の大学階層間格差は拡大していることが明らかとなった。大規模な総合型大学では,小規模な単科型大学に比べて,正規採用で専門性の高い司書が,「教育」活動に従事する傾向が強まっている。
著者
内田 安信
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.81-95, 1983-04-30 (Released:2019-04-06)

There has been no systematic research study on behavioral therapy in the treatment of dental psychosomatic disorders. The author has been involved in the diagnosis and treatment of oral psychosomatic diseases for the past 15 years at Tokyo Medical College and, using the opportunity of the President's Presentation, discusses the general concepts involved today in the behavioral therapy of various dental psychosomatic diseases. The history of behavioral therapy is traced, a classification of psychosomatic diseases is presented, pathological conditions for which behavioral therapy is indicated are described in order to give a complete overview of the clinical picture of this modality and several classical cases from the author's experience are presented. Deep seated fear of dental treatment is common and the problem of bad habits is one that occupies a uniquely prominent position in the field of dentistry. Behavioral therapy is the most ideal modality for these conditions and, as it holds unlimited potential for the treatment of dental psychosomatic diseases, its future is extremely bright.
著者
パーカー ジョセフ ドン 身内 賢太朗 水本 哲矢 西村 広展 奥 隆之 澤野 達哉 篠原 武尚 鈴木 淳市 高田 淳史 谷森 達 上野 一樹 原田 正英 池野 正弘 田中 真伸 内田 智久 服部 香里 岩城 智 株木 重人 岸本 祐二 窪 秀利 黒澤 俊介 松岡 佳大
出版者
日本中性子科学会
雑誌
波紋 (ISSN:1349046X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.218-222, 2013

<p>We have developed a prototype time-resolved neutron imaging detector employing a micro-pattern gaseous detector known as the micro-pixel chamber (μPIC) coupled with a field-programmable-gate-array-based data acquisition system. Our detector system combines 100μm-level spatial and sub-μs time resolutions with a low gamma sensitivity of less than 10<sup>-12</sup> and high data rates, making it well suited for applications in neutron radiography at high-intensity, pulsed neutron sources. In the present paper, we introduce the detector system and present several test measurements performed at NOBORU (BL10), J-PARC to demonstrate the capabilities of our prototype. We also discuss future improvements to the spatial resolution and rate performance.</p>
著者
内田 匠 吉田 健一
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本研究は顧客と対面販売員のコミュニケーション問題として、購入される商品が事前にヒアリングした内容と同じものではない現象について検討を行った。この現象は企業が適切な商品を顧客に提案する上で問題となる。本研究では、1) 実際にこの現象が実在するか、を1年以内に分譲マンションを購入した人へのアンケート調査で確認した。さらに、2) 何をヒアリングすれ ば購入内容を予測できるか、を機械学習の手法を用いて検証した。その結果、この現状が一般的に実在し、より多くの顧客情報を入力とすることで購入物件の予測精度が改善することを確認した。
著者
田村 慎司 田村 由美子 鈴岡 宣孝 大岡 恵 長谷川 孝寿 内田 和幸 渡邊 洋平 朝長 啓造
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.49-52, 2006 (Released:2007-11-14)
参考文献数
14

急性の脳幹・辺縁系症状を呈した猫が,各種検査で広範な脳炎と診断された。安楽死後,通常の病理組織学的検査により,MRIで炎症像が認められた部位に一致したクリプトコッカス脳炎と診断された。血清中の抗ボルナ病ウイルス(BDV)抗体が陽性だったため,脳組織を免疫染色したところ,MRIおよびH&E染色による病理組織学的検査でともに異常が認められなかった小脳・橋・延髄の神経細胞内に免疫染色でBDV抗原が検出され,BDV感染が確認された。
著者
田草川 智秋 内田 英明 藤井 秀樹 吉村 忍
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

近年、環境保護の観点から電気自動車(以下EV)と再生可能エネルギーへの期待が高まっているが、将来的なEVの大規模な普及に対して、大都市におけるEVの充電需要やそれに対する太陽光発電の重要性をシミュレーションにより明らかにする必要がある。本研究ではEVエージェントを実装した交通シミュレータを用いて、EVの普及による岡山市周辺の電力系統への影響を定量的に評価し、現状の太陽光エネルギーによる発電量と比較した。結果として、EVによる消費電力を太陽光発電によって安定的にカバーするためには充電時間の適切な誘導やEVの性能向上を行う必要があることを示した。
著者
内田 直希 東 龍介 石上 朗 岡田 知己 高木 涼太 豊国 源知 海野 徳仁 太田 雄策 佐藤 真樹子 鈴木 秀市 高橋 秀暢 立岩 和也 趙 大鵬 中山 貴史 長谷川 昭 日野 亮太 平原 聡 松澤 暢 吉田 圭佑
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

沈み込み帯研究のフロンティアである前弧の海域下において,防災科学技術研究所は新たに日本海溝海底地震津波観測網(S-net)を構築した.S-netは東北日本の太平洋側の海岸から約200kmの範囲を海溝直交方向に約30km,海溝平行方向に50-60km間隔でカバーする150点の海底観測点からなり,その速度と加速度の連続データが,2018年10月より2016年8月に遡って公開された.観測空白域に設置されたこの観測網は,沈み込み帯の構造およびダイナミクスの解明に風穴をあける可能性がある.本発表ではこの新しいデータを用いた最初の研究を紹介する.まず,海底の速度計・加速度計の3軸の方向を,加速度計による重力加速度および遠地地震波形の振動軌跡を用いて推定した.その結果,2つの地震に伴って1°以上のケーブル軸周りの回転が推定されたが,それ以外には大きな時間変化は見られないことがわかった.また,センサーの方位は,5-10°の精度で推定できた.さらに得られた軸方向を用い,東西・南北・上下方向の波形を作成した(高木・他,本大会).海底観測に基づく震源決定で重要となる浅部の堆積層についての研究では,PS変換波を用いた推定により,ほとんどの観測点で,350-400mの厚さに相当する1.3 – 1.4 秒のPS-P 時間が観測された.ただし,千島-日本海溝の会合部海側と根室沖の海溝陸側では,さらに堆積層が厚い可能性がある(東・他,本大会).また,雑微動を用いた相関解析でも10秒以下の周期で1.5 km/s と0.3 km/sの2つの群速度で伝播するレイリー波が見られ,それぞれ堆積層と海水層にエネルギーを持つモードと推定された(高木・他,本大会).さらに,近地地震波形の読み取りによっても,堆積層およびプレート構造の影響を明らかにすることができた.1次元および3次元速度構造から期待される走時との比較により,それぞれ陸域の地震の海溝海側での観測で3秒程度(岡田・他,本大会),海域の地震で場所により2秒程度(豊国・他,本大会)の走時残差が見られた.これらは,震源決定や地震波トモグラフィーの際の観測点補正などとして用いることができる(岡田・他,本大会; 豊国・他,本大会).もう少し深い上盤の速度構造もS-netのデータにより明らかとなった.遠地地震の表面波の到達時間の差を用いた位相速度推定では,20-50sの周期について3.6-3.9km/sの位相速度を得ることができた.これはRayleigh波の位相速度として妥当な値である.また,得られた位相速度の空間分布は,宮城県・福島県沖の領域で周りに比べて高速度を示した(石上・高木,本大会).この高速度は,S-netを用いた近地地震の地震波トモグラフィーからも推定されている.また,このトモグラフィーでは,S-netの利用により海溝に近い場所までの速度構造がよく求まることが示された(豊国・他,本大会).雑微動解析によっても,周期30秒程度の長周期まで観測点間を伝播するレイリー波およびラブ波を抽出することができた.これらも地殻構造の推定に用いることができる(高木・他,本大会).また,海域の前弧上盤の構造についてはS-net 観測点を用いたS波スプリッティング解析によって速度異方性の特徴が明らかになった.プレート境界地震を用いた解析から,速いS波の振動方向は,海溝と平行な方向を向く傾向があり,マントルウエッジの鉱物の選択配向や上盤地殻のクラックの向きを表している可能性がある(内田・他,本大会).プレート境界においては,繰り返し地震がS-net速度波形によっても抽出できることが示された.プレート境界でのスロースリップの検出やプレート境界の位置推定に役立つ可能性がある(内田・他,本大会).さらに,S-net加速度計のデータの中には,潮汐と思われる変動が観測されるものもあり,プレート境界におけるスロースリップによる傾斜変動を捉えられる可能性があるかもしれない(高木・他,本大会).以上のように,東北日本の前弧海洋底における連続観測について,そのデータの特性が明らかになるとともに,浅部から深部にわたる沈み込み帯の構造や変動についての新たな知見が得られつつある.これらの研究は技術的にも内容的にもお互いに密接に関わっており,総合的な解析の推進がさらなるデータ活用につながると考えられる. 謝辞:S-netの構築・データ蓄積および公開に携わられた皆様に感謝いたします.
著者
内田 昭宏 中本 幸一 佐藤 直樹 大鷹 正之 泉 正
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第39回, no.ソフトウェア, pp.1239-1240, 1989-10-16

CTRONは交換処理・情報処理・通信処理・ワークステーション等広い分野で共通に使用できるOSである。ソフトウェア流通性を促進するため, CTRONは基本OSと拡張OSの二階層による構成となっている。CTRONカーネルの機能は表1に示すようなサブセット単位に分割される。筆者らは,NECのオリジナル32ビットマイクロプロセッサV70/V80上に, C+Mサブセット機能を持つCTRONカーネルを実現した。本稿ではV70/V80CTRONの概要を紹介し、アーキテクチャ独立性を高め, UNIX上でも動作可能とした実現方式について述べる。
著者
神藤 英二 望月 英隆 寺畑 信太郎 古谷 嘉隆 内田 剛史 酒井 優
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.30, no.11, pp.2210-2214, 1997-11-01
被引用文献数
8

盲腸に発生した, 腺癌と偏平上皮癌の成分を含む内分泌細胞癌の症例を経験した. 肉眼的には典型的な2型腫瘍であったが, 組織学的検索から同一腫瘍内に内分泌細胞癌と腺癌の領域を認め, さらに内分泌細胞癌の内部には偏平上皮癌への分化を示す部分を多数認めた. 内分泌細胞癌の診断の過程で行った免疫染色では, neuron-specific enolase に陽性を示したものの, クロモグラニンAには陰性であったため, 電子顕微鏡検査を追加, 内分泌顆粒を認めたことで, 最終的に内分泌細胞癌の診断を得た. 臨床的には悪性度が高く, 肝転移を認めたため肝切除を含む根治度Bの手術を施したが, 残肝再発を来し, 術後9か月目に死亡した. 今回の症例は, 組織学的多様性から, 腫瘍発生母地, およびその分化の過程が注目されるので報告した.
著者
西山 祐美 北田 徳昭 関戸 聡子 小林 睦 渡 雅克 内田 享弘 松山 賢治 黒田 和夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.184-191, 2002-04-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
10
被引用文献数
4 4

A four-week practical hospital training course for undergraduates at Takarazuka Municipal Hospital has been conducted since 1998. The curriculum at our hospital consists of three elements, i.e., lectures on hospital pharmacy, the dispensing service and the clinical pharmacy service. Regarding the clinical pharmacy service, a case study had token a long time for the purpose of learning the actual services. In this study, we compared the results of the new curriculum with those of previous curriculums to establish a more effective and practical curriculum for undergraduates. Our curriculum showed no significant difference with the findings of other reports. Next, we investigated the student' s awareness by questionnaire. The results showed that most students developed on increased awareness of the pharmacist' s daily practice by the end of the practical training course. However it also showed a tendency that their interests in pharmacy practice differed according to their future courses and the university they were studying.From these results, further progress therefore appears to still be obtainable by increasing the cooperation between pharmaceutical universities and hospital pharmacies. In addition, it was considered that our curriculum should be further improved by better meeting the needs of students during the practical training course.
著者
山本 武史 山本 和宜 木村 福男 吉田 哲也 山崎 富士子 西村 篤弘 中原 優 内田 豊 石本 敬三 神谷 晃
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.406-413, 2001-08-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
8

According to the guidelines of Japanese Society of Hospital Pharmacists, pharmacists should prepare medicine bags or labels for dispensing injectable medicines. However, it is not easy to establish a new system for printing these bags and labels quickly and efficiently all hospitals. At the moment many hospitals seem to let nurses write the information by hand directly on the transfusion bottles. This involved the risk of serious accidents due to miscommunication between pharmacists and nurses. Because we established a successful advanced system to achieve a maximum output with a minimum effort, its effectiveness is herein reported. We prepared labels using the data of our audit manual for the dispensing of injectable medicines. These labels included essential comments and information for both doctors and nurses. It takes 60-120 minutes to creating labels for 60 to 90 inpatients, while some additional time is needed to double check of the labels. As a result, this system has increased our workload by one and half times. In contrast to our increased workload, clear printed letters and useful comments and information has contributed to a decrease in the workload of the nurses in the ward. This cost effective, efficient system has received high acclaim from the staff members of other departments, and strongly confirms the role of pharmacists as risk managers. We now intend to further improve this system for proper dispensation of injectable medicines more properly and efficiently in the future.
著者
内田 香奈子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-11, 2018-07-01 (Released:2018-07-04)
参考文献数
24
被引用文献数
1

本研究の目的は,日本語版Emotional Approach Coping Scales(EAC)を開発し,特性的な情動焦点型コーピングが気分に与える影響を検討することであった。研究1では,EACについて5週間の期間をあけ2度の回答を参加者に求めた。その結果,EACは感情処理と感情表出の2下位尺度で構成され,いずれも高い信頼性と妥当性が示された。研究2では,日本語版EACとPOMSを用いて情動焦点型コーピングが日常の気分に与える影響を検討した。階層的重回帰分析の結果,感情表出は男女で怒り–敵意を,男性で疲労を高めた。一方,感情処理は男女で活気を高め,男性で疲労を低減した。さらに女性における交互作用も疲労において有意であった。本尺度を使用する際の制限や,今後の展望が論議された。
著者
川原 富美男 大家 毅 永津 芳雄 内田 広
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.38, no.Supplement2, pp.122-134, 1990-11-30 (Released:2011-08-04)
参考文献数
11

Fleroxacinの代謝物をイヌ及びウサギの尿から単離, 同定した. また, 第1相臨床試験で得られた血清及び尿を用いてfleroxacinの代謝を検討し, 以下の知見を得た.1.イヌ及びウサギの尿からは未変化体, デメチル体, N-オキシド体が, ウサギの尿からはこれら以外にもデメチルオキソ体, ホルミル体の合計5個が単離, 同定された.2.ヒトの血清中では大部分が未変化体として存在し, 代謝物として検出されたデメチル体及びN-オキシド体濃度はピーク時でいずれも未変化体の約1%であった.3.ヒトの尿中には72hまでに服用量の83%が回収され, 未変化体が約90%を占めていた. 4つの代謝物, デメチル体, N-オキシド体, デメチルオキソ体及びホルミル体が尿中から検出され, それぞれ服用量の5%, 5%, 0.3%, 0.2%であった.4.Fleroxacinはウサギを除いて生体内では代謝を受けにくく, 大部分が未変化体として挙動するものと思われた. また, fleroxacinは各種実験動物と比較するとヒトにおいて最も代謝的に安定であることが示唆された.5.Fleroxacin服用後の抗菌活性のほとんどは未変化体によるものと考えられた.

1 0 0 0 OA 蠧魚之自伝

著者
内田魯庵 著
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
1929