著者
尾畑 勝吉 前田 恵助 石野 忍
出版者
和歌山県農林水産総合技術センター
雑誌
和歌山県農林水産総合技術センター研究報告 (ISSN:13455028)
巻号頁・発行日
no.6, pp.155-158, 2005-03

リサイクル飼料である食用規格外パンクズ、チョコフレークを主原料とした飼料を用いて、豚の肉色、マーブリングヘの影響について調査した。今回の試験ではロース芯部分の脂質含量に有意な差は認められなかったが、色彩色差計で測定した結果、R飼料区は明度で有意に明るくなり、色度で有意に黄色方向に傾き、明るい色となり商品価値が高いと考えられた。
著者
伊里 綾子 藤里 紘子 山田 圭介 大久保 智紗 宮前 光宏 寺島 瞳
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-11, 2017-10-31 (Released:2018-03-16)
参考文献数
45

The symptoms of borderline personality disorder (BPD) are often observed in young adults. They have difficulty in adaptation. Therefore, it is important to assess the extent of their BPD symptoms to ascertain intervention. However, there is no scale to assess BPD symptoms and their changes in young adults in Japan. Therefore, we developed a Japanese version of the Quick Evaluation of Severity over Time (QuEST-J) to assess these symptoms and investigated the reliability and validity of this scale in a sample of Japanese undergraduates (N=733). QuEST-J comprises three sub-scales: “Thoughts and Feelings,” “Behaviors-Negative,” and “Behaviors-Positive.” A confirmatory factor analysis corroborates the factorial validity. Moreover, the results indicate enough internal consistency, test-retest reliability, and criterion-related validity. Therefore, QuEST-J is a reliable and valid scale to assess BPD symptoms in young adults.
著者
佐伯 政男 前野 隆司
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学
巻号頁・発行日
vol.3, pp.146-152, 2010

幸福度を継続的に自己管理するための手法として,カレンダー·マーキング法を開発した.カレンダー·マーキング法は,一日の終わりにその一日を振り返り,主観的な評定を行う手法である.すなわち,評定の結果,その日がよい日であったら「◯」,悪い日であったら「×」,どちらでもない日であったら「△」をカレンダーの日付欄に記録する.心理学部の学部生を対象に,10週間,手法の実施を行った.実施後に測定したThe Satisfaction with life Scale (SWLS)では,手法の実施群と対照群のSWLSに統計的に有意差は見られなかった.SWLSと各被験者の各記号の総数との相関係数は,◯,△,×,それぞれ,0.506,-0.439,-0.237であった.分析の結果,よい日にも悪い日にも△を付ける傾向が見られた.◯を増やし△と×を減らすことによって幸福度を向上させうることが示唆された.また,被験者間,被験者内で各記号の報告には変動性が見られたことから,本手法で得られた結果は,主観的幸福度の測定手法として利用されうることを示した.
著者
染川 晋作 堀 大輔 前田 朗
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.128, 2009

【はじめに】<br> 近年、スポーツ現場における理学療法士(以下PT)の活動報告が多く紹介されている。我々も某大学アメリカンフットボール部に対し、2004年からトレーナー活動を中心としたメディカルサポートを行ってきた。2007年から当院の医師及び看護師にも協力を依頼し、当院での活動内容も徐々に増加している。現在では、怪我をしたほとんどの選手が当院を受診するまでに至った。そこで今回、我々の行っているメディカルサポートの報告と、当院のサポートシステムについて検討した。<br>【PTの活動内容】<br> 活動内容は、大学トレーニングルームにて行う練習後のメディカルケア(週1回)、春シーズン4試合・秋シーズン5~7試合の帯同、夏合宿(1週間)の帯同、当院でのリハビリテーション(チームに所属する当院PT2名が主となる)、監督・コーチとのミーティング(受診した選手の現状報告など)、サポートスタッフとのミーティング及び勉強会、選手・コーチへの傷害予防に対する教育などである。<br>【当院のサポートシステム】<br> 2007年から当院の医師及び看護師の協力のもと、受診する選手に対して、リハビリ処方箋の他にチーム専用のシート(以下連絡表)を使用している。連絡表では、受診した選手の診断名及び目安となる固定期間、ジョグ復帰可能、コンタクト以外復帰可能、コンタクト復帰可能時期など、選手のニーズに合わせた情報を医師に記載してもらう。連絡表は、運動療法適応外の場合でも医師に記載してもらう。診察後は記載された連絡表をもとに、チームに所属する当院PT2名が選手の状態を個別にチェックをして、受診した全選手の状態を把握するシステムを確立している。<br>【当院の受診数】<br> 2年間に当院を受診した選手数は、2007年が全選手数56名中41名(73.2%)、2008年が全選手数50名中42名(84.0%)であった。選手の当院受診(のべ新患)数は2007年が101件、2008年130件の総計231件であった。また、当院で手術を施行したものは10件であった。<br>【考察】<br> チームに対する院外でのメディカルサポートを行い、2007年より当院のサポートシステムを確立できたことで、2008年には当院を受診する選手の割合が増加した。診察時に連絡表を使用することで、選手のニーズに合わせた情報提供及び監督・コーチとの情報の共有が迅速となり、理学療法適応外の場合でも、PTが全選手の状態を把握することができた。しかし、PTによる選手の怪我に対する分析はさらに必要であり、今後の課題として、1)連絡表を見直し、怪我の状況(受傷機転やコンディション、グランド状態など)を詳細に評価すること、2)評価をもとに分析を行うこと、3)競技特性に沿ったより良いサポートシステムを確立することを検討中である。
著者
辻野 彰 松本 武浩 前田 隆浩
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

遠隔医療への期待が高まっている昨今、ビデオカンファレンス方式による遠隔診療の診断精度や治療効果(質)に及ぼす影響については十分に検討されていないのが現状である。本研究では、専門医が不在の離島にカメラ付きスマートグラス(MOVERIO Pro:エプソン)を利用したDoctor To Doctor To Patient(D to D to P)のバーチャル専門外来を開設して、その有用性を質に重点を置いて検討するものである。本年度は離島の基幹病院にバーチャル神経専門外来を開設し、慢性神経疾患診療、特にパーキンソン病における治療効果に重点を置いて、D to D to Pの遠隔診療支援の有用性を検討する。専門診療介入前後でパーキンソン病の治療効果や診療満足度が向上するかどうかの評価を開始した。診察プロトコール:1ヶ月に一度の外来受診(年12回)を基本として、同意取得後の6カ月間は通常診療を行う。この期間の診療をコントロール期間として、その後に引き続いてバーチャル神経専門外来を実施する。通常診療時とは別の現地の専属医師が大学の専門医のアドバイスを受けながらパーキンソン病患者を診療して抗パーキンソン病薬の薬物調整を行う。評価項目:PD統一スケール改訂版(MDS-UPDRS)、ウエアリング・オフ現象のオンとオフ状態の時間、ジスキネジアの有無、PD特異的QOL尺度質問票(PDQ-39)、臨床的全般印象度の変化(CGI-C)、認知機能(MoCA)、レボドパ換算総薬物投与量、入院回数、併存合併症(骨折など)、慢性疾患患者ケアシステム評価(PACIC)、アンケート調査を開始前から3カ月ごとに評価する。
著者
前田 徹 平松 佑彩 佐伯 憲一 水谷 秀樹 吉川 昌江 青柳 裕 矢野 玲子 高橋 誠弥 原﨑 周平 日野 知証
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.2018-028, 2018 (Released:2018-11-21)
参考文献数
10

薬学部卒業生の進路は多岐にわたるため,キャリア形成を促し,ライフプランを構築するためのキャリア教育は大学教育の重要な柱の一つである.本学は女子大学であるため,結婚・出産など女性特有のライフイベントを踏まえた上でキャリア形成を図る必要がある.在校生964名を対象とし,キャリア意識や将来のキャリアプランについてアンケート調査を行った.回収率は56.2%であり,回答者の87.6%が「キャリアプランを考えることは必要」と回答したが,実際に考えたことのある学生は57.2%であった.調査結果から,回答者の71.1%が結婚・出産を踏まえた上で「生涯働き続けたい」と就業継続の意識が非常に高く,また学年により必要な情報や問題点が異なることがわかった.今後,学生のニーズや薬剤師を取り巻く社会的背景の変化も踏まえた上で,結婚・出産など女性特有のライフイベントを考慮したキャリア教育に取り組む必要がある.
著者
前田 侑亮 金 明哲
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.3-22, 2019

<p> 関西都市圏は「私鉄王国」と呼ばれており,関西5私鉄(近鉄・京阪・南海・阪急・阪神)は競って沿線を開発し,関西都市圏の街づくりの一角を担ってきた.本研究では,関西5私鉄の沿線を文化的価値の側面から定量的に分析し,沿線の特徴を明らかにすることを目的とする.分析においては,どの駅勢圏にどの文化施設等が何回出現したかという頻度行列を作成し,そのカウントデータが持つ情報そのものに焦点を当てられるトピックモデルLDAを用いた.分析の結果,関西5私鉄の沿線には6つの特性が潜んでいると分かった.また,これらの特性を整理し各社の主要路線を分類すると,「歴史的な沿線を持ち,地域密着型の商業地域が目立つ路線」,「都心とその間の郊外を結び,良好な生活環境が整備された路線」,「都心と文教地区を走り,通勤通学の足としての性格が強い路線」の3つに分けることができた.</p>
著者
大前 敦巳
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.285-298, 2005

小論は,地方国立の上越教育大学と関西都市部の私立大学・短期大学の学生を対象に,2003年(1年次)と2004年(2年次)に実施した質問紙追跡調査に基づき,学生生活を通じていかなる文化習得を遂げ,そこにどのような社会的要因が関与しているかを検討した。1年次には幅広い文化領域に興味関心を示したのに対し,2年次に入ると自分に見合ったものを取捨選択する傾向が認められた。文化的取捨選択に関与する社会的要因について重回帰分析を行った結果,2年次に盛んに行われるようになった文化活動やスポーツは,社会的要因に強く規定されることがなく,上教大では学校的な文化習得様式の間での違いがみられ,関西私大・短大では,家庭の物質的豊かさが学校的なものから離れた領域の活動を規定する傾向がみられた。
著者
大前 敦巳
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.565-579, 2006

本稿は,今日の大学生における文化資本をめぐる問題について,「学生消費者主義」や「大学の商業化」など,高等教育拡大がもたらした多くの国々に共通してみられる変化の状況との関わりの中で検討する。フランスの国立学生生活観察研究所(OVE)が実施する全国学生生活調査の結果を参照しながら,関西と北陸・上越の大学・短大生を対象に実施した質問紙調査の結果に基づき,学生の社会的出自,過去の学習経験,現在の学生生活との関係を分析した。親の職業や学歴に規定される階層文化以上に,後天的な学習経験や学生生活へのコミット/アルバイトを含む経済生活への親近性,という対立軸が,正統的文化/中間文化/大衆文化といった文化活動の違いを生み出す傾向が認められた。消費文化との連続性をもちながら,文化資本の形成条件となる「必要性への距離」を提供しているのは,社会的出自よりも学枚,特に大学の場においてであり,大学が変化に直面する中,その機能を衰弱させないことが必要と考える。
著者
古橋 正吉 宮前 卓之 上田 伊佐雄
出版者
医学書院
雑誌
臨床外科 (ISSN:03869857)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.p357-365, 1975-03
被引用文献数
2
著者
前田 健永 中野 誠 愈 燕蕾 間宮 純一 宍戸 厚 塩野 毅 池田 富樹
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子学会予稿集 第53回高分子学会年次大会
巻号頁・発行日
pp.1405, 2004 (Released:2010-03-29)

アゾベンゼン液晶モノマーを様々な配向状態で光重合し,均一に配向した透明な液晶フィルムを得た。液晶フィルムに光照射を行い,屈曲挙動を検討した。
著者
福元 和真 川崎 洋 小野 晋太郎 子安 大士 前川 仁 池内 克史
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.169-174, 2013

近年,車載カメラの普及に伴い動画サイトへの車載動画の投稿が普及し始めている.これらの映像を利用し,日常的に自由走行しながら撮影された様々なカメラ映像をつなぎ合わせることで,より広範囲にわたる地域で高い頻度での更新が実現できるが,位置情報の無い映像をプローブカーなどで得られた情報つき映像と対応付ける必要がある.そこで本手法では,まず時系列画像をから建物の相対的な高さ情報を保持するTemporal Height Image(THI) を作成し,それに対してAffine SIFT によりロバストな特徴を取り出す.得られた特徴をBag of Feature で表現し,効率のよいマッチングを実現する.実際に市街を撮影したデータで検証した.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
Naruse Tohru Maenosono Tadafumi Uyeno Daisuke Samejima Shota Shirawakawa Naoki 成瀬 貫 前之園 唯史 上野 大輔 鮫島 翔太 白川 直樹
出版者
琉球大学資料館 (風樹館)
雑誌
Fauna Ryukyuana (ISSN:21876657)
巻号頁・発行日
no.36, pp.1-11, 2017-05-31

琉球列島より得られたコブシガニ上科6種 (サガミトゲコブシArcania sagamiensis, ホシズナエバリアEbalia stellaris, Ebaliopsis erosa, ノコバテナガコブシMyra eudactylus, サガミコブシUrnalana elata, ノコハコブシIphiculus spongiosus) の標本を記録した. それらのうち, Ebaliopsis erosaは日本より初めて, サガミトゲコブシ•サガミコブシ•ノコハコブシは琉球列島より初めて, それぞれ標本を基に報告された. また, Ebaliopsis erosaには新標準和名クルミコブシを与え, 和名の基準とする標本にRUMF-ZC-4279を指定した. さらに, 各種の近似種との識別形質や潜在的な分類学的問題点について概説した.