著者
グリーンバーグ 陽子 加藤 宏明 津崎 実 匂坂 芳典
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.65-74, 2011-02-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
15

対話音声の合成を目指して,対話韻律生成の方法を提案した。対話場面において出現する発話内容自体が,その取り得る対話韻律を限定することに着目し,提案方法では,入力となる語彙が与える印象によって制約される韻律特徴量を用いて,従来の読み上げ韻律を修正する対話韻律生成を行う。これまでに行った一語発話「ん」のパラ言語分析が示した,3次元の知覚的印象空間(確信-疑念,肯定-否定,好印象-悪印象)と韻律制御(基本周波数の平均値と時間変化形状,発話時間長)の関係を用いて,同じ印象空間で典型的な座標を持つ語彙に対して,対応する対話韻律を付与した。得られた合成音声に対する自然性評価実験により,提案した方法の妥当性を確認した。
著者
加藤 宏之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.7-12, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
20

脳卒中後に見られる片麻痺の回復の脳内機序の詳細は不明である。最近開発されたfunctional MRI(fMRI)や光トポグラフィー(NIRS)を用いると脳卒中患者の麻痺手運動時の脳活動を非侵襲的に画像化することができる。また,拡散テンソル・トラクトグラフィーにより錐体路を描出することもできる。これらの評価法により,片麻痺の回復には,既存の運動ネットワークの損傷の程度に応じて,可逆的障害からの回復や大脳皮質運動ネットワークの再構築を駆使して,運動機能を回復させることを示唆するデータが得られている。さらに,この機能回復には発症後1ないし2ヶ月の臨界期が存在することも示唆されている。
著者
豊田 政史 加藤 宏章 今井 晶子 宮原 裕一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_1465-I_1470, 2011 (Released:2012-03-14)
参考文献数
21

Numerous attempts have been conducted in order to recover emergent plants and submerged plants in various lakes. However, floating-leaved plants, which make water quality worse, have been rarely focused. The purpose of this paper is to evaluate the effect of mowing down the floating-leaved plants area partially in Lake Suwa, where floating-leaved plants-dominated state is observed in shallow zone. We measure water temperature, turbidity and water velocity inside and outside of the floating-leaved plants area. It is confirmed that 1) The variation range of water temperature inside of floating-leaved plants area is smaller than that of outside. 2) Floating-leaved plants lessen the vertical water circulation. 3) Outside of floating-leaved plants area is easier to be influenced by cold water than inside when cold water intrude into water grass area. 4) Turbidity inside of floating-leaved plants area is higher than outside. 5) The leaves of floating-leaved plants become the resistance of surface current.
著者
韋 保耀 原 昌弘 山内 亮 上野 良光 加藤 宏治
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.133-138, 1991-12-25

キクイモおよびヤーコンの塊茎からオリゴ糖を80%エタノール溶液で抽出し,Bio-gel P-2 カラムクロマトグラフィーを用いてオリゴ糖の重合度分布を検討した。抽出物のオリゴ糖組成は,キクイモではフラクトオリゴ糖のみであったのに対して,ヤーコンでは,フラクトオリゴ糖とともにフルクトースとダルコースが検出された。塊茎を数ヵ月保存すると,キクイモでは重合度の高いオリゴ糖が減少し,低重合度のオリゴ糖が増加した。一方,ヤーコンでは,すべてのオリゴ糖が減少し,フルクトースとグルコースが増加していた。これらの抽出物中には,いずれの場合にもイヌロオリゴ糖は全く検出されず,このことより,両塊茎中に存在するイフリン加水分解酵素はエキソ型であり,キクイモに比べてヤーコンの酵素は低重合度のオリゴ糖に対して高い親和性を有するものと推定した。本研究結果は,ヤーコン塊茎に比べてキクイモ塊茎が,フラクトオリゴ糖の工業生産原料に適することを示している。
著者
加藤 宏和 村田 佳洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.275, pp.1-6, 2012-10-25

近年,パーソナルナビゲーションシステムに関する研究が数多くなされており,観光スケジュール立案のためのナビゲーションシステムも研究されている.観光スケジュールは天候の影響を受ける.しかし,天候を完璧に予測することは不可能である.そのため,天候に応じたスケジュール群立案手法が必要となる.そこで我々は,この手法のための天候変化パターンを生成するアルゴリズムを提案した.このアルゴリズムは,時間帯に応じた降水確率を与えることで,その時間に起こりうる天候をシミュレートするものである.シミュレートして得られた天候変化パターンから確率通りの降水の割合が得られているかを調査するため,与えた降水確率と比較した.その結果,最大1.4%の誤差があるものの,ほぼ元の降水確率通りの割合が得られることがわかった.
著者
加藤 宏幸 KATO Hiroyuki
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
言語と文化の諸相
巻号頁・発行日
pp.277-291, 1999-03-10

アンドレ・ジッドの『狭き門』は彼の作品の中でもっともよく読まれている。そして多くの人は、この小説は悲恋を扱った甘美な恋愛小説であると思っているのではなかろうか。そのような体裁をとってはいるが、ジッドはこの作品の中で非常に重要な問題を提起している。一方『背徳』について言えば、『狭き門』ほど読まれてはいないが、そこにもやはり重要な問題が提起されている。作者は問題を提起しただけで、それに対する回答は示していない。この2つの作品を対比することによって、その間題を明らかにしたいと思う。
著者
グリーンバーグ 陽子 加藤 宏明 津崎 実 匂坂 芳典
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.65-74, 2011-02-01
参考文献数
15
被引用文献数
1

対話音声の合成を目指して,対話韻律生成の方法を提案した。対話場面において出現する発話内容自体が,その取り得る対話韻律を限定することに着目し,提案方法では,入力となる語彙が与える印象によって制約される韻律特徴量を用いて,従来の読み上げ韻律を修正する対話韻律生成を行う。これまでに行った一語発話「ん」のパラ言語分析が示した,3次元の知覚的印象空間(確信-疑念,肯定-否定,好印象-悪印象)と韻律制御(基本周波数の平均値と時間変化形状,発話時間長)の関係を用いて,同じ印象空間で典型的な座標を持つ語彙に対して,対応する対話韻律を付与した。得られた合成音声に対する自然性評価実験により,提案した方法の妥当性を確認した。
著者
菊池 義公 大森 景文 木澤 功 喜多 恒和 宮内 宗徳 岩野 一郎 加藤 宏一
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.81-86, 1988-01-01

この研究は, ヒト卵巣癌移植ヌードマウスを用いてカルモデュリン拮抗剤(W-7およびW-5)との併用によつてシスプラチンの抗腫瘍効果を増強するべく行なわれた. シスプラチンとW-7またはW-5との組合せで治療されたヌードマウスの腫瘍発育はW-7単独, W-5単独またはシスプラチン単独で治療されたヌードマウスのそれに比べて有意に抑制された. シスプラチン単独投与は腫瘍移植ヌードマウスの脾細胞の本腫瘍標的細胞に対する障害活性を著しく阻害した. しかしながらシスプラチンによるこの阻害効果はW-7またはW-5との併用によつて除かれ得た. シスプラチン単独, W-7単独およびW-5単独投与群の間でその生存期間において有意差は見出されなかつた. シスプラチン投与に引き続いてW-7またW-5が投与された時, W-7またはW-5によるシスプラチンの抗腫瘍効果の有意な増強が, 腫瘍発育の抑制という点ばかりでなく生存期間の延長という点でも観察された.
著者
山沢 和子 加藤 宏治 上野 良光
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子短期大学紀要 (ISSN:02863170)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.31-35, 1986-03-31

クワイ脂質から苦味成分を分離し,その性状について検討した。(1)クワイの総脂質は生クワイの0.28%を占め総脂質中の中性脂質,糖脂質およびリン脂質の組成は38 : 24 : 39であった。このうち,中性脂質画分で強い苦味が認められた。(2)中性脂質画分からの苦味成分の分離法としては,展開溶媒にヘキサンーエチルエーテルー酢酸の溶媒系を用いるシリカゲル薄層クロマトグラフィーが有効であった。(3)クワイの中性脂質は,シリカゲル薄層クロマトグラフィーで10個の化合物に分離された。そのうち3化合物(苦味A,BおよびC)に苦味が認められ,最も苦味の強かった苦味Bがクワイの主たる苦味成分と考えられた。さらに,苦味Bは,本実験で用いた標品(トリグリセリド,ジグリセリド,モノグリセリドおよび遊離脂肪酸)とは異なる化合物であった。(4)シリカゲル薄層クロマトグラフィーで分離した苦味A,BおよびCは,温度および酸素の影響を強く受け,大気中・25℃の保存で1週間後にすでに苦味を消失していた。
著者
加藤 宏 皆川 洋喜
出版者
筑波技術短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究は視覚障害者のための高等教育レベルでの教材、特に図的教材の視覚障害者向け適性化と活用支援システム構築のための基礎的研究である。重度視覚障害者のための教材には点字と触図があるが、触図はグラフィック情報であり、1次元の情報ではない。結論としては図も、視覚障害者向けには文字記述形式などへの1次元情報化が推奨されることが示された。触図についてはセンター試験の点字問題の視覚障害者による解答過程と触察行動を観察した。結果は成績は、図形式へのリテラシィと教科内容についての知識の2要因に影響されることが示唆された。特にグラフ形式についての習熟が、触図の読みとりに大きく影響した。チャートや模式図・地図等の触図は、その形態・内容を比較的容易に触察できた。触図では、触覚で形の認知という問題以上に、その事象についての知識と図の諸書式への習熟、軸の意味理解等が鍵となることが示唆された。このことはキャプション情報で軸説明などを補足すれば、特別な変換を行わない原図に近い触図で対応できるということである。触図にはキャプション等が必須であることも示唆された。弱視用教材研究には眼球運動測定装置を導入した。図とテキストを含むドキュメントを解読中の眼球運動からテキスト理解に及ぼす図の外的資源機能を探った。弱視者の場合、CRT画面上の文字と図を読ませるという方法では、注視点の記録が困難である場合があることが分かった。さらに眼疾別に適切な拡大提示法を検討する必要がある。諸外国における視覚障害者への図情報提示の実態調査も行った。スウェーデンでは、視覚障害者用の大学適性試験では図は削除か文による説明に代替された。ドイツでは大学の点訳教科書では、数式や図形はマークアップ言語による線形的記述か言語説明に代替された。図情報もテキスト文と同じくテキスト情報として一元化管理されることが有効であることが示唆された。
著者
藤田 統 加藤 宏 牧野 順四郎 岩崎 庸男
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1986

行動の個体差の原因と形成過程を知るために、我々の研究室で選択交配により作り上げた情動反応性に関する近交系ラット2系統(Tsukuba情動系ラット)および活動性に関する近交系マウス2系統等を用いて、様々な行動遺伝学的、生理生化学的研究を行った。また、Tsukuba情動系ラットを野外フィールドにおいて自然繁殖させ、生態学的研究を行った。1.Tsukuba情動系ラット(THE系とTLE系)のP_1、P_2、F_1、F_2、B_1、B_2を用いてランウェイ・テストの諸測度について古典的遺伝分析を行い、それぞれの遺伝構築を検討したところ、例えば、選択指標である通過区画数には、♀では優勢効果のない中間遺伝が、♂では高情動側への指向優勢が見いだされた。また、各測度間の遺伝相関、諸測度の遺伝率、遺伝子座の推定値を求めたところ、遺伝子座の最小推定値は♀で2〜4、♂で2〜3であった。2.Tsukuba情動系ラットの脳内生化学物質を定量したところ、例えば視床下部のAD濃度がTLEの方がTHEより高いなど、両系の脳内モノアミンおよび代謝産物濃度に様々の生化学的差異が見いだされた。3.Tsukuba情動系ラットのシェルター付きオープンフィールド・両端部屋付き直線走路・I迷路における諸行動、ホーディング行動、穴掘り行動、攻撃行動等が研究され、両系の行動上の差異が比較・検討された。4.Tsukuba情動系ラットの味覚嫌悪学習が、その習得、把持、消去、外部刺激の効果に関して研究された。消去において系統差が見られた。5.ランウェイ、オープンフィールド、I迷路におけるラットとマウスの諸行動を主成分分折して、主因子を抽出した。6.野外フィールドでのTsukuba情動系ラットの性行動、社会行動、日周リズム等が研究され、個体数の推移も分析された。また、野外フィールド育ちによる行動変容についても研究された。
著者
加藤 宏之 橋本 律夫 樋渡 正夫
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

脳卒中後の運動機能回復の機序を解明するために、fMRIと拡散テンソル・トラクトグラフィーによる錐体路の描出の同時計測を行った。脳卒中後の脳機能の再構築は動的であり、片麻痺の回復は運動ネットワークの損傷の程度に応じて、可逆性障害からの回復と、ネットワークの代償、動員、再構築を駆使して最良の運動機能の回復を得るための機構が存在する。この変化は脳卒中発症後の1、2か月以内に見られ、機能回復の臨界期の存在を示唆する。
著者
永田 一郎 加藤 宏一
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.29-38, 1986-01-01
被引用文献数
2

子宮脱の修復にあたり,十分な長さの腟を保存し,しかもつねに確実な修復効果を得ることはなかなか難しい.この目的のために,腟上端を仙棘靱帯に固定する手法を従来の腟式手術に組み合わせてみた.対象は1983年4月から1984年4月までの間に,当科で行つた手術例11例(腟式子宮全摘術+前後腟壁整形術9例,Manchester手術1例,前後腟壁整形術のみ1例)であつた.仙棘靱帯固定術は前方操作,子宮操作終了後に行う.後腟壁を逆丁字切開し,通常右の直腸側腔を展開し,坐骨棘を指標として仙棘靱帯を露出する.2本の糸をこれに通し,後腟壁右上端に結合させて腟を挙上固定する.ついで肛門挙筋縫合などを含む後腟壁整形術をかるく行う.術前術後の腟の脱垂状況の評価に部位別の腟scoreを用いた.すなわち尿道脱,膀胱脱,子宮または腟上端の脱,小腸脱,直腸脱の5部位について,脱垂の程度を0〜4点で表し,この順に並べて記載する.術前すべての部位で4点を示した高度子宮脱も本法施行後のscoreは全て良好で,とくに腟上方から後方にかけての修復状況は全例0点を示していた.また術後の腟の変位と移動方向をみるために,subtraction腟重複造影法を試みた.腟に造影剤をつめ,腹圧の前後で側面像を2枚撮り,1枚のフィルムの白黒を逆転し2枚重ね合わせてプリントする方法である.仙棘靱帯固定術を行つた例では腟が背足方に変位しており,腹圧にて腟はその長軸に平行に足方に移動した.一方仙棘靱帯固定術を行わない例では,腟の位置は正常例と同じであつたが,腹圧にて腟は長軸に沿つて前足方に移動した.
著者
西村 竜一 竹本 浩典 加藤 宏明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.333, pp.19-24, 2008-11-27

頭部伝達関数は,一般に外耳道をふさいだ状態における,音源から外耳道入口までの特性で与えられる.しかし,実環境と同じ聴感を与えるためには,頭部伝達関数に加えて鼓膜面での音圧が実環境での場合と十分近くなるように制御する必要がある.そこで,ヘッドホン受聴時の補正を,外耳道閉そく状態における外耳道入口の信号で行った場合の,外耳道入口と鼓膜面で実現される特性について検討を行った.先ず,HATSを用いて,外耳道入口と鼓膜面での音圧比を,複数のヘッドホンを用いて測定したところ,必ずしも一定ではないことが確認された.さらに,ヘッドホン聴取時の音響伝搬路の簡単なモデルを想定し,計算機シミュレーションで同様の検討を行った.その結果,共振周波数とその倍音において影響が大きいことが確認された.さらに,実際のヒトが聴取した場合にも同様の傾向が見られるかを調べるため,純音マスキングの聴取実験を行った.その結果,ヘッドホンの違いによる影響の周波数依存性が一部に観測された.
著者
大西真晶 源 元佑太 江口 隆之 加藤宏章 西出 亮 上島 紳一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.51-64, 2006-03-15
被引用文献数
13

本稿では,スケーラブルなネットワーク基盤として,計算幾何の分野で知られるドロネー図をトポロジとして持つP2P ドロネーネットワークとその自律分散生成アルゴリズムを提案する.ここでは,まず本P2P ドロネーネットワークの特徴について述べ,次に生成アルゴリズムについて述べる.提案アルゴリズムは,各ノードの局所的な動きから,ノード間の幾何学的な位置関係を利用して接続関係を更新し続けるアルゴリズムであり,さらにノードが相互に情報交換することでネットワークを構成できる特徴を持つ.また,ノードが幾何学的退化状態にある場合も動作できる.本アルゴリズムにより,与えられた2 つのP2P ドロネーネットワークを融合することも可能であり,P2P パラダイムの持つスケーラビリティを活かしながら,システムの対象空間を段階的に拡張できる.提案アルゴリズムでは,ノードの3 つの操作を定義している.すなわち,局所ドロネー化操作と三角化通知操作が,局所的なドロネー図を自律分散的に生成し,委譲操作により,ノード間でノード情報の情報交換を行う.最後に,数値シミュレーションにより,P2P ドロネーネットワークの形成過程を,ノードへの負荷,P2P ドロネーネットワークへの収束ステップ数,各ノードの次数の変化,ネットワーク負荷などから検証し,提案アルゴリズムの有効性を確認する.また,本アルゴリズムの適用性についても議論する.This paper proposes a P2P Delaunay network whose topology is a Delaunay diagram wellknown in computational geometry as a scalable network infrastructure for spatial data management. We first discuss its features as a P2P network, and propose an algorithm to construct the network autonomously and distributively in P2P settings. In the proposed algorithm, nodes update their connection defined by node adjacency with respect to geometric location and generate local Delaunay networks of neighboring nodes, while they exchange node-location information to generate a network. The algorithm also works for the case nodes locate in geometrical degeneracy. Furthermore, the algorithm can also be applied to merging two independent P2P Delaunay networks. Owing to the algorithm, we can manage large target spaces using the P2P paradigm, and furthermore extend the target space incrementally y utilizing scalability that the P2P paradigm possesses. By numerical simulations, he authors examine the construction process of P2P Delaunay networks in terms of loads of odes, time-steps consumed for constructing P2P Delaunay networks, degree of each node, nd networkload cost. The applicability of the proposed algorithm for P2P models is also iscussed.