著者
加藤 金治 高島 教一郎 中島 篤之助
出版者
社団法人 日本分光学会
雑誌
分光研究 (ISSN:00387002)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.293-298, 1976

In the atomic absorption spectrophotometry using an air-acetylene flame, both titanium and niobium existing as peroxo-complex compounds (presumably peroxo-) in nickel-base alloy sample solution seriously interfere with the determination of copper, manganese, and cobalt. Obtained absorbance readings for these elements show random values.<BR>The following two dissolution treatments have been examined: 0.5 g portions of the sample are dissolved in (1) HNO<SUB>3</SUB> (5 m<I>l</I>) +HCl (5 m<SUB>l</SUB>) +HF (1 m<SUB>l</SUB>), (2) 3N-H<SUB>2</SUB>SO<SUB>4</SUB> (25 m<I>l</I>) +HCl (10 m<I>l</I>) +H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB> (10 m<I>l</I>), and the solutions are diluted exactly to 100 m<I>l</I> with water. In the former, no interference effect is observed. In the latter, irregular absorbance readings are obtained for copper, manganese, and cobalt. No interference effect is observed, however, when a nitrous oxide-acetylene flame is used.<BR>The mechanism of the interference effects has been investigated by using an especially prepared twin-nebulizer. From the result, it is concluded that the origin of the interference effects can be attributed to the vaporization behavior of wet aerosols. Probably, these aerosols make refractory compounds in the air-acetylene flame and the compounds occlude copper, manganese, and cobalt and the incomplete dissociation of these compounds traversing the flame zone causes the irregular absorbance readings.
著者
加藤 柊也 丸山 智朗 乾 直人 後藤 暁彦 鈴木 寿之 瀬能 宏
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.19-031, (Released:2020-02-28)
参考文献数
19

Eighteen specimens of the pipefish Microphis retzii were collected from several rivers on Iriomote and Ishigaki Islands (Yaeyama Islands, Ryukyu Islands, Japan) from 1990 to 2019. The records from Iriomote Island, including variously sized specimens plus brooding males over multiple years, suggest established settlement of the species. The records from Ishigaki Island, being the first specimen-based records of the species from that locality, are suggestive of a new settlement. Accordingly, M. retzii should be treated as a Japanese resident species, rather than one subject to abortive migration, making them eligible for evaluation of red lists in Japan.
著者
加藤 みわ子 伊藤 康宏 永 忍夫 清水 遵
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.140-144, 2007 (Released:2007-11-07)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

本研究では, 蓄積的疲労感が味覚に影響を与えるかを味覚試験を行って実験的に検討したところ,  &nbsp1) 蓄積的疲労感の高い人は塩味の閾値が低かった &nbsp2) 塩味閾値が低い人は抑うつ気分が高かった 3) 塩味閾値の低い人ほど呈味直後の快適感が減少していたの結果を得た。そして, 疲労感の蓄積が味覚に影響を与える大きな要因のひとつであること, 肉体疲労のみならず精神的な疲労感やストレスを緩和することが健康で良好な食生活の実現, 惹いては生活習慣病予防に大切であることが示唆された。
著者
加藤 みわ子 伊藤 康宏
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.185-192, 2016 (Released:2017-02-03)
参考文献数
34

Previous research has suggested a possible relationship between stress and the taste threshold. For example, it has been reported that chronic mental fatigue accompanied by dejection, or discomfort, greatly affected the threshold for salt taste. However, there are only a few studies on the effects of acute stress on taste. Therefore, the present study examined the influence of acute mental stress on the threshold for tasting saltiness. Participants in the study were healthy female university students (N = 57, Mean age: 21.8 ± 0.8 years). They were randomly separated into a stress group and a control group. Then, stress was induced in the stress group by an irregular training experience. Following stress induction, participants sat for 20 minutes and rested. Following this the taste for saltiness was compared in the two groups. All the participants were also assessed for feelings of anxiety and feelings of Pleasantness. Results indicated that the stress group had a significantly higher saltiness score than the control group. In addition, the stress group had less pleasant feeling after stress stimulation, indicating that acute mental stress was successfully induced in the stress group. These results suggest that the threshold for saltiness is reduced under conditions of acute mental stress.
著者
宮崎 光明 加藤 永歳 井上 雅彦
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.19-31, 2014-07-30 (Released:2017-06-28)
被引用文献数
1

研究の目的 無発語または発声・発語が少なく、音声によるコミュニケーション行動が乏しい自閉症児を対象に、アイコンタクトおよび発声・発語を促進するために、PECSの要求場面において、対象児が絵カードをコミュニケーション・パートナーに渡した後に動作模倣を取り入れた際の介入効果を検討することを目的とした。研究計画 ベースライン期、PECSの訓練、PECSに動作模倣を取り入れた訓練、維持テストからなるABCAデザインを用いた。場面 プレイルームにて実施した。対象児 無発語または発声・発語が少なく、コミュニケーション行動が乏しい自閉症児4名であった。介入 訓練期1ではPECSのフェイズIの訓練を行い、訓練期2では、フェイズIに動作模倣を取り入れた訓練を行った。行動の指標 絵カードを用いた要求行動を構成する行動の正反応率、アイコンタクトおよび発声・発語の生起率、動作模倣の正反応率を行動の指標とした。結果 本研究に参加したすべての自閉症児において、絵カードを用いた要求行動を構成する行動の正反応率、アイコンタクトおよび発声・発語の生起率が増加した。また、3名の動作模倣の正反応率の増加が見られた。結論 PECSの訓練手続きに動作模倣を取り入れることで、アイコンタクトおよび発声・発語が促進されることが示唆された。
著者
加藤 恒一 深瀬 聡 石橋 泰 山本 学
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.529-533, 1997-11-01 (Released:2008-10-15)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

固定床による新しいライトナフサ芳香族化 (LNA) プロセスを開発するため, 2250 BPD規模のデモンストレーションプラントによる実証化研究を行った。ペンタンを主成分とするライトナフサの芳香族化反応は, 従前は触媒の劣化が激しいため連続再生型か, またはスウィング再生型の反応器を用いるものであった。新規に開発されたゼオライト触媒を充てんした固定床反応器を中心とする実証化プラントにより転化率95wt%以上, 芳香族収率50wt%以上を与える1000h以上の長期連続運転が達成された。実証化プラントは, 通常タイプの重質ナフサ改質用の固定床プロセスの反応セクションを転用して建設され三個の断熱反応器および生成物の分離セクションを備えている。触媒再生は反応を中断して行う半再生式である。再生後の触媒を抜き出して, 物性, 活性を測定し, 本触媒の安定性を確認した。
著者
三上 真人 加藤 秀輝 佐藤 順一 河野 通方
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.61, no.582, pp.731-737, 1995-02-25
参考文献数
16
被引用文献数
1

The effect of gravity on fuel droplets burning interactively has been studied experimentally. Experiments on two droplets aligned horizontally were conducted both in normal gravity and in microgravity. Results show that in normal gravity, oxygen starvation between the flames is not as severe as in microgravity. Natural convection, which supplies oxygen to the flame, is stronger at a smaller initial separation distance when two flames exist separately. The instantaneous burning rate for the same normalized droplet diameter has a maximum in normal gravity when the initial separation distance is changed and decreases monotonically in microgravity with decreasing initial separation distance, except for the initial period of burning. Thus, the effect of gravity, which decreases the burning lifetime, is greatest at a certain initial separation distance.
著者
三上 真人 加藤 秀輝 佐藤 順一 河野 通方
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.61, no.582, pp.731-737, 1995
被引用文献数
1

The effect of gravity on fuel droplets burning interactively has been studied experimentally. Experiments on two droplets aligned horizontally were conducted both in normal gravity and in microgravity. Results show that in normal gravity, oxygen starvation between the flames is not as severe as in microgravity. Natural convection, which supplies oxygen to the flame, is stronger at a smaller initial separation distance when two flames exist separately. The instantaneous burning rate for the same normalized droplet diameter has a maximum in normal gravity when the initial separation distance is changed and decreases monotonically in microgravity with decreasing initial separation distance, except for the initial period of burning. Thus, the effect of gravity, which decreases the burning lifetime, is greatest at a certain initial separation distance.
著者
小林 淳 蔡 恩美 山中 修也 櫻 勇人 山本 隆太 加藤 宏平 高橋 義朗
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.507, 2016

<p>近年、光格子中の冷却原子に対する量子気体顕微鏡の技術が急速に進展している。我々はこれまでにYb原子の量子気体顕微鏡を作成に成功している。これによって光格子中での原子位置を1サイトの単位で決定することができる。今回我々はこの技術を分子に適用した。光格子中のYb原子に対する2光子光会合によって電子基底状態の分子を作成し、さらにその分子を原子に戻して観測することで、分子の量子気体顕微鏡による観測に成功した。</p>
著者
"香西 はな 矢野 博己 加藤 保子"
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.11-19, 2006
被引用文献数
1

"現在,小麦はアレルギーを引き起こす三大食品の一つとされており,更に食物依存性運動誘発アナフィラキシーの最多原因食品としても注目されている.これまで,小麦アレルギーとしては,Baker's Asthmaやセリアック病などがよく知られており,原因タンパク質としてはそれぞれ塩溶性タンパク質,グリアジンであるとの報告が多い.近年問題となっている小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)に関しては,ω-グリアジンであると報告されている.WDEIAの発症メカニズム解明のため,我々は,B10.Aマウスと卵白リゾチーム(Ly)を用いて,モデル実験動物系を確立した.各小麦タンパク質で感作したB10.Aマウスのアレルゲン投与後の疲労困憊運動時間は非感作群と比較して短く,更に,グリアジン次いでグルテニン群の小腸粘膜上皮組織の損傷は激しいものであった.マウスを用いて検討したWDEIAの原因タンパク質はグリアジン次いでグルテニンである可能性が高く,これらのタンパク質が小腸粘膜上皮組織を著しく損傷させ,体内へのアレルゲンの吸収も促進,更に,運動がこの損傷を増悪させることが考えられた.このような小腸粘膜上皮組織の損傷は,セリアック病でも観察され,セリアック病では,グリアジンの消化生成物であるペプチドがかなりの毒性ペプチドであることが報告されてきており,このようなグリアジンタンパク質の特性とWDEIAとの関係も示唆されるものであった.本報告では,小麦タンパク質とWDEIAに関して,これまで進められてきている研究の流れと,原因小麦タンパク質に関する情報を解説した."
著者
牧野内 猛 加藤 麻衣 大石 康雄 塚本 将康 武邑 圭司 大島 武 杉浦 武
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.2, pp.79-94, 2011 (Released:2011-06-02)
参考文献数
19
被引用文献数
1

安城市の地形は,碧海層からなる碧海台地と,その東側の矢作川低地,南西側の油ヶ淵低地に分けられる.市域の地下は,沖積層,碧海層,挙母層,東海層群などによって構成される.沖積層の海成粘土を堆積させた縄文海進は,台地に刻まれた細長い谷の中流部にまで達している.碧海層は,上半部が砂層,下半部は海成粘土層からなり,層厚16~36m,北東部で薄く南西部で厚い.下半部の海成粘土層は三角州の底置層,上半部の砂層は前置層で,海成粘土層を堆積させた海進は,南西の衣浦湾から浸入し,市域の西半部に広がった.碧海層の年代は,下半部の海成粘土層が120~95ka,上半部が95~70kaと推定される.挙母層は,その上部が砂礫層をはさむ砂泥互層からなり,固結度は碧海層よりかなり高い.挙母層の基底は,市域南西縁で標高-100m付近にあり,北東に向かって浅くなり,北東端部では-25m付近にある.東海層群は主として固結した砂泥互層である.西三河平野における地下地質の枠組みを,現時点における試案として提示した.
著者
村上 周三 小林 信行 鎌田 元康 加藤 信介 内海 康雄 吉野 博 赤林 伸一
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1993

1.はじめに省エネルギーを実現すると同時に清浄な空気環境の維持と快適性の向上を図るためには、従来の一様拡散の仮定ではなく、気流・濃度分布を考慮した換気効率の概念に基づく換気設計や換気システムの評価が必要である。そこで本研究は、換気効率を考慮した空調換気設備の評価方法の確立を目的として、文献調査、実験、数値計算、用語集の作成、測定マニュアル等の作成を行った。2.研究方法と結果(1)研究の現状調査国内外の文献と関連の規格、国際会議の研究動向等を調査し、換気効率の概念や評価法の実測例、実験例をまとめた。その結果、換気効率に関しては様々な概念があって、未だ確立されていない現状が明らかになった。(2)換気効率の概念について関連する用語集と一般的な換気システム図を作成し、各国での換気効率に関する用語の定義を整理した。(3)各種建物を対象とした換気効率の実測・セントラル換気システムを備えた住宅給気系ダクト入口にCO_2ガスを注入し、各室における濃度履歴を測定した。・実大居室模型空気齢を基にした各種測定法の精度・実用性などを実験的に検討した。・3室の縮小居室模型各室の換気効率を測定した基礎的なデータを得た。・事務所ビル単一ダクト方式を採用した事務所ビルの換気効率を実測した。(4)空気齢の測定方法に関するマニュアルの原案作成各種の実験や実測を基に、主要な換気効率指標である空気齢の測定法のマニュアル(原案)を作成した。(5)数値シミュレーション乱流計算プログラムによる空気分布に基づいて各種の換気効率指標の予測手法を検討した。3.まとめ換気効率の概念についての各国での研究の現状を明らかにし、関連用語集を作成した。また、各種建物について実験や数値シミュレーションを実施し、換気効率指標を計算した。これらに基づいて、主要な換気効率指標である空気齢の測定マニュアル案を作成した。
著者
松下 優 前 隆男 佛坂 俊輔 加藤 剛 塚本 伸章 小宮 紀宏 清水 大樹 戸田 慎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.603-606, 2016-09-25 (Released:2016-12-06)
参考文献数
9

大理石骨病に伴った大腿骨転子下骨折の1例について検討することを目的とした.大理石骨病は骨変性を伴わない骨硬化性疾患で,主に破骨細胞の機能不全が原因とされ,骨硬化と骨脆弱性をきたし,易骨折性・造血障害・脳神経症状等を起こす稀な疾患である.骨折の際は,遷延癒合・偽関節・感染等の合併症を起こしやすく,また術中操作においても,骨質が非常に硬いため難渋する.症例は57歳 女性.自宅の階段で転倒し右大腿部を受傷.20歳頃に大理石骨病を指摘されたことがあり,大理石骨病に伴う病的骨折の診断で観血的骨接合術を施行した.術後15週に遷延癒合が見られ,再度骨接合術を施行した.術後1年間は免荷の方針としたが,骨癒合を確認でき,現在杖歩行でのリハビリ加療中である.