著者
河内 淳 藤原 正利 林 靖江
出版者
日本信頼性学会
雑誌
信頼性シンポジウム発表報文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.69-72, 2010

最近のものづくり技術の進歩には目を見張るものがあり、結果として高品質でかつ低価格のものが大量に世界市場に供給され、現在の文明の繁栄にとって不可欠なものとなっている。一方、部品の故障による車のリコール、家電製品のPL(Product Liability)問題が多発し、消費者に不信と不安を与え、大きな社会問題になっている。また解決には莫大な費用を必要とし、経済的にも企業に大きな打撃を与えている。リコール、PL問題は解決すべき喫緊の課題である。リコールは論理的にゼロにできないのであろうか、本論文はこの疑問に応えるべく、製品故障のバスタブカーブの分析を行い、又、開発手順を分析した。その結果、バスタブカーブの偶発故障の要因を見極め、現在のものづくりの方法に内在する論理欠陥を排除することにより、故障ゼロのものづくり、即ちRecall-Free Productionが可能となることがわかった。
著者
相原 正男
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.233-240, 2012 (Released:2017-04-12)

発達障害は神経心理学的に前頭葉の機能障害であることが明らかになるにつれて、行動抑制やワーキングメモリモデルに基づく認知神経科学的研究が近年活発に行われてきている。発達障害の脱抑制が、サッケード、NoGo 電位、情動性自律反応などの神経生理学的手法から明らかとなってきた。さらに、将来に向けた文脈を形成するためには、適切な行動(抑制・促進)を随時意思決定する必要があり、その際情動性自律反応がbiasとして作用している。
著者
平澤 茂一 笠原 正雄
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.183-191, 2011-01-01 (Released:2011-01-01)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

誤り訂正符号の代数的復号法の一つであるユークリッド復号法について解説する.ユークリッド復号法はBCH符号やRS 符号の強力な復号法として知られ,数多くの適用例がある.まず,1950 年代に始まった誤り訂正符号の構成法の研究と,1960 年代から1970 年代にかけての復号法の研究の歴史をたどり,ユークリッド復号法の位置付けを行う.次に,ユークリッド復号法の概要を紹介する.最後に,この復号法発見に至る筆者らの当時の環境や様子を,研究者の立場から経験談に私見を交えながら述べる.
著者
川原 正人
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.37-44, 2020

<p> 本研究では大学生を対象として、居場所感とアパシー傾向がネット依存傾向にもたらす影響について検討した。今回の調査では先行研究に比べて高い依存傾向に含まる調査対象者の割合が多く、項目ごとの回答や尺度の平均得点で見ても上昇しており、大学生のネット依存傾向が強まっている可能性が示唆された。ネット依存と居場所感、アパシーの関連について検討したところ、アパシーとネット上での自己有用感がネット依存に影響を与えており、アパシーに対しては現実生活での本来感が影響を与えていることが明らかとなった。ネット上での自己有用感の直接効果よりも現実生活での本来感がアパシーを経由してネット依存に与える間接効果のほうが大きいことが確認され、ネット依存への対策として、ありのままいられる感覚を現実世界で見出すことがアパシーの低減につながり、それによってネットへの回避を和らげることが手がかりとして示された。</p>
著者
石原 正博
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.69-81, 1999-03-27 (Released:2018-04-25)

Harriet Taylor and J. S. Mill, in the late 1840's and early 1850's, just before and after their marriage, wrote a series of articles on injustice and cruelty, revealing their growing concern over the effects of male violence and authority sanctioned by law. Their intention was to drive legislators and judges to regard violence as a serious crime deserving severe punishment. My analytical approaches are based upon thoughts in their “joint productions”; sometimes Mill comments, “Very little of this article was mine”. This paper aims to shed light on Harriet Taylor's ideas and the formative process of Mill's thoughts.
著者
増田 真平 高橋 英之 栗原 正仁 山内 康一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回全国大会(2008)
巻号頁・発行日
pp.280, 2008 (Released:2009-07-31)

顔画像を推薦するシステムとして、従来はタグ情報を用いた手法が多用されて来た。しかし、この手法ではユーザーが複数のタグに対してどのように重みを付加しているか考慮できない.そこで本研究では他人が主観的につけた顔の評価値の平均値を疑似メタ情報として利用可能かどうかを考察した。
著者
藤原 正彦 小木曽 啓示 堀江 充子 浅本 紀子 榎本 陽子 小山 敏子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

代数多様体上の小さな領域(box)に含まれる、有理点の個数を評価した。exponential sumとこの個数との橋渡しとして、“Fujiwaraの方法"と呼ばれるものがあるが、その方法に依り、これまでより弱い条件下での、整数点の個数の上限を与えた。diagonalなものへの応用もした。ただし、有限体上の評価から、整数点へ移行する際のロスについては、革新的アイデアを得たが、まだ証明を完了していない。引き続き研究してみる予定である。一方、堀江充子は、ハッセのノルム定理を、部分体との関係から研究し、榎本は、有限群のp-ブロックを惰性剰余群の視点から研究し、小木曽は、最止、物理学との接触で興味を呼んでいるCalabi-Yau多様体について、3次元の場合の精細な研究を行なった。
著者
新納 浩幸 浅原 正幸 古宮 嘉那子 佐々木 稔
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.705-720, 2017-12-15 (Released:2018-03-15)
参考文献数
13
被引用文献数
8

我々は国語研日本語ウェブコーパスと word2vec を用いて単語の分散表現を構築し,その分散表現のデータを nwjc2vec と名付けて公開している.本稿では nwjc2vec を紹介し,nwjc2vec の品質を評価するために行った2種類の評価実験の結果を報告する.第一の評価実験では,単語間類似度の評価として,単語類似度データセットを利用して人間の主観評価とのスピアマン順位相関係数を算出する.第二の評価実験では,タスクに基づく評価として,nwjc2vec を用いて語義曖昧性解消及び回帰型ニューラルネットワークによる言語モデルの構築を行う.どちらの評価実験においても,新聞記事7年分の記事データから構築した分散表現を用いた場合の結果と比較することで,nwjc2vec が高品質であることを示す.