著者
鈴木 優 吉川 正俊
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.20-32, 2010-09-28

本研究では,Wikipedia において記事の信頼度を算出する際に,重要となる著者であるキーパーソンを簡易な方法で推定し,それら重要な著者の情報だけを利用して信頼度を算出することによって,すべての著者の情報を利用して信頼度を算出する方法よりも高速で精度の高い信頼度を算出する手法の提案を行う.これは,記事の大部分は少数の著者によって記述されているため,多くの著者の編集はその記事の信頼度には影響しないと考えることができ,それら多くの著者が行った編集を信頼度算出に用いないことにより,信頼度の算出にとって不要なノイズを除去することができると考えたためである.評価実験において信頼度が正しく算出できたかどうかを確かめた結果,確かに信頼度の精度が向上したことを確認することができた.さらに,提案手法を用いることにより,信頼度を計算するための計算コストを削減することも可能となった.
著者
古倉 宗治 大森 宣暁 佐藤 利明 吉川 泰生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_693-I_703, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
12
被引用文献数
1

自転車利用者のルールに対する意識や遵守の態度は低いとされる.本研究は,ルールの根拠,事故の発生場所や事故の態様,発生要因等の事故実態とこれに基づくルール遵守の必要性,不遵守の場合の不利益,他人の白い目による心理的圧力など,ルール遵守に効果が想定される内容を記したパンレットを試作し,これを添付して自転車利用者にアンケート調査を実施し,その効果を明らかにすることを目的とする.アンケート調査では,自転車の利用状況,ルールの遵守状況等の利用実態とともに,パンフレットの各内容を見たうえでのルール遵守意識等の効果などを質問し,教育啓発内容の差異によるルールの遵守意識の向上の可能性,及びルールの教育啓発の内容の有効性とともに,教育啓発の方法,講習会の方法等の的確な自転車の教育啓発のあり方を考察した.
著者
吉川 達郎
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.273-280, 2017-12-25 (Released:2017-12-25)

『Topcoder (トップコーダー)』は、2001年に米国にて競技プログラミング・コミュニティとして始まり、現在世界で100万人のデータサイエンティストプログラマー、UI/UXデザイナーを抱えるクラウドソーシング・コミュニティである。本稿では『Topcoder』を活用したNASA、ハーバード大学、IBMを含む世界の先進企業のオープンイノベーションの事例を紹介する。クラウドソーシングとして一般的な簡易なタスクの遂行ではなく、世界中のハイスキルなリソースを活用して、クイックなプロトタイピングや高難度課題の解決をサポートする『Topcoder』のシステムについても詳しく説明する。
著者
井福 正貴 井関 雅子 吉川 晶子 森田 善仁 小松 修治 山口 敬介 稲田 英一
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.9-14, 2011 (Released:2011-02-04)
参考文献数
14
被引用文献数
1

複合性局所疼痛症候群(CRPS)に有効な治療法は確立されておらず,難治性の慢性痛となることが少なくない.上肢のCRPSでは痛みに加えて日常生活に支障をきたすことも多い.そこで,当科で過去10年間に,上肢のCRPSで治療を受けた44名に,痛みの状態と,これまでの治療に対する満足度を知るために,アンケート調査を実施した.44名のうち22名(50%)から回答を得た.痛みが寛解していたのは2名だけであり,多くは発症から長期間経過した調査時点でも痛みが持続していた.患者を治療満足群(満足群)と治療不満足群(不満足群)に分けて検討した.満足群と不満足群で,痛みや痛みによる身体的な生活の質(QOL)に違いはなかったが,満足群に比べ,不満足群は,年齢が有意に高く,SF-36の結果で精神的健康度が低値であった.難治性の痛みでは,われわれが実施可能な治療に対する満足度を高めることは重要であるが,高齢者の上肢のCRPSでは,治療の満足度が低く,高齢者に適した治療法に加え,支持的・精神的アプローチの必要性が示唆された.
著者
佐藤 栄治 吉川 徹 山田 あすか
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.71, no.610, pp.133-139, 2006-12-30 (Released:2017-02-17)
参考文献数
18
被引用文献数
2 14

The purpose of this study is to develop a method for location planning of regional facilities. To this end, this article aims at formulating converted walking distance considering resistance of topographical features as well as changes in physical strength by age. Two types of converted distance, one based on dynamics and the other based on consumption calorie, are compared with direct distance and route distance in terms of user distribution of a regional facility in Tama New Town. The result shows that the converted distance based on consumption calorie gives the best model among the four types of distance.
著者
後藤 昌弘 山根 千弘 橋本 和弘 岩田 惠美子 畑 欣宏 吉川 政敏 浅見 孝志
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

<b>目的 </b>新たに開発されたセルロース複合麺を用いて,麺の性状や調理法が食味評価におよぼす影響と既存の低カロリー麺類とのちがいを官能検査や物性測定によって比較し,セルロース複合麺の特性や改善点を明らかにすることを目的とした。<br><b>方法 </b>配合割合が異なるセルロース複合麺(軟性麺,標準麺,硬性麺)を用い,かたさ,歯切れ,麺の食感,のどごし,総合評価の項目について官能検査(順位法,評点法)を行った。同時に破断強度をレオロメーター(山電RE2-3305B)により測定した。また,市販の糸こんにゃくやコンニャク粉,グルコマンナン,アルギン酸等を原料とする低カロリー麺類と同様の比較をした。<br><b>結果</b> 調理前の破断荷重は硬性麺が標準麺や軟性麺よりも大きかった。糸こんにゃくは標準麺と有意差がなかった。複合麺をゆでて調味したものを用いた官能検査では,総合評価やのどごしの項目で硬性麺よりも軟性麺,標準麺が好まれた。官能検査の評価の高かった標準麺と市販のコンニャク粉やアルギン酸を原料とする麺,糸コンニャクと比較すると硬さ,歯切れ,食感,のどごしの項目で市販品が好まれた。アルギン酸を原料とする麺との比較では,かたさ,麺の食感,のどごし,総合評価でセルロース麺が好まれた。しかし,いずれも総合評価では有意差は見られなかったことから,セルロース複合麺は,比較に用いた市販の低カロリー麺類と同様に受け入れられる可能性が高いと考えられた。
著者
植木 仰 吉川 沙耶花 鼎 信次郎
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.28, 2015

国際河川流域は,各流域国の間で農業,工業,生活,環境用水をめぐる争い(越境水紛争)の舞台となってきた.多くは流域国同士の話し合いにより解決する努力がなされてきたが,武力行使による軍事衝突が20世紀の間にアフリカと中東にて7件報告されている.人口増加や気候変動により世界規模での将来の水逼迫が深刻化した場合,稀少となった水資源を確保するために,国家間で政治的対立や武力衝突が頻発するリスクは否定できないため,水逼迫と水紛争の関係性を定量的に分析することは大変重要な課題であると言える.そこで,本研究では全球水資源モデルから推定された水逼迫指標を用いた過去の水逼迫状態や考えられる過去の水紛争要因から国際河川流域における越境水紛争生起確率モデルを構築した.構築されたモデルは概ね良好な予測性能を有すると言える結果となった.しかし,モデル構築に関して仮説の設定や説明変数の選出にはまだまだ検討の必要な課題があり,今後も情報収集を進めて,モデルの改良に取り組む予定である.
著者
吉川 理恵 藤川 真章 山本 利憲 堀井 郁夫
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第32回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.43, 2005 (Released:2005-06-08)

近年医薬品開発における安全性評価は、多種類の化合物を短期間に評価することが求められており、in vivoの毒性を反映するin vitroスクリーニング系の確立が必要とされている。前回,医薬品開発において問題視される肝毒性を標的とし、肝細胞における毒作用のスクリーニング系確立のためのbiomarker探索を目的として、初代培養肝細胞のプロテオミクス解析を行ない,ミトコンドリアに存在する代謝関連タンパク質や酸化ストレス関連タンパク質の変動を認めたことを報告した。今回,肝毒性を惹起することで知られている各種化合物の単回投与ラット肝細胞を用いて酸化ストレス関連タンパク質の免疫組織学的検出を試み,in vitro プロテオミクス解析の結果とin vivo病理組織学的および免疫組織学的検索結果を比較することによりin vitroおよびin vivo肝毒性の発現の相違を比較検討した。その結果,投与後24時間において,アセトアミノフェンおよびテトラサイクリン投与肝において,化合物に特徴的な肝毒性を再現することができた。また,全ての群において発現の増減が共通する酸化ストレス関連タンパクはみられなかったが,いずれの化合物を投与した肝細胞においても投与後6時間より何らかの酸化ストレス関連タンパクの増加を認めた。これらの酸化ストレス関連タンパク質はミトコンドリア呼吸の調整に関連して動くことが知られており,形態学的変化は軽微であっても,細胞の機能低下が起こっていることが明らかになった。
著者
呉 修一 山田 正 吉川 秀夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B (ISSN:18806031)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.231-245, 2009 (Released:2009-09-18)
参考文献数
41

本論文は,物理的観点に立脚した降雨流出機構の解明および様々な流域に普遍的に適用可能な降雨流出計算手法の構築を目的とし,有効降雨に対して実測流量データから逆推定を行ったものである.実測流量データから求めた有効降雨と流域の保水能分布から求めた有効降雨の比較を行うことにより,有効降雨の時間変動特性および物理的解釈に対して考察を行った.これにより,有効降雨の物理的解釈は降雨の形で有効降雨をとる場合と流出寄与域の形で有効降雨をとるという二つのタイプを考える必要があることを示した.また,累積降雨量に応じた流出寄与面積,流出寄与斜面長の変動を考慮した流出計算手法を新たに提案し,草木ダム流域へ実際に適用することでその合理性・実用性を示した.
著者
[吉川盛信] [画]
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
vol.巻之第1-4, 1700
著者
清水 智弘 吉川 眞 瀧浪 秀元 御崎 哲一 髙橋 康将 中山 忠雅 内田 修 近藤 健一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:22489622)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_45-I_53, 2013 (Released:2014-03-19)
参考文献数
11
被引用文献数
9

適切に橋梁構造物を維持管理していくためには,各種データを一元管理する必要がある.JR西日本では通常のメンテナンスは展開図を参照することによって検査,補修が行われている.しかし,変状もしくは補修の位置や形状を記録する維持管理用の展開図は,寸法のない模式図である.さらに,検査と工事で共通に使用できず,時系列管理を行いにくいという課題がある.そこで,著者らは,3Dモデルを活用した橋梁維持管理システムを開発した.また, 点検や修理を管理するための展開図を簡単に作成できるシステムを開発した.さらに,本システムの有効性を確認した.
著者
玉城 龍洋 朝川 恭子 宮川 葉子 吉川 周二
出版者
宇部工業高等専門学校
雑誌
宇部工業高等専門学校研究報告 (ISSN:03864359)
巻号頁・発行日
no.55, pp.9-11, 2009-03

We study the one-dimensional car following model with optimal velocity (OV model) which was proposed in [5]. The model consists of simple ordinally differential equations, but provides the essential property for queue dynamics arising in traffic jams. In this article, we propose the generalized version of OV model and give numerical results and some comments for our model.