著者
吉田 雄樹 黒田 清司 和田 司 奥口 卓 遠藤 重厚 小川 彰
出版者
日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.179-186, 2003-04-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

1996年1月から2002年4月までの期間に,初回CTにて急性硬膜下血腫およびそれに伴う脳腫張が主病変であり,GCSが10以下もしくはmidline shiftが10mm以上であった重症例52例に対し,救急外来での穿頭による血腫除去術を行った。52例中42例は搬入時既に瞳孔異常を伴う脳ヘルニア状態を呈していた。穿頭術のみによる血腫除去率は平均で69%であり,なかでもCT所見にて低吸収像の混在するmixed densityを呈する症例ほど除去率が高かった。穿頭術後に瞳孔所見や意識の改善が36例(69.2%)に認められた。穿頭術のみで脳圧管理が可能であった症例は13例であった。全症例の転帰は,GOS評価でGR 6例,MD 6例,SD 4例,PVS 4例,D 32例であった。さらに術式別にみると,穿頭術のみではGR 6例,MD 4例,SD 1例,D 22例であり,開頭術を追加されたものはMD 2例,SD 3例,PVS 4例,D 10例であった。穿頭血腫除去術は,急性硬膜下血腫に対しては効果的でかつ迅速に行える方法で,重症頭部外傷例においても施行可能な手技である。ゆえに救急外来での穿頭血腫除去術は,重症急性硬膜下血腫例に対して試みるべき方法であると思われた。
著者
吉田 雄一 中山 樹一郎
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.69-74, 2007 (Released:2007-03-05)
参考文献数
8

難治性の慢性そう痒性皮膚疾患に対する塩酸エピナスチンの有用性,安全性の検討を行った。他剤による前治療でコントロール不十分の比較的罹病期間の長い患者に対し塩酸エピナスチン1日1回(20mg)もしくは1日2回(40mg)の切り替え投与を行った。投与開始1週間後より両群において皮疹の程度,そう痒とも有意な改善がみられ,4週間投与にて著明な改善がみられた(92%)。安全性に関しては40mg投与群においても特に重篤な副作用は認められなかった。以上の結果より,各種難治性慢性そう痒性皮膚疾患の治療に本剤の20mgまたは40mg切り替え投与は有用であると考えられた。
著者
佐々木 輝夫 吉田 雄樹 大間々 真一 菊地 康文 小笠原 邦昭 遠藤 重厚 小川 彰
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.282-287, 2009

外傷性椎骨動脈閉塞は交通事故によるものが多いが,近年スポーツに伴う報告が散見される。相撲の稽古中に発症した 2 例を報告する。症例 1 は17歳の男性で相手の胸に前額部を強打し頭痛・嘔吐を主訴に来院した。magnetic resonance imaging(MRI)で右posterior inferior cerebellar artery(PICA)領域の多発性脳梗塞,magnetic resonance angiography(MRA)・脳血管撮影検査で右椎骨動脈閉塞を認めた。症例 2 は16歳の男性で張り手を顔面に受け,後頸部痛と回転性のめまい,左上下肢のしびれが出現したため受診した。MRIで右延髄外側の脳梗塞,MRA・脳血管撮影検査で右椎骨動脈閉塞を認めた。 2 症例とも外傷性椎骨動脈閉塞に伴う脳梗塞の診断でエダラボンの点滴加療を行い,神経学的脱落症状なく自宅退院した。頭頸部の回旋,過伸展に伴う外傷性椎骨動脈閉塞はスポーツに伴う若年者の閉塞性血管障害の原因の一つであり,スポーツ医学の見地から救急医に注意を喚起する意味で報告する。

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著者
吉田雄吉 訳
出版者
正教会
巻号頁・発行日
1914
著者
野間 晴雄 森 隆男 高橋 誠一 木庭 元晴 伊東 理 荒武 賢一朗 岡 絵理子 永瀬 克己 朴 賛弼 中俣 均 平井 松午 山田 誠 山元 貴継 西岡 尚也 矢嶋 巌 松井 幸一 于 亜 チャン アイン トゥアン グエン ティ ハータイン チャン ティ マイ・ホア 水田 憲志 吉田 雄介 水谷 彰伸 元田 茂光 安原 美帆 堀内 千加 斎藤 鮎子 舟越 寿尚 茶谷 まりえ 林 泰寛 後藤 さとみ 海老原 翔太
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

東アジア世界に位置する歴史的地域としての東シナ海,日本海,黄海・渤海・中国東北地方,広義の琉球・ベトナム,朝鮮半島の5つの部分地域として,環東シナ海,環日本海沿岸域の相互の交流,衝突,融合,分立などを広義の文化交渉の実体としてとらえる。それが表象された「かたち」である建築,集落,土地システム,技術体系,信仰や儀礼,食文化等を,地理学,民俗建築学,歴史学・民俗学の学際的研究組織で,総合的かつ複眼的に研究することをめざす。いずれも,双方向の交流の実体と,その立地や分布を規定する環境的な側面が歴史生態として明らかになった。今後はこの視点を適用した論集や地域誌の刊行をめざしたい。
著者
杉本 直樹 多田 敦子 末松 孝子 有福 和紀 齋藤 剛 井原 俊英 吉田 雄一 久保田 領志 田原 麻衣子 清水 久美子 伊藤 澄夫 山崎 壮 河村 葉子 西村 哲治
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.19-27, 2010
被引用文献数
8 21

天然着色剤として広く用いられているコチニール色素の主成分であるカルミン酸の絶対定量に定量NMR(qNMR)を応用した.各社より試薬カルミン酸が販売されているが,その純度が正確に値付けられていないため,この市販試薬を定量用標準品の代用品としてHPLCにより定量した場合,信頼性の高い分析値は得られない.そこで,我々は国際単位系(SI)にトレーサブルな絶対定量法の1つとして,NMRスペクトル上に観察されるシグナル強度がその核のモル量に正比例することを原理としたqNMRを開発している.qNMRによるカルミン酸の絶対定量を以下のように行った.認証標準物質フタル酸水素カリウムを用い,qNMR標準液中の基準物質2-ジメチル-2-シラペンタン-5-スルフォン酸-<i>d</i><sub>6</sub>ナトリウム塩(DSS-<i>d</i><sub>6</sub>)の濃度校正し,カルミン酸のフェニルプロトンとDSS-<i>d</i><sub>6</sub>のメチル基に由来する9つのプロトンとのシグナル強度比より,コチニール色素製品および試薬製品中のカルミン酸の含量(純度)をカルミン酸カリウム塩3水和物として絶対定量した.その結果,コチニール色素製品および市販試薬中に4.6~30.5%および25.3~92.9%含有されていることを明らかとした.qNMRによる絶対定量は,1測定当たりの所要時間が約10分と極めて迅速であり,測定対象の化合物と同一の定量用標準品を必要としないだけでなく,SIにトレーサブルな分析値を導く点が優れている.また,qNMRは,あらゆる有機化合物の絶対定量にも応用可能であり,分析値の信頼性向上のための重要な1つのツールとしてなりうるものと思われる.
著者
添田 勝真 宮下 寿幸 小島 展人 吉田 雄一 浅野 一志 山崎 克之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.421, pp.17-22, 2010-02-12
被引用文献数
2

除雪作業時は道路状況の把握が困難である。状況を把握しないままでは設備の破壊や運行への支障などの問題を生じる可能性がある。本研究はこれらの問題を解決する為の除雪車支援システムの研究を行ったものである。本研究の提案システムはRTK-GPSという高精度位置測位技術を用いている。これを用いた既存システムは測量など固定用途に限られている。本研究では、除雪車という移動体に適用する為のシステムの実験と開発・評価を行った。研究の結果、既存システムが用いるTCPは移動体向けとしては適当ではなく、UDPが適当であることを明らかにした。UDPを用いたRTK-GPSデータ配信プログラムを開発し、基本性能を評価した。
著者
竹中 康治 加藤 一誠 村上 英樹 手塚 広一郎 吉田 雄一朗 浦西 秀司 辻本 勝久 乾 友彦 乾 友彦 井尻 直彦 呉 逸良 轟 朝幸 村上 英樹 松本 秀暢 手塚 広一郎 吉田 雄一朗 辻本 勝久 浦西 秀司 三枝 まどか
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本の航空・空港政策には改善すべき点が多い。まず, 航空の自由化は経済学的にも望ましいことが証明された。なぜなら, 二国間協定よりも多国間協定の方が経済厚生は大きくなり, 低費用航空会社の参入も経済厚生を改善するからである。そして, 規制の強化ではなく, 市場を通じた航空会社の安全性の向上も可能である。また, 空港政策については必ずしも所有・運営に民間の参入が望ましいとはいえない。同時に, 格付けのあるレベニュー・ボンドには空港の運営規律を維持する作用があることも明らかになった。
著者
駱琴 渡邉 豊英 吉田 雄二 稲垣 康善 齊藤 隆夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.12, pp.1755-1767, 1990-12-15
被引用文献数
13

図書館業務に計算機を導入して より多様な情報サービス より効率的な業務処理を実現することが積極的に試みられているしかし 膨大な書誌情報をいかに効率よく計算機に入力するかが大きな課題となっているこのために 図書目録カードから目録情報を自動的に抽出し 各項目ごとに分類する方法が必要である本論文では 図書目録カードに付帯する様々な知識を活用して目録情報を自動的に分類・抽出するトップダウン的なアプローチを提案する本アプローチの基本的な戦略は書式構造 項目の並び関係 各項目に関する知識を段階的に かつ独立に適用することによって 仮説の生成・検証プロセスの下に項目を順次決定し 処理する今までに報告されている同課題の処理手法と比べて 本アプローチは処理対象の書式構造 論理構造をあらかじめ記述しておくことにより 種々の図書目録カードに対処できるすなわち 構造的な変形 記述形式に変化を有した図書目録カードにも対処でき 応用性 適応性 柔軟性に富んでいる