著者
的場 直人 吉田 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.93-101, 1995-03-25
参考文献数
7
被引用文献数
21

移動通信のマルチメディア化に伴い,今後フェージング通信路における画像伝送がますます重要となる.本論文では,画像符号化と通信路符号化の両者を統合した,より高能率の符号化に関して考察を行う.具体的には画像符号化にJPEGプログレッシブ方式を用い,通信路誤りが画質に与える影響の大小に応じて,DCT変換係数やそのビットプレーンをグループ分割し,不均等な通信路符号化レート割当てを行う,階層的画像伝送を提案する.そしてこの方式について計算機シミュレーションにより評価,検討を行う.その結果,均等に通信路符号化レートを割り当てる方式に比べ再生画像の劣化を抑えることが可能であることを明らかにする.
著者
吉田 周平 星野 厚 浜中 雅俊
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2010-MUS-86, no.19, pp.1-6, 2010-07-21

本論文ではTwitterへの単旋律データの投稿と,これらを素材として再利用することで作曲を行うことのできるシステムについて述べる.素材の再利用によって作られた曲データは再びTwitterに投稿でき,また改編可能にすることで未完成状態での投稿や,作曲の過程を共有することができる.多くの作曲システムは一人で作曲することが前提のシステムとなっており,素材データの作成,共有という概念はなく,プロの作った素材を購入して使用するのが一般的となっていた.そこで我々はTwitterのつぶやきのような気軽さで旋律を投稿でき,ユーザー同士のつながりを生かした多人数参加型の作曲システムを設計することを考えた.具体的にはデータ形式としてMML(Music Macro Language)を採用することで,テキストで音楽を表現することを可能とした.そして素材の作成からTwitterへの投稿,投稿された素材を利用した作曲とその曲のTwitterへの投稿,さらに投稿された曲の改変までを統合的に行えるシステムを実装した.
著者
片岡 朋子 片岡 裕 上園 一知 辰巳 丈夫 吉田順一 筧 捷彦 小原 啓義
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.15, pp.61-66, 1996-01-27

蒙古(関連)語は、複数の異なるタイプの文字群で記述されてきた。これらの文字群は、極めて複雑な正書法を持つため、文字コード化及び計算機処理化が進んでいなかった。特にこれらの文字群は、歴史的経緯により、縦書きと横書きでの混在処理が必要とされる。全世界の文字を分析し、一文字の定義と文字を構成する情報を得た。これにより複雑な正書法をもつ蒙古文字に最適な文字コードを決定することができた。この結果、国際化の一環として、蒙古文字を含む全ての文字の混在文書の、単一的機構による一般化した入出力・文書処理が可能となった。Mongolian related languages have been transcribed in different types of scripts which have complicated orthographies - such complexities have inhibited encoding into codesets and text manipulation on computer systems. And it is essential to mix those scripts in both vertical and horizontal directions particularly for historic reasons. Analyses of the scripts in the world have clarified the definition of one character and its constructive information, which made it possible to assign the optimal character codeset(s) for Mongolian scripts having complicated orthographies. As a result, mixed texts of any scripts including Mongolian ones were able to be given generalized I/O and Text Manipulation as internationalization.
著者
武藤 史弥 吉田 麻里 堀江 匠 早川 正士 PARROT Michel
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.210, pp.13-18, 2007-08-30

近年地震にともなって電離層が擾乱を受けることが明らかになってきている.本報告では仏国の地震電磁気専用衛星DEMETER上での送信局VLF/LF電波の強度測定に基づき,地震に伴う前兆的電離層擾乱の検出を目指す.2005年の日本国内での比較的大きな(マグニチュード5.5以上)地震(特に,8月16日の宮城県沖地震を中心に)に伴う前兆的電離層擾乱を日本の標準電波JJY局(40kHz)電波の受信により明らかにした.地震の一週間前後前より信号強度が顕著な減少を示している.これはLF電波のホイスラモードでの擾乱電離層(特にD層での異常)透過に伴う吸収増加として説明できる.
著者
木村 純二 岡田 安芸子 吉田 真樹 朴 倍暎 岡田 安芸子 吉田 真樹
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、西洋の哲学が理性主義的な人間観を基調としているのに対して、日本では伝統的に人間を感情的存在として捉えていることを鑑み、日本人の情念の理解について、仏教や儒教・神道・文芸作品等の思想潮流の全体に渡って総合的に考察しようと試みたものである。その際、『源氏物語』を一つの焦点とすることで、体系的連関のある研究にまとめることに心掛けている。本研究の最も主要な成果は、学術雑誌『季刊日本思想史』第80号に6本の論文として掲載される。
著者
山本 政幸 ジェームズ モズリー ルース クリブ 指 昭博 後藤 吉郎 吉田 公子
出版者
多摩美術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、20世紀イギリスにおける近代的なグラフィックデザインの形成プロセスの一端を、タイポグラフィの視点から明らかにすることである。とくに1920年代後半から30年代にかけて流行した幾何学的な構造をもつ新しいサンセリフ体活字の設計手法に注目し、イギリスでこの活字書体を発展させたエドワード・ジョンストン(Edward Johnston, 1872-1944)とエリック・ギル(Eric Gill, 1882-1940)の制作活動を把握し、背後にあった造形思想の実態を探った。両者が継承したアーツ&クラフツ運動の精神性が、機械化と大量生産に対応してゆく独自のデザイン観に至る経過をたどり、イギリスにおけるモダン・タイポグラフィの発達に貢献したことを確認した。
著者
吉田 寿夫 村山 航
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.32-43, 2013
被引用文献数
5

これまで, 「学習者は専門家が学習に有効だと考えている方略を必ずしも使用していない」ということが, 学習方略の研究者によって示唆されてきた。本研究では, こうした実態について定量的に検証するとともに, なぜこうしたことが起きるのかに関して, 「コスト感阻害仮説」, 「テスト有効性阻害仮説」, 「学習有効性の誤認識仮説」という3つの仮説を提唱し, 各々の妥当性について検討を行った。また, その際, 先行研究の方法論的な問題に対処するために, 学習方略の専門家から収集したデータを活用するとともに, 各学習者内での方略間変動に着目した分析を行った。中学生(<i>N</i>=715)と専門家(<i>N</i>=4)を対象にした数学の学習方略に関する質問紙調査を行い, それらのデータを分析した結果, 実際に学習者は専門家が学習に有効だと考えている方略を必ずしも使用していないことが示された。また, 学習有効性の認識に関して専門家と学習者の間に種々の齟齬があることが示されたことなどから, 学習有効性の誤認識仮説が概ね支持され, どのような方略が学習に有効であるかを学習者に明示的に伝える必要性が示唆された。
著者
泊 真児 吉田 富二雄
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.77-89, 1999
被引用文献数
1

The purpose of the present study was to investigate the seven functions of private space (Tomari & Yoshida, 1998a) with respect to affect and use of place. Five hundred and eighty-six under-graduates completed a questionnaire concerning affect, use of place and the functions of private space. The major findings were as follows: (1) Depressive feelings and irritation were positively related to both the need for space for changing one's mood and introspection. (2) Outdoor spaces can function as places allowing introspection and self-change; spaces to be alone, allowing tension reduction and change in mood. These results suggest that place can be actively used to achieve the functions of private space according to one's emotional state.
著者
鈴木 文菜 吉田 泰将 村山 光義 内山 孝憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.98, pp.11-16, 2008-06-13

本研究は,3軸加速度センサを剣道で使用する竹刀の先端部に取り付け,剣道の熟練者と初心者の素振りの違いを定量化し,初心者や技術の向上を目指す人のための練習支援システムを開発することを目的とする.現在,運動解析は主に,画像解析によって行われている.しかし,多数の高速度カメラを必要とし,専用の施設で計測する必要がある.また,データ処理に膨大な時間を必要とする.それに対して,本システムは,加速度センサを用いることにより,短時間で処理出来るため,実際の指導現場において有用な運動解析法であると考えられる.画像解析による結果を比較することにより,本研究は,振り降ろし方向の加速度が10%から90%に変化する時間(評価指標:T_2)と躍度(評価指標:Jerk)が,熟達度を評価出来る指標であることを示した.
著者
中野 聡 吉田 裕 宮地 尚子 林 博史 永井 均 笠原 十九司 ハーバート ビックス リカルド ホセ リディア ホセ ヤン ダーチン フロレンティーノ ロダオ マイケル サルマン アウグスト エスピリトゥ 戸谷 由麻 ロリ ワット 寺見 元恵 荒沢 千賀子
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

第2次世界大戦末期の「マニラ戦(1945年2月3日. 3月3日)」の実像と記憶を学際的・総合的に検討し、さらにその研究成果を国際研究集会などにより公開・社会還元することにより、日・比・米など関係諸国間で戦争の過去をめぐり「より質の高い対話と和解」を可能にする学術基盤の整備を推進した。
著者
吉田 美佳 池田 宏 Yoshida Mika Ikeda Hiroshi ヨシダ ミカ イケダ ヒロシ
出版者
筑波大学水理実験センター
雑誌
筑波大学水理実験センター報告 (ISSN:0385907X)
巻号頁・発行日
no.24, pp.73-79, 1999

栃木県烏山町に龍門の滝と呼ばれる滝がある(第1図).ほぼ垂直な崖を水が落ちるこのような滝はあちらこちらにあるように思われがちであるが,沢登りの対象とされるような急勾配の谷の小滝を除くと,かなり大きな川の,しかも崖がほぼ垂直な滝(湯布タイプの滝,直瀑)というと,たとえば,関東平野では日光の華厳の滝 ...
著者
山崎 洋一 吉田 泰隆 元木 誠
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp."1P1-D04(1)"-"1P1-D04(2)", 2010

Antenna Hair-type Object for Generating Empathy (AHOGE) is proposed as a familiarity expressive element for helping existing Robot Technology(RT) and IT system, where AHOGE expresses mentality motions based on posture element on nonverbal communications, and then encourages close communication between human and RT IT systems. AHOGE will be applied to communication robots and Internet appliance which work in living environment.
著者
大保木 輝雄 魚住 孝至 立木 幸俊 吉田 鞆男 仙土 克博 八坂 和典 柳田 勇 伊藤 毅
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

平成24年度から中学校保健体育科目の武道が必修となった。それにともない、武道の伝統的特性を解り易く説いた教材の開発が急務である。しかしながら現代武道は、戦後、スポーツ宣言をし、競技として発展させ、伝統的特性を排除する方向で推進されてきたのが現状である。本研究は、不明瞭となった武道の伝統的特性を明確にするために、古流武術に共通する身体技法に着目し、その実践を通じて武道の伝統的特性を学ぶことのできる教材の可能性を提示するものである。
著者
白子 準 吉田 宗弘 押山 直人 和田 康孝 中野 浩史 鹿野 裕明 木村 啓二 笠原 博徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.147-158, 2006-09-15
参考文献数
27
被引用文献数
11

半導体集積度の向上にともなう消費電力の増大,集積トランジスタ数の増化に対する処理性能向上の鈍化に対処するため,チップ上に複数のプロセッサを集積するマルチコアアーキテクチャ(チップマルチプロセッサ)が大きな注目を集めている.このようなマルチコアアーキテクチャの能力を最大限に引き出し,高実効性能・低消費電力を達成するためには,プログラムの適切な並列化に加えチップ上のリソースのきめ細かな電圧・動作周波数制御を実現するコンパイラが必要不可欠である.本論文では,各プロセッサコアが等価であるOSCARタイプのマルチコアプロセッサにおいて,各プロセッサの電源のON/OFF・周波数電圧制御(FV制御)をマルチグレイン並列化環境下でコンパイラが適切に判断し低消費電力化を行うコンパイル手法を提案する.提案手法を実装したOSCARコンパイラにより,科学技術計算とマルチメディアアプリケーションに対する評価を行った結果,SPEC CFP95 appluにおいて4プロセッサ使用時に最小実行時間を維持したまま60.7%の消費エネルギー削減,MPEG2エンコーダにおいて4プロセッサ使用時にデッドライン制約を保証したまま82.7%の消費エネルギー削減が達成された.A chip multiprocessor architecture has attracted much attention to achieve high effective performance and to save the power consumption, with the increase of transistors integrated onto a chip. To this end, the compiler is required not only to parallelize program effectively, but also to control the volatage and clock frequency of computing resources carefully. This paper proposes a power saving compiling scheme with the multigrain parallel processing environment that controls Voltage/Frequency and power supply of each core on the multiprocessor. In the evaluation, OSCAR compiler with the proposed scheme achieves 60.7 percent energy savings for SPEC CFP95 applu using 4 processors without performance degradation, and 82.7 percent energy savings for MPEG2 encoder using 4 processors added deadline constraint.