著者
吉田 昌幸
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.69-87, 2012-07-12

本論文は, 地域通貨導入過程における課題のひとつである, 地域通貨に関する周知や理解の深化に対して, ゲーミング・シミュレーションという手法を採用し, ゲームの設計とその実施結果について考察をしたものである。地域通貨導入過程においては, 地域通貨の周知や理解, 発行形態や流通デザインの策定, 発行組織・体制の構築という課題がある。これらの課題を解決していく上で, 地域住民・リーダー層・研究者との間で共通のビジョン(地域通貨のある地域社会像)の醸成とその共有が欠かせない。本論文では, 地域通貨の学習ツールとして地域通貨ゲームver.2を作成し, その実施結果を流通状況と参加者へのアンケート結果を併せて考察を加えている。
著者
吉田初三郎 著
出版者
観光社
巻号頁・発行日
1925
著者
深見 武史 堤内 亮博 井上 雄太 吉田 幸弘 村川 知弘 中島 淳
出版者
The Japanese Association for Chest Surgery
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.444-447, 2012-05-15
被引用文献数
1

症例は62歳,男性.1953年(8歳時)に甲状腺腫で甲状腺右葉切除後,1955年に全肺野の粟粒状陰影と頚部リンパ節腫脹を指摘された.リンパ節生検と右肺S<sup>3</sup>部分切除術が施行され,甲状腺乳頭癌肺転移,リンパ節転移と診断された.化学療法と放射線外照射施行後も変化は乏しく,経過観察となった.2008年5月検診にて前立腺癌を疑われ,精査中,胸部X線にて左肺腫瘤影を認めた.前立腺生検にて前立腺癌は否定されたが,胸部CTにて左肺上葉に21 mm大の不整な結節と両肺に数mm大の小結節を多数認めた.原発性肺癌もしくは甲状腺癌肺転移を疑い,確定診断目的に胸腔鏡下左上葉部分切除を施行.甲状腺癌肺転移とその多発陳旧性病変との診断を得た.甲状腺癌術後30年以上経過して再発する症例は稀であり,本症例が最長であった.

2 0 0 0 OA 長門峡鳥瞰図

著者
吉田初三郎 著
出版者
長門峡管理組合
巻号頁・発行日
1925
著者
酒井 昭 吉田 静夫 大塚 宏二
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.9-16, 1967-01-25

霜害に及ぼす朝日の影響を調べるために, 5年生トドマツを用いて実験室で融解速度と被害の関係を, 現地では霜日に朝日があたった場合の融解速度を調べた。凍害に及ぼす融解速度の有害な作用は芽の開舒が進むにつれて著しくなる。芽が開舒する直前のトドマツでは, -4℃で1〜2時間凍結後, 15℃以下の空中でゆっくりとかす時(融解速度0.8℃/分以下)は害がほとんど認められないが, 約20℃の外気温の時, 直射日光にさらす時(融解速度約2.0℃/分), または5℃の水中に浸す時(融解速度約4℃/分)には, トドマツの芽は著しい害を受ける。しかし, -4℃で凍結したトドマツを0℃に約50分おいて芽の温度が0℃近くになってから直射日光, または5℃の水中に入れても害はほとんど認められない。さらに, -4℃で凍結後-3°, -2°, -1°および0℃まで温度をあげて1時間各温度においてから5℃の水中に入れる時は, -1℃以下, ことに-2℃以下の凍結状態から5℃の水中に入れる時に著しい害があらわれる。凍結に及ぼす融解速度の影響は, 芽だけでなく, 皮層部, 材部にも認められる。現地で霜日に凍っている芽に朝日があたってとける速さは約0.5℃以下である。融解速度が1℃/分をこえない時には, 開舒時期のトドマツは有害な影響をほとんど受けないという実験事実から考えて, 霜日に朝日が有害な作用を及ぼすことは少ないものと考えられる。
著者
吉田 明央 生田 かおり 大野 泰男 佐藤 誠 鈴木 信吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.620, pp.1-4, 2005-01-20
被引用文献数
6

一般的に携帯電話などに搭載されている液晶ディスプレイは自己発光しないので背面に配置したLEDバックライトを光源としている。LEDはCCFLのような線状発光とは異なり点発光である為に、組み込んだLEDとLEDとの間の光量が少なくなり暗部が発生しやすくなる問題がある。これは液晶ディスプレイを点灯表示させるとLED近傍で明暗の輝度ムラとして視認されやすい。そこで、このLED間に発生する暗部を解消する方法について述べる。
著者
吉田 光男 乾 孝司 山本 幹雄
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.2502-2512, 2013-12

ブログページには,Web検索エンジンなど機械的にページを処理するシステムにおいてノイズになる部分が含まれる.そのため,ブログのコンテンツを利用するためには,コンテンツの抽出処理が必要になる.さらに,ブログのコンテンツは,ポストと呼ばれるブログの書き手によるコンテンツと,コメントと呼ばれるブログの読み手によるコンテンツに二分できる.ポストとコメントの存在はブログの特性の1つであり,ブログの特性を活用するシステムや研究では,ポストおよびコメントを別々に抽出できていることが望ましい.本論文では,ブログページ集合を用いることにより,ポストとコメントを自動的に分離抽出する手法を提案する.複数のブログ記事ページを含むあるブログサイトにおいて,ポストはすべての記事ページに出現するが,コメントはいずれかの記事ページにしか出現しないという点に着目し考案した.また,本手法のアルゴリズムを実装したソフトウェアを用いて実験を行い,日本語ブログサイトに対しての有効性を検証し,コンテンツをポストおよびコメントに分離できることを確認した.Content extraction is necessary to use blogs as data for Web search engines, because blog pages are excessively added noisy parts such as menus, advertisements and copyright notices. Most of the blog contents are texts, and those can be divided in two parts, posts and comments. A post is a content written by the blog owner and a comment is piece of text written by readers in response to the owner's post. In this paper, we propose a simple method to extract the posts and comments separately from series of blog pages, whose posts are all written by the same owner. The proposed method is based on the assumption that although posts appear in all blog pages, comments do not. We describe experimental results to show good performance of the proposed method using real Web pages of the blog sites in Japanese.
著者
野口 周作 望月 徹 吉田 奈央 上野 ひろむ
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.79-85, 2013 (Released:2013-06-05)
参考文献数
9

病院の感染制御において,薬剤耐性菌対策は重要な問題である.当院では2004年8月にInfection Control Team (ICT)が発足して以来,段階的に抗菌薬適正使用強化策を行った.その取り組みと効果について検討し,若干の知見を得た.2007年にオーダリングシステムと連動した特定抗菌薬使用届出制導入をはじめ,2010年より積極的に症例に関わる方法としてICT抗菌薬ラウンド導入に至るまで段階的に強化策を行った.その効果判定の指標として,カルバペネム系抗菌薬の使用量,投与日数,緑膿菌の感性率及び多剤耐性緑膿菌(MDRP)の年間検出件数を調査した.カルバペネム系抗菌薬の使用量は,1277バイアル(V)(2004年11月)から327V(2010年6月)に,平均投与日数は8.40日(2006年)から5.97日(2010年)に減少し,緑膿菌のmeropenemに対する感性率は72%(2008年)から90%(2011年)に回復した.MDRPの年間検出件数は28件(2008年)から1件(2011年)に減少した.段階的強化策を講じたことで,大きな問題なく医療従事者の抗菌薬適正使用に対する意識を高めることができ,緑膿菌の薬剤感受性の回復とMDRP検出件数の顕著な減少効果が表れたと考える.本結果を踏まえ,今後はより高い水準の抗菌薬適正使用と感染症治療支援に携わっていきたい.
著者
山本 博 吉川 省子 吉田 正則 石原 暁
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.478-486, 2008-10-05
被引用文献数
3

扇状地は、地下水が扇頂で涵養され扇央では地下水面までの深さが深く、扇端で地表に流出するため、農業的には扇頂では河川から、また扇端では湧水帯からの利水が容易であるが、扇央では地下水位が低いため畑地としての利用が多い。扇状地ではこうした利水の一般的特徴をもつが、香川県の瀬戸内海側に位置する扇状地では出水(ですい)と呼ばれる浅層地下水の湧水があり、扇央においても浅層地下水を引き出して水田への灌漑用水として利用している。このため干ばつ時に、湧水を利用して下流の水田へ水を供給し干ばつの進行を防いできた。筆者らは香川用水導入後の土器川扇状地における湧水と農業用水の利用実態を明らかにすることを目的に、1994〜1995年にかけて、湧水及び農業用水の水位、流量の測定を行い浅層地下水の流動、および夏季の水収支を解明したので報告する。そして、この実態解明にもとづいて、香川用水導入後における湧水利用の変化を検討した。
著者
野村 幸加 吉田 圭一郎
出版者
東北地理学会
雑誌
季刊地理学 (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.225-233, 2009 (Released:2012-03-15)
参考文献数
16
被引用文献数
1

本研究は,東京ディズニーランドに対して抱くイメージを,その対象者の地域的な背景,特に対象者との距離に着目して明らかにした。居住地の異なる大学生を対象に,SD法に基づいた評定尺度法調査を行い,因子分析を適用して,イメージの構成要素を抽出した。また,因子得点をもとに,東京ディズニーランドまでの距離によるイメージの差異を検証した。因子分析の結果から,東京ディズニーランドのイメージは,主に「心理的因子」,「視覚的因子」の2つの要素によって構成されていた。第1因子である心理的因子には,「わくわくする」「楽しい」など対象者の主観的な感情が表れており,第2因子の視覚的因子は「静か」「緑が多い」といった景観を客観的に捉えたものであった。スピアマンの順位相関係数によると,心理的因子は距離と関係があり,その理由としてカリギュラ効果が考えられた。また,訪問回数を介して距離が視覚的因子に影響を与えていると考えられた。
著者
椎名 秀一朗 寺谷 卓馬 小尾 俊太郎 佐藤 新平 小池 幸宏 段 佳之 赤松 雅俊 藤島 知則 吉田 英雄 加藤 直也 今井 康雄 今村 雅俊 浜村 啓介 白鳥 康史 小俣 政男
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.24-30, 2000-01-25
被引用文献数
27 24

経皮的ラジオ波焼灼療法は, 病変に挿入した電極の周囲をラジオ波により誘電加熱し, 肝腫瘍を壊死させる新しい治療法である. 我々は, Radionics社のcool-tip型電極を用い, 肝細胞癌30例61病変を治療した. 病変の存在部位等を理由に経皮的ラジオ波焼灼療法を断念した例はなかった. 効果判定のために施行したCTでは, 治療を行った病変は最終的にはすべて造影されなくなり, 完全壊死に陥ったと評価された. Cool-tip型電極を用いた経皮的ラジオ波焼灼療法は, 経皮的局所療法で治療されてきたほとんどの症例に施行可能であり, 経皮的エタノール注入療法や経皮的マイクロ波凝固療法と比べ, 治療セッション数を少なくし入院期間を短縮できるものと考えられた. 近い将来, 肝癌治療の主流になると思われる.
著者
坂本 文徳 大貫 敏彦 香西 直文 山崎 信哉 吉田 善行 難波 謙二
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
pp.J13.002, (Released:2013-10-10)
参考文献数
20
被引用文献数
4 5

The local area distribution and relocation of radioactive cesium deposited in trees after the 2011 tsunami-related accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (FDNPP) have been studied by measuring the spatial distribution of cesium on/in trees by autoradiography analysis. Samples of trees were collected from places located between 4 and 55 km from FDNPP approximately 2, 8, 20, and 22 months after the accident. The autoradiography analyses of Cryptomeria japonica, Torreya nucifera, and Thujopsis dolabrata var. hondae samples collected approximately 2 and 8 months after the accident showed that radioactive Cs was mainly distributed as spots on the branches and leaves of the trees emerged before the accident, and was detected in negligible amounts in new branch and leaves that emerged after the accident. On the contrary, radioactive Cs was detected at the outermost tip of the branches in the trees collected 20 months after the accident. Morus alba samples collected 22 months after the accident contained radioactive Cs inside and outside their stems, even though no radioactive Cs was detected in their roots, strongly suggesting that a certain amount of radioactive Cs was translocated from the outside to the inside of stems. These results indicate that the distribution of radioactive Cs deposited on/in the trees gradually changes with time (scale: year).
著者
吉田 徹也
出版者
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院
雑誌
メディア・コミュニケーション研究 (ISSN:18825303)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.85-98, 2007-12-14

Im zweiten Kapitel von 《Faktizität und Geltung》 wird ein Ansatz skizziert, “der die Spannweite zwischen soziologischen Rechts- und philosophischen Gerechtigkeitstheorien in sich aufnimmt.” Dabei geht Habermas von dem Perspektivenwechsel aus, den die Politische Ökonomie (Adam Smith und Ricard) und die Kritik der Politischen Ökonomie (Marx) herbeigeführt haben. Die Tradition des Vernunftrechts wurde erschüttert und die Kategorie des Rechts hat ihre theoriestrategische Schlüsselrolle verloren. Der Marktmechanismus und damit das Modell einer anonymen Vergesellschaftung gehen auch in der Gesellschaftstheorie in Führung. In dieser Weise versucht Habermas, einen theoriegeschichtlichen Hintergrund bis zu Systemtheorie in Bezug auf “die soziologische Entzauberung des Rechts” in einer Übersicht darzustellen. Die Rechtssoziologie von Niklas Luhmann markiere den vorläufigen Endpunkt auf dieser Achse. Bei ihm handelt es sich um die Objektivierung des Rechts zu einem selbstgesteuerten System und diesen Sachverhalt stellt Habermas in Frage, weil damit “die Kommunikation über Recht und Unrecht ihres sozialintegrativen Sinnes beraubt” wird. Aber dann, nach der sozialwissenschaftlichen “Unterminierung des vernunftrechtlichen Normativismus” hat die Rechtsphilosophie eine Wendung genommen und seit Rawls’ 《Theorie der Gerechtigkeit》 sei das Pendel zur anderen Seite ausgeschlagen. Rawls’ Theorie der Gerechtigkeit interessiert Habermas, weil Habermas in diesem Werk “die lange Zeit verdrängten moralischen Fragen als Gegenstand wissenschaftlich ernst zu nehmender Untersuchungen rehabilitiert” sieht. Rawls erörtert hier die Bedingungen der politischen Akzeptanz seiner Theorie der Gerechtigkeit und untersucht das alte Problem, wie das Vernunftprojekt einer gerechten Gesellschaft verwirklicht werden kann. Auch in 《Versöhnung durch öffentlichen Vernunftgebrauch》 beschäftigt er sich mit Rawls’ Theorie der Gerechtigkeit. Nach Habermas hat Rawls bei der Betrachtung des gerechten Zusammenlebens von Bürgern eines politischen Gemeinwesens die Kantische Formulierung der moralischen Grundfrage erneuert und eine intersubjektivistische Lesart für Kants Begriff der Autonomie vorgeschlagen. Im Ganzen hält Habermas Rawls’ Projekt und die wesentlichen Ergebnisse seines Unternehmens für richtig und seine Zweifel sollen sich deshalb auf drei Punkte beschränken: (1) ob das Design des Urzustandes geeignet ist,um den Gesichtspunkt der unparteiischen Beurteilung von Gerechtigkeitsprinzipien zu klären, (2) ob er die weltanschauliche Neutralität seiner Gerechtigkeitskonzeption mit der Preisgabe ihres kognitiven Geltungsanspruch erkaufen will, (3) ob er die liberalen Grundrechte dem demokratischen Legitimationsprinzip überordnet. Nach diesem Schema werden hauptsächlich etwa die Begriffe der Schleier des Nichtwissens, der übergreifende Konsens und die Grenzziehung zwischen privater und öffentlicher Autonomie erörtert. Im Hinblick auf die Autonomie weist Habermas nachdrücklich darauf hin, dass Rawls den Akzent vom Kantischen Begriff der Autonomie auf ethisch-existentielle Selbstbestimmung verschiebt und infolgedessen die öffentliche Autonomie in erster Linie als ein Mittel für die Ermöglichung der privaten Autonomie erscheint. Habermas hält am demokratischen Prozess fest, wo sich beide reziprok voraussetzen und immer wieder von neuem die Grenzen dazwischen definieren.
著者
小島 浩之 上田 修一 佐野 千絵 安形 麻理 矢野 正隆 吉田 成 内田 麻里奈 森脇 優紀 冨善 一敏 設楽 舞 野中 治 木部 徹 島田 要
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、記録媒体として紙に次ぐ歴史を有するにもかかわらず、これまで学術的な観点から調査・研究がなされてこなかったマイクロフィルムについて、図書館等への訪問実態調査(33機関)、および図書館と文書館への質問紙調査(大学図書館:1,378、都道府県立図書館:58、国立国会図書館:1、公文書館:75、大学文書館:88、専門図書館:380)を基軸とし、生産・出版・保存・活用・管理等の諸側面から総合的に分析した。