著者
坂本 峰至 亀尾 聡美 丸本 倍美 安武 章 山元 恵
出版者
国立水俣病総合研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

セレンは必須微量元素で、水銀化合物の毒性防御作用が期待される本研究では、自然界に存在する毒性の低いセレンであるセレノメチオニンがラット新生仔の発達期の脳で直接メチル水銀の毒性を防御することを世界で初めて報告した(Env Sci & Tech 2013)。歯クジラ類は、比較的高濃度の水銀を体内に蓄積するが、無機化能力が高く、無機化された水銀は、非活性で無毒なセレン化水銀に変化し筋細胞内に残留していることが示唆された。捕鯨の町の住民の血液試料中の水銀とセレン濃度は有意な正の相関を示し、セレンが住民における水銀の毒性の防御の役割を果たしている可能性が示唆された。
著者
坂本 靜生 宮尾 陽子 田島 譲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.1796-1804, 1993-08-25
参考文献数
12
被引用文献数
20

顔画像から目の構造特徴を検出する新しいアルゴリズムを提案する.従来のエッジベースの手法では,ノイズや経年変化に弱く,特に目尻点の検出において満足な結果を得ることが困難であった.そこで,より多くの画像特徴を利用するために,新しくエッジと領域を検出する画像解析方法を提案する.本方法により得られる画像特徴と,手入力により抽出した目構造とを比較することにより,ノイズや経年変化に強い目構造を新しく定義し直す.目の部分画像から目構造を自動抽出する,論理演算を主体としたシンプルな構成をもつ,パラメータの少ないアルゴリズムを提案し,日本人成人男子100名の右目部分画像に適用した.その結果,従来手法では検出することが困難であった画像に対しても良い結果を得ることができた.
著者
田代 隆義 吉田 誠史 深田 陽一 坂本 健 梶山 義夫 吉本 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.410, pp.7-12, 2012-01-19
被引用文献数
2

10G-EPONシステムのモバイルバックホール適用や幅広い新サービスの提供を目的に,周波数および時刻同期機能を実装した試作装置の性能評価結果を報告する.OLTは外部リファレンス信号(GPs受信装置の10MHz正弦波・1PPS・ToD等)を入力可能とし,周波数および時刻同期を行う.OLT-ONU間においては,SyncE(網同期クロック転送)による周波数同期と,802.1ASプロトコルに従う時刻情報転送および時刻補正により時刻同期を実現する方式を採用した.また,より高精度な同期機能実現を日的に,物理層で得られた回線抽出クロックを用いて時刻情報の補正を実行する構成を採用した.これらを実装した試作機を作成し,高精度な同期性能が得られたことを確認したので報告する.
著者
坂本 隆行 早田 保義 河塚 寛 坂本 宏司 西村 修 増田 秀樹 筬島 豊
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.388-390, 2002-05-15
被引用文献数
1 6

含硫化合物の検出に適した炎光光度検出器(FPD)装着のSniffing-GCを用いたGC-におい嗅ぎ法により, メロンの香気成分中における含硫化合物並びにその匂い特性を調査した.メロン'ミヤビ'の香気成分中から9個の含硫化合物を検出し, 5個を同定した.3-(methylthio)propyl acetateの相対含量が19.47と最も多く, 次いでethyl (methylthio)acetate, ethyl 3-(methylthio)propionateおよび2-(methylthio)ethyl acetateだった.3-methylthio-1-propanolは同定された化合物の中で0.27と最も低い値であった.その他の未同定の含硫化合物は上記5成分に比べ極めて低い値であった.Sniffing-GCで3-(methylthio)propyl acetateおよびethyl (methylthio)acetateはそれぞれ甘みの入った青臭みおよびキュウリ様の青臭みを有し, その匂いは強かった.2-(methylthio)ethyl acetateは高濃度で検出されたが, GC-におい嗅ぎ法では感知されなかった.ethyl 3-(methylthio)propionateはフルーティーな青臭みを有したが, その匂いは弱かった.3-methylthio-1-propanolおよび他の4成分の匂いは感知されなかった.以上から, ミヤビの香気形成に, 3-(methylthio)propyl acetateおよびethyl(methythio)acetateが青臭みを与える成分として重要であることが明らかとなった.
著者
坂本 鐘期 東条 敏
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2009-MUS-80, no.9, pp.1-6, 2009-05-14

音楽理論 Tonal Pitch Space(TPS)¹⁾ では和音間の距離を定量的に求めることができる.本稿では,TPS における和音感の距離が調性や機能によっても変動することに着目した和声解析手法について論じる.
著者
坂本 良太
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本年度は、ビス(ジピリナト)金属錯体ナノワイヤとナノシートの光捕集系としての利用価値の実証を行った。ナノワイヤに関しては、液液界面合成法による結晶性ナノワイヤ作成に成功した。このナノワイヤは適当な有機溶媒中で超音波することで繊維一本一本に剥離できる。実際に単離されたナノワイヤ繊維はAFMにより観察された。このナノワイヤとカーボンナノチューブと共役させた複合材料は、カーボンナノチューブ単独に比べより優れた熱電変換特性を示した。また、当該ナノワイヤを半導体透明電極に塗布することで、光電変換の活物質層として利用できることを見出した。以上の研究成果をChemical Science誌に論文として発表した。ナノシートに関しては、界面合成法による大面積ナノシートの作成を達成した。液液界面法を用いることで厚さ6-800 nmのナノシート積層体を、センチメートルオーダーのドメインサイズにて合成できる。一方で、気液界面合成法を用いることで、単~数原子層ナノシートが合成でき、やはりこの種のナノシートとしては大きな、マイクロメートルオーダーのドメインサイズが実現できる。本ナノシートの構造決定をTEMの電子線回折により行った。本ナノシートについても光電変換材料への応用を行い、Nature Communications誌に論文を発表した。一連の研究成果は、ビス(ジピリナト)金属錯体からなるナノワイヤ・ナノシートが人工光合成光捕集系として利用できる可能性を示すものである。
著者
堀 美代 村上 和雄 坂本 成子 大西 英理子 大西 淳之 一谷 幸男 山田 一夫
出版者
公益財団法人国際科学振興財団
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

幼若期の社会的隔離によって引き起こされるストレス脆弱性に対する快情動の効果を検証した。仔ラットどうしの遊び(rough and tumble play)をモデルにしたtickling刺激は、50kHz音声の表出と側坐核のドパミン分泌を促し、恐怖条件づけの恐怖反応や自律神経系のストレス応答を軽減させた。これらのことは、幼若期において他個体との相互作用を伴う遊び行動が、快情動形成およびストレス応答性の獲得に影響を及ぼす可能性を示唆する。
著者
坂本 啓子
出版者
園田学園女子大学
雑誌
園田学園女子大学論文集 (ISSN:02862816)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.277-299, 1992-01-31

本学食物栄養専攻栄養士コース2年次生87人を対象に,講義主体の日と実験主体の日の生活行動別消費時間とエネルギー消費量を調査し次の結果を得た。1.生活時間は,講義日,実験日ともに,生理的生活時間が最も長く,講義日平均10時間39分(1日の44.4%),実験日平均9時間50分(1日の41%)であった。次いで学業的生活時間で,講義日平均6時間59分(1日の29.1%),実験日平均9時間33分(l日の39.7%)三番目が社会文化的生活時間で講義日平均5時間20分(1日の22.2%),実験日3時間53分(16.2%)であり,最も短いのは家事的生活時間の講義日平均62分(l日の4.3%),実験日44分(3.1%)であった。生活時間の特徴を述べると(1)睡眠時間の平均は講義日が7時間23分,実験日が6時間33分であったが,最小値が3時間5分,両日合わせて3時間台4人,4時間台が6人いた。短時間睡眠の原因の一つに家庭内学習とアルバイトがある。若い学生ではあるが短時間の睡眠が長期に続くことは健康上よくない。短時間睡眠が習慣化しているとすれば生活リズムのとり方について検討する必要があろう。(2)家事的生活時間を持っていない学生が14〜15%いる。いずれも自宅通学者である。家庭内の誰かが,学生に代って家事的行動を行っていると推察される。(3)授業(講義,実験,実習)時間の平均は講義日が3時間24分,実験日6時間2分であった。両日の最大,最小値の差も大きい。短大の特長として,学生の学習意欲が大きければ,いくらでも学習できることを示している。(4)通学時間は両日とも平均2時間20分前後で1日の約10%を通学に要している。最大値は5時間10分である。(5)家庭内学習は,76〜78%の学生が行っている。時間は講義日2時間26分,実験日2時間11分であったが最大値の学生は8時間3分も家庭内学習を行っていた。2.1日のエネルギー消費量は講義日の平均が1991kcal,実験日の平均が1949kcalで検定結果からも講義日が実験日を上まわっている。4分類の生活におけるエネルギー消費量のうち,講義日が実験日を有意に上まわっていたのは,生理的生活,家事的生活,社会文化的生活で,学業的生活のエネルギー消費量のみが,講義日の平均692kcalに対し実験日が880kcalで,実験日の方が有意に多い結果となった。また,講義日と実験日のエネルギー消費量相関をみると相関係数は0.755と有意に高く,体量の要因をとり除いた偏相関係数も0.297であり,講義日と実験日のエネルギー消費量が独立てないことを示している。このことは身体を積極的に動かすタイプの学生は両日とも同様の動きを行っていることを示唆している。3.以上の結果から学生達は実験主体の日には積極的に学業生活を過ごし,講義主体の日より長い時間と多いエネルギーを消費して,学業生活に力を注ぎ,学業以外の生活行動をセーブしている。学業的生活の時間,エネルギー消費量の少ない講義主体の日には,社会文化的,生理的,家事的生活の時間,エネルギー消費量が増加する生活行動をとっていることがわかった。学生達は短大生の特性である自主性を生かしながら,自らの一日の生活の消費エネルギーを上手にコントロールしているといえよう。
著者
坂本 祐子
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,術後せん妄を予測する尺度を開発した。この尺度は,睡眠 2 項目,基本属性 5 項目からなる.尺度項目は,術後患者の睡眠測定と看護師を対象とした質問紙調査から作成した。睡眠に関する項目は「日中の熟睡」「夜間覚醒」,基本属性に関する項目は「脳血管障害の既往」「睡眠剤服用」「向精神薬服用」「介護保険施設入所」「通所サービスに利用」であった.評価は,各項目を「有:1 点」「無:0 点」で行う.我々の評価では,基本属性 1 点以上かつ睡眠項目が 1 点以上になった場合に,せん妄を発症する可能性が高いとみなすことができた.
著者
坂本 智子
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

細胞骨格は、細胞の形態形成、免疫細胞の遊走、神経回路形成など様々な生命現象の基盤を制御している。細胞骨格を制御する主要な分子の一つが、低分子量G蛋白質Rhoである。Rhoは活性体のGTP結合型と不活性体のGDP結合型の間を往復し、細胞内分子スイッチとして働く。Rho標的分子の一つmDiaは、Forminファミリー蛋白質の一つであり、GTP結合型Rhoの結合によって分子内結合を開裂し、細胞内にアクチン線維の誘導を引き起こす。しかしながら、Rho-mDia経路の時空間特異的制御機構は不明な点が多い。本研究では、mDia結合タンパク質の同定を通して、上記の問題にアプローチした。mDia1のN末領域をbaitとし、マウス脳ライゼートを対象にpull-downアッセイを行い、新規mDia結合蛋白質Liprin-αの同定、単離した。免疫沈降法、リコンビナントタンパク質を用いた解析により、mDiaはLiprin-αのコイルドコイル領域のC末側に直接結合することを見出した。mDiaのRho結合領域へのRhoの結合およびN末領域への結合をmDiaのC末(Dia-autoregulatory domain)と競合することを見出した。次に、細胞内におけるmDiaの機能への影響を確認するためにRNAi法によりMIH3T3細胞、HeLa細胞内のLiprin-αを枯渇させたところ、アクチン線維および接着斑が増加することが明らかになった。Liprin-αのmDia結合領域を強制発現させたところ、アクチン線維および接着斑の減弱が認められた。以上のことから、Liprin-αはmDiaによるアクチン重合を負に制御する分子であることが示唆された(論文作成中)。また、リコンビナントタンパク質を用いて、Liprin-αの最小mDia結合領域を決定し、mDia-Liprin-α複合体の発現・精製に成功した。現在、結合様式を検討するために結晶構造解析を進めている。
著者
山崎 正幸 森本 伸秀 大政 真一 永井 康秀 菊池 建次 坂口 浩二 林 克哉 山口 貴敏 上河 深 小野 清一郎 下位 紘一 澤田 克仁 坂本 勝治 津田 真啓
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.429, pp.35-40, 2005-11-17
参考文献数
3

CIGRE SC D2会議が, 2005年6月6日から6月10日までメキシコのクエルナバカで開催された。この会議は, 定例会議, コロキウムおよびテクニカルチュートリアルが含まれている。コロキウムでは, 日本から三つの投稿論文"日本の電力会社の光ファイバー心線貸しビジネスの意義と今後の課題", "日本の電力会社の光ファイバーネットワークデザインと管理システムの構築"および"日本の電力会社のバーチャル・プライベート・ネットワークに関する事項およびアプリケーション"を含めて討議を行った。本会議で討論した内容について報告する。

1 0 0 0 OA 津田出等書簡

著者
坂本竜馬
巻号頁・発行日
vol.坂本竜馬書簡 陸奥宗光宛, 1867