著者
大場 眞理子 安藤 哲也 宮崎 隆穂 川村 則行 濱田 孝 大野 貴子 龍田 直子 苅部 正巳 近喰 ふじ子 吾郷 晋浩 小牧 元 石川 俊男
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.315-324, 2002-05-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
16
被引用文献数
3

家族環境からみた摂食障害の危険因子について調べるために,「先行体験」「患者からみた親の養育態度」について,患者からよく聞かれるキーワードを用いて質問表を作成し,健常対照群と比較検討した.その結果,「母親に甘えられずさびしい」がどの病型でも危険因子として抽出された.また患者群全体で「父親との接点が乏しい」も抽出され父親の役割との関連性も見直す必要性があると思われた.さらにANbpとBNにおいては,「両親間の不和」「両親の別居・離婚」といった先行体験の項目も抽出され,"むちゃ食い"が家庭内のストレス状況に対する対処行動としての意味合いをもつのではないかと考えられた.
著者
藤島 昭宏 宮崎 隆 藤島 由香里 芝 [アキ]彦
出版者
一般社団法人 日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.218-226, 1997-05-26 (Released:2018-12-22)
参考文献数
17
被引用文献数
1

レジン前装チタンクラウンを製作する基礎的研究として, ノンリテンションビーズ法を想定した, 被着体としてのチタンの表面性状に及ぼすサンドブラスト処理の影響について, コバルトクロム合金と比較した.実験には平均粒径50, 110, 250μmの3種類のアルミナ粉末を用いて, 金属の板状試験片に対し処理圧力0.25〜0.45 MPaで5〜30秒間サンドブラスト処理を施し, その表面性状の変化を計測した. サンドブラスト処理による試験片の重量損失は, 処理時間の増加とともに単調に増加したが, アルミナ粒径の相違による影響は小さかった. チタンの重量損失は, コバルトクロム合金と比較して顕著に小さかったが, 体積損失に換算するとほぼ同一の値を示した. 反射電子(BSE)像から, 試験片表層にはサンドブラスト処理に用いたアルミナ粒子が明瞭に観察され, BSE像の画像解析から面積比の概算値で54〜61%のアルミナがチタン処理面上に存在していた. X線微小分析の結果, 10秒間のサンドブラスト処理でチタン上には33〜45 wt%, コバルトクロム合金上では22〜42 wt%のアルミナが検出された. また, 処理に用いたアルミナ粒径が小さくなるほど, アルミナの存在量は大きくなったが, 処理時間, 圧力の影響は小さかった. チタンでは処理圧を低下させることにより, 試験片の変形量は顕著に減少したが, 表面粗さの低下は小さかった. これらの結果から, チタンに対するサンドブラスト処理は, 他の非貴金属合金に対するよりも低圧力, 短時間の処理を行うほうが好ましく, またサンドブラスト処理によるアルミナ汚染の影響が避けられないため, サンドブラスト処理面に対する接着は, 金属だけではなくアルミナに対する接着性も考慮する必要性が示唆された.
著者
藤倉 輝道 宮崎 隆 小山 悟 岡坂 健司
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.474-481, 2009

鼻噴霧ステロイド薬はアレルギー性鼻炎において極めて有効な治療薬であるが, 点鼻薬を好まない患者もいる。医師が実地に点鼻方法を指導する機会は少ないため, 噴霧した薬剤が適切に鼻粘膜に噴霧されているか否か十分な検討はなされていない。18例のスカイロン<SUP>&reg;</SUP> 噴霧時鼻腔内視鏡観察の結果, 約半数は鼻腔底や鼻前庭に噴霧されており薬剤が有効に鼻粘膜に付着し患部に移行していないと推察された。4名のボランティアにおいて鼻腔内での薬剤の停滞時間をフルナーゼ<SUP>&reg;</SUP> とスカイロン<SUP>&reg;</SUP> で比較検討した。スカイロン<SUP>&reg;</SUP> は広く放射状に噴霧, 付着し, 長時間停留する傾向がみられた。スカイロン<SUP>&reg;</SUP> は吸着性が優れていることに加え, ノズルにも改良がなされ容易に広く均一に噴霧できた。通年性アレルギー性鼻炎患者27名における使用経験からも, においなどの使用感, デバイスの利便性から総合的にスカイロン<SUP>&reg;</SUP> の方が使いやすいとした患者は多かった。今後は薬剤の薬理効果のみならず, 基剤やデバイスの特性などにも目を向ける必要がある。患者に対し, 点鼻方法, 基剤やデバイスの特性などについても説明を行うことで点鼻ステロイド薬のより有効な使用と効果発現が得られると考える。
著者
許 蛍雪 崔 珍赫 宮崎 隆行 川口 博 桜井 貴康
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.384, pp.65-70, 2003-10-24

高リーク世代において、Self-Timed Cut-Offに基づくブロックレベル活性化法は、待機時のみならず動作時においてもリーク電流を減らすことができ有効である。その基本動作は統計情報に基づいている。Self-Timed Cut-Offスイッチを使い、一定時間動いてないブロックをスリープモードに入れる。本提案の有効性を8ビットRISCマイクロプロセッサのVerilog HDLによるシミュレーションと々もに、0.25umのSOIプロセスで試作された64ビットのcarry look-head 加算器の測定を通して検証した。
著者
津田 勝利 松井 嘉孝 川端 昭子 田北 雅夫 宮崎 隆治 清水 賢一 上田 義夫 砂川 正興 竹永 昭雄
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, 1974-06-25

63才,男子30才よつ約27年間某アスベスト工場に勤務,昭和41年1月せき,たん,呼吸困難を訴え当科受診し胸部レ線像の結果,右上野に結核病巣を伴うアスベスト肺結核と診断され入院を含む通院加療にて肺結核は陳旧化した.しかし,昭和46年10月の胸部レ線像にて左上野に異常陰影が出現し,約1年後には直径3cm大の腫瘤陰影を呈し,諸検査の結果扁平上皮癌と診断されたが,肺機能その他の面から手術不能にてMMC総量40mg投与および対症療法を施行するも一般状態悪化し昭和48年3月11日死亡した.
著者
宮崎 隆 玉置 幸道 鈴木 暎 宮治 俊幸
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.450-456, 1988-05-25
被引用文献数
2

ポーセレン(リブデント, ビタVMK), キャスタブルセラミックス(ダイコア)及びマシナブルセラミックス(マコール)を用いて光沢のある仕上げ面を得る目的で超音波ラップ研磨を行ない, 研磨能率と研磨面性状を検討した.超音波ランプ研磨は市販の超音波研磨機(周波数28.5KHz, 10W)を用いて, 木材のラップ棒と試料の間にアルミナ, セラニア, ジルコニア, 酸化クロム, ダイヤモンドなどの遊離砥粒を介在させて行なった.ポーセレンはダイヤモンド以外の砥粒では能率が悪かったが, ダイヤモンドを用いるとグレーズ面のような良好な仕上げ面が得られた.マコールやダイコアはポーセレンよりも研磨性が良く, ダイヤモンドは勿論, アルミナやセラニアでも良好な仕上げ面が得られた.
著者
宮崎 隆
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育人間科学部紀要. II, 人文科学 (ISSN:1344462X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.34-20, 2009-02

ベルクソンは『物質と記憶』第三章において、「私の現在 mon présent 」について分析した後、断面の描かれていない倒立円錐図形を掲げつつ、一つの課題を示す。「われわれは長い迂回路を経て、こうして出発点に戻る」(MM,167(1))。「われわれは記憶力の二形態 deux formes de la mémoire を深く区別しつつも、その絆を提示せずにおいた」。「初めに分離しておいたこの二項」は、「この新たな観点」から「内奥において intimement ひとつに接合される、ことになる」(MM,168)と。記憶力の「二形態」とは「過去の記憶力」と「身体の記憶力」のことである(MM,169)。では、「この新たな観点」とは何であり、いかにして「記憶力の二形態」は「接合」されるのか。小論は『物質と記憶』第三章を中心に、「過去の記憶力」のほうに焦点を絞り、この問題に対する答えを概括的に探る試みである。「(2)私の現在」の分析がベルクソンの論述の転回点となっていることだろう。
著者
名知 洋子 宮崎 隆昌 中澤 公伯
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.70, no.589, pp.161-168, 2005
被引用文献数
1 2

There have been strong demands to reduce construction waste that amounts to approximately 20% of the sum of the waste of all industries in Japan. Additionally, in this decade, a considerable increase of construction waste is expected due to renewals of office buildings and houses that were constructed during the rapid growth periods in the 1960's. In order to solve the problem regarding the anticipated waste, there need to be appropriate plans in place to reduce waste at construction sites, to promote recycling, and to take hold of sufficient intermediary disposal facilities for recycling and disposal of waste. In this study we locate these intermediate disposal facilities in the Tokyo coastal areas, and examine the relationship between the amount of construction byproducts that are discharged from construction sites in Tokyo Metropolitan area and the capacities of disposal in these intermediary disposal facilities. Additionally, we have the relationship between the current situation of the intermediate disposal facilities, which is analyzed by the aquatic system in the Tokyo Metropolitan area, under investigation..
著者
高橋 満 石井山 竜平 広森 直子 笹原 恵 槇石 多希子 朝岡 幸彦 千葉 悦子 大高 研道 宮崎 隆志 松本 大
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

日本の社会教育制度は、福祉国家的な施策として制度化がすすめられてきた。しかしながら、この制度や管理運営の在り方は、経済のグローバル化や、これへの政策的応答としての自由主義的改革のもとで機能不全に陥っている。本研究では、これに対して、ソーシャルガバナンスという「パートナーシップ型の統治」モデルを提案している。それは、行政とともに市場やNPOなどの多様な主体がステークフォルダーとして独自な役割を果たすものとして参入し、新しい公共性をつくりあげるものである。
著者
宗 正敏 宮崎 隆昌
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.270, pp.117-125, 1978-08-30
被引用文献数
3

沿岸漁業地域に於いて, 従来の(漁場〓漁村)という結びつきから(漁場〓市場)という結びつきが強くなり, 立地性の高い漁港に労働力・漁船・水揚が集中し, 結節点とし拠点性を向上させ市街化を進めている。この事は沿岸に立地し, 地先漁場ないしは後背林の管理・維持・生産によって等質であった沿岸漁村集落が, 地域中心的な拠点集落の形成によって次第に特定化していく。従来の家族労働・生産手段の総有共同慣行等によって, 平均的であった世帯経営に階層の分化がみられ, 等質性・自律性を次第に失なっていく。この様なプロセスに於いて, 各々の集落は均衡を保つ働きを有しながら, それぞれの立地に対応した遷移系列を用意している。そして基礎集落〓複合集落〓拠点集落という段階的構成に於いて複合集落が沿岸地域に於ける多元的な生活様式に適応した今後の集落の計画単位として考える事が出来よう。複合集落は(1)生活空間, (2)生産活動, (3)集団形成の面に於いては複合した単位と重層的な領域を持っている。沿岸漁村地域における地形・地理的条件を克服し, より広い地域全体と孤立しがちな個々の集落との間に, 一体的な地縁的連帯と有機的な産業上の連係, 連続的な生活環境に立ち, 関連性をもつ為には, (1)他の地域が必要とする出来るだけ専門的な産業を存在させ, 沿岸地域に於ける有機的な社会的分業組織の中で, 効果的なインパクトをもたせ, (2)関連地域との人的交流が行なわれ, 各々の専門的産業相互間の連係を円滑にし, (3)更にこれらの地域に従来存在した独特な教育・伝習を学校教育の充実と並行して, 季節的・年令的・職能的に対応した社会教育のシステムを整える事が, 地域住民相互の直接的接触を前提とした生業的連帯関係の成立を促がし, 地域の環境整備・集落計画の潜在的な素因となるものであろう。その事によって個々の漁村集落は次第に複合化していくものと考えられる。また複合集落は現存の沿岸漁村地域に於ける集落存在様式の内にみられるいくつかの複合形式があり, 志摩・熊野灘沿岸地域の生活環境の実態調査の結果, 次の様な性格が明らかになった。(1) 2つ以上の小集落(200戸・900人以下)が近接している場合は合併または吸収が進む。(2) 合併・吸収しながらも従前の生活基礎集団・生産基盤の核を残存する。(3) 単一的な生活基礎集団(血縁的・地縁的・生活縁的)生産基盤したもたない集落は対応性が低く停滞し他集落に依存する。(4) 集落の生産基盤(漁場・労働力・資金力)が後退すると出稼母村化・賃労働化が進み, 自律性を失なう。(5) 集落の規模が大きい場合, 発生的に本来の数個の基礎集落単位を含んでいる複合集落単位と考えられる。(6) 生産基盤の大きな集落に近接した集落は生活基礎集団を残したまま, 大きな集落との生産活動の協同協業化を進める。(7) 結節点(統一集落)はさらに高次の結節地域に依存し地域全体の生活・生産基盤の自律性が減少し中継点となる。(8) 単一集落は立地条件を克服して複合化し, 中間集落は生産形態に応じて分包し, いくつかの複合集落単位としてまとまり, 地域変動のインパクトを吸収し対応している。この様に複合集落は変動の要因と現象を同時に含みつつ変容している為に全体的に活性的であり, 外的な変化に柔軟に対応できる構造を持つと思われる。個々の集落が本来持っているポテンシャリティを有効に発揮させる為には群単位の複合の仕方や諸特性を考え, 類型別に集落特性や計画単位を見出し, それぞれに対応した機能作用を付加していく事が必要である。以上沿岸漁村地域の変動を複合集落の性格を中心に見てきたが, さらにそのIIに於いて, この複合集落単位の構成と類型的性格について, 具体的に展開することにしたい。
著者
鈴木 敏正 大沼 義彦 宮崎 隆 椎名 恒 木村 純 YOSHIHIKO Ohnuma シャナハン ピーター クィールド ジョン
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

いわゆる「第三の道」をめざしてヨーロッパ諸国の生涯学習政策は、社会的排除を克服し社会的結合を推進しようとし、とくに辺境地域におけるプロジェクトを強化している。本協同研究では、ヨーロッパと日本の辺境である北アイルランドと北海道を対象とした実証的研究をとおして、「社会的に排除された人々とともにある教育」としての「地域社会発展教育または地域づくり教育community development education」の実態と課題を明らかにした。第1に、現段階の日英両国における生涯学習政策の比較検討とイギリス・北アイルランドにおけるその展開、革新的な地域社会教育の国際的・歴史的発展と諸モデル、成人教育の資源としての「社会的資本social capital」の役割を明らかにし、新たなモデルとしての「エンパワーメントのための地域社会発展教育」を提起した。第2に、北アイルランドを中心として、アイルランド北西部で展開されている地域社会発展とそれにかかわる成人教育の実践分析をした。それは、地域社会とアルスター大学のパートナーシップ活動、コミュニティケア、「社会的経済」、女性グループ活動、内発的スポーツ、農村地域社会発展、ヨーロッパ11大学協同による地域活動家・関連諸専門職の教育訓練プロジェクト、の諸領域にわたる。第3に、上記と比較した北海道における地域調査研究であり、不安定就労者・失業者の統計的検討、労働者協同組合活動、市民演劇活動とくに対人関係職員・労働者に対するワークショップ、および市民活動としての環境保護運動の展開過程の分析、そして地域づくりにかかわる大学の役割の解明をした。
著者
宮崎 隆彦
出版者
東京農工大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、80℃以下の温水を利用して10℃前後の冷水を供給する吸着冷凍機の高性能化を目的とし、新たな吸着冷凍サイクルの提案・実証を行った。シミュレーションによる性能予測から、提案する二段蒸発型吸着冷凍機は従来型の1.5倍の冷凍能力、1.7倍のCOPとなることが予測された。実験機による性能検証の結果、想定した温度・圧力範囲で動作することを確認し、温水温度80℃の条件においてCOPが約1.5倍となることを実証した。
著者
宮崎 隆志 横井 敏郎 上原 慎一 石黒 広昭 藤野 友紀 間宮 正幸 大高 研道 日置 真世 武田 るい子 大高 研道 向谷地 生良 仲真 紀子 駒川 智子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

社会的に排除された若者の移行支援の課題を明らかにした。彼・彼女らの「生きづらさ」の背後には、生活世界を構成する諸コミュニティの断片化がある。したがって移行支援のためには断片化したコミュニティを再統合することが必要であるが、そのためには多様性が保障された新たな媒介的コミュニティを構築することが有効であること、およびそのコミュニティを中心にした地域的な支援システムを構想することが必要であることを明らかにした。