著者
宮川 繁
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.181-185, 2006
被引用文献数
5

E-learningは1990年代後半のドットコムの「興奮」から現在の「失望感」に取って代わった.その教訓はなんであろうか.簡単にいってしまえば,ドットコムの経験は2度と繰り返してはいけないことであろう.しかし,それとは別に,e-learningでなかなか成功できない理由には,いくつか基本的な問題があるのではなかろうか.このような問題はドットコムのような一時的な問題を超えた,e-learningに見られる特有な問題である.まずは,e-learningはソフトウェアであることである.ソフトウェアの開発は,ソフト誤動作や予算超過などの原因により,失敗の可能性が高い.次に,開発チームに必要な人材は,摩擦がおこり安いメンバーで構成される.ソフトウェアの専門家と美的価値にこだわるアーティストタイプ,両方必要であるが,この2つのタイプの人間は,コミュニケーションの上で困難することが多く,仕事が進まなくなる例をよく見る.最後に,e-learningのプログラムは普及させなければ意味がないが,普及に必要な予算などはe-learningの企画には普通つかず,いいものを作っても使われず消えていくことが多い.
著者
山口 宏也 四倉 淑枝 久保田 彰 井上 荘三郎 吉沢 由利子 宮川 晃一
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5Supplement2, pp.863-868, 1983 (Released:2013-05-10)
参考文献数
7

Twenty-six cases subjected to neck surgery were operated under epidural anesthesia. These consisted of one case of laryngectomy, three cases of thyroidectomy, four cases of resection of median cervical cyst, twelve cases of thyroplasty type I, five cases of arytenoid aduction and one case of resection of lypoma. In the studies, it was shown that epidural anesthesia had benefits for thyroidectomy, thyroplasty type I and arytenoid aduction. The patients were conscious and without pain while undergoing the operations, allowing the surgeon to speak with them to make sure of the patient's voice changes. The anesthesia was also good for laryngectomy and radical neck dissection of its broad numbring area. Usually the patients were most uneasy bewfore and during their operations. Therefore, we used a much larger dose of tranquilizer before and during the operations. By using a smaller dose of anesthetics than is used for local anesthesia, we found that this anesthesia had a broader numbring area resembling general anesthesia. It was concluded that the epidural anesthesia should be used more frequently for neck surgery than types.
著者
宮川 俊行
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
紀要 (ISSN:02867249)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1-15, 1994-01-31
著者
宮川 久美
出版者
奈良佐保短期大学
雑誌
奈良佐保短期大学研究紀要 = Bulletin of Nara Saho College (ISSN:13485911)
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-23, 2013-03-31

本書は、正倉院文書の中の月借り銭解について、訓読と注釈を試みたものである。東大寺正倉院には、正倉院文書と呼ばれる奈良時代の文書群が納められている。この「正倉院文書」は、転写を経ない千三百年前の生の資料であるという点で非常に価値が高い。すでにその価値に着目して様々な研究がなされ、建築・美術・工芸・服飾・食物・産業・経済など多方面にわたる数多くの成果が上げられている。しかい、国語学の分野の研究はいまだ緒についたばかりと言ってよいのではないだろうか。正倉院文書を一言一句訓読することは奈良時代の言葉の研究にとって大きな意味を持つと考えられ、ひいては逆に様々な分野の研究に資することもできるのではないかと期待される。
著者
大島 千佳 西本 一志 宮川 洋平 白崎 隆史
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.1778-1790, 2003-07-15
参考文献数
15
被引用文献数
10

本論文では,楽器の演奏経験が乏しい人でも容易にMIDIシーケンスデータを作成することができ,しかも従来の楽器と比べて遜色ない音楽表情づけのポテンシャルを持ち合わせるMIDIシーケンスデータ作成システムを提案する.近年の計算機の普及にともない,DTMシステムが多数開発され,誰でも音楽演奏に挑戦することができるようになった.しかし,MIDI楽器で通常に演奏してMIDIシーケンスデータを作成する方法では,楽器の演奏経験が乏しい人に多大な負担がかかる.また,音楽要素を個別に,端末を使って数値的に入力する方法では,質の高い音楽表情を担う各要素の微妙な調整や,音楽要素間の相互的な関係を考慮して操作をすることは困難である.そこで,入力を2段階に分けて,1段階目に端末かMIDI楽器で音高データのみの入力を行い,2段階目に音楽表情に関する要素を統合して入力する「2段階式作成方法」を提案する.38名の被験者に現在主流の2通りの入力方法と,提案した入力方法の3通りにより演奏データを作成してもらったところ,童謡とクラシック作品では「2段階式作成方法」が従来の方法よりも短時間で容易に入力ができ,作成された演奏データに満足がいくことが示された.また,ピアノ熟達者が従来の方法のうち,MIDI楽器を演奏して入力する「リアルタイム入力」と「2段階式作成方法」の2通りで,十分練習をしてから演奏データ作成を行い,20名の被験者に聴いてもらったところ,「2段階式作成方法」で作成された演奏データの音楽表情は,リアルタイム入力で作成されたものと比べて,遜色ないことが確かめられた.In this paper, we propose a method that allows people who are not goodat playing musical instruments to construct performance data with richmusical expression. Recently, everybody becomes able to tackle withperforming music by a MIDI system. There are two methods for composingMIDI sequence data, i.e., by normally playing the MIDI instruments andby separately inputting musical elements as numerical values. However,it is very difficult for inexperienced people to input correct notenumber with normally playing the MIDI instruments. On the other hand,it is also difficult for people to achieve rich expression bybalancing all of the musical elements, by inputting them as numericalvalue separately. Consequently, we propose ``a two-phase inputmethod''. In the first step, the user inputs only sequence of notenumber that she/he wants to perform by using MIDI instruments orkeyboard of a personal computer without considering musicalexpression. In the second step, she/he plays the MIDI keyboard toinput musical expression by integrated control of the expressivemusical elements. We conducted two experiments for examining theeffectiveness of the two-phase input method. These results show that itis easier for inexperienced user to compose the MIDI sequencedata with the two-phase input method than the conventionalmethods. Moreover, the musical quality of the MIDI sequence datacomposed by the two-phase input method was not inferior to thatcomposed by normal performance with using a MIDI keyboard.
著者
大島千佳 西本一志 宮川洋平 白崎隆史
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.1778-1790, 2003-07

本論文では、楽器の演奏経験が乏しい人でも容易にMIDIシーケンスデータを作成することができ、しかも従来の楽器と比べて遜色ない音楽表情づけのポテンシャルを持ち合わせるMIDIシーケンスデータ作成システムを提案する。近年の計算機の普及にともない、DTMシステムが多数開発され、誰でも音楽演奏に挑戦することができるようになった。しかし、MIDI楽器で通常に演奏してMIDIシーケンスデータを作成する方法では、楽器の演奏経験が乏しい人に多大な負担がかかる。また、音楽要素を個別に、端末を使って数値的に入力する方法では、質の高い音楽表情を担う各要素の微妙な調整や、音楽要素間の相互的な関係を考慮して操作することは困難である。そこで、入力を2段階に分けて、1段階目に端末かMIDI楽器で音高データのみの入力を行い、2段階目に音楽表情に関する要素を統合して入力する「2段階式作成方法」を提案する。38名の被験者に現在主流の2通りの入力方法と、提案した入力方法の3通りにより演奏データを作成してもらったところ、童謡とクラシック作品では「2段階式作成方法」が従来の方法よりも短時間で容易に入力ができ、作成された演奏データに満足がいくことが示された。また、ピアノ熟達者が従来の方法のうち、MIDI楽器を演奏して入力する「リアルタイム入力」と「2段階式作成方法」の2通りで、十分練習をしてから演奏データ作成を行い、20名の被験者に聞いてもらったところ、「2段階式作成方法」で作成された演奏データの音楽表情は、リアルタイム入力で作成されたものと比べて、遜色ないことが確かめられた。 : In this paper, we propose a method that allows people who are not good at playing musical instruments to construct performance date with rich musical expression. Recently, everybody becomes able to tackle with performing music by a MIDI system. There are two methods for composing MIDI sequence date, i.e., by normally playing the MIDI instruments and by separately inputting musical elements as numerical values. However, it is very difficult for inexperienced people to input correct note number with normally playing the MIDI instruments. On the other hand, it is also difficult for people to achieve rich expression by balancing all of the musical elements, by inputting them as numerical value separately. Consequently, we propose “ a two-phase input method”. In the first step, the user inputs only sequence of note number that she/he wants to perform by using MIDI instruments or Keyboard of a personal computer without considering musical expression. In the second step, she/he plays the MIDI keyboard to input musical expression by integrated control of the expressive musical elements. We conducted two experiments for examining the effectiveness of the two-phase input method. These results show that it is easier for inexperienced user to compose the MIDI sequence data with the two-phase input method than the conventional methods. Moreover, the musical quality of the MIDI sequence data composed by the two-phase input method was not inferior to that composed by normal performance with using a MIDI keyboard.
著者
宮川 修 金谷 貢 大川 成剛
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

微細な非晶質シリカを含む歯磨剤(ETL)と,比較的に粗大な結晶質のリン酸水素カルシウム二水塩を含む歯磨剤(NSA)とによってブラッシングしたチタン表面の微細形態,化学組成,不動態皮膜の化学構造,および歯磨剤中に取り去られたチタンの性状をXGT, EPMA, SPM, XPS, XRDによって調べた.得られた結果を総括すると以下になる.1)ETLではcomet tail様の,またNSAでは平行線状の条痕がそれぞれ,ブラッシングされた面に観察され,後者のほうが表面粗さは格段に大きかった.どちらもpH値が下がるにつれて条痕が不明瞭になっていった.2)ETLではcomet tail状条痕に対応してSiが存在し,Siに対応して高濃度の酸素の存在が認められた.またNSAでは平行線状条痕にそってCaとPが存在し,これらに呼応して高濃度の酸素も存在した.どちらもpH値が下がるにつれて,歯磨剤中の砥粒由来のこれら元素は減少した.3)XPS分析によると,ETLでブラッシングした面のSiは,不動態酸化皮膜中にのみ存在し,最表面近傍においてチタンケイ酸塩として存在することが示唆された.4)NSAでブラッシングした面のCaとPはかなり深くからも検出され最表面近傍ではCaとPを含む複雑なチタン酸塩が生成したことが示唆された.5)プラッシシグに使われた歯磨剤スラリー中には,0.2〜0.3μmの微細なチタン研磨屑が単独の遊離した形で,また砥粒に付着した形で見いだされた.5)ペースト中チタンからのTi_<2p3/2>ピークは弱くて広範囲にブロードしていたが,TiO_2のTi_<2p3/2>より高い結合エネルギーを有する化学種の存在も示唆された.6)XRDはNSA中のリン酸水素カルシウム二水塩のCaイオンがTiイオンで置換される可能性を示唆した.
著者
矢萩 智裕 宮川 康平 川元 智司 大島 健一 山口 和典 村松 弘規 太田 雄策 出町 知嗣 三浦 哲 日野 亮太 齊田 優一 道家 友紀
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2014年大会
巻号頁・発行日
2014-04-07

国土地理院では全国に約1,300点のGNSS連続観測施設(電子基準点)を設置し,1HzサンプリングのGNSS連続観測を実施している.データ取得及び解析系まで含めた一連のシステムはGEONET(GNSS連続観測システム)と呼ばれ,GEONETで得られた観測データや解析結果等は,我が国の位置の基準を定める測量や地殻変動監視,高精度測位サービス等の幅広い分野で利用されており,現代社会を支えるインフラの一つとしての役割を担っている.防災面においても,これまでGEONETは地震や火山活動に伴う地殻変動の検出等で大きな貢献を果たしており,平成23年東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)後には,短周期地震計等により推定された地震発生直後の地震規模が過小評価だったことを踏まえ,より信頼度の高い津波警報初期値への利用を視野に,GEONETのリアルタイムデータを用いた地殻変動結果による地震規模の即時推定技術について大きな期待が寄せられているところである.このような背景を踏まえ,国土地理院では,平成23年度から東北大学との協同研究の下,新たなGEONETのリアルタイム解析システム(REGARD:Real-time GEONET Analysis system for Rapid Deformation Monitoring)の開発を進めてきた.REGARDでは,GEONETで収集されたデータをRTKLIB 2.4.1(Takasu, 2011)をベースとした解析エンジンで処理し,RAPiDアルゴリズム(Ohta et al., 2012)又は緊急地震速報(Kamigaichi et al., 2009)を用いて検知された地震発生に伴う各電子基準点の変位量を入力値として矩形断層モデルの即時自動計算(西村, 2010)を実行することで,地震規模が推定される.平成24年度からは東北地方を中心とした143観測点によるプロトタイプ版を開発して連続稼動の試験運用を実施するとともに,GEONET運用後に発生した過去の大規模地震時の観測データ等を利用したシステムの能力評価を行ってきた.一例として,平成23年東北地方太平洋沖地震のケースでは,推定される矩形断層モデルとCMTとの比較では位置及びメカニズムに若干の差異はあるものの,地震発生から約3分でMw8.9を推定可能であること,Mw7.5を下回る規模の地震の場合にはS/N比が低くなり推定精度が落ちること等が明らかとなった.平成25年度には,プロトタイプシステムをベースに,解析範囲を全国の電子基準点に拡大するとともに,解析システムをGEONET中央局内で二重化すること等により冗長性を高めた新たな全国対応システムを構築した.また,解析設定ファイル作成や結果ファイル閲覧等の支援機能についても追加で実装している.同システムについて平成26年4月から本格的な運用に向けた試験を開始している.本講演では,過去の観測データから得られた検証結果及び全国対応システムの概要を報告するとともに,将来的な津波警報への活用に向けた取り組みや課題について報告する.
著者
宮川 尚理
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶応義塾大学日吉紀要. ドイツ語学・文学 (ISSN:09117202)
巻号頁・発行日
no.49, pp.197-226, 2012

大谷弘道教授退職記念号 = Sonderheft für Prof. Kodo OTANI1. 謎の画家アロイス・ツェトル2. 「そう名づけられる以前のシュルレアリスム」3. パルマの豪華本4. イマジナリア5. ツェトル再発見
著者
佐藤 竜一 久保田 壮一 青山 幸太 土屋 江里 宮川 謹至
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.106-114, 2012 (Released:2012-05-01)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

科学技術振興機構(JST)が運用する電子ジャーナルサイト「J-STAGE」は,運用開始から13年が経過し,海外の有力電子ジャーナルサイト等と比較すると,ユーザーインタフェースや機能面を中心にその陳腐化が否めない状況であった。JSTではユーザビリティーの向上,国際発信力のさらなる強化を目的として,新システム「J-STAGE3」を開発し,(1)過去分の公開サイトであるJournal@rchiveの統合,(2)デザイン/ユーザーインタフェースの一新,(3)データベース形式のXML国際標準形式への移行,(4)購読・販売管理機能の強化,(5)学協会運用工数の削減および (6)投稿審査システムの改善を実現する。一方で,2010年度末に国内学協会誌の電子化状況について調査した結果,国内学協会誌の電子化率は全体で62%であったが,人文社会系は34%と依然遅れている。また,言語別で見ると欧文誌92%に対して和文誌は55%という結果になり,さらなる電子化の推進が必要な状況にあることが判明した。このような状況を踏まえ,新システムJ-STAGE3の機能と方向性,国内学協会誌の電子化促進における役割について触れる。
著者
辻畑 敬治 宮川 奨蔵 大坪 茂 大野 重治 花木 功
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.455-460, 1960-04-01

In line with the starting of experiments on the use of self-fluxing sinter in blast furnaces, the experimental production of lime sinter using 5&acd;10% of lime stone was conducted at Kukioka D. L. Sintering Plant since May, 1958, and from the operation data the following items were inferred : - 1) Although in lime sinter the mean grain size was getting smaller, the amount of the fine fraction (minus five millimeter fraction) became rather decreased than in normal sinter, from which it was inferred that lime sinter was more improved in point of grain distribution. 2) Lime sinter had almost the same degree of strength as normal sinter. 3) By adding 5&acd;10% of lime stone, the output of sinter was increased by 4&acd;6.5%. When calculated in terms of iron, the output, however, was almost constant. 4) In case of using the burden of 100% lime sinter, operation was carried out with special attention paid to the control of basicity, and for that purpose such measures as the use of foreign fine ores divided into the three classes according to SiO_2 content, etc. were enforced, and, as the result, the sinter that could almost satisfy the requirements of blast furnaces was able to be produced. 5) Cost of sinter production was decreased by 2% and 5.5% by the addition of 5% and 10% of lime stone, respectively, but the cost in terms of iron was almost unchanged. For these reasons it was concluded that lime sinter was superior to normal sinter.