著者
越智 温子 小山 浩正 高橋 教夫
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.13-19, 2009-06-25 (Released:2017-04-03)
参考文献数
37
被引用文献数
1

風散布型種子であるサワグルミの種子サイズのばらつきが散布に果たす効果を調べた。サワグルミの種子重と翼荷重の平方根には正の関係があり,さらに翼荷重の平方根が小さいほど終端落下速度も低かったことから,小種子ほど落下速度が低く,潜在的な散布能力は小種子のほうが高いことが示された。そこで,野外での実際の散布時に小種子の高い散布効率は散布範囲の拡大に貢献しているか調べた。その際に行った散布のシミュレーションでは,実際の野外での風速のばらつきも考慮した。その結果,種子密度が1粒/m^2以上の範囲内に散布された種子の平均重量は散布距離の遠近に関わらずほぼ一定の値となった。さらに実測として野外で散布された種子を距離別に採取した結果も,シミュレーションと同じく散布された種子の平均重量に距離による違いが無く,種子サイズのばらつきの効果は見られなかった。シミュレーションと野外での観測データの傾向が一致したことから,散布距離へ及ぼす効果は風速のばらつきのほうが種子サイズのそれよりもはるかに大きく,種子サイズの変異が散布距離に及ぼす影響は野外では認められないことがわかった。種子サイズのばらつきの意義は散布後の定着段階に求める必要があると考えられる。
著者
小山精一郎著
出版者
世界思潮研究会
巻号頁・発行日
1922
著者
松本 英顕 江原 史雄 小山 玲音 笹川 智史 原口 智和 宮本 英揮 龍田 典子 上野 大介
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.233-239, 2021-07-25 (Released:2021-11-14)
参考文献数
23
被引用文献数
2 3

和牛(黒毛和種・繁殖雌牛)のストレス数値化技術として,皮膚ガスをマーカーとして利用する手法に着目した.本研究では基礎的検討として,皮膚ガスのサンプリング手法および分析技術の高度化に取り組んだ.サンプリング手法として,牛に特化したサンプリングデバイスを作製し,固相吸着剤を腰部に近い背部に装着させる手法を開発した.本手法で捕集された皮膚ガスをGC-MS分析に供試したが,特徴的なピークを検出することはできなかった.そこでにおい嗅ぎガスクロマトグラフ(GC-O),ガスクロマトグラフ分取システム(GC-F),およびガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を用いて分析したところ,黒毛和種の皮膚ガスに特徴的なにおい物質として(E)-3-Octen-2-oneを同定した.本研究は大型畜産動物の皮膚ガスを同定した初めての報告である.将来的に本技術を活用して皮膚ガスとストレスの関係を検証し,パッチテストや嗅覚センサーを用いた非侵襲的なストレス数値化技術の実用化につながることが期待される.
著者
小山内 誠 米川 元樹 川村 明夫 田中 三津子 此枝 義記 久木田 和丘 目黒 順一 玉置 透
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.246-249, 1999-02-15 (Released:2010-10-28)
参考文献数
5

腎不全患者では, 体液に移行した水分は透析などで除く以外に方法はない. そこで, 経口摂取した水分が腸管から吸収される前に高吸収性ポリマーで吸収し, 循環系へ入る水分量を抑制する方法を考案した. 今回, 各種ポリマーを用いた消化管内水分吸水能についての基礎的検討を行なった. ポリマーは, ポリアクリル酸Na (PA-Na), ポリアクリル酸Ca (PA-Na), 粒径の異なるN-ビニルアセトアミド (PNVA-1, PNVA-2) の4種類を作製し, 水, 生理食塩水, 人工胃液, 人工腸液を用いて吸水能を測定した. PA-Na1gに対する吸水量は水640m1/gと最も多く, PA-Caが2ml/gと最も少なく, PNVA4, 2はその中間の吸水力であり, これら各種ポリマーの吸水量は液の性状, pHなどにより大きな差が見られた. また, ヒト腸液を用いた検討でも吸水性に関し同様の結果が得られた. 吸水前後における組成分析では, 吸水後, PA1NaでNaの, PA-CaでCaの有意な増加がみられたが, PNVA-1, および2では, 有意な変化を認めなかった. 今回の検討から, 吸水材は十分に臨床応用可能と思われ, 特に非イオン型ポリマーであるPNVAの有用性が示唆された.
著者
小森 俊哉 小山 慎一 日比野 治雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.223, 2013 (Released:2013-06-20)

「キャラクターの効能において、7割近くの人がキャラクターに「やすらぎ」を望んでいる」という調査結果がある。このように人の精神状態とキャラクターにはなんらかの関係があると考え、人が持つ不安の強さに応じて求められるキャラクターの表情がどのように変わるのかを研究した。本研究では人の精神状態を測る指標として状態不安と特性不安を用い、アメリカの心理学者、Paul Ekmanの提唱した人類共通の基本6表情に焦点をあてた。基本6表情を参考にしながら27種類の表情画像を作成。6種類の形容詞を用いてそれぞれの表情がどのような印象なのかを27名の被験者に評価してもらった。人の不安状態に応じてそれぞれの表情がどのような印象になったのかを統計的にまとめた。
著者
阿久澤 さゆり 佐野 紘子 石山 緑 前橋 健二 小山 洋一
出版者
一般社団法人 日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.341-345, 2012 (Released:2022-03-11)
参考文献数
12

The general composition, collagen and sensory profiles were compared between spent laying hen muscle and broiler muscle to determine the best function as a food material. The moisture and fat contents were lower and protein content was higher in spent laying hen muscle than in broiler muscle. The total free amino acid content was lower in spent laying hen muscle than in broiler muscle; however, the collagen content was comparatively higher in spent laying hen muscle. B reast and thigh muscles from spent laying hens had higher mean values of toughness than those from broilers and the mean values of tenderness and juiciness were lower in spent hen muscle than broiler muscle. Our results suggest that spent laying hen muscle would be more suitable for utilization as processed minced meat because it is a collagen-rich food material.
著者
小山 譽城
出版者
国学院大学
巻号頁・発行日
2007

博士論文
著者
小山 照幸
出版者
学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会
雑誌
聖マリアンナ医科大学雑誌 (ISSN:03872289)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.151-161, 2023 (Released:2023-05-16)
参考文献数
31

目的:心臓リハビリテーション(以下,心リハ)は近年,急速に普及が進んでいるが,最近,流行している新型コロナウイルス感染症により,通常の診療に影響が出ている。今回,保険診療の面から心リハ治療のこれまでの経過と現状を調査した。調査方法:厚生労働省が公表している社会医療診療行為別統計の,平成21年から令和3年までの「心大血管疾患リハ料」の算定回数,点数を調べ,年次変化および年齢階級別割合・年次変化,令和元年から令和3年の入院外・入院別年次変化を検討した。結果:算定回数は,平成21年99,865回,令和元年791,226回で,10年間で約8倍になった。しかし令和2年は前年より18%減少したが,令和3年は令和元年の95.7%まで回復していた。算定点数は,平成21年21,210,079点,令和元年186,409,625点で,10年間で約9倍に増加していたが,令和2年は前年より16%減少していた。令和3年は令和元年の97.2%まで回復していた。年齢階級別では,70歳以上が78%,85歳以上が32%を占めており,80歳代前半の増加率が最も多かった。令和2年には主に入院外の45歳から89歳にかけて減少しており,中でも70歳代後半の減少が著しかった。結論:保険診療上,心大血管疾患リハ料算定回数,点数は,令和元年までは増加していたが,令和2年に減少しており,新型コロナウイルス感染症の流行が影響したと考えられた。
著者
中丸 宏二 相澤 純也 小山 貴之 新田 收
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.414-420, 2014-12-20 (Released:2017-06-13)
被引用文献数
2

【目的】日本語版Lower Extremity Functional Scale(以下,LEFS)の信頼性・妥当性・反応性を検討する。【方法】対象は下肢症状を訴える外来患者112名とした。初回に日本語版LEFSとThe Short Form Health Survey(SF-36),1週間後と4週間後にThe patient's global impression of change(以下,PGIC)と日本語版LEFSに回答してもらった。内的整合性を見るためにクロンバックα係数を算出し,再現性は1週間後に安定群を対象に級内相関係数(intraclass correlation coefficient:以下,ICC)を算出した。収束的妥当性は日本語版LEFSとSF-36の下位尺度との相関をPearsonの相関係数を用いて検討した。反応性は,4週間後の安定群と改善群における日本語版LEFSの点数変化を対応のないt検定で検討し,最小可検変化量(minimal detectable change:以下,MDC)を算出した。【結果】クロンバックα係数は0.96,ICCは0.92であった。収束的妥当性は身体機能にかなり強い相関(r=0.75)が認められた。反応性は4週間後における安定群と改善群に有意な差が認められた(p=0.02)。MDCは8.14点であった。【結論】外来患者における日本語版LEFSの高い信頼性,妥当性,反応性が認められた。
著者
水戸 優子 小山 眞理子 片平 伸子 山口 由子 川守田 千秋 植村 由美子 野崎 真奈美 鶴田 惠子 手島 恵
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.3_21-3_31, 2011-09-20 (Released:2011-10-25)
参考文献数
19
被引用文献数
3 1

目的:教育と臨床の専門家が合意する看護基礎教育卒業時の看護技術の到達目標と到達度を明らかにする.方法:デルファイ法により,看護の教育者91名および看護実践者98名の専門家の協力を得て158項目の看護技術の到達目標に関する質問紙調査を3回実施した.結果:到達目標は143項目に絞られ,うち138項目は教育者・看護実践者合わせて80%以上の同意率,残り5項目も74~79%であり,ほぼ合意が得られた.それらは,到達度Ⅰ(ひとりで実施できる)が33項目,到達度Ⅱ(指導のもとで実施できる)が53項目であり,日常生活行動援助の看護技術が多く含まれた.また到達度Ⅲ(学内演習で実施できる)が20項目,到達度Ⅳ(知識としてわかる)が37項目であり診療に伴う看護技術が多く含まれた.結論:明らかになった到達目標と到達度は,看護基礎教育と継続教育のギャップを埋め,看護技術教育の充実をはかる上で有用な基礎資料になると考える.
著者
名和 一成 杉原 光彦 村田 泰章 風間 卓仁 西田 究 菅野 貴之 小山 悦郎 大久保 修平 奥田 隆
出版者
日本測地学会
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.59-67, 2008 (Released:2013-02-25)
参考文献数
17
被引用文献数
1

We carried out continuous gravity observation with a Scintrex CG-3M gravimeter at Asama Volcano Observatory from September 4 to October 22 in 2007.We tried to detect hydrological gravity effects after heavy rainfall by Typhoon 200709 (FITOW). To detect hydrological gravity effects we supposed a simple tank model as proposed for the Matsushiro superconducting gravimeter observation, which model represented immediate gravity increase and gradual decrease after rainfall. Parameters of the tank model were estimated using an ABIC minimization iversion method and precipitation data as inputs. As a result, hydrological gravity effects were extracted from gravity residuals although gravity residuals included a large non-linear drift. And the extracted hydrological gravity effects corresponded to temporal gravity changes simultaneously observed with an FG5 absolute gravimeter. Our success promises expanding opportunities of continuous observation by using CG-3M gravimeters in the future.
著者
小山 信也
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.481-489, 1998-07-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。