著者
佐藤 健司 小野 芳 三輪 弌 奥島 修二
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.26-31, 2006-08-31
被引用文献数
1 1

近年,ポーラスコンクリートを多自然型護岸に採用する事例が増加しているが,多自然化効果を検証した事例は少ない。そこで,ポーラスコンクリート水路と従来型のコンクリート水路および土水路について動植物調査を行い,ポーラスコンクリートに形成される生物生息環境の特性把握を試みた。その結果,ポーラスコンクリート水路はコンクリート水路と比較して多くの動植物が生息することが明らかとなった。また,ポーラスコンクリート水路内に形成される環境は植生域,底泥域,砂礫域に大別され,それぞれの環境に適応した生物が生息していたため,水路全体の生物多様性を作り出していた。
著者
大西 豊 西村 文武 藤原 拓 小野 芳朗
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第18回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.236, 2007 (Released:2007-11-23)

ポリ塩化ビニル製品からの溶出物質として親水性の有機物,とりわけ多くの浸出水中で検出されるフェノール類を対象として本研究ではとくに埋立直後に上昇すると考えられる内部温度に注目してまたポリ塩化ビニル製品の材質について,製品の硬度に注目し溶出試験を行った.
著者
小野 芳朗
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.659, pp.67-74, 2011-01-30 (Released:2011-03-07)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

After the Meiji-era, the forest around Shin-to shrine was refined as Shin-en (The forest for God) in order to keep shrine's authority. This Shin-en had also function as the Urban Park. This paper discusses an example of building of a shrine and a park in Okayama City. The Shokon-sha shrine (the Shin-to shrine dedicated the sprits of war dead soldiers) was built in 1869 on a hill Higashi-yama where the shrine dedicated Tokugawa Shogun from 1644 that was the most important memorial space for the governor Daimyo Ikeda. After the stationing of Army 17 division in 1907, the Shokon-sha shrine was rebuilt with the refined Shin-en Parks designed by the technocrat belong to Ministry of Imperial House as the authority for the sprit of soldiers of Imperial Army.
著者
岡本 和己 小野 芳朗
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.81, no.722, pp.1047-1057, 2016 (Released:2016-04-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Before the middle of the 19th century, cherry trees could be seen in the mountainside forests, shrines, and temples of Kyoto, while from the 1880s to the 1930s, cherry trees were planted in urban areas. Additionally, a newly developed species of cherry, named SOMEI-YOSHINO, began to spread from 1904, from which time spring scene changed dramatically. In research concerning cherry trees in Kyoto before World War II, Hiroshi Takagi analyzes the social significance of planting cherry trees in terms of cultural history. He also discusses how SOMEI-YOSHINO were especially chosen as a nationalistic symbol and/or a symbol of the modern age and civilization. In his thesis, the traditional species YAMA-ZAKURA and SATO-ZAKURA were planted in areas with a traditional narrative like Heian Shrine, while SOMEI-YOSHINO were planted in areas that symbolized modern civilization like Kyoto City Zoo. In this paper, the planting of cherry trees is discussed in the context of landscape formation in modern Kyoto by investigating the planting process. From a botanical perspective, cherry trees are not suitable for roadside planting but instead favor waterside planting as they require a great deal of water. Furthermore, the planting method differs depending on the species. YAMA-ZAKURA lend themselves to a backdrop of Japanese red pine and maple trees, while SOMEI-YOSHINO, the new breed of cloned cherries, propagate quickly, making mass production possible and lending themselves to planting in rows. Meanwhile, SATO-ZAKURA, with their exquisite flowers, are best viewed individually and up close. We divided the planting locations of cherry trees in Kyoto into five groups according to their planting formation: (1) Waterside + Mountainside; (2) Facility type; (3) Facility type + Waterside; (4) Lake Biwa canal side; and (5) Kamo Riverside. Planting by groups was analyzed using original historical archives written by the planting organization and stored in Kyoto Prefecture and City Bureau. This allowed the planting context to be clarified with reference to the stakeholders, purpose, time period, space, and species of cherry trees in each location. Cherry trees planted before World War II in Kyoto did not all represent the idea of symbolism and psychology. The common keyword “scenic” often appears as the intent of planting. However, the purpose and context of the word “scenic” had various meanings and contexts since “scenic” had different purposes depending on the intention of each planting. In Kyoto, the shift to planting SOMEI-YOSHINO began in 1904. This shift to the new species also triggered a dramatic shift in the landscape style around urban areas.
著者
小野 芳朗 興津 洋佑
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.667, pp.1735-1743, 2011-09-30 (Released:2012-01-13)
参考文献数
17

The relationships between planning and performance of road construction in Okayama city are discussed from a viewpoint of the leading systems of city planning. In City Planning with the Act in 1919, the Local Committee of City Planning had the right of permission of the planning. However, the planners of the road construction were the technocrats belonging to the Okayama City Bureau and Okayama Prefecture. And the fundamental issues were decided in the City Assembly without National subsidy. Roads around the city area were constructed independently with the City Planning. The purpose of the City Planning in Okayama city that become “Industrial City” was not performed conclusively.
著者
小野 芳朗 山田 正人
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.156-169, 1999-03-31 (Released:2010-05-31)
参考文献数
38
被引用文献数
1

内分泌攪乱化学物質をはじめとする有害な化学物質が廃棄物処理・処分システムで検出される。これらのリスクを評価し, 管理するための方法論を提示した。まず, 化学物質がヒトにおよぼす影響を確定するためには, 古典的なリスクアセスメントを実施し, 規制値をつくっていかねばならないことをU.S.EPAの例示をしながら解説した。そして, 廃棄物システムにおけるリスク管理の優先性を決めるために, 残留性, 生物濃縮性そして毒性を有する化学物質のスコアリングによる選択法をEPAの提案から紹介し, さらにわが国における文献上知られた処分場浸出水中の有害化学物質のリストアップを図り, モニタリングの重要な物質を示した。さらに, 環境試料のような混合物中に含まれる未知の毒性物質の評価法に関して早期警戒システム, ガイドラインとしてのバイオアッセイの適用性を論考した。
著者
岡留 剛 小野 芳彦 山田 尚勇
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1797-1798, 1986-10-01

英文タイプ作業についてすでに知られている知見や、コード化入力方式による日本文タイプ作業の認知的実験の解析により、われわれはタイプ作業時のタイピストの認知モデルを構築した(Okadome,Ono,Yamada,1986)。そのモデルの特徴の一つは出力キューが左右の手別々に存在するということである。本報告では、現在までに知られている脳科学の成果をふまえることにより、このタイプ作業時の認知モデルに対する脳科学的基礎を与えることを試みる。なお、以下の議論はヒトまたサルの知見に基づいている。
著者
岡留剛 小野芳彦 山田尚男
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.22, pp.1-7, 1985-07-10

タイプ作業時の脳の情報処理過程には、左右の手ごとに出力キューがあるというパイプラインモデルを提唱する。われわれは、日本文入力方式として熟練者にとって最も楽であり自然なものとはどのようなものであるかを定めるために基礎的研究を行なってきた。本論文はその一端であり、タイプ作業においてわれわれが見出したタイプエラーや、現在までに報告されているタイプ作業におけるさまざまな現象を解析することにより、一つのタイプ作業中の情報処理のモデルを構築した。このモデルは多段階の処理部から成り、各段階は時間的に重ね合わさって処理が行なわれる。このモデルによれば、打鍵がきわめて速く行なわれることや種々のタイプエラーなどを説明でき、とくに、出力部ではキューが左右の手それぞれに存在するとという仮説によってある種のタイプエラーが自然に解釈できる。
著者
三田 勝己 石田 直章 赤滝 久美 伊藤 晋彦 小野 芳裕 沖 高司
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.8, pp.563-566, 1993-08-18

二分脊椎患者の立位姿勢における身体動揺を床反力作用点の軌跡として記録し,これを手掛りに彼らの姿勢調節能力に検討を加えた.対象はL_3〜_5麻痺レベルをもち,屋外歩行が可能な二分脊椎患者(9〜18歳)とした.患児の前後方向の身体動揺は装具を装着した開眼の状態がおおむね健常者の閉眼時に相当し,閉眼するとその2倍に増大した.装具の有無は身体動揺と密接な関連を示したが,その影響は開眼,閉眼時の違いほど大きくはなかった.左右方向の身体動揺量は前後方向より幾分か少なかったが,類似した特徴を示した.しかし,装具の有無との関連は前後方向より低かった1
著者
小野 芳朗
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.664, pp.1197-1204, 2011-06-30 (Released:2011-11-16)
参考文献数
18

The forest around urban area was desolated tremendously by imprudent cutting trees in 19 C. Recovering of these forests was begun from the early 1900's to keep the trees for source of water supply, protection of landslide and scene from the urban area. This paper discusses the relationships between the preservation of the forest scene and its management, and the development as the park. Dr. T. Tamura who is a specialist on the scenery and the park, and Mr. U. Kugo who is a technocrat on the forest management of Okayama Prefecture participated in the manifestation and preservation of the scene of Misao-yama hill as a borrowing landscape from the Kohraku-en garden that is historical Daimyo garden. However, Dr. Tamura planned the forest park in the Misao-yama hill as a developing urban infrastructure for hygiene and recreation space.
著者
青井 健太郎 小野 芳朗 並木 健二 山田 亜矢
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.124-130, 2002-05-31 (Released:2010-05-31)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究では, 一般廃棄物焼却施設から採取した飛灰および主灰について各種の溶出試験と化学物質のリスクに関わる優先度を決定するスコアリングを組み合わせることにより, 焼却灰中に含有されるCr, Cd, Pb, Sbの『溶出されやすく, 生体内に曝露されやすく, しかも有害な影響をおこしやすさ』を浸出水へ与えるインパクトの強さとして定量的に評価した。その結果, 焼却灰の浸出水への影響を評価するためには, 二段階バッチ試験とアベイラビリティー試験を組み合わせる必要があることと, 埋立て初期のCd, 長期間にわたるPb溶出によるインパクトが強いという結論を得た。
著者
中川 理 石田 潤一郎 小野 芳朗 丸山 宏 青井 哲人 大田 省一 木方 十根 清水 重敦 砂本 文彦 谷川 竜一 中嶋 節子 中野 茂夫 松山 恵 本康 宏史 山口 敬太
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

わが国の都市空間は、明治維新から太平洋戦争時までの間に実施された各種の都市基盤整備の事業によって再編された。この研究は、近代におけるわが国の都市空間の変容を、その事業が計画・執行される仕組みを理解することで解明する。都市基盤整備の事業は、国家、地方行政、地権者、共同体、民間資本などが多様な関係を築き実施されていた。そして、その関係は、学知や技術による客観的評価に基づく、一元的な制度システム(仕組み)に回収されていくようになったことがわかった。
著者
村井 康彦 小野 芳彦 コーニッキー ピーター 白幡 洋三郎 園田 英弘 パンツァー ペーター スミス ヘンリー 飯田 経夫 山折 哲雄 KORNICKI Peter SMITH Henry PANTZER Peter ピーター コーニッキー ペーター パンツァー ヘンリー スミス
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

本年度の調査は、17世紀まで世界の先進文化をリ-ドしていたラテンヨーロッパ、特にスペイン・ポルトガルとそれらによって植民地化されていたラテンアメリカにおける日本文化の現状を調査する事を中心軸に据えた。また先進国の中でも、調査をやりのこしていたアメリカ合衆国を加えた。スペイン・ポルトガルの両国は、現在ヨーロッパ先進国に対する農業生産物の供給国として、むしろ開発途上国的な色彩を持っている。そこで、日本の工業製品はこの両国との競合関係にはなく、日本製品の出超の事態にある。家電製品、自動車等は、いうまでもなくスペインやポルトガルの製品が日本には皆無であり、日本製品のみが両国に進出している。しかしながら、ヨーロッパ先進諸国、ドイツ・イギリス・フランスの製品と比較すれば、日本製品の進出は少ない。現地調査の結果、日本の生活文化として特に注目に値するのは、テレビゲーム、盆栽、テレビアニメの3つでであることがわかった。テレビゲームは、ポルトガル・スペインのおもちゃ屋の店頭でもっとも目立つ場所に飾られており、他国の製品の出番はほとんどないといってよい。じじつジェトロのマドリード支部での聞き取り調査でも現在の日本・スペイン間の貿易に、テレビゲームが占める割合は他の電気製品・工業製品を大きく圧倒するとの事であった。盆栽は、ヨーロッパ先進諸国でも相当の普及を遂げているが、ラテンヨーロッパでは現地の独自の盆栽文化が育っている事が特徴である。すなわち、ドイツ・フランス・イギリスでは、どちらかといえばまだ日本の伝統的な盆栽文化が尊重されており、愛好家は日本趣味の持ち主や日本通である事が多いのに対して、ラテンヨーロッパでは盆栽協会の会長以下幹部を現地人が占めており、盆栽愛好が庶民層にまで広がっている様子がうかがえた。またブラジルの調査でも、多数の日系人の存在にもかかわらず、盆栽協会の活動にブラジル人が進出しており、盆栽が庶民層に普及している事がはっきりした。先進ヨーロッパ諸国と違って、盆栽がもはやエキゾチシズムの対象でもなく、日本趣味の対象でもなくなっている。すなわち本当に現地に根を下ろした生活文化に育っている事は注目に値する。また、茶道・華道とは違って日本人の枠を離れて現地化しつつある点に盆栽文化の特徴があるようだ。テレビアニメはラテンヨーロッパでは極めて頻繁に放映されている日本製の番組である。朝の子供番組の時間帯には毎日2、3本の日本製アニメが吹き替えで放映されている。先進ヨーロッパのうちドイツ・イギリスではほとんど放映がみられないのに比較してフランスでは頻繁に放映されている。テレビアニメに関しては先進ヨーロッパ対開発途上的ラテンヨーロッパという対照がみられない。むしろカトリック圏(スペイン・ポルトガル・フランス、そして未調査ではあるが現地情報によればイタリアも含めてよい)では日本製アニメが多数放映されているのに対してプロテスタント圏ではほとんど放映がないと分析するのがよいだろう。その原因は、視聴者の好みから来るよりは、放映する側の思想にあるのではないかと考えられる。すなわちプロテスタント圏では子供向けに、全体として堅い教育番組が多いのに対して、カトリック圏では娯楽番組にも十分な放映時間を割いているという事情が考えられる。アメリカ合衆国の日本生活文化ではやはり食品が注目に値する。ドイツやイギリスでも同じであるが、インスタント食品としてのカップヌードルがこれらの国では相当の進出を見せている。ところがスウェーデンではほとんどこの種のインスタント食品はみられなかった。日本企業の関心の持ち方にも左右されるであろうが、むしろ、現地の食習慣が進出の多少に影響しているものと考えられる。
著者
小野 芳 柳 雅之 工藤 善 手代木 純 輿水 肇
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.74-79, 2006-08-31
被引用文献数
7 9

本研究では,屋上緑化の熱環境への負荷低減効果を定量的に算定するための基礎データとして,屋上緑化の蒸発散量の測定を行った。使用した土壌は黒土とパーライト系の人工軽量土,土壌厚は7cm,14cm,21cmの3種類であり,各土壌厚につき裸地と3種の植物の計4試験区を設け,夏・秋・冬・春の4シーズンの蒸発散量を小型ライシメータの重量減少によって測定した。その結果,黒土区で人工軽量土区より植物生育が悪いものが多く,蒸発散量が抑えられ,黒土区のペチュニアの8月の蒸発散量は裸地より少なかった。各土壌厚の中で8月の蒸発散量が最大だったものは,人工軽量土区のローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)が7.2kg/m^2/day,人工軽量土区のバーベナ(Verbena.×hybrids)が12kg/m^2/day,黒土区のオオムラサキツツジ(Rhododendron pulchrum Sweet cv. Oomurasaki)が14kg/m^2/dayであった。