著者
堤 敦子 田中 宏樹 小野 雄治 梅田(戸上) 久美 梅田 幸嗣 磯田 憲一 波部 幸司 西川 政勝 水谷 仁
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.486-492, 2016

乾燥肌成人女性ボランティアを対象に,新規低刺激性全身洗浄料(nachu 高保湿ボディソープ:ダスキン)と従来品(うるおいボディソープ:ダスキン)を用い,各群15名の二重盲検による4週間の二群並行試験を行った。前腕皮膚の角層水分量,経表皮水分蒸散量に加え,使用感のアンケートと皮膚科専門医による問診・視診で評価した。結果:角層水分量にて両手共に改善傾向が認められ,統計学的には全被験者では左前腕,支給タオル使用者のみでは右前腕で有意な改善が確認され,角層水分量変化量の群間比較も改善をみた。なお,試験期間中に両洗浄剤に起因する有害事象は確認されなかった。以上より,新規洗浄剤が従来品に比し高い保湿性を持つことが考えられた。(皮膚の科学,15: 486-492, 2016)
著者
近藤 明雅 山田 健太郎 小野 彰之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A (ISSN:18806023)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.434-443, 2007 (Released:2007-07-20)
参考文献数
12

繰返し荷重を受ける耐候性鋼無塗装橋では,その疲労挙動が問題になる.本研究では,約25年間大気暴露した十字すみ肉溶接継手32体と面外ガセット溶接継手8体を疲労試験し,筆者らが,過去に行った無暴露材,2, 4, 10年大気暴露材の試験結果と比較した.十字すみ肉溶接継手のうち15体は,暴露前に疲労寿命の約25%の繰返し荷重を載荷した後に暴露したものである.その試験体で,比較的大きい疲労き裂が発生していたものは,無暴露材,2, 4, 10年暴露材の疲労強度から低下したが,疲労き裂が小さいか認められない場合には,疲労強度の低下はみられなかった.溶接したままで約25年間大気暴露した十字すみ肉試験体17体と面外ガセット溶接継手では,疲労強度の低下は見られなかった.
著者
小野 宏志 大村 謙二郎
出版者
公益社団法人 都市住宅学会
雑誌
都市住宅学 (ISSN:13418157)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.15, pp.72-77, 1996-09-30 (Released:2012-08-01)
参考文献数
6

This paper surveys the real development conditions in the Urbanization Promotion Area (U.P.A.), where the sprawl development should be controlled. Through the survey of the development activities and present living environment in the U.P.A. of two cities, Asaka and Toride in Saitama & Ibaraki Pref., it is evident that U.P.A. is changing into the coexisting land use category of agricultural and urban land use. In U.P.A. it is necessary to show a guide line for gradual development and infrastructure construction.
著者
五島 淑子 小野 佑輔 広津 理恵 石田 佳菜絵 前田 綾子 村尾 奈美 柏木 享
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1006, 2009

<BR>【目的】近年日本酒の消費量が減少している。日本の食文化のひとつである日本酒について、将来の酒の消費量に影響を与える年齢層の大学生を対象に、日本酒に対するイメージと嗜好について調査を行い、若者に日本酒を普及させる方法を探る。<BR>【方法】(1)酒のイメージ調査 平成20年6月上旬~7月上旬、山口大学学生290名を対象に、SD法によるイメージ調査を行った。(2)実態調査 平成20年6月中旬から7月中旬、山口大学学生353名を対象に、日本酒の飲酒頻度、日本酒についての関心などについてアンケート調査を行った。(3)日本酒の試飲調査 平成20年12月10日~12日に、山口大学学生102名(20歳以上で試飲後運転をしない人)を対象に、山口大学教育学部食物調理科学教室で、4種類の日本酒(純米酒、地酒)から好きな酒を選ばせた。<BR>【結果】(1)大学生は、日本酒を「アルコール度数が高い」「男性的」「年配向き」「高級」「辛い」とイメージしていた。(2)お酒として一番に思い浮かべるのはビールついで日本酒であったが、最も好きな酒はカクテルついで梅酒、ビールであった。(3)日本酒を飲む頻度は「月1回以下」「飲まない」が6割以上を占めた。(4)「料理にあう日本酒」「日本酒の飲み方」「日本酒の種類」に関心が高かった。(5)日本酒離れが進む原因として、「においがきつい」「アルコール度が高い」「値段が高い」「近寄り難い」「辛い」ためと考えていた。(6)試飲調査の結果、純米大吟醸、発泡純米酒、アルコール度数の低い酒が好まれた。(7)若者に日本酒を普及させるためには、若者が好む種類の日本酒の販売、料理にあう酒や飲み方などについて情報の発信など、日本酒の知識と経験が重要だと考える。
著者
ファルキ・ジャヴェド・アフマド 小野 尋子 ハビビ・セイド・ムスタファ
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.86, no.782, pp.1233-1239, 2021
被引用文献数
1

<p>Kandahar is the second-largest city of Afghanistan, located in the southwestern part. It has experienced a drastic population increase and a dramatic expansion over the last two decades. Ahmad Shahi is an area which is located in the CBD of Kandahar city; it is famous for the historical dome houses and traditional urban fabric. The buildup area illegally expanded in violation of the master plan and caused a massive transformation in the land use from residential to commercial, which certainly affected the ancient architecture, culture and urban fabric of the area.</p><p>Cultural heritages and historical buildings have a significant role in the socio-economic development and identity of a place. According to the socio-economic survey, the residents are facing lots of problems in terms of the social and quality of life. The majority of the houses are at huge risk of collapse and failure due to the low maintenance from the construction point of view. There are a number of historical houses on the site with more than 100 years of building age; these are considering as a cultural asset for the area. Unfortunately, due to many reasons the government could not put any practical step for the preservation and rehabilitation of these assets so far. As a result, these houses have been destroyed gradually, and the architectural design and elements of these houses which are representing the ancient history and morphology of the area are steadily disappearing.</p><p>This study looks into a comparison and analysis of two maps associated with the target area from different years to find the percentages of transformation and changes in the land use.</p><p>There are a number of historical dome houses in the old city of Kandahar which have faced drastic changes and transformation since the last two decades. According to the spatial analysis from the satellite imagery of 2011 and 2018, (6.8%) of the residential lots have transformed into commercial regardless of the master plan which obviously have affected the environmental and social life aspect of the residents and as well as the characteristic of the area. This transformation and changes have occurred based on the land value, close distance to the CBD, transition of the family typology and some other minor factors. The historical houses are on the verge of collapse and need urgent repair and protection. Some other places which are currently in bad condition and may gradually perish if not paid proper attention can certainly threaten the life of the people who are residing there. This research basically focused on the traditional houses in the Old City of Kandahar and discussed the importance of historical value, land use transformation and its impact since the last two decades. Finally, some recommendations have been proposed to deal with the problem and to create a sustainable approach for the preservation of the old city of Kandahar.</p>
著者
鎌苅 竜也 塩見 準 石原 亨 小野寺 秀俊
雑誌
DAシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.187-192, 2015-08-19

多くの記憶素子の基本要素として利用されるラッチ回路は,集積回路設計にかかせない重要な回路である.集積回路の低消費電力化のためには,低電圧での回路動作が有効であることが広く知られている.しかし低電圧動作では,トランジスタ特性ばらつきの影響による論理ゲートの誤動作,特にラッチ回路の誤動作が大きな問題となる.本稿は,解析的なアプローチから,極低電圧動作におけるラッチ回路の動作安定性を精度よくモデル化する手法について述べる.その後,商用 28~nm プロセスのトランジスタモデルを用いた回路シミュレーションにより,提案モデルの有用性を確認する.
著者
古谷 真衣子 小野 哲也 小村 潤一郎 上原 芳彦 地元 佑輔 仲田 栄子 高井 良尋 大澤 郁朗
出版者
一般社団法人 日本放射線影響学会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集 日本放射線影響学会第53回大会
巻号頁・発行日
pp.310, 2010 (Released:2010-12-01)

放射線はさまざまなラジカルを生成させるが、その中でも細胞障害の主な原因となるのは水の分解に伴うOHラジカルであることが知られ、しかもそれはSH剤によって捕獲されることが分かっている。他方、最近細胞内で生じるさまざまな活性酸素のうちOHラジカルだけが水素分子によって特異的に除去されることが示されている(Nature Med 13 (6) 688-694 (2007))。そこで我々はこの水素分子が放射線障害を軽減化する活性がないかどうかについて検討してみた。 [材料と方法] 8週齢のC57BL/6J、雌マウスを用いて2%の水素ガスを1時間吸わせた後同じ水素ガス存在下で8Gy及び12GyのX線全身照射を行い生存日数を調べた。X線は0.72Gy/minの線量率。また水素ガスに1時間曝露後普通の空気吸引にもどし、1時間あるいは6時間経た後で放射線を照射し、生存率を調べた。 [結果と考察] 水素ガス投与によって8Gy照射後の平均生存日数は10日から17日へと有意に増加し(p=0.0010)、12Gy照射でも増加傾向がみられた。これらは骨髄幹細胞や腸のクリプト幹細胞に対し水素ガスが防護効果を持つことを示している。さらに水素ガス吸引の効果は吸引を止めた後1時間及び6時間後では明白に減弱していることも分かった。 これらの結果は水素ガスが新しい放射線防護剤として有用であることを示唆すると同時に、水素分子がOHラジカルと反応し得ることも示唆するものである。 現在、水素ガスの効果が細胞レベル、DNAレベルでも観察されるものかどうかについて検討している。
著者
小野 真理 中川 幹子 大家 辰彦 一瀬 正志 米持 英俊 犀川 哲典
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 = Electrocardiology (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.143-148, 2004-05-25
参考文献数
14
被引用文献数
1

先天性QT延長症候群のLQT2患者では夜間睡眠中に目覚まし時計で覚醒した際に心事故が頻発する, 我々は健常者を対象とし, 目覚まし時計覚醒時に起こる循環動態の経時的変化, 特に心室再分極過程の変化を検討した.対象は健常成人16名 (平均年齢22.6歳) である.ベッド上安静臥床し仮眠をとらせ, 約30分後に目覚まし時計を鳴らし, その後安静を維持した.安静睡眠中, 覚醒直後, 10秒, 20秒, 30秒, 1分, 2分後の各時間における血圧, 心拍数, QT (QTc) 時間, T波およびU波高を測定した.収縮期・拡張期血圧, 心拍数とも目覚まし刺激直後に有意に上昇した.QTc時間は刺激直後より有意に延長し, 直後~10秒後にピークを呈した, T波高は有意に減少し, U波高は有意に増大した.症例によっては, QT延長症候群患者の心電図に類似した複雑なT-U complexを形成する例もあった.いずれの指標も1分後には前値に復した.健常人において, 目覚まし時計による覚醒時に交感神経活性が急激に短時間亢進し, 心室再分極過程の異常を呈した.
著者
小野 麻由子
出版者
一般社団法人 日本看護管理学会
雑誌
日本看護管理学会誌 (ISSN:13470140)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.32-42, 2020 (Released:2020-08-19)
参考文献数
17

【目的】地域包括ケアシステムにおける看護職の在宅シフト支援コンピテンシーを明らかにし,その尺度の開発,並びに信頼性・妥当性を検証する.【方法】在宅シフトを可能にする看護職のコンピテンシーについてインタビュー調査し,退院支援に関する文献レビューの結果と統合して質問項目の原案を作成した.その後,エキスパートパネルでの検討,パイロットスタディを経て質問紙を完成させ,全国の看護職1,348名を対象として調査を行った.信頼性はCronbachのα係数の算出及び再テスト法を実施した.妥当性は,「退院支援看護師の個別支援における職務行動遂行能力評価尺度」との相関係数の算出による併存妥当性,因子分析結果から構成概念妥当性を検証した.【結果】全国調査は,有効回答614(45.5%)を分析対象とした.本尺度は,第1因子「在宅シフトに向けた最適化」,第2因子「患者・家族を主軸とした連携」,第3因子「患者・家族の価値観を尊重した専門的アセスメントと実践」,第4因子「目標達成に向けたプランニング」の4因子35項目で生成された.尺度全体のCronbachのα係数は0.963,再テスト法の相関はr=0.682であった.また,「退院支援看護師の個別支援における職務行動遂行能力評価尺度」との相関はr=0.768であり,抽出された因子と質問紙原案の構成概念との一致状況や各因子の構造が確認できた.【結論】本尺度は4因子35項目で構成され,信頼性と妥当性があることが確認できた.
著者
小野寺 峻一 山本 奬 川原 恵理子 亘理 大也
出版者
岩手大学大学院教育学研究科
雑誌
岩手大学大学院教育学研究科研究年報 = Research Journal of the Iwate University Professional School for Teacher Education (ISSN:2432924X)
巻号頁・発行日
no.5, pp.243-253, 2021-03-31

本研究の目的は,自殺予防教育の一環として,「援助要請の仕方・受け止め方」の心理教育プログラムを作成し,高校生を対象に実施し,その成果を検証することであった.作成したプログラムについて,援助要請の仕方・その受け止め方共に,当初の自信による適用の禁忌はないことが確認された.援助要請の仕方・その受け止め方の自信の向上については,自信の程度が,中程度,低い生徒に対して,効果が認められた.援助要請姿勢のへの変化に関しては,「部活や習い事」は有意に多く,「友達と口論」は有意,「成績が上がらない」は有意傾向であることが示された.高校生にとって,心理教育プログラムは,援助要請の仕方とその受け止め方の自信を向上する傾向にあり,心理面,社会面の問題において,援助要請姿勢を変容させる可能性が示唆された.
著者
山崎 誠 相良 かおる 小野 正子 東条 佳奈 麻 子軒 Makoto Yamazaki Kaoru Sagara Masako Ono Kana Tojo Tzu-Hsuan Ma
出版者
国立国語研究所
雑誌
言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop
巻号頁・発行日
no.4, pp.161-168, 2019

会議名: 言語資源活用ワークショップ2019, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2019年9月2日−4日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター本発表では、電子医療記録に含まれる実践医療用語の語構成を明らかにするために、独自に設計した語構成要素への分割とそれに対する意味ラベルの付与を行い、意味ラベルによる語構成のパターンを調査した。調査対象は、ComeJisyoSjis-1(111,664語)から、『分類語彙表 増補改訂版』に収録されている語を含む約7,000語から抽出した1,000語である。これらを短単位よりやや長めの語構成要素に分割し、意味ラベルを付与した。意味ラベルは、石井(2007)の複合名詞の語構造把握のための意味分類を参考にしたが、実践医療用語のために独自に設けたものも多い。分析結果から、以下のような点が明らかになった。(1)語構成要素数が2個と3個のものが全体の8割以上を占める。(2)意味ラベルは、「疾患」「身体部位」「状態」「症状」「医療行為」「時間」「生理」の7つで全体の約8割を占める。(3)意味ラベルは、語頭により多く出現するもの(「身体部位」「時間」)や語末により多く出現するもの(「医療行為」「症状」「障害」)などがあり、分布に偏りが見られる。
著者
小野田 慶一
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.29-44, 2010
被引用文献数
1

人間は社会的動物であり, 望ましい関係性から排斥されたときに悲痛な感情を経験する。このネガティブな感情は社会的痛みと呼ばれる。多くの動物実験及び画像研究の知見から, 身体的痛みと社会的痛みはその機能と神経機序を共有していることが示されてきた。本稿では, 背側前帯状回が身体的痛みと社会的痛みの共有システムに重要な役割を果たし, 鎮痛作用のあるオピオイドは社会的痛みをも減弱または消失させることを示した知見を紹介する。さらに, 社会的痛みの進化, 発達, 個人差に関しても概説する。社会的痛みの個人差に関しては先天的 (遺伝的)・後天的 (社会的) な要因の双方に言及している。また, 社会的排斥に対するサポートの効果に関しても議論する。最後に社会神経科学における排斥研究の展望を述べる。