著者
小野田 哲弥
出版者
慶應義塾大学湘南藤沢学会
雑誌
Keio SFC journal (ISSN:13472828)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.78-102, 2007-04

研究論文:自由論題本研究は、テレビ番組視聴質調査『リサーチQ』の回答履歴データを用いた実証研究である。情報バラエティ番組をそれぞれ4つのレイヤーとライフステージへと定量的に分類し、時系列検証を行った結果、3つの代表的ライフサイクルが存在することが明らかとなった。また本研究の独自性はロングテール論を参考に、視聴率の極めて低い深夜番組も分析対象としている点にある。昨今民放キー局において頻繁に行われている「深夜番組のゴールデンタイム進出」に注目し、その成功要因を普及理論とキャズム論の観点から検討した。 This is an experimental study based on the data from Research-Q, a web survey on the quality of TV programs. First, I divided all variety / information programs into layers and quantitatively identified the life-stage of each program. Second, time-series examination was performed on these programs. Finally, the result explained that there are three program-life-cycle patterns in general. The uniqueness of this research is that it refers to The Long Tail and deals with extremely low rating programs being broadcast at midnight. In recent years, it has become popular among key commercial stations to move midnight programs to golden hour. Therefore, I focused on these cases and investigated some success factors based on the diffusion theory and The Chasm.
著者
近藤 哲理 田崎 厳 廣川 豊 谷垣 俊守 小野 容明 太田 保世
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.621-625, 1999
被引用文献数
8

1998年末に,わが国にドライパウダー(DPI)ステロイドが導入された.本研究では,DPI未導入時に以下の群のディスクヘラーの吸気気流(PIF)を検討した:器具に習熟した医薬情報担当者(EX群,5名),原理のみを理解している呼吸器科医(RP群,19名)および一般人(NM群,31名),ビデオテープによる簡易指導後の患者(TP群,93名).50l/min以下のPIFではブリスター内に高頻度に薬剤の残留を認めた.EX群のPIFは96.1±12.6l/m(平均±標準偏差)であった.PIFとマウスピース内圧(Paw)にはPIF=√^<16.3><Paw-1.19>,(r=0.97)の関係があったため,他の群では市販の気圧計を改造した携帯型圧力計により,Pawを測定してPIFを計算した.RP群のPIFは77.0±30.1l/mで,不適切と考えられるPIF(100l/m以上および50l/m未満)の者が36.8%存在した.NM群のPIFは53.5±20.4l/mでRP群より有意(t検定)に低く,不適切PIF者が54.8%存在した.TP群のPFは64.9±24.5lmでRP群よりも有意に低く,不適切PIF者は43.2%存在した.適切な吸入気量を効率よく達成するためには,PIFの定量的な表示が必要と思われる.
著者
小野 泱
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.263-271, 1977
被引用文献数
2

1974&acd;1976年の4&acd;11月に帯広市周辺の諸河川でブユの採集を行い, Simulium arakawaeヒメアシマダラブユに極めて類似したブユの多数の卵, 幼虫, 蛹を得た。これらを室内で飼育し成虫を羽化させた結果arakawaeと別種であると認められたので, これを記載しさらに両種の相異について比較図示した。本種とarakawaeとは雌雄のgenitalia構造に差があり, 特に雄のventral plateのventral process, dorsal processesの形態の差は著しく, 脚の形態, 色彩にも差が認められる。幼虫の頭部額板の斑紋はtobetsuensisではH字型, arakawaeでは亀甲斑型となっている。本種はS. aemulum, S. janzeni, S. venustum (s. str.)にもかなり類似し, S. rubtzovi, S. longipapleにも類似している。しかしaemulum, janzeni, venustumとは雄の交尾器のventral plateの形態, 幼虫の肛鰓の形態などにより区別でき, rubtzovi, logipalpeとは蛹の呼吸糸が8本であることで容易に区別できる。本種は北海道東部(十勝, 釧路), 南千島(国後島)に産し, 年2化と考えられるがその吸血習性は不明である。
著者
荒川 修 石川 勝規 小原 繁 小野田 和夫 福田 博之
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.259-262, 2002 (Released:2007-11-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

ギ酸カルシウム剤によるリンゴの摘花効果について,結実に及ぼす影響と作用機作について検討した.ギ酸カルシウム剤の0.33-1%液を満開後に散布した場合,結実率の低下が認められた.ギ酸カルシウム剤は,柱頭に傷害を与え,また,花粉管の伸長を阻害することから,これらのことが結実を阻害する原因と考えられた.処理濃度に関しては,0.5%でも柱頭の傷害と花粉管の伸長阻害が認められたが,安定的な効果と実際の結実率から,1%での散布が効果的であると考えられた.
著者
柴崎 幸次 高柳 泰世 滝川 泰代 乗松 良昌 白井 夕子 小野崎 定浩 門脇 麻友美 岩田 光令
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 = Annual design review of Japanese Society for the Science of Design (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.36-39, 2008-03-30
被引用文献数
1

『弱視者いろはカルタ』は、弱視者問題研究会が全国の弱視者の会員から募った川柳をもとに、そのシチュエーションをユーモラスにイラスト化し弱視者の日常生活についてわかりやすく解説したカルタである。このカルタは一般視力者にも弱視者にも使ってもらえるよう、弱視の見え方や知識を学ぶことができるようカードデザインにも工夫を凝らしている。カルタの構城は[読み札]と[絵札]の組み合わせで、[読み札]は黒地に白抜き文字のゴシック系書体を基本とし、裏面は読み出しの1文字のみレイアウトしている。[絵札]は、6人の弱視者キャラクターを設定し、そこで繰り広げられる弱視者の日常風景を漫画タッチで描き、裏面には弱視の症状や病態、弱視者の道具類など弱視に関連する知識をテーマごとに詳しく解説している。
著者
小野 芳朗
出版者
土木学会
雑誌
土木史研究講演集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.47-52, 2009

御所用水は京都盆地北部の上賀茂神社が水利権を有していた京都盆地流入の淡水用水路群のうち、小山郷を灌漑し、御所の御庭用水や防火用水であった。明治維新以降、水量・水質的に確保の難しくなった用水を天皇の故郷、京都御所の防火のため、琵琶湖疏水を引水する。疏水の当初計画の北上ラインの目標は御所用水であった。本論では、この用水が京都御所・御苑のみならず、元治の蛤御門の変で焼失した上京の防火をも意図していたことを資料的に明らかにした。
著者
小野 友也 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.115, pp.193-200, 2008-11-20

近年,拡張現実感・ロボットナピゲーションなどの分野の研究が盛んに行われている.それに伴い,対象物体とカメラの相対的な位置・姿勢を推定することは重要な課題となっている.本論文では '空間周波数を利用した姿勢推定法を提案する.空間周波数を利用して画像にマーカを埋め込み,空間周波数の変化を観測することで現在の姿勢を推定する. OpenGL を用いたシミュレーションを行い提案手法の有効性を確認した.Recently, fields of the augmented reality and the robot navigation are actively researched. Estimating a relative position and a posture between an object body and a camera has become a more important task. In this paper, we propose a posture estimation method using spatial frequency. We embed markers in an image by using spatial frequency and observe changes in the spatial frequency domain to estimate a current posture of the image. We create an application with OpenGL for simulation and show the effectiveness of our method.

1 0 0 0 膵性腹水

著者
迫田 晃郎 西 俊平 小野 二六一 野上 洋一郎
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.8, pp.1052-1056, 1980-08-01

良性膵疾患, 主として慢性膵炎に伴う膵性腹水は膵管または仮性膵襄胞壁の破裂が主要因となる比較的稀な病態である. 診断は腹水を来す病態の中に膵性腹水があることを銘記しておくことが肝要で, 腹水の高蛋白, 高アミラーゼ値の特性が把握されれば容易であり, 逆行性膵管造影による膵管病態の情報は有用である. 一般に保存的療法に対して難治性で, 術前に的確な病態が把握されれば外科的に治療しうる場合が多い. 最近アルコール多飲者で難治性腹水を伴い肝硬変の擬診で来院, ERP に際して膵管から注入した色素の腹水中移行で膵性腹水と診断し膵管破裂部を含む膵体尾部切除で治療せしめた症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
著者
坂本 大介 小野 哲雄
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.2_101-2_107, 2006 (Released:2006-06-30)

本稿では環境に埋め込まれた対話可能な絵画を生成するソフトウェアについて述べる.本ソフトウェアが生成する絵は環境センサの情報をもとに常に変化する.また,絵に直接触ることで絵に対して変化を与えることができる.これらの絵はモチーフというプラグインで管理され,ユーザの意思で変更することが可能である.本ソフトウェアが出力する絵はコンピュータ上のディスプレイではなく,コンピュータという存在を消したディスプレイから出力することを想定している.これにより我々が生活している空間に含まれる情報を,生活の一部として絵画を飾ることと同じように「情報を飾る」という概念を提案する.また,本稿では空間を一枚の絵画が支配し表現する,環境に埋め込まれたソフトウェアの可能性について考察する.
著者
小野 敏忠
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.207-211, 1973-08-31
被引用文献数
1 1
著者
齋藤 絵理 小野寺 夏生
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.174-174, 2001 (Released:2001-06-01)
参考文献数
23
被引用文献数
3 3

Web上において,高品質な学術情報資源を提供するサービスがQuality Controlled Subject Gateway (QCSG) である。ここでは,自然科学を主題分野とする国内外のQCSG(25機関)を対象とし,開発機関や内容記述に用いられるメタデータエレメントの特徴,QCSG間の標準化動向を調査した。開発機関は大学図書館や個人による単独のものが主であり,特徴のあるエレメントとしてはDublin Core,IAFA templateでは定義されていない“Level”が目立った。内容記述の標準化は理想的な目標とされているが,各機関の認識の相違などにより達成には至っていない。
著者
今別府 考洋 小野 智司 森重 綾太 黒瀬 元義 中山 茂
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.250-262, 2009 (Released:2009-01-27)
参考文献数
45
被引用文献数
1 1

Quantum-inspired Evolutionary Algorithm (QEA) has been proposed as one of stochastic algorithms of evolutionary computation instead of a quantum algorithm. The authors have proposed Quantum-inspired Evolutionary Algorithm based on Pair Swap (QEAPS), which uses pair swap operator and does not group individuals in order to simplify QEA and reduce parameters in QEA. QEA and QEAPS imitationally use quantum bits as genes and superposition states in quantum computation. QEAPS has shown better search performance than QEA on knapsack problem, while eliminating parameters about immigration intervals and number of groups. However, QEAPS still has a parameter in common with QEA, a rotation angle unit, which is uncommon among other evolutionary computation algorithms. The rotation angle unit deeply affects exploitation and exploration control in QEA, but it has been unclear how the parameter influences QEAPS to behave. This paper aims to show that QEAPS involves few parameters and even those parameters can be adjusted easily. Experimental results, in knapsack problem and number partitioning problem which have different characteristics, have shown that QEAPS is competitive with other metaheuristics in search performance, and that QEAPS is robust against the parameter configuration and problem characteristics.
著者
小野 環
出版者
尾道大学
雑誌
尾道大学芸術文化学部紀要 (ISSN:13471910)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.22-25, 2006
著者
小野塚 久枝
出版者
東京工芸大学
雑誌
飯山論叢 (ISSN:02893762)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.95-112, 1993-01-25
著者
笠井 有美 小野 山隆
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.231-232, 1996-03-06

社内の健康管理センターでの利用を目的とした電子カルテシステムを作成した。本システムは医師が診察時に患者と対話しながら利用するもので、従来の紙のカルテと置き替わるものである。カルテを電子化することにより検診結果を含む個人の健康管理情報の統合管理と、処方箋の発行や医療事務でのデータの再利用が可能となる。
著者
三村 宣治 小野寺 良二
出版者
日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.71, no.707, pp.2218-2224, 2005-07-25
被引用文献数
3

There is a method of measuring a shake and vibration quantiatively and evaluating, in one of the performance evaluations of a moving object like vehicles. In that case, the acceleration information as an amount of physics of a shake and vibration becomes important. Furthermore, the acceleration information on 6 DOF is needed when measuring complicated motion of vehicles etc. Then, we constructed 6 DOF acceleration sensor system which used three dual-axis accelerometers, and enabled measurement 6 DOF acceleration. In this paper, we analyzed the problem of the stability in the measurement system of the same method that was not clearly analyzed in the past research. We took notics of a nonlinear term that consist of an angular velocity, which included in the derivation algorithm of 6 DOF acceleration, and made clearly how a nonlinear term would influence the stability of a measurement system by the analysis simulation. And we installed the acceleration sensor in vehicles and performed measuring 6 DOF acceleration to a slalom run. As a result of comparing survey data with a simulation data, emission of the measurement system under the influence of a nonlinear term was not seen.
著者
小野 功 小林 重信
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.780-790, 1998-09-01
被引用文献数
13

In this paper, we propose a new genetic algorithm(GA) for job-shop scheduling problems(JSPs), considering dependencies among machines. We regard the crossover as a main search operator. Crossovers should preserve characteristics between parents and their children in order for GAs to perform well. Characteristics are elements that constitute a solution and determine the fitness of the solution. Chracteristics also should be highly independent of each other. A characteristic has to be found for each problem domain since it depends on a particular problem domain. We basically regard the processing order of jobs as a characteristic for JSPs. We consider job-based order inheritance and position-based order inheritance for ways of inheritance of the processing order by crossovers, and propose two new crossovers; the Inter-machine Job-based Order Crossover(Inter-machine JOX) and the Inter-machine Position-based Order Crossover(Inter-machine POX). By applying them to the benchmark problems of FT10×10 and FT20×5, we demonstrate that the Inter-machine JOX shows better performance than the Inter-machine POX and an existing crossover, the SXX[Kobayashi 95]. The Inter-machine JOX preserves both the processing order of jobs and the technological ordering which causes dependencies among machines. We also propose a new mutation named the Inter-machine Job-based Shift Change for introducing a diversity of population. We confirm its effectiveness by applying it with the Inter-machine JOX to FT10×10 and FT20×5.
著者
三村 宣治 小野寺 良二
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.72, no.724, pp.3798-3805, 2006-12-25
被引用文献数
1

This paper investigates a calibration method of 6 DOF acceleration sensor system using multiple linear accelerometers. So far, it has been considered that a set of 6 DOF acceleration data is to be essential to its calibration. In this accelerometer system, 6 DOF acceleration can be resolved using the geometrical condition of 6 linear accelerometers. Therefore, the measurement error results from the alignment error of the 6 linear accelerometers. And so, we analyze the alignment error and give a caribration method to identify the error only using some limited linear accelerations (acceleration of gravity). This paper discusses its calibration method with experiments for our prototype 6 DOF accelerometer. The results show that the calibration using limited data is possible and has good performance.