著者
案田 岳夫 米倉 正大 馬場 啓至 馬場 史郎 吉田 光一 小野 智憲 鎌田 健作 戸田 啓介 陶山 一彦
出版者
日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.426-430, 2004-11-30
被引用文献数
2

長崎県離島(対馬,壱岐,五島)には脳神経外科手術施設が存在しないため,脳神経外科的治療を要する患者が発生した場合,以前からヘリコプター搬送が利用されており,その大部分が国立病院長崎医療センター脳神経外科に運ばれ治療を受けてきた.近年,その件数は年間約90例となっている.くも膜下出血(SAH)患者も,急性期に当院に搬送されているが,ヘリコプター搬送中,患者は騒音,振動,気温変化,気圧変化などの再破裂の危険に曝されると考えられる.また機内で医師が行いうる医療行為には制限があることも事実である.以上のことから,救急車により搬送される内地発症SAH症例に比較し,離島発症例には予後不良となる要因がより多く存在する可能性がある.そこで,当施設にて治療を受けたSAH症例を離島発症群,内地発症群に分け転帰を比較してみた.
著者
大嶽 能久 新田 克己 前田 茂 小野 昌之 大崎 宏 坂根 清和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.986-996, 1994-06-15
被引用文献数
3 2

法的推論システムHELIC?IIについて述ぺる。法的推論を計算機上で実現するためには、個々の事件の事実関係に解釈を与え、それに法的な概念を対応させる過程をいかに実現するかが大きな問題の一つとなる。HELIC?IIは条文と判例を知識源とするhybridシステムである。条文に基づく推論はルールベース推論によって、判例に基づく推論は事例べ一ス推論によってそれぞれ実現されている。判例に墓づく推論は過去の類似の判例を参照して法的な概念を生成する。条文に基づく推論はこれらの法的な概念を使って罪責を演繹的に求める。両者は相補的に機能し、あらゆる一可能な法的判断を生成する。ルールベース推論エンジンは、並列定理証明器 MGTP(Model Generation Theorem Prover)をべ一スにして、それに幾つかの拡張を施した。事例べ一ス推論エンジンは、推論を類似事例の検索と適用の2段階に分けることにより、事例の記述を容易にすると同時に並列推論の効果を高めた。出カとしては、これらが導かれた過程を表す推論木がユーザに提示される。さらに推論木の理解を容場にするために、自然言語風の詳細説明も提示することができる。HELIC?IIは並列推論マシン上にインプリメントされ、並列推論によって高速に結論を導き出す。例題として刑法を対象とする実験システムを構築し、並列推論の効果を実証した。
著者
小野口 昌久 斎藤 京子 上野 孝志
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, 1990-08-01

1. TL、^<123>I-MIBGのDual mode収集において、それぞれのCROSSTALKの補正を試みた。2. ファントム実験では、前壁、下壁欠損とも補正ありの方が画像、定量ともに優れていた。特に、前壁欠損においては、I-123のCROSSTALKの影響がTLに、下壁欠損では、TL及びI-123のCROSSTALKが互いに影響を及ぼすものと考えられた。3. 臨床例でもファントム実験と同様の結果が得られた。
著者
横山 裕 小野 英哲 稲垣 太郎 高橋 宏樹
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.60, no.478, pp.35-44, 1995
被引用文献数
7 1

The change of evaluation of floor slipperiness resulted from the change of gait with aging was investigated in this paper. At first, we developped an outfitting equipment for the young to simulate geriatric gait. Secondly, the sensory test was carried out using young panels with and without the equipment. The psychological scale of evaluation relating to slipperiness of sample floors employed for the test was constructed. Then, C. S. R which was the physical value corresponding to slipperiness was measured using "O-Y Pull Slip Meter". Thirdly, based on the correlation between the psychological scale and C. S. R, the difference of the aged from the young in evaluating slipperiness was investigated.
著者
小野寺 秀記 竹村 周平 笠松 美宏 辻本 庄司 西山 勝彦 土橋 康成 杉本 尚仁 中原 梨佐 土井 たかし 杉野 成 近藤 元治
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.185-193, 1993-03-25

心嚢炎で発症し, 約1年の経過をもって胸膜炎と気管支転移を合併した悪性胸腺腫の55歳男性症例について報告した。心嚢炎と胸膜炎に関した病理学的確診はえられなかったが, これらは共通の性状と治療経過を示したことから悪性胸腺腫の直接浸潤と考えた。原発巣と気管支病変に関しては病理学的確診がえられ, 画像診断より, 原発巣と気管支病変の連続性が認められないことから, 気管支病変は転移と考えた。治療に関して, 本例では多剤併用療法により部分的寛解後, 縦隔を主とした根治的放射線療法を行い, その後約1年の経過を通じて原発巣の縮小を維持できた。また漿膜浸潤の増悪も局所の化学療法により対処しうるものと想定された。転移を伴った悪性胸腺腫の延命には, 化学療法のdose intensificationが必要と考えられ, G-CSFをはじめとした補助あるいは併用療法の検討が今後の重要課題となるものと思われた。本例の死因は, 心嚢炎の再燃と肝転移に伴う多臓器疾患であった。
著者
大路 清嗣 辻 昌宏 久保 司郎 小野 嘉雄 八幡 篤 梅井 健司
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.59, no.562, pp.1429-1436, 1993-06-25
被引用文献数
7 11

A criterion was sought for predicting the path of a fatigue crack in HT80 steel propagating in residual stress fields. The problem was investigated with respect to two questions : (I) which was the dominant factor in determining the fatigue crack path, the cyclic components or the maximum values of stress intensity factors (SIFs), and (II) what kind of criteria, expressed in terms of the foregoing dominant SIF parameter, could be used for predicting the fatigue crack path ? For the first question, it was indicated that the cyclic components of SIFs determined the crack path. For the second question, it was found that the crack path could be predicted by applying the Δσ_θ maximum criterion, which predicted that the crack propagated in the direction of the maximum range of circumferential stress component. Crack propagation lives for cracks curved due to the existence of a hole were calculated by applying the "U- (crack opening ratio) estimation" method based on the superposition principle proposed by the present authors. The predicted lives were in good agreement with the experimental results.
著者
小野 康弘 川嶋 稔夫 ピトヨ ハルトノ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.198, pp.241-246, 2008-08-29
被引用文献数
2

摂食パターンはある程度個人の健康状態を反映すると考えられるため、摂食パターンを解析することで健康状態をある程度把握することができ,病気の早期発見につながる。本研究で我々は過去に開発したセンシングトレイとIDウェアを用いて個人の摂食パターンを自動的に記録できる手法とその記録パターンの視覚的及び定量的な提示方法の提案を行った。これらの提示方法では、食事に出る品を状態として扱い、摂食の様子を時系列的な状態遷移と見なすことにより,マルコフモデルを構築することができる。複数人の数回にわたる摂食実験から,健康に異常のない特定の個人は特有の摂食パターンを持ち、個人差も明確であることが分かった。この結果を用いて、今後摂食パターンを基に健康管理システムの提案を行う。
著者
中川 道夫 海老原 祐輔 江尻 全機 福田 真実 平田 憲司 門倉 昭 籠谷 正則 松坂 幸彦 村上 浩之 中村 智一 中村 康範 並木 道義 小野 孝 斎藤 芳隆 佐藤 夏雄 鈴木 裕武 友淵 義人 綱脇 恵章 内田 正美 山上 隆正 山岸 久雄 山本 幹生 山内 誠
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.75-90, 2009-02

オーロラX線イベントの2 次元イメージを得ることと,30keV から778keV の領域でエネルギースペクトルを得ることを目的として,大気球を編隊飛行させ観測を行うバルーンクラスター計画の下に,2003 年1 月13 日にPPB8 号機とPPB10 号機の2機が南極の昭和基地より放球された.両機は大気深さ9-12 g / cm^2を保ち,磁気緯度55°.5-66°.4 の範囲を飛翔し南極大陸を半周した.両機はフライト中に多くのオーロラX線イベントを観測した.特に,1月22 日から1 月25 日には,数例のイベントが両機で同じ時間帯に観測されている.2003 年1 月23 日には,始めに10 号機,218sec. の間隔をあけて8 号機でイベントが観測された.このとき8 号機は10 号機の西650km に位置していた.このことはオーロラX線源が速さ約3.0km / sec.で西に向かって移動していたことを示唆している.本論文では同じ時間帯に観測された,オーロラX線イベントについてその描像を述べる.
著者
秋田 重男 池本 節雄 楠原 操 小林 仁 小野 光幸
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.351-354, 1968-12-31

Selection process and main characters of two strains selected for direct planting were described. Chugoku 18 and Chugoku 25, which are different in root type, root size and growth habit, would provide new point of view in the direct planting cultivation of sweet potato.
著者
小野 清美
出版者
大阪外国語大学
雑誌
大阪外国語大学論集 (ISSN:09166637)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.107-136, 1990-03-31

Im Jahre 1917 erkannte die SPD die parlamentarische Demoktatie als sozusagen strategisches Ziel an und forderte die Parlamentarisierung der konstitutionellen Monarchie ernstlicher als bisher. Schon damals sprach man in Westeuropa von der Krise des parlamentarischen Systems, und zwar wegen tiefer sozialwirtschaftlicher Strukturwandlungen wie z. B. Her Massendemokratie sowie des massenhaften Auftretens und der Politisierung der Intressenverbande. Trofzdem hatte die SPD kein ProblembewuBtsein fur solche Wandlungen und hielt die parlamentarische Demokratie nach wie vor dogmatisch fur Selbstverwaltung des Volks durchs Parlament. Diese direkt - demokratische Idee (Identitat von Regierenden und Regierten) blieb nachhaltig in der SPD. Die Sozialdemokraten sprachen sich fur die plebiszitaren Elemente der Weimarer Verfassung aus. Aus solcher Anschauung uber den Parlamentarismus resultierten die Ignorierung von der eigenstandigen Funktion der Regierung als politischer Fuhrung einerseits und die Gegringschatzung des Parlaments andererseits. Dieses Verhailtnis begunstigte die Ministerialburokratie, die die Revolution unverletzt uberlebt hatte, und viele Interessenverbande nutzten auch in der Weimarer Zeit ihre innigen Kontakte mit der Burokratie als Gegengewicht gegen das Parlament. H. Sinzheimers Konzepte vom "sozialen Parlamentarismus" und spater von der "Arbeitsteilung von politischer und wirtschaftlicher Demokratie" waren sehr nutzlich fur die Ergsinzung der sozialdemokratisehen Parlamentarismusidee, als die SPD in der Revolutionszeit zur Konfrontierng mit den organisierten Interessen gezwungen wurde. Er beabsichtigte eigentlich eine Entlastung des Parlaments und eine neue Entwicklung des Parlamentarismus und des Staates. Aber seine Absicht wurde durch antiparlamentaristische Krafte sofort verzerrt. Das hatte teilweise wiederum etwas mit seinem eigenen traditionellen Verstaindnis des Parlamentarismus zu tun.
著者
上原 真樹 阪上 明日香 小野 木禎彦
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.257-260, 2004 (Released:2006-02-09)

Cotton fiber has its own complicated convolutions caused by helicoidal orientation of cellulose fibrils in the secondary cell membrane. This helicoidal orientation has been deduced to be caused by the earth's rotation during fibril development. To confirm this, the optical rotation power of cotton fibers cultivated in various countries was measured using a polarizing microscope. The optical rotation power of Z-type convolution parts in cotton fibers cultivated in the northern hemisphere was greater than that of the S-type convolution parts. On the other hand, for cotton fibers cultivated in the southern hemisphere, the optical rotation power of the S-type convolution parts was greater than that of the Z-type parts. This tendency was found to differ markedly for cotton fibers cultivated in areas located at different distances from the equator.
著者
原 佳代子 小野 圭昭 権田 悦通
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.271-282, 2001-09-25

本研究は, 下顎骨弓幅径変化を計測し, 同時に切歯部と顆頭部の下顎運動との関係を分析することによって, 下顎の基本運動時における下顎骨弓幅径の経時的変化ならびに顆頭運動と下顎骨弓幅径変化との関連を明らかにすることを目的とした.被験者は顎口腔系の機能に異常を認めない25〜28歳の男性5名とした.下顎骨弓幅径の計測はLinear Variable Differential Transformer(LVDT)用い, 下顎運動(切歯点と顆頭点)の計測には6自由度顎運動計測器ナソヘキサグラフを用いた. 被験運動は, 開口運動, 前方運動, 側方運動とし, 被験者それぞれに可能な顎位まで運動を行わせた後, それぞれの最大移動顎位において下顎を保持させた.その結果, 以下の結論を得た.1.下顎骨弓幅径は各運動時に減少し, 最大減少量は, 前方運動時333.73±96.25μm, 開口運動時295.25±52.92μm, 側方運動時77.04±33.31μmであり, それぞれに有意な差が認められた.2.すべての運動において下顎骨弓幅径減少量は顆頭点の移動量増加に伴い有意に上昇した.3.すべての運動において顆頭点移動量に伴う下顎骨弓幅径の経時的変化に往路と復路間に差はなかった.4.顆頭点移動量に伴う下顎骨弓幅径変化は, 運動の種類によって異なり, 顆頭点の同一移動量における下顎骨弓幅径減少量は, 前方運動, 開口運動, 側方運動の順に大きかった.以上のことから, 各運動内においては下顎骨弓幅径減少量は顆頭点移動量と密接な関係を持つが, その経時的変化は運動の種類によって影響を受けることが明らかとなった.