著者
山口 昭三郎 金古 善明 山岸 高宏 大山 良雄 天野 晶夫 新井 昌史 中村 哲也 長谷川 昭 倉林 正彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.143-145, 2003-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

67歳,女性.クラリスロマイシンの投与を受けた後, torsades de pointesが頻発した.内服中止後に頻拍は消失し,本剤により惹起されたQT延長症候群と診断した.内服中止後も, QTc延長(0.51秒)とV2-6の二相性T波,イソプロテレノール,メキシレチン静注投与後のTU波の形態変化を認め,基礎に再分極異常の存在が示唆された.本剤は使用頻度の高い薬剤であり,投与後の経過に十分留意する必要がある.
著者
鄭 忠和 山口 昭彦 増田 彰則 宮田 昌明 枇榔 貞利
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

慢性心不全・閉塞性動脈硬化症・慢性疲労症候群・慢性疼痛・慢性呼吸不全に対して、60℃の遠赤外線乾式サウナ装置を用いた温熱療法の効果を検討した。心不全に関しては、2週間の温熱療法は心室性期外収縮総数、連発性心室性期外収縮、心室頻拍を有意に減少させた。ノルエピネフリン濃度は有意に低下し、24時間ホルター心電図による心拍変動解析(SDNN)は30%有意に増加した。さらに、2週間の温熱療法で、グレリン及び成長ホルモンは有意に増加し、質問表による食欲の改善が認められた。温熱療法は慢性心不全患者で増加した酸化ストレスを減少させることも明らかにした。心不全発症ハムスターを用いた実験において、温熱療法非施行群と比較し、温熱療法群では、生存率を35%有意に改善し、eNOSのmRNA及び蛋白の発現や血清nitrate濃度を有意に増加した。温熱療法による血管新生に関する検討では、アポ蛋白E欠損マウスの下肢虚血モデルにおいて、5週間の温熱療法は下肢血流と血管密度を増加させた。L-NAMEやeNOS欠損マウスを用いた実験により、温熱療法の血流改善作用にeNOSとNOが重要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに、10週間の温熱療法により、閉塞性動脈硬化症(ASO)患者の下肢疼痛、6分間歩行距離、ABI、体表温度、レーザードプラ血流計による下肢血流、下肢血管造影、皮膚潰瘍に関して有意な改善を認めた。4週間の温熱療法は、軽症うつ患者の愁訴や食欲低下を改善させた。また、慢性疼痛患者の疼痛を軽減し、その後の社会復帰率を高めた。さらに、2名の慢性疲労症候群患者に対して温熱療法を施行し症状の改善を認め、社会生活に復帰した。温熱療法は慢性閉塞性肺疾患患者におけるRV dP/dt、運動中の肺高血圧、運動耐容能、QOLを改善することが示された。温熱療法は、これらの疾患に対する新しい治療法として期待される。
著者
山口 昭三
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学九州工学部研究報告. 理工学編 (ISSN:0288738X)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.43-59, 1993-12-01

This paper deals with the consequences of the survey of brewnes located in the major municipalities, along the coast of the Japan Inland Sea, in Hiroshima Prefecture and also located tn Saijo-machi of Higashi Hirosima City In the twenty-seven cases out ot the thirty-one brewries studied, the brewing sites and the owners' dwelling houses still inhabited are placed on the same plot, and these brewries have their production of less than 500 kiloliters The majority of the brewries in Saijo-machi and Akitsu-machi have their L-shaped floor plan This shape of brewries had been built on and after the thirtieth year of Meiji, yet their counterparts had not been reported before then There were ten brewnes which have their truss structure, and all of them were built on and after the thirtieth year of Meiji The brewnes with this truss structure in Saijo-machi have their "nakabikigeta" built under its "rikuban," and they also have subpillars supporting them in every two "ken." Although ones with this truss structure originally do not need subpillars at the center of "hari," yet the survey shows surprisingly that many of them do have subpillars at that position This can be regarded as a special case of transition
著者
山口 昭三
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学九州工学部研究報告. 理工学編 (ISSN:0288738X)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.47-57, 1992-12-01

This paper deals with the changes and developments of "sake" brewing in Hirosima Prefecture from the end of the Edo period up to the present. Chapter [1] gives you an overall discriotion of "sake" brewing in the prefecture, and Chapter [2] focuses on the limited number of areas surveyed this time The locations of the main brewing areas have been changed through the history, but the reasons of their moves depend upon a variety of conditions of each period It is very notable that we can see a big difference especially before and after the Shougunate During the Shougunate, "sake" brewing had been controlled by each "nan" or clan of the district In the Meiji Era, however, retrictions on brewing imposed by each clan had been totally reduced Once they obtained a license, they could both produce and sale quite unrestrictedly, and cousequently they ran into competitiveness in quality. While transportation of "sake" in the country was mainly done by ship, it was exclusively provided at the ports along the Inland Sea coast At most of further inland areas, the demand of "sake" had been satisfied by their local products. The spread of railroads, however, accelerated transportation of goods to cover distanant markets To be competitive, they all tried hard to improve the quality of their local products, and finally there tended to locate prominent breweries in and around the regions with the advantage of their better transportation service In Hiroshima prefecture, the brewing amount had been comparatively high at Saijo Town and it had become one of the most famous brewries by the Taisho Era.
著者
田上 泰子 花井 潤師 野町 祥介 水嶋 好清 佐藤 勇次 藤田 晃三 福士 勝 楠 祐一 山口 昭弘
出版者
札幌市衛生研究所
雑誌
札幌市衛生研究所年報 = Annual Report of Sapporo City Institute of Public Health (ISSN:09170294)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.32-37, 2000

札幌市では、痙攣や意識障害などの臨床症状により先天性代謝異常症が疑われた児を対象としたハイリスク・スクリーニング検査を実施している。1996年4月から2000年3月までの4年間の受検者数は、スクリーニング開始から6年間の受検者数の約2.8倍にあたる1040人で、15名に何らかの代謝異常症を示す診断結果が得られた。本スクリーニングは、診断が困難な患児の早期発見、早期治療にむすびつけるための検査として、その必要性は非常に高い。
著者
山口 昭弘 清水 香織 三嶋 隆 青木 信太郎 服部 秀樹 佐藤 秀隆 上田 信男 渡邉 敬浩 日野 明寛 穐山 浩 米谷 民雄
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.146-150, 2006-08-25 (Released:2008-08-04)
参考文献数
9
被引用文献数
8 11

遺伝子組換え(GM)パパイヤの同定においてわが国の公定法のPCR法を改良し,簡便かつ迅速な検知法を開発した.凍結乾燥処理を省略し,生果肉から直接シリカゲル膜タイプの市販キットを用いてDNAを抽出した.GMパパイヤ特異的遺伝子およびパパイヤ内在性のpapain遺伝子を同時に増幅するduplex PCR法を開発するために,papain遺伝子に対する公定法のPCR増幅産物(211 bp)の内側に,新たなプライマーペア papain 2-5'/3' を設計した.GMパパイヤ検出用のプライマーペアには公定法と同一のものを用いた.これらのプライマーペアを同一チューブ内に共存させて増幅させる duplex PCR 法を行った後,増幅産物をアガロースゲル電気泳動またはマイクロチップ電気泳動により同時検出した.本法により簡便,迅速なGMパパイヤの同定が可能であった.
著者
田上 泰子 花井 潤師 野町 祥介 水嶋 好清 佐藤 勇次 藤田 晃三 福士 勝 楠 祐一 山口 昭弘
出版者
札幌市衛生研究所
雑誌
札幌市衛生研究所年報 = Annual Report of Sapporo City Institute of Public Health (ISSN:09170294)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.32-37, 2000

札幌市では、痙攣や意識障害などの臨床症状により先天性代謝異常症が疑われた児を対象としたハイリスク・スクリーニング検査を実施している。1996年4月から2000年3月までの4年間の受検者数は、スクリーニング開始から6年間の受検者数の約2.8倍にあたる1040人で、15名に何らかの代謝異常症を示す診断結果が得られた。本スクリーニングは、診断が困難な患児の早期発見、早期治療にむすびつけるための検査として、その必要性は非常に高い。
著者
家城 洋之 山口 昭 加納 健 小泉 銘册 岩波 徹
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.170-175, 1997-06-25
被引用文献数
3

カンキツトリステザウイルス(CTV)強毒系統保毒森田ネーブルの苗木を熱処理して作出した無毒苗木に,ほ場より探索したCTV弱毒5系統および熱処理で作出した2系統ならびにカンキツベインエネーションウイルス(CVEV)を接種して弱毒保毒母樹を育成した。これらの母樹から増殖した苗木の新梢に,CTV強毒系統を保毒する森田ネーブルで飼育したミカンクロアブラムシを2日間放飼して接種した。接種1〜2年後にミカンコンテナに移植して戸外に置き,さらに3年後に周囲にカンキツが栽培されているほ場へ定植した。その後,定期的にライム検定,ステムピッティングの発生度,樹の生育,収量等の調査を行った。その結果,数種CTV弱毒系統の強毒系統の感染に対する干渉効果は,ライム検定,SP発生度調査より弱毒ウイルス接種後7〜9年間は認められたが,それ以降になると見られなくなった。弱毒系統接種樹では強毒系統接種樹に比べて樹の初期生育が旺盛で,樹が大きくなり,干渉効果が見られなくなった後も収量が多く,かつ大玉果であった。特に,弱毒系統M-15AおよびM-16Aは優れており,1990〜95年の間の5年間総収量が強毒接種樹に比べ約50%増,果実が1〜2階級大きくなった。果実のBrixおよび酸度は弱毒および強毒ウイルス接種樹間に差がなかった。
著者
山根 聡 長縄 宣博 王 柯 岡 奈津子 古谷 大輔 山口 昭彦 大石 高志 シンジルト 吉村 貴之 小松 久恵
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

本研究課題では、地域大国の比較研究を中心軸に捉えつつ、異なるディシプリンながらも、地域大国の周縁的存在を研究する点で一致する研究者によって、地域大国のマイノリティとしてのムスリム、移住者、特定の一族など、周縁に置かれるがゆえに中心(大国)を意識する事例を取り上げた。この中で国際シンポジウム主催を1回、共催を2回行った。また国際会議を3回、研究会を25回以上開催し、この期間内に発表した論文も60点を超えた。2013年度には成果を公刊する予定であり、異なる地域を研究対象とする研究者の交流が、研究分野での未開拓分野を明らかにし、今後の研究の深化に大きく貢献することができた。
著者
加藤 寿郎 山口 昭
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.117-123, 1971-03-30

オオムギ斑葉モザイクウイルス(BSMV)に感染したオオムギ(品種・横綱)の粗汁液(15,000×g, 30分上清)をポリアクリルアミドゲルを支持体とする電気泳動にかけると, 健全対照には見られない2群のバンド(SA 1, SA 2)が得られた。これらのバンドに含まれる物質は, 105,000×gの遠心によっても沈でんしない。また, これらの物質は, 葉緑体中のfraction Iたんぱくよりも易動度が小さく, SA 1, SA 2ともBSMV抗血清と反応する。BSMVたんぱくの電気泳動によって, SA 1およびSA 2に相当するバンドが得られる。SA 1をとり出して再び電気泳動するとSA 2が分離してくる。したがって, ウイルス感染によって生じたこれらの可溶性抗原は, ウイルスたんぱくが種々の程度に凝集したものと考えられる。感染が進むとfraction Iたんぱくは減少する。接種した第1葉では, えそ斑点が現われる接種後3日めに可溶性抗原が検出されるが, 感染が進むにつれて減少し, 接種後8日には認められなくなる。これに反して, 第2葉では, 葉基部にmosaicが見えはじめる接種後4 ,5日めにはじめて可溶性抗原およびウイルスが検出され, その後感染の進行にともなって両者とも増加する。ウイルス合成における可溶性抗原の意義については結論が得られなかったが, 第1葉と第2葉での可溶性抗原の消長の違いは, 両者での病徴の型およびウイルス含量の差と関係があるものと思われる。