著者
原田 靖彦 村田 誠 松本 あかね 加藤 大三 八木 哲也 矢口 貴志 吉川 剛典 武市 拓也 秋山 真志 山口 洋平 小山 大輔 寺倉 精太郎 西田 徹也 清井 仁
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1641-1646, 2019 (Released:2019-12-27)
参考文献数
15

骨髄移植後に再発した骨髄異形成関連変化を伴う急性骨髄性白血病患者(47歳,男性)に臍帯血移植を実施した。生着前に広域抗菌薬不応の発熱性好中球減少症および全身性の有痛性結節が出現した。皮膚生検と血液培養で糸状菌を認め真菌血症と診断,さらに培養コロニーの検鏡,質量分析,塩基配列決定からFusarium solaniによる播種性感染症と確定診断した。Liposomal amphotericin B(L-AMB)5 mg/kg/日の投与により熱型と皮疹は改善し始めた。Day19に生着し,皮膚急性移植片対宿主病stage3は外用ステロイド剤で寛解した。Day38にvoriconazoleへ変更したところFusarium感染症は増悪した。その後はL-AMB計19週間の投与で治癒した。生着前の播種性Fusarium感染症は極めて予後不良である。本症例では,好中球の生着に加え,速やかな確定診断,適切な抗真菌薬の選択,その十分量かつ長期間の投与,ステロイド剤全身投与回避などが功を奏したと考えられた。
著者
山口 洋介 三宮 真智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.113-116, 2013

本研究では,思考過程を推測するための新たな手法として,「タイピング思考法」を提案し,その有効性について検討した.タイピング思考法とは,「課題遂行時に,頭の中で考えている内容を,そのまま即時にコンピュータにタイピング(キーボード入力)する」という手法である.大学生および大学院生10名を対象に,タイピング思考法を実施してもらった後,アンケートへの回答を求めた.その結果,参加者は自身の思考内容をプロトコル上におおむね反映できたと報告し,困難感も比較的小さいことが示された.さらに,得られたプロトコルをもとに,創造的思考方略を抽出・分類した結果,多様な側面が見出だされた.
著者
山口 洋介 三宮 真智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.Suppl., pp.113-116, 2013-12-20 (Released:2016-08-10)

本研究では,思考過程を推測するための新たな手法として,「タイピング思考法」を提案し,その有効性について検討した.タイピング思考法とは,「課題遂行時に,頭の中で考えている内容を,そのまま即時にコンピュータにタイピング(キーボード入力)する」という手法である.大学生および大学院生10名を対象に,タイピング思考法を実施してもらった後,アンケートへの回答を求めた.その結果,参加者は自身の思考内容をプロトコル上におおむね反映できたと報告し,困難感も比較的小さいことが示された.さらに,得られたプロトコルをもとに,創造的思考方略を抽出・分類した結果,多様な側面が見出だされた.
著者
岡本 成司 山口 洋子 小山 寛喜 中谷 操子 米田 千恵 渡部 終五
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.444-453, 2012 (Released:2012-06-15)
参考文献数
27
被引用文献数
1 5

ヤマトシジミの食味に及ぼす塩分の影響を明らかにするため,涸沼および涸沼川下流域で採取した試料のエキス分および潮汁の食味を比較して,水質環境との関係を調べた。涸沼川下流の塩分は潮汐の影響を強く受けて涸沼に比べて高く,軟体組織中の D-, L-アラニン含量は涸沼川産の方が涸沼産よりも高い値を示した。一方,潮汁の遊離アミノ酸総量は涸沼産の方が涸沼川産に比べて高く,官能検査では涸沼産の方が涸沼川産より先味および後味で強い傾向が認められた。
著者
漆崎 文男 山口 洋 水町 浩
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.106, no.6, pp.491-497, 1986-06-25 (Released:2011-01-31)
参考文献数
9
被引用文献数
1 7

Polyvinyl alcohol (PVA) aqueous solutions with high water content were repeatedly frozen and defrosted to obtain PVA hydrogels with high elasticity.Tack and viscoelasticities such as storage modulus and loss tangent of the PVA hydrogels were determined as a function of molecular weight, saponification value of PVA, number of cycles of freezing-defrosting procedure or temperature of defrosting, in order to obtain an information on utilities of the materials as prepared poultices and transdermal therapeutic system.Correlation matrix method of multiregression analysis was applied to our data on tack and viscoelasticities of gels, and it was found that there was a significant correlation between tack and storage modulus as well as loss tangent of the materials.Tack, which is one of the most essential properties of pressure sensitive adhesives as prepared poultices and drug delivery system, can easily be predicted, if we measure viscoelasticities of the materials.
著者
藪田 里美 山口 洋典
出版者
国際ボランティア学会
雑誌
ボランティア学研究 (ISSN:13459511)
巻号頁・発行日
no.13, pp.53-67, 2013-02-15
被引用文献数
1

本研究では、地域参加型学習の推進にあたり、地域と学生とのコミュニケーションをデザインする立場に就くコーディネーターに求められる要素を明らかにした。研究対象は京都市中心部で展開された異世代交流のために大学が設置した「でまち家」を拠点とした協働的実践である。2年間にわたるアクションリサーチで、第一筆者が身を置いた場面をエスノグラフィーとして再詳述した。そして、第一筆者の内省から得られた教訓を、第二筆者が携えて現場に参入することで、人と人とを結ぶコーディネーターの行動規範を析出した。さらに、社会での学びを通じて自己形成を図る上では、変化の察知、偶発の担保、緊張感の保持、情熱の喚起の一群が重要であることを示した。また、こうした地域参加型学習の促進にあたって、プログラムを提供する運営側に立つ大学の教職員、また活動の主体となる学生たち、さらには活動対象となる地域の方々とのあいだで良い相互作用がいかに生まれるかにも注意を向けた。よって結論に示した素養群は、教育プログラムの担い手のみに準用されうるものではない。フィールドに積極的に介入し、実践家と研究者の間で価値の調整が伴うアクションリサーチの場面においても通底するものであるというインターローカリティーも提示する研究である。
著者
山口 洋典
出版者
国際ボランティア学会
雑誌
ボランティア学研究 (ISSN:13459511)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.5-57, 2009

自分探しという表現は、時に否定的な言説として用いられる。しかし、ありたい自分を探していくということは、根源的に否定されるべきものではない。そこで、本稿では、まず自分探しという概念とボランティア活動がどのように関連づけられてきたのかを、文献のレビューから明らかにした。具体的には、ボランティア活動における自分探しに対する否定的側面を2つ示した。1つは、個人の功利的な願望を達成するためだけに他者を巻き込み、結果として自己満足にとどまるために、現場の問題解決が導かれない場合である。もう1つは、日常生活も一つの現実であるにもかかわらず、非日常の世界に赴くことによって、見たことのない現実に触れることの心地よさに浸り、日常の風景から目が背いていく現実逃避が先行する場合である。その上で、本稿では、中華人民共和国の内蒙古自治区において、エコツアーと称して展開されてきている沙漠緑化プログラムにおいて、参加者とプログラム事務局ならびに現地の方々がどのような関係を構築しているのかを事例として取り扱った。とりわけ、現代を生きる若者たちが、自らを物語るときに、複数の自己、すなわち多元的自己を有していることに視点を当てていった。なお、事例は筆者のエスノグラフィーとして示され、緑化活動の成果に対する関係者間の相互顕彰が、よりよい未来を創造する「フィード・フォワード」の契機を生み出していることに着目した。最後に、日常の風景から逃避せず、自己満足に埋没することのないよう、先駆的なボランティア活動を展開していく上での活動現場と目常生活との関係について、「半返し縫い」モデルを提示した。その際、メタファーを使用して意味創出や意思決定を行う上での課題についても指摘した。
著者
松浦 さと子 石川 旺 川上 隆史 川島 隆 林 怡蓉 牧田 幸文 松浦 哲郎 小川 明子 櫻田 和也 津田 正夫 魚住 真司 山口 洋典 日比野 純一 小山 帥人 平塚 千尋 金 京煥 小山 善彦
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

非営利民間放送は現在、コミュニティにおけるコミュニケーションを活性化し、社会的排除の削減に取り組む独立したセクターとして国際的に認知されつつある。しかしながら、このセクターの持続的発展のための法的・財政的・人的な前提条件は、日本においていまだ存在しない。ゆえに我々は、非営利放送局を支えるための体制の可能なモデルを、さまざまな国と地域における成功事例を比較参照することによって明らかにするよう努めた。
著者
山口 洋
出版者
佛教大学
雑誌
社会学部論集 (ISSN:09189424)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.105-119, 2003-03-01

個人間の社会ネットワークデータは,(1)主に質問紙(調査票)を用いて当事者に報告を求める,(2)研究者や調査員が当事者の行動を観察する,(3)既存の文献資料や記録を利用する,といった方法で収集されてきた。最も広く用いられてきたのは(1)の報告データである。しかし海外での方法論的実証研究を概観すると,通常の報告データは,客観的(行動的)紐帯および弱い紐帯を把握する際に,様々な問題をはらんでいることが分かる。しかも,その種の紐帯は一定の理論的意義を持つ。したがって客観的紐帯および弱い紐帯を把握すべく,通常の報告データだけでなく観察・記録データを併用したり,特殊な調査方法を工夫したりすることが,方法論的課題となるだろう。
著者
小山 健一 山口 洋典
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.17-32, 2010-09

論説(Article)本論文は、民間の劇団による公的事業の展開に着目し、フィールドワークを通じて、文化芸術分野からの地域活性化の方策を取りまとめたものである。特に、第一筆者が自治体からの交付金を得ておこなった演劇公演の運営を経て感じてきた、創造集団における「作家性・芸術性」とアートマネージャーによる「戦略」とのあいだで生じた衝突・軋轢の中から、いくつかの検討を重ねた。実践に対しては、文化政策やアートマネジメントの観点から論考がなされた。そして、(1)公立文化施設での非文化芸術分野の活動への公的資金充当で市民芸術家は育成されるか、(2)アートマネージャーと創造集団の代表者とのあいだにはどのような確執があるかについて接近している。これらを通じて、公による文化施設の活用、すなわち「アウトリーチ」の視点に加えて、民による公への「インリーチ」の観点が重要であることを明らかにした。そして、アウトリーチとインリーチが断続的に展開されること、すなわち反復的交替するとき、公民協働のダイナミックスが導かれることを示し、その状態を担保するために民に求められる視点をまとめた。This fieldwork argues about the difficulty of the community revitalization through a private theatrical company with local government. The difficulty is featured of the gap between artisticity and strategy in the 1st author's practice. From reviewing some references especially in arts management and cultural policy studies, two critical points became clear. (1)How can public fund develop a citizens' art movement in cultural facilities. (2)What kind of discords are generated between Arts manager and representative. mutually as feed-forwarding to create the better future. Finally, this paper proposed the importance of private inreach activity for public outreach program. Furthermore, we had pointed it out about the necessity of repetitive change in project independence which is started from a citizen's action to keep the dynamics on inreach and outreach.