著者
山崎 登和子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.21-28, 2012 (Released:2012-04-01)
参考文献数
3

調査業務の質を安定・向上させるために,業務標準書の作成を始め,ヒアリングシートと調査報告書フォーマットの新設,ダイセル版検索式リストの作成に取り組んできた。作成を通して,これらの取り組みが調査担当者のスキルの共有化・伝承にもつながることが見えてきた。また,調査担当者に求められる新たな役割に対応していくためには,個々人のスキルだけでなくチームとしてのスキルを上げていくことが必要である。
著者
山崎 文雄 小檜山 雅之
出版者
千葉大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

研究代表者らは地震時の車両走行安定性に関して,数値解析とドライビングシミュレータを用いた走行実験を行い定量的な検討を行ってきている.その結果,地表面地震動の計測震度が6.0程度に達した場合,震動の影響で走行車線をはみ出す被験者が多く見られ,周囲の交通状況によっては他車との接触事故を起こす可能性があることが示された.そこで,気象庁などが導入を検討している地震動早期警報である緊急地震速報の高速道路ネットワークへの応用を目指し,運転者に地震動早期警報が与える影響をドライビングシミュレータを用いた走行実験で検討した.1995年兵庫県南部地震における地震データ,観測点位置などをもとに,現在運用が検討されている地震動早期警報をシミュレーションしたところ,最も震源に近傍なJR西明石観測点でP波検知を行い,「0次情報」が発信されたと仮定すれば,JR宝塚付近では主要動到達前に約5.9秒の余裕時間があることが分かった.したがって,JR宝塚観測点における兵庫県南部地震の地震記録を地表面地震動とし,早期地震情報を運転者に伝えるためのシステムの作動時間を考慮に入れ,主要動到達5秒前から3秒間の減速及び路肩への侵入を促す音声通報を地震動早期警報として運転者に提供した.地震動早期警報の有無で地震時の車両走行の様子を比較すると,早期警報を行わなかったときは走行車線をはみ出したり,車線内を蛇行して走行する被験者が多かったが,早期警報を与えると蛇行走行は見られなくなり,走行速度が120km/hのときは,警報開始時から300m程度車両が進むとほとんどの被験者が路肩に待避を始めていることが分かった、震動による道路変状を想定し,自車前方の障害物回避の対応状況を地震動早期警報の有無で比較した.その結果,地震動早期警報が行われない場合は回避困難な位置(11名中9名が障害物に衝突)にある障害物に対して,早期警報の効果で11名の被験者のうち9名が回避に成功した.
著者
山崎 歌織 外西 壽鶴子 加藤 和子 河村 フジ子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.31-36, 2000-02-20
参考文献数
20
被引用文献数
3

材料の種類と水煮時間が異なる煮こごりの品質に付いて調べた結果は次のようであった。1.煮汁をゲル化させた場合,最も硬いゲルを形成する水煮時間は,ぶりやまだらが鶏手羽先よりも短かった。ゲルの硬さは,鶏手羽先が最も高く次いでぶりであり,まだらはかろうじてゲル化する程度であった。2.鶏手羽先のゲルは長時間水煮において安定した硬さを保持するが,ぶり,まだらのゲルは水煮30分以降徐々に軟らかくなった。3.煮汁の透明度は水煮時間の経過と共に低くなり,煮汁中のタンパク質は,ぶり,鶏手羽先では増加した。4.煮汁中のタンパク質には,ゲル形成を促進させるゼラチンの他に阻害するものが含まれている。5.長時間水煮により煮汁中のゼラチン分子は低分子化してゲルは軟らかくなった。
著者
長瀬 修 山崎 公士
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

当該研究期間に障害者の権利条約の策定過程は終了した。2006年8月の第8回特別委員会において条約草案に関するコンセンサスが形成され、同年12月13日の総会による障害者の権利条約の採択があり、2007年3月30日の署名開放を受けて、その後は各国による署名(日本政府は2007年9月28日に署名)と批准が進行したため、策定過程および早速開始された次のステップである実施過程の研究を進めた。教育など個別分野を含む策定過程への政府と障害NGOの関与の過程を詳細に分析した。明らかとなったのは、策定過程において、地域としては、1993年以来の第1次・第2次「アジア太平洋障害者の10年」の経験を持ち、途上国での取り組みを重視してきたアジア太平洋地域が策定過程において、バンコク草案(2003年10月)などを通じて、大きな貢献をなしたことである。また、国際障害同盟(IDA)の加盟組織をはじめとする障害NGOや他のNGOが策定過程において時にはお互いに対立(たとえば教育におけるインクルージョンと分離)しながらも総体としては、大きな影響力を行使した点も明らかになった。障害者の参画という障害学(disability studies)にとって重要な視点からは、とりわけ1990年代以降ようやく活発になってきた知的障害者と精神障害者によるそれぞれ本人による積極的な策定過程への参画が注目される。従来、家族や専門家、支援者によって「代弁」されてきたグループだからである。さらに、日本はじめ各国政府が、総論としての障害者の権利保障には賛成しつつも、差別禁止や教育をはじめとする具体的課題に関しては、自国政府の従来の政策変更に大きな抵抗を示した点も示され、今後の実施過程の分析においても、この点は引き続き大きな要素として見逃せない。
著者
高見澤 滋 山崎 紀江 好沢 克 町田 水穂 高須 香吏
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.842-846, 2010

【背景】近年,成人領域において胃食道逆流症,栄養剤による下痢などの症状を緩和させる目的で胃瘻からの半固形化栄養剤短時間摂取法(以下本法)が行われている.今回,胃瘻栄養を行っている小児において,便性がゆるい,注入時間が長いなどの問題点を改善することを目的に,ミキサー食を用いた本法を導入し,その効果,問題点を検討した.【対象・方法】摂食障害のため胃瘻からの栄養剤投与を在宅で行っている患児5名.本法開始時の年齢,体重の中央値は5歳5か月(4歳3か月〜7歳3か月),14.8kg(10.5〜16.7kg)であった.基礎疾患は低酸素性虚血性脳症後2例,脳梁欠損1例,無顎症1例,染色体異常1例であった.栄養剤投与の1回をミキサー食の投与に当て,1日1回約50mlから開始し,家族の判断で1回投与量を増やし,本法開始前の栄養剤1回投与量まで増加できた後にミキサー食の投与回数を増やした.【結果】全例において1日2〜4回のミキサー食投与が可能になり,栄養剤投与に要する時間の中央値は本法開始前8時間から開始後1.8時間へ短縮された.また本法開始により,全例で便性が改善した.合併症として食事アレルギーのための入院,便秘を各1例ずつ認めた.【結論】本法により,栄養剤投与時間の短縮,便性の改善が得られ患児,家族のQOLが向上した.また,「患児自身の食事に対する興味が出てきた」,「家族と同じ食品を投与できるためとても嬉しい」など,家族の満足度も高く有用な方法と考えられた.
著者
山崎 千恵 天野 絵里子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.75-80, 2010-02-01

資料保存環境整備部会の活動を中心に,京都大学の図書館における資料保存活動について具体的に報告する。資料保存環境整備部会は,「資料保存環境の点検調査と基準・指針の提示」「資料保存に関する情報の提供と支援(ウェブサイト,職員研修等)」「資料の劣化対策」をその使命とし,2007年に設置され,各種研修や情報の共有化,啓発活動を行っている。部会が設置された背景として,職員が自発的に始めた資料保存ワークショップの活動や,海外での貴重な研修体験を紹介しながら,最後に,専門的な知識や予算が少なくても「できることから」始めることが資料の保存にとって重要であることを提言する。
著者
中野 弘一 坪井 康次 村林 信行 山崎 公子
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.219-224, 1994-03-01

ライフサイクルの観点から中年期の生活を考えてみると, 社会的には職場における適応が大きな問題となっている。本論文では職場での適応について, 1つは不適応の代表として出社困難症例を検討し, もう1つは適応過剰のため心身症を発症し適応が破綻していった症例を考案した。不適応事例については, 東邦大学心療内科を受診し, 継続勤務が不良であった105例につき調査した。受診経路については, 女子では他人に勧められて来院するよりも自ら進んで来院するものの方が多く認められた(p < 0.05)。また初診までの期間別にみた復職状況では, 男子は1年以上たって受診したものは復職できているものが少なかった(p < 0.01)。さらに初診時における勤務状況別の復職者の割合については, 男子は現在の勤務状況に関連していたが, 女子では勤務状況との関連を認めなかった(p〈0.05)。また職場不適応の年代のピークは男女とも20歳代に認められ, もう1つのピークは40歳代で男性にのみ認められた。この現象は, 女性には中年の危機が存在しないのではなく, 社会進出した女性群が40代のピークを未だ迎えていないためと考えられた。さらにVDT障害による不適応の場合は他の職種に比べて不適応が早期に出現するが, これはコンピューターを使っての作業は専門性が高く, 他の人の協力や交替が得にくいためと考えられた。過剰適応については, (1)ライフスタイルの乱れから消化性潰瘍とうつ状態を呈し, 症状軽快後は外来での生活指導を拒否してしまった症例と, (2)過敏性腸症候群とともに肥満, 高血圧, 高脂血症, 高尿酸血症などのいわゆる成人病を呈し, 入院中は節制した生活をし症候全体が軽快していったが, 退院後1ヵ月で治療前の状態に戻ってしまった症例を示した。2症例を通じて, 中年期心身症の生活指導や行動変容は寛解と増悪を繰り返し, 難航するものが少なくないことを示した
著者
上山 真生 水頭一壽 山崎 信行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.32, pp.203-208, 2008-03-28

本論文では,ロボット制御に必要なリアルタイム性をOSが保証するための時間管理機構を提案する.まず,周期タスクのデッドラインがデッドラインをミスしないことを保証するために,周期タスク生成時にアドミッションコントロールを行う.従来のリアルタイムOSでは,実行タイミングの予測性が高い静的優先度アルゴリズムが採用されてきたが,理論的に任意のタスクセットについてデッドラインを保証可能な資源利用率が低く,アドミッションコントロールとは相性が悪かった.しかしながら,本リアルタイムOSでは,モータ制御のように実行タイミングジッタを許容しないタスクの実行を,タイマ割込みサービスルーチンに任せる.ジッタを許容しないタスクを周期タスクのスケジューリングから分離したことにより,周期タスクのスケジューリングの際にジッタを考慮しなくてすむため,実行タイミングの予測性は低いが,理論的に保証可能な資源利用率の高い動的優先度アルゴリズムを採用することが可能となる.この時間管理機構により,リアルタイム性を保証しつつ,計算資源を有効に使うことが可能となる.This paper describes the time management functions of a real-time operating system (RTOS) for sophisticated robot control. A robot motion control consists of hard deadline tasks. Therefore, our RTOS has an admission control function which is called at task creation to ensure meeting these deadlines of all periodic tasks. Our RTOS supports Earliest Deadline First (EDF) scheduling algorithm, due to segregate timing critical tasks from periodic task scheduling by using timer interrupt service routine.
著者
久保田 壮一 荒川 紀子 和田 光俊 近藤 裕治 小久保 浩 山崎 匠
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.69-76, 2006
被引用文献数
2 5

JSTが運営する電子ジャーナルサイトJ-STAGEのリンク機能を担うJSTリンクセンターが関係する新機能を2つ紹介する。1つはJ-STAGE上の論文本文を検索エンジンGoogleやGoogle Scholarで検索できるようにクロールさせる機能,もう1つは論文間の被引用関係表示を行う機能である。これまでJ-STAGE記事内同士の被引用関係は実現されていたが,2005年5月からCrossRefのForward Linking機能を利用して,J-STAGE外の記事からの引用関係を取得し,これを被引用リンクとして表示することができるようになった。<br>
著者
山崎 章市
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.438, pp.1-6, 2001-11-13
被引用文献数
3

MR(Mixed Reality)プロジェクトが約4年間に開発した4種のHMD《(1)自由曲面プリズムを使った広画角光学シースルーHMD(水平51度, 垂直37度), (2)HMDの表示系に撮像系の光軸を一致させたビデオシースルーHMD"COASTAR", (3)屋外用に開発した光学シースルーHMD, (4)光学シースルーHMDの表示系・光学シースルー系に撮像系の光軸を一致させた光学シースルーHMD》とそれらを用いた3Dアプリケーションシステムについて紹介する.
著者
山崎 大河 仲達 俊介 忻 欣
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.1172-1178, 2013 (Released:2013-12-21)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

The three-dimensional plot of the time sequences of the elevation angles of the thigh, shank, and foot during human walking has been reported to lie close to a plane, called the planar law showing the intersegmental coordination. For evaluating such coordination, the elevation angle has been regarded as an important coordinate system. However, there exist many other coordinate systems for describing the limb configuration. Even for the same data, the difference of the coordinate system may change the degree of planarity, and also affect the evaluation of the coordination. Here we aim to study the effect of the coordinate system on the planar law. We measure lower limb kinematics during steady walking on a treadmill with various speeds. Then we compare the degrees of planarity of the measured data described in various coordinate systems generated from the measured angles between the vertical and the thigh, the thigh and the shank, and the shank and the foot, and the linear transformations described by regular-three-dimensional matrices composed of elements { 0, 1, -1 }. The result shows that the different coordinate system can lead to a wide range of the planarity, and there exist many coordinate systems yielding higher or lower planarity than the elevation angles. Additionally, we elucidate the mathematical aspects of the planarity that depends on the coordinate systems. It is concluded that the planar law does not necessarily imply the importance of the information described by the elevation angles.
著者
大矢 晃示 藤本 裕 濱川 洋平 山崎 雅也 辰村 光介
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1216-1221, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
19

組合せ最適化問題をリアルタイムで解く車載アーキテクチャを提案した.そのソルバとしてSBMを選択し,AI処理とリアルタイムに協調動作するPoCを車載FPGAで実現した.モチーフとして多体物体追跡を実機評価し,その結果,車載の自律制御システムとしての適合性と,多体物体追跡アプリにおける有効性を実証した.
著者
山崎 剛史 亀谷 辰朗
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.138-143, 2020-12-15 (Released:2020-12-16)
参考文献数
14

Japanese names are a useful tool for Japanese speakers to communicate scientifically about birds. However, over 30 years have already passed since the most influential book treating Japanese names for all modern birds (Yamashina 1986) was published. During that time, the classification of birds has undergone major changes. Here we provide a revised list of Japanese names for family-level taxa of oscines, which adopts the latest classification system (Gill & Donsker 2018).
著者
飯田 晶子 山崎 嵩拓 樋野 公宏 横張 真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.468-473, 2023-12-11 (Released:2023-12-11)
参考文献数
11

本研究は、COVID-19パンデミック蔓延下に、誰が都市緑地を利用し、それが都市住民の健康と幸福にどのように関連したかを明らかにすることを目的とする。東京都在住の成人4,126人の横断データを用いて、二項ロジスティック回帰分析を行った。その結果、都市緑地を利用した人は利用しなかった人に比べ、主観的ウェルビーイングと身体活動量が向上していた。また同時に、利用者の属性によって利用する都市緑地の種類が異なっていたこと、及び都市緑地の種類によって主観的ウェルビーイングと身体活動量との関係の度合いが異なっていたことが分かった。様々な人々が都市緑地にアクセスできるよう、多様な都市緑地が混在する住環境づくりが重要である。
著者
山崎 光子
出版者
県立新潟女子短期大学
雑誌
県立新潟女子短期大学研究紀要 (ISSN:02883686)
巻号頁・発行日
no.21, pp.91-104, 1984-03

1.資料についての情報(1)ここであつかう資料は,農作業用と思われる上半衣型(二部式)の3点である。(2)収集者は,2点はアチック・ミューゼアム同人であり,1点は個人の蒐集家によって採集されたものである。(3)採集時期は,1点は1934年であり,他の2点は不明である。(4)採集地は,山形県と宮崎県,1点は不明である。(5)呼称は,鉄砲袖袷短衣,農作業衣,ヤマジバン(又はタナシ)である。2資料の分析a.形状(1)本資料の構成要素は,身頃,袖,衿から成っている。(2)衿は,かげ衿型が2点,本衿襦袢型が1点である。(3)袖は,鉄砲袖と半袖と平袖である。(4)馬のりは3点ともあり,11.5cmから20.5cmである。(5)つけ紐は,胸もとのはだけるのをふせぐために左右の胸元に紐の一組がつけられたものが1点だけある。(6)各資料の寸法①丈については,最少値81.5cm,最大値91cmである。②裄丈は,最少値45cm,最大値70.5cmである。細袖と半袖は仕事着の長短,両極端の長さの袖なのでその差異が大きい。b.材料(1)織布の材質と柄,染め色①素材は3点とも木綿布で,組織は平織である。②糸密度は,縫糸は〔22本/cm〕から〔41本/cm〕まで,緯糸は〔14本/cm〕から〔26本/cm〕までである。③布の厚さは,0.7mmから6.9mmまでである。④合わせ布の枚数は,3点とも2枚合わせである。⑤布の重さは,600gから690gである。⑥表布の織柄は,紺地茶縞のもの1点,紺無地のもの1点,浅黄無地と黒地縞のもの1点である。裏布の織柄は,白地の手拭いを用いたもの1点,浅黄無地のもの1点,浅黄無地と黒地縞と白茶無地のもの1点である。表布で2種類の布を用いた資料は2点,1種類の布を用いた資料は1点であるといえよう。(2)刺子糸,縫い糸の材質と色①刺子糸,縫い糸いずれも3点とも木綿糸である。②刺子糸の撚り方は,3点とも右撚りである。縫い糸も3点とも右撚りの糸を用いているが,1点だけ部分的に左撚りの糸を用いているものがある。③刺子糸の色は,紺を用いたものが2点,白と黒を用いたものが1点である。④縫い糸は,紺を用いたものが2点,白と黒を用いたものが1点である。⑤刺し方は,縦刺しが1点,矢羽根状に刺したものが1点,模様刺しが1点である。刺し方の針目は,〔9針目/10cm〕から〔24針目/10cm〕であり,その間隔は,〔4本/10cm〕から〔20本/10cm〕である。c.縫い方と裁ち方(1)縫い方①縫い方は,合わせ縫いと伏せ縫いで縫ってあるもの2点,合わせ縫いだけで縫ってあるももの1点である。その縫い目は,合わせ縫いは〔10針目/10cm〕から〔12針目/10cm〕であり,伏せ縫いは〔6針目/10cm〕から〔8針目/10cm〕である。②へりとりの様子は,裾だけへりとりがあるもの1点,衿,衿下,袖,裾にあるものが1点,へりとりのないものが1点である。(2)裁ち方①布幅は,31.5cmから34cmである。②表布の用尺は,440cmから655cmであり,1反でほぼ2枚分の作業着が出来ることになる。
著者
湧上 聖 今村 義典 平 敏裕 山崎 富浩 渡嘉敷 崇 江頭 有朋 末永 英文 前原 愛和 上地 和美
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.2466-2468, 1999-12-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
5

当院に入院していた経腸栄養患者76人中42人が銅欠乏の状態であった.血清銅値が1~27μg/dlの患者8人に対して,ピュアココア30~45g/日を経腸栄養剤に混注し, 1~2カ月使用した. 8例中2例は嘔吐や下痢のため中断し, 1例は途中で輸血を行った.残りの5例は血清銅が12→101μg/dl,ヘモグロビンが10.9→11.9g/dl,白血球が5380→7600と改善がみられた.ココアが銅欠乏症に有効であることがわかった.