著者
佐々木 淳 岡田 啓司 佐藤 至 佐藤 洋 千田 広幸 大谷 久美子 池田 光秀 池田 美喜子 山本 幸男 渡部 典一
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年が経過した頃より、福島県の帰還困難区域内で飼育・維持されている黒毛和牛の皮膚に白斑がみられはじめ、放射線被ばくの影響が懸念されたことから、その原因究明のため調査・研究を行った。白斑は頭頚部、体幹部、四肢などほぼ全身で認められた。白斑の大きさは直径1cm程度であり、白斑部では被毛の白色化とともに皮膚が肌色に退色しているものもみられた。皮膚生検による組織学的検索では、病変部に一致してメラニン色素の減少・消失とメラノサイトの減数が認められた。本研究結果より本病変は尋常性白斑と診断され、原因はメラノサイトの減少と活性低下の可能性が示唆された。
著者
柳原 純夫 仲村 成貴 後藤 洋三 山本 幸 柿本 竜治
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.I_564-I_574, 2021 (Released:2021-07-22)
参考文献数
4

熊本地震直後の社会基盤設備の応急復旧での地元建設会社の初動対応の実態把握と課題抽出を目的とし,ヒアリング及びアンケート調査を実施した.調査結果と課題は次の通り.(1) 地震後の初動対応に遅れや混乱が発生した.協定内容の改善が必要である.(2) 対応工事の必要資源の不足が発生した.防災計画等での考慮が必要である.(3) 建設会社が実施した応急復旧工事における,費用清算面の問題はなかったが,施工数量の確定や支払処理の円滑化が課題として残った.(4) 応急復旧作業時は作業安全レベルが低下していた.地震後の工事を対象とした安全教育システムの確立が急務である.(5) 事故発生時には「公務災害補償」と同等の補償の適用を望む回答が大半を占めた.法律面を含めた補償制度面の対応が必要である.
著者
山本幸男著
出版者
法藏館
巻号頁・発行日
2015
著者
山本 一敏 後藤 洋三 柿本 竜治 山本 幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.I_589-I_602, 2021 (Released:2021-07-22)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

2016年熊本地震の被災地自治体の技術職員に実施したインタビューとアンケート結果から,地震発生時の応急復旧と地元建設業とコンサルタントへの支援要請の実態を調査した.技術職員の不足や技術と経験が不十分である等の理由から2/3程度の施設で被災規模の把握に2週間以上を要していた.BCPや震災対策マニュアルの作成と訓練,管理施設の資料の整備,外部への支援要請などが不十分だった自治体もあり,限られた技術職員で社会インフラ施設の機能を迅速に回復するためには,これらの改善が必要である.
著者
新田 博之 秀島 栄三 山本 幸司
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.317-324, 2004-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8

近年都市圏において発生している都市水害に対し、地下空間の浸水に対する脆弱性が指摘されている。本研究では、特に浸水発生時において地下鉄列車を安全に退避させるための具体的な列車退避方策を導き出すことを目的として、地下空間への浸水プロセスと列車退避プロセスを結合したモデルを構築する。名古屋市交通局鶴舞線に本モデルを適用した上で、浸水に対する合理的な防災計画の策定について考察する。
著者
萬田 正治 山本 幸子 黒肥 地一郎 渡辺 昭三
出版者
日本家畜管理研究会(現 日本家畜管理学会)
雑誌
日本家畜管理研究会誌 (ISSN:09166505)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.55-60, 1993-11-10 (Released:2017-10-03)
被引用文献数
1

牛の視力を牛の学習能力を利用した動物行動学的手法により検討した。そのため二叉迷路型の学習装置を用い、供試牛の前方左右に視力パネルとしてのランドルト環(正刺激)と同寸法の円(負刺激)を提示した。さらに配合飼料を視力パネルの後方に置き、供試牛が正刺激のランドルト環を選択した場合のみ、配合飼料が摂食できるよう学習訓練した。視力パネルの左右交換は乱数表によりランダムに行い、1セッション20試行とし、適合度の検定により、正反応率が80%以上に達した場合、供試牛はその学習試験を完了したとし、その供試ランドルト環を識別できたと判定した。ランドルト環は0.01のものから0.02刻みにその大きさを変えていき、識別できた最も小さいランドルト環の値をその供試牛の視力値とした。供試牛には鹿児島大学農学部付属農場入来牧場生産の成牛5頭を用いた。1号牛はランドルト環の0.08、2号牛は0.04、3号牛は0.07、4号牛は0.08、5号牛は0.07までそれぞれ識別することができた。したがって供試牛5頭の視力値はランドルト環図形ではおよそ0.04〜0.08の範囲を示し、人間に比べて視力が極めて弱いことが示唆された。日本家畜管理研究会誌、29(2) : 55-60.1993.1993年5月31日受理
著者
石垣 文 山本 幸子 下倉 玲子 小林 文香 福田 由美子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.84, no.756, pp.377-386, 2019 (Released:2019-02-28)
参考文献数
24

A current issue in Japan is building sustainable living environments in light of its shrinking and aging population. Depopulated regions in particular have seen significant declines in birthrates, and face the problem of the consolidation and closure of elementary schools. There are fears that the withdrawal of schools from an area may impoverish the region and make for less sustainable living. Meanwhile, the issue of school consolidation has triggered the development of resident-led efforts for regional preservation in various areas, and these efforts have been recognized as forming part of sustainable living support infrastructure. Accordingly, this study looked at elementary schools with a rural village student-family schooling system to sustain elementary schools and their surrounding regions for the purpose of clarifying the actual conditions of these schemes, and conducted a survey of three areas with a comparatively good record for such a scheme on a national level. The study produced the following findings. 1. The study clarified the processes and operating structures of village schooling schemes in the three areas, from inception to the present. One feature shared by all three areas is that the region's residents participated in the village schooling activities, and got involved with a sense of being interested parties to the scheme. Another characteristic is that the organizational structure is inherent in the three areas, and the members of the organization differs depending on the activity history. 2. As a feature of the content of the initiatives, each organization has a common point in interviewing, offering houses, life counselling and introducing work at the start of schooling. Next, at the stage of the start of schooling, matches such as entrance examination and interview of decision to join schooling system are made by the organization. Thirdly, there are two types of houses to be offered: " Houses for newcomers (vacant houses used)" and " Houses exclusively for mountain village schooling families (public housing)". In the latter, there are one that utilizes existing public housing and the other is newly constructed. 3. The schemes can be considered to have a certain effect towards sustaining schools, as the numbers of pupils at elementary schools were maintained through village schooling students. In addition, part of the improvement of regional power was caught, as the accumulation power of building resources has increased due to the continuation of schools and the utilization of vacant houses, and the formation organization of residents' organizations has improved due to the formation of three groups. However, further research is necessary as to whether the operation of the rural village schooling system will lead to the community sustainable.
著者
山本 幸正 Yukimasa Yamamoto 湘北短期大学 Shohoku College
巻号頁・発行日
no.30, pp.143-154, 2009-03-31

1950 年に発表された「抹香町」以降、徐々に醸成されていった川崎長太郎のブームは、平野謙が「新事態」と呼んだように、マスメディアの時代における文学について再考を促すものだった。本稿は、『自選全集』にも収録されず読まれないままになっている川崎の作品が、先行作品のメタ言説となっていることを明らかにし、次いでその作品を享受した女性読者を分析することで、1950 年代における小説(家)と読者の関わりの一端をあきらかにすることを試みたものである。
著者
太田 弘一 森岡 公一 山本 幸男
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.125-132, 1991 (Released:2008-05-15)
参考文献数
20
被引用文献数
23 35

ファレノプシスは近年生産の伸びが大きい花卉であり, その好適な栽培条件の設定のために研究が進められている. ファレノプシスの花序は低温条件によって誘導されることが知られており (17), 山上げ栽培や人工低温処理を行うことによって, 早期出荷が行われている. また, 温度処理の際の, 株の充実状態や光•変温条件などの環境要因も花序形成に影響することが知られている (3,8, 12,14, 17,18, 19).一方, ファレノプシスはCAM (Crassulacean acid metabolism) 植物として知られている (1,7). CAM植物は夜間に吸収したCO2を有機酸の形にして細胞の液胞中に蓄積し, 昼間にそれを分解して, 光エネルギーを利用してでんぷん合成を行うという特徴的な光合成を行う. この夜間と昼間を通した, CO2吸収からでんぷん合成に至る過程をCAM型光合成と呼ぶ (13, 14).典型的なCAM型光合成のCO2吸収の日周変動パターンは, 夜間の高い吸収 (phase I), それに続く光が当たった直後の高い吸収 (phase II) とその後の急激な減少およびCO2吸収がほとんど見られない期間 (phase III), そして, 夕方に再び低い吸収が見られる (phase IV), という四つの相に分けられる (13). そして, この過程を通して, 夜間に気孔を開き, 蒸散の多い昼間には気孔を閉じているために, CAM植物は強い乾燥耐性を獲得している (6).CAM植物には, 生育条件によってC3型光合成とCAM型光合成との間で変動が見られるfacultative-CAM plantと, 生育条件にかかわらずCAM型光合成を行うobligate-CAM plantがある (13). さらに,いずれのCAM植物も, 水分, 昼夜温, 光強度, 日長などの環境条件や葉齢, 窒素栄養条件によってCAM型光合成が影響を受けることが知られている (6, 11,13, 14).したがって, ファレノプシスのCAM型光合成も, これらの要因によって変動し, それが生育および花序形成になんらかの影響を及ぼすことが考えられる.本研究は, 上述の要因のうちで生育と密接に関連した外的要因の水分, 温度, 光の3条件および内的要因の葉齢と花序形成の有無に視点を当て, それらによってファレノプシスのCAM型光合成がどのような影響を受けるかを明らかにし, ファレノプシスの好適な栽培条件設定のための基礎的知見を得ることを目的として行った.
著者
坂本 浩子 山崎 勝利 加賀 千文 山本 幸子 伊藤 隆二 黒澤 康之
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.598-602, 1996-05-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
18
被引用文献数
1 21

準強力粉を主原料として中華麺を調製し,麺の物性に対するMTGaseの添加効果を調べた.(1) かんすいの添加量を調整し生麺調製時のpHを約6~10と変化させ,ゆで麺,酸処理麺の破断強度に及ぼす影響を調べた結果,MTGase無添加麺ではpHが高いほど破断強度が高かったが,MTGase添加系ではpH 6~8で破断強度増加効果が得られた.(2) pH 8.0で生麺を調製し, MTGaseの添加量が破断強度に及ぼす影響を調べた結果,MTGase 0~7U/gproteinで酵素濃度の増加とともにゆで麺の破断強度が増加した.ゆで麺を酸処理またはレトルト処理した場合,調べた0~10U/g proteinの範囲内で酵素濃度の増加とともに破断強度が増加した.(3) 生麺の断面を走査型電子顕微鏡により観察した結果から,これらMTGaseによる効果はG-L架橋形成によりグルテンのネットワーク構造が補強されたためと推定された.(4) 以上より,MTGaseを使用するとゆで麺の破断強度が増加すること,さらに酸処理やレトルト処理をしても破断強度の低下が抑制されることが判明した.
著者
新田 博之 秀島 栄三 山本 幸司
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.317-324, 2004

近年都市圏において発生している都市水害に対し、地下空間の浸水に対する脆弱性が指摘されている。本研究では、特に浸水発生時において地下鉄列車を安全に退避させるための具体的な列車退避方策を導き出すことを目的として、地下空間への浸水プロセスと列車退避プロセスを結合したモデルを構築する。名古屋市交通局鶴舞線に本モデルを適用した上で、浸水に対する合理的な防災計画の策定について考察する。
著者
須貝 哲郎 山本 幸代 渡辺 加代子 麻生 五月
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.421-430, 1981 (Released:2010-06-04)
参考文献数
21
被引用文献数
1

1974年から1979年にわたる6年間に施行した香料系パッチテストの結果を総括して報告する。対象は化粧品皮膚炎, 顔頸部の炎症後色素沈着症患者1, 325例である。当科常備の香料アレルゲンのうち27種をcomputer FACOM 230-28に登録し, 6年間の蓄積データからその陽性頻度を算出した。登録香料の内訳は天然香料9, 単離香料11, 香料成分ミックス1, 調合香料6である。陽性率の首位はICDRGの香料成分ミックスで06% (6/91), イランイラン油6.1% (51/833), benzyl galicylate6.0% (43/713), 調合香料ミックス義7% (19/336) の順であった。使用量のもっとも多いといわれるchemodermは11位で3.2% (10/314) の陽性率を示した。
著者
福山 夏映 山本 幸子
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.28, no.68, pp.380-384, 2022-02-20 (Released:2022-02-20)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Thatching, which is steadily declining in Japan, can be one of the most sustainable constructing methods for today’s architectures. This study focuses on thatched small architectures, walls, or interiors constructed by the contemporary thatching method, and analysis how to introduce the thatching into contemporary architectures.According to case studies, we cleared out that the thatch often plays artistic or decorative roles in contemporary buildings. And to enable various shape and downscaling of thatched architectures, the traditional thatching method is updated through introducing the European constructing method, selecting the appropriate type of the thatch, or ingenious preparation of materials.