著者
山本 貞雄
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-32, 2007-03-15

本稿は,この4月から茗荷谷キャンパスに設けられた大学院・マネジメント研究科の開設を記念して開催された春季公開講座において行った講演の内容に,加筆訂正を行ったものである.講演を行った4月から,約7ヶ月が経っているが,この間の大きな変化は,I小泉内閣退場後の安倍晋三内閣の誕生と小沢一郎民主党代表の出現と言った国内政治の大きな変化,II北朝鮮やイランの核保有,中国の外交攻勢の活発化,米中間選挙におけるブッシュ共和党政権の敗北等国際情勢の大きな変化に集約される.これらの大きな変化は,末尾の(補講)において,それぞれ一括して記述する.土光臨調は世紀末20年の経済財政行政の構造改革の路線を敷いた.しかし,21世紀の世界と日本は,21世紀型社会システムの下で,多くの多様な巨大な危機に包まれた時代となる.したがって,21世紀においては,我国は,以下のこれらの7つの巨大な危機的課題に賢明な対応を行い,これを乗り切って行く必要がある.(1)中国やインド等の発展途上国の急速な人口増と経済発展及び限界に近づいた世界の地球環境・エネルギー問題(2)外交・安全保障と総合的なチャイナリスクの問題(3)我国の少子化及び高齢化と社会保障及び人口減少経済の問題(4)我国の経済運営と一体的な財政構造改革の問題(5)地方分権型社会の構築の問題(6)活力ある市場経済等3つのバランスの取れた社会システムの実現の問題(7)自民党と民主党の2大政党の政権対立時代の政治の問題
著者
石川 隆紀 宮石 智 土井 裕輔 高田 智世 今林 貴代美 稲垣 幸代 吉留 敬 山本 雄二 石津 日出雄
出版者
Okayama Medical Association
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.114, no.3, pp.303-308, 2003-01-31 (Released:2009-03-30)
参考文献数
11

We encountered two cases of unnatural death occurring indoors in early spring in Okayama Prefecture. The two cases were both females aged 31yearsold and 88yearsold. Autopsies revealed death from hypothermia as the cause of death. The diagnosis of death from cold was not based solely on the characteristic findings of the dead body. After confirming that there were no other accidents and diseases that may cause death, an overall evaluation should be made considering the conditions surrounding occurrence of death from cold. We describe these procedures using these two autopsy cases of death from hypothermia.
著者
冨永 千珠 木下 美奈 山本 順子 竹之内 美樹 福山 國太郎
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.164, 2010

(背景)<BR>当病棟は日常生活自立度(寝たきり判定基準)でB・Cランクの褥瘡発生ハイリスク患者が多い。褥瘡発生率が低下した要因を分析し、得られた今後の課題について報告する。<BR>(対象)<BR>2007年1月~2009年12月に褥瘡発生した当病棟患者<BR>(方法)<BR>褥瘡発生原因(部位、自立度、バスタオル・横シーツの使用状況、ベッドアップ角度)の分析と対策を行い褥瘡発生数の変化を記録した。<BR>(結果)<BR>2007年に発生した褥瘡は仙骨9件、踵7件、その他10件。2008年は仙骨12件、踵2件、尾骨4件、その他11件。2009年は仙骨2件、その他5件。当初はバスタオルを使用した体位変換や横シーツ使用が見られ、体圧分散寝具の不適切な使用や、不充分な体位変換により仙骨・尾骨部に湿潤・摩擦・ずれが生じた例や、踵の除圧不足も見られた。また、経管栄養施行中の過度なベッドアップ、背抜きや除圧不足、脆弱な皮膚のケア不足も見られた。その他に酸素カヌラによる耳介圧迫、弾性ストッキングによる膝窩圧迫、手指・足趾の拘縮による圧迫も見られた。<BR> 踵部除圧チェックや横シーツの使用中止、バスタオルなしの体位変換実技指導を導入し、経管栄養施行中のベッドアップ適正化、スタッフへの予防策の継続指導・教育を行った。<BR> 酸素カヌラ固定の工夫や弾性ストッキングのしわ伸ばし、手袋や5本指靴下の着用を徹底した。2009年には踵部除圧が徹底され、バスタオルなしの体位変換の円滑な実施が実現された。<BR>(考察)<BR>スタッフへの実技指導や継続教育により褥瘡予防への意識が向上し褥瘡発生が減少したと考える。今後はベッドアップ時の背抜きや除圧、撥水・保湿クリーム塗布徹底で更に減少すると考える。<BR>(まとめ)<BR>スタッフ全員が褥瘡予防の重要性を認識し実施することが褥瘡発生減少につながるため、定期的勉強会や継続指導・教育を行うことが今後の課題である。

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著者
深谷 親 山本 隆充
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.137-142, 2016 (Released:2016-02-25)
参考文献数
20

機能的神経疾患の原因を考えるうえで皮質-線条体-視床-皮質ループ (CSTCループ) という概念が注目されている. 大脳皮質から大脳基底核, 視床に至る経路にそれぞれ運動, 認知, 情動に関する回路が近接して存在し, 連携して活動しているという考えである. このループの機能障害が関与していると考えられる疾患として, パーキンソン病, ジストニア, 強迫性障害, トゥレット症候群などが挙げられる. これらの疾患では, 運動, 認知, 情動のどの回路が主に障害されているかで疾病としての表現型も異なってくる. 脳深部刺激療法のターゲットは, CSTCループのいずれかの部位に設定されることが多い. したがって, 運動, 認知, 情動といった機能を個々に切り離して治療することは難しい. パーキンソン病に対する視床下核の刺激により情動面の変化が生じることがあるのはよく知られている. こうした現象は, 健常者においても気分のよいときには行動も快活になり, 気分が落ち込んでいる時は頭も働かなくなるといった経験からも理解できるであろう. CSTCループを基盤とした考えは, 脳深部刺激療法の理論背景となるだけではなく, 最前線の臨床の場でも役立つ可能性が高い. 運動には, 高い認知症予防効果やうつの改善効果があり, パーキンソン病の進行を遅らせることが知られている. また前向きで安定した情動は不随意運動を改善し, 運動療法が痛み認知を改善させることも報告されている.
著者
山本 省
出版者
信州大学
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.111-120, 1999-03

『喜びは残る』の作者ジオノは人間が生まれ死ぬのはごく当たり前のことだから死を異常なものではなくむしろ自然な現象と考えていた。しかし,自殺についてはいささか事情が異なる。生きていく喜びの欠如,何らかの価値観の喪失,こうしたことが自殺の原因になりうる。『喜びは残る』では4人の登場人物が自殺する。エレーヌの夫とシルヴは何の喜びもないグレモーヌ高原の住人たちに特有の病気が嵩じて自殺し,オロールは喜びは見出したがそれを持続させることができず死を選ぶ。高原の住人たちに生きる喜びを教えてきたボビはジョゼフィーヌとの情交を重ねるうちに自分には穏やかな喜びは不可能になっていくのを痛感する。もはや高原にいる意味がなくなったと判断し高原をあとにしたポビは激しい嵐のなかで死ぬ。反対に動物や植物に喜びを見出し精彩あふれる生活を取り戻していった住人たちも存在する。この物語では,4人の死者がでたにもかかわらず,生きる喜びの種は確実にまかれたということが確認される。死者たちも世界の運行に異常なことは何もなかったかのように参加する。寂しげだったグレモーヌ高原に鹿が遊び,羊が啼き,小鳥や小動物が徘徊し,花々が咲き乱れるようになったのである。
著者
島田 和幸 山本 啓二
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.1001-1011, 2000-12-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
39

大規模な臨床疫学調査や個々の臨床成績は,いずれも急性心筋梗塞のみならず,一過性心筋虚血,不安定狭心症,突然死,重症不整脈,および脳卒中などのほとんど全ての心血管系疾患が覚醒起床後の午前中の数時間の時間帯に集中して発症する事実を報告している.神経・体液性の生理的諸指標の概日リズムの研究を通して,何故この時期に疾患が多発するのかが次第に解明されてきた.たとえば,血圧や心拍数は交感神経活性の充進とともに"morningsurge"という早朝の急激な上昇が観察される.これらが単なる生体内時計による生物学的現象の日内リズムのなせるわざではないことは,覚醒後故意に起床を遅らせた場合,生理諸指標の変動や心血管系疾患の発症時間も並行して後ろにシフトすることから理解できる.生物現象としての生体内時計と人間の行動が生み出す日内リズムの総和として,心血管系疾患の概日リズムが形成されると考えられる.これらの病態をふまえて,時間薬物治療学などの概念を導入しつつ心血管系疾患への対処を考えることが重要である.
著者
大家 正太郎 清水 壽一 堀川 芳明 山本 慎一 中村 元二
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学水産研究所報告 (ISSN:09117628)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.129-142, 1984-10-30

本文データはCiNiiから複製したものである
著者
山本 篤志 福永 智栄 新沢 敦 堀江 延和 米谷 さおり 長濱 通子 藤原 進 山田 陽三 福永 淳 錦織 千佳子
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.133-139, 2018 (Released:2018-11-08)
参考文献数
18

ステロイド忌避を含む難治性のアトピー性皮膚炎(AD)患者で顔面に皮疹を有する12名を対象に,白虎加人参湯エキスに石膏末を加味した方剤を4週間投与し,AD 診療ガイドラインに基づく皮疹の重症度スコア,痒みVAS,生活の質(Quality of life)の指標であるSkindex-16および各種血液検査を行い,有効性を前向きに評価した。 また,どのような証(漢方医学的に把握した病態)に有効かを後ろ向きに調査した。 その結果,内服4週間で重症度スコアとSkindex-16の平均が有意に低下した。好酸球数,IgE 抗体,TARC 値は有意な低下を認めなかった。白虎加人参湯と同様で「暑がり」,「汗かき」の証を有する患者に有効であった。4週間という短期間で皮疹が改善したことより,ステロイド忌避を含む難治性アトピー性皮膚炎患者に使用する内服薬の選択肢の1つになりえると考えた。

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著者
山本 智 加藤 隆史 中村 栄一 横山 広美 五所 恵実子 岩澤 康裕 山形 俊男
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.3-6, 2008-03

第3回山川記念シンポジウム「山川健次郎と東京大学」開催さる/グローバルCOE「理工連携による化学イノベーション」第1回国際シンポジウム「博士たちの輝くキャリアデザイン」を開催/学生企画コンテスト,優秀賞と敢闘賞を受賞/ひらめき☆ときめきサイエンス附属植物園で開催/理学系研究科・理学部教職員と留学生・外国人研究者との懇親会/大越慎一教授の日本学士院学術奨励賞の受賞を祝して/"核力の起源" 解明がNature 誌の2007 年ハイライト研究に選ばれる/第7回理学系研究科諮問会が開催される
著者
中村 亨 山本 義春
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.123-134, 2013-09-05 (Released:2013-10-29)
参考文献数
24

精神行動異常に関する情報は,精神疾患の客観的評価への重要な生体指標となり得ると考えられる.近年,著者らは日常生活下での自発的身体活動の連続計測を行い,身体活動時系列における活動/休息期間の持続時間分布に行動統計則(行動組織化則)が存在することを確認した.これにより,様々な精神疾患における行動異常の特徴を抽出することに成功するとともに,行動統計則の種を超えた普遍性,時計遺伝子変異マウスにおけるヒトうつ病様変化などを報告し,自発的身体活動の生成に関わる行動制御機構の存在とその破綻に関する知見を得た.さらには,確率的優先性待ち行列モデルにより行動統計則とその変化が説明できることを示した.本解説では,これらの研究成果を紹介するとともに,疾患の発症や増悪·軽快といった精神疾患の動的側面を理解するのに有用であると考えられる双極性障害に関する最近の研究成果を報告する.
著者
山口 秀夫 有本 正生 山本 起巳子 沼田 敦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.674-677, 1979-06-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
15
被引用文献数
12 14

Four kinds of lignans were isolated from the seeds of Hernandia ovigera L. collected in Okinawa besides the previously reported desoxypodophyllotoxin (I). Oily substance II, named bursehernin, C21H22O6, was confirmed to be lignan-2 isolated from Bursera schlechtendalii. III, mp 171-173°, and IV, mp 125-126°, were determined as desoxypicropodophyllin and podorhizol obtained from Podophyllum emodi WALL. respectively. V, mp 270-275°, could not be clarified due to its small amount.
著者
佐藤 博文 針金 三弥 龍村 俊樹 山本 恵一 小島 道久 山本 和夫 柴崎 洋一 松本 貞敏 鈴木 亮一
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.1330-1334_1, 1984 (Released:2011-05-09)
参考文献数
10

尋常性疣贅の多発を伴ったS状結腸癌の2例を報告した.症例は59歳の女性と78歳の男性で,ともに消化器症状はなかったが,2年以上前から尋常性疣贅が顔面,手背に多発し治癒傾向にないため,消化管の精査を行った. 上部消化管には異常所見を認めなかったが,注腸造影と大腸内視鏡検査によりS状結腸癌の合併をみとめ,根治術をおこなうことが出来た. 近年,本邦での結腸癌の罹患率は増加傾向にあり,結腸癌による死亡率を低下させるには一般住民を対象とした大腸集検と共に高危険群の精査による早期癌の発見が必要である. 尋常性疣贅はhuman papilloma virus(HPV)による皮膚感染症で,その発病は細胞性免疫能の低下と関連しているといわれている.今回の2症例の経験から,高齢者で尋常性疣贅が多発し,しかも難治傾向にある場合には,内臓悪性腫瘍の高危険群に屈すると考え,精査追跡をすすめるべきである.
著者
砂川 文 山口 さやか 宮城 拓也 岡本 有香 山城 充士 山本 雄一 高橋 健造
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.336-339, 2018
被引用文献数
1

<p>13 歳,女児。3 カ月前より眉間部に線状の紅斑が出現し,次第に拡大した。臨床症状と病理所見より剣創状強皮症と診断した。ステロイド外用と紫外線療法を開始したが改善せず,ステロイドとメソトレキセート内服併用療法を行い,4 週間後に紅斑が改善し,2 年後には略治した。治療中,明らかな副作用はなかった。本邦において,剣創状強皮症に対するステロイドとメソトレキセート併用療法の報告例は少ないが,有効かつ比較的安全であり,治療選択の一つとして考慮すべきであると考えた。</p>
著者
相馬 武久 吉内 龍策 北尾 晃一郎 本田 善久 山下 伸幸 石川 尚之 山本 博起 細井戸 大成
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.577-580, 2018-10-20 (Released:2018-11-20)
参考文献数
20

所有者不明猫140頭の3~4週齢時(初回)とその4~31週間後(2回目)に猫免疫不全ウイルス(FIV)抗体,猫白血病ウイルス(FeLV)抗原及び猫コロナウイルス(FCoV)抗体を検査した.初回FIV陽性34頭中31頭(91.2%)が2回目に陰転,初回陰性106頭は2回目もすべて陰性で,幼齢期でFIVの感染リスクが低いことが示された.FCoVでは初回陰性129頭中18頭(14.0%)が2回目に陽転し,幼齢期でもある程度の感染機会があることが示された.初回FCoV陽性11頭中9頭(81.8%)が2回目に陰転しており,早期離乳された猫の中には初回時に保有していた移行抗体が2回目に検出レベル以下に減少する例が存在していたことが示された.FeLVについては,両回とも全例陰性であった.猫のウイルス性感染症の実態を明らかにするためには,一般状態の良い猫を対象とした今回のような調査だけでなく,今後さまざまな猫の集団を対象に同様の調査を行うことが重要と考えられる.
著者
小林 志津子 関本 美穂 小山 弘 山本 和利 後藤 英司 福島 統 井野 晶夫 浅井 篤 小泉 俊三 福井 次矢 新保 卓郎
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.29-35, 2007-02-25 (Released:2011-02-07)
参考文献数
23
被引用文献数
3

1) 日本の医学生が臨床実習中に受ける不当な待遇 (medical student abuse) に関する報告はこれまでされていなかった.2) 日本の医学生を対象にしたわれわれの調査では, 回答者の68.5%が, 何らかのmedical student abuseを臨床実習中に受けたと報告した.3) 臨床実習においては, 指導医の「neglectやdisregard」があると学生の実習意欲を顕著にそぐことが回答者の意見から推測できた.4) 医学教育の関係者はmedical student abuseに注意を払い, 防止策を講じる必要がある.