著者
山本 健一
出版者
日本AEM学会
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.468-472, 2018
被引用文献数
1

<p> When compressive stress is applied to electrical steel sheets in their thickness direction, both permeability and magnetic losses change. The stress induced loss reduction was observed both ring and strip specimens, and they are mainly from hysteresis loss change due to the stress. Magnetizing process due to the stress is discussed by means of domain observations.</p>
著者
村上 博巳 山岡 憲二 山本 武司 田阪 登紀夫 ムラカミ ヒロミ ヤマオカ ケンジ ヤマモト タケシ タサカ トキオ Murakami Hiromi Yamaoka Kenji Yamamoto Takeshi Tasaka Tokio
出版者
同志社大学スポーツ健康科学会
雑誌
同志社スポーツ健康科学 (ISSN:18834132)
巻号頁・発行日
no.2, pp.26-37, 2010-03

原著(Original investigation)社会人(S群):7名,大学生(U群)22名,高校生(H群)32名,中学生(JH群)19名,小学生(ES群)49名のトップクラスの女子卓球選手を対象にスポーツビジョン研究会で実施している(1)静止視力(2)KVA動体視力(3)DVA動体視力(4)コントラスト感度(5)眼球運動(6)深視力(7)瞬間視力(8)眼と手の協応動作の測定を行い、競技力に重要な因子である動体視力(KVA,DVA)の特性について検討した。対照群は一般女子学生90名の中から日常運動習慣の無い一般女子学生10名(NA群)抽出した。各群とも静止視力1.0以上を対象とした。KVA動体視力,DVA 動体視力を各群間の平均値で見るとKVA動体視力の各群間の平均値に有意な差が見られなかったが、DVA動体視力のU群の平均値はH,ES群の平均値より有意に高い値を示した。KVA動体視力に対する測定項目の貢献度の高い視機能は静止視力,眼と手の協応動作,コントラスト感度、DVA動体視力は瞬間視,眼球運動,眼と手の協応動作であった。そして静止視力,コントラスト感度と競技歴との間には有意な相関関係は認められなかったが、瞬間視,眼球運動と競技歴との間には有意な正の相関関係が認められた。眼と手の協応動作と競技歴との間には有意な負の相関関係が認められた。以上のことから、女子卓球選手のKVA動体視力は潜在的、DVA動体視力はトレーニングの要因が影響し、競技力の向上を目指し動体視力を高めるにはKVA動体視力は視力矯正を含み最適な静止視力を有すること、DVA動体視力は継続したトレーニングが必要であることが示唆された。A study was conducted to investigate the characteristics of kinetic vision in women's table tennis players. There are kinetic visual acuity and dynamic visual acuity in kinetic vision. In the present experiment, sports vision of women's table tennis players were measured; member of society women's table tennis players (S group: aged 24.7±1.3yrs),university women's table tennis players(U group: aged 19.5±1.1yrs),high school women's table tennis players (H group: aged 16.3±0.8yrs),junior high school women's table tennis players(JH group: aged 13.6±0.8yrs),elementary school women's table tennis players(ES group: aged 11.1±1.0yrs), and Kyoto sangyo university student women's non-athletes (NA group: aged 18.7±0.5yrs). Then players 7 numbers in S group,22 numbers in U group,32 numbers in H group,19 numbers in JH group,49 numbers in ES group and 10 numbers in NA groups(their static visual acuity>1.0) were selected as subjects. Static visual acuity, kinetic visual acuity, dynamic visual acuity, contrast sensitivity, ocular motor skill, depth perception, visual reaction time and eye-hand coordination of them were measured. Physical characteristics and experience of training of table tennis were investigated using questionnaire. Mean values of kinetic visual acuity were no significantly among all groups, dynamic visual acuity in U groups were significantly higher than H,ES groups. Kinetic visual acuity and dynamic visual acuity showed difference about contribution rates for measurement item. Static visual acuity, contrast sensitivity and eye-hand coordination showed greater contribution rates for kinetic visual acuity. Visual reaction time, ocular motor skill and eye-hand coordination showed greater contribution rates for dynamic visual acuity. Significant correlations between static visual acuity, contrast sensitivity and experience of training were not found, but significant positive correlations between visual reaction time, ocular motor skill and experience of training were found and significant negative correlation between eye-hand coordination and experience of training was found. These results suggest that the improvement of kinetic visual acuity hold the best static visual acuity, the improvement of dynamic visual acuity are caused by heavier training and these are the important for the level up game ability.
著者
山本 昭子 山田 いずみ
出版者
福岡女子大学
雑誌
生活科學 (ISSN:05593042)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.167-188, 1982-01-30

Sashiko can be divided into the original stage Sashiko and the developmental stage Sashiko by stages. In the first stage, Sashiko was used mainly for the purpose of reinforcement, keeping warmth and waterproof. In the Second stage, Sashiko was used for ornament rather than the material faculties in the first stage mentioned above. Generally Sashiko refers to the second stage Sashiko in a narrow sense. The unique Sashiko in the Northeastean provinces of Japan is distributed mainly into next six areas.
著者
横尾 直樹 山本 和良 中村 潤一郎 本田 淳 上杉 昌章 斎藤 知行
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.111-116, 2003 (Released:2008-06-30)
参考文献数
9

18歳以上の女性ダンサー282名(プロ109名,アマチュア173名)を対象に,腰痛に関するアンケート調査を行った.バレエ歴はプロ23年,アマ15年と有意にプロが長く,週平均レッスン時間はプロ11時間,アマ6時間,年間舞台回数はそれぞれ12回,2回と有意にプロが多かった.腰痛はプロの92%,アマの84%に認めた.プロではそのうち43%がレッスンに支障のある痛みで,10%に休職の経験があった.腰痛の部位はプロ,アマともに有意に下位腰部,左側優位が多く,腰痛を誘発する動作は腰椎伸展時が最も多かった.病院,医院への受診は10%と低率であった.プロダンサーはバレエ歴が長く,十分トレーニングを積んでいるにもかかわらず,アマチュアに比べ休職率が高いなど腰痛が重度であり,腰背部のoveruseが原因の1つと考えられた.慢性的な腰痛や強い腰痛のあるダンサーは,分離症や疲労骨折などが存在する可能性があり,整形外科医による検診や,定期的なメディカルチェックなどが必要であると考えた.
著者
辻 裕之 遠藤 繁之 原 茂子 大本 由樹 天川 和久 謝 勲東 山本 敬 橋本 光代 小川 恭子 奥田 近夫 有元 佐多雄 加藤 久人 横尾 郁子 有賀 明子 神野 豊久 荒瀬 康司
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.563-569, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
11

目的:人間ドックにおける尿潜血の意義を検証する.方法:2011年2月からの1年間に虎の門病院付属健康管理センター(以下,当センター)人間ドックを受診した16,018例(男性10,841例,女性5,177例)について尿潜血の結果を集計し,推算糸球体濾過値(以下,eGFR)との関連を検討した.次に2008年から2011年の4年間に当センター人間ドックを受診したのべ58,337例(男性40,185例,女性18,152例)について,腹部超音波検査で腎・尿路結石,またその後の検索を含めて腎細胞がんおよび膀胱がんと診断された例について,受診時の尿潜血の結果を検討した.結果:年齢を含めた多変量解析を行うと,尿潜血とeGFR低値との間には有意な関係を認めなかった.また,超音波上腎結石を有する場合でも,尿潜血陽性を示すのはわずか18.5%に過ぎなかった.さらに,腎細胞がん例で8.3%,膀胱がんでも28.6%のみに尿潜血は陽性であった.結論:人間ドックにおいて尿潜血は従来考えられていたより陽性率が高いが,少なくとも単回の検尿における潜血陽性は,CKDや泌尿器科疾患を期待したほど有効には示唆していないと考えられた.今後,尿潜血陽性例の検索をどこまで行うのが妥当なのか,医療経済学的観点も加味した新たな指針が望まれる.
著者
山本 毅士
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2015-08-28

本研究課題ではオートファジー活性(フラックス)に焦点を絞り、フラックス異常を認める腎疾患の病態解明、またフラックス異常を是正する遺伝子改変マウス作成と治療薬の探索を行い、その疾患抵抗性を検証した。結果、(1)in vivoオートファジーフラックス評価方法を確立し、腎老化や肥満におけるフラックス調節異常を明らかにした。(2)オートファジー阻害因子Rubiconをノックアウトしオートファジー亢進モデルを作成した。このマウスは確かにオートファジーが亢進し腎疾患ストレスに抵抗性であった。(3)あるオートファジー活性化薬(EPA)に着目し肥満マウスに投薬したところフラックス異常是正と腎保護効果を認めた。
著者
山本 道也
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.15-30, 2002-07
被引用文献数
1

1990年に行われた1旬につき2回,計54回の2.5km-帯状センサスにより,茨城県竜ヶ崎市近郊(竜ヶ岡)では,7科43種2,726個体のチョウが目撃され,群集構造,種数,個体数,多様性,優占種の季節変化について解析が行われた。以下はその結果である。1.総目撃個体数5以上のチョウ33種の26の調査季節への個体数分布マトリックスに,群分析と主成分分析を併用して,四つの群集と,四つの活動季節を分類した。2.3月上・中旬,6月下旬,7月中旬および8月下旬〜11月には,ヤマトシジミ>キチョウ>イチモンジセセリ=オオチャバネセセリ>キタテハが優占する全15種からなる秋群集が成立していた。3.3月上旬〜5月上旬,5月下旬〜7月中旬,8月下旬〜11月には,モンシロチョウ>ツバメシジミ>ヒメウラナミジャノメが優占する全12種からなる春秋群集が成立していた。4.3月上・中旬,6月下旬,7月中旬〜11月には,アオスジアゲハ>アゲハが優占する全15種からなる夏群集が成立していた。5.5月中旬には,コチャバネセセリが優占する初夏群集が成立していた。6.総目撃種数,総目撃個体数,多様性値から判断して,調査地のチョウ群集は1985年の落ち込みから回復し,調査初期の状態に戻ったと判断された。
著者
石塚 譲 川井 裕史 大谷 新太郎 石井 亘 山本 隆彦 八丈 幸太郎 片山 敦司 松下 美郎
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-9, 2007 (Released:2007-08-21)
参考文献数
37
被引用文献数
4

季節や時刻による行動圏の変動をみるために, 成雌ニホンジカ2頭にGPS首輪を用いて, 経時的な位置を調査した. 調査期間は, それぞれ, 392日と372日で, シカの位置は0時から3時間毎に計測した. 2頭の年間行動圏面積はともに森林域と水田周囲とを含む43.7 haおよび16.3 haであり, 行動圏の位置に季節による変動はみられなかった. 個体1の季節別コアエリアは, 四季を通して水田周囲に位置し, 個体2でも夏期以外は水田周囲に位置した. 時刻別コアエリアは, 12時および15時では森林域に, 0時および3時では水田周囲に位置した. 以上の結果から, GPS首輪を装着した2頭の成雌ニホンジカは, 大きな季節移動をせず, 日内では, 森林域 (昼) と水田周囲 (深夜) を行き来していると考えられた. また, 行動圏とコアエリアの位置から農耕地への依存度が高いことが推察された.
著者
山本 晃士 西脇 公俊 加藤 千秋 花井 慶子 菊地 良介 柴山 修司 梛野 正人 木内 哲也 上田 裕一 高松 純樹
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.36-42, 2010 (Released:2010-03-15)
参考文献数
10
被引用文献数
14 17

<背景・目的>手術関連死亡の最大原因は術中の大量出血であるが,その背景には外科的手技による止血が不可能な希釈性凝固障害という病態が存在する.したがって術中の大量出血を未然に防ぐには止血のための輸血治療が必要であり,その治療指針の確立が急務である.<方法・結果>術中の大量出血・大量輸血症例を後方視的に調査した結果,その60%強を胸部大動脈瘤手術,肝臓移植術,肝臓癌・肝門部癌切除術が占めていた.術中大量出血の背景にある止血不全の主要因は,出血量の増加にともなう凝固因子(特にフィブリノゲン)の喪失,枯渇であると考えられた.そこで上記症例の手術中に起こった低フィブリノゲン血症に対し,クリオプレシピテートおよびフィブリノゲン濃縮製剤の投与を行ったところ,速やかなフィブリノゲン値の上昇と止血の改善,および術中出血量・輸血量の顕著な減少(平均で30~40%減)を認めた.<結論>術中の出血量増加時には,フィブリノゲン値を確認した上で速やかにフィブリノゲン濃縮製剤を投与することが,大量出血・大量輸血を未然に防ぎ,手術患者の予後改善に大きく貢献するとともに,血液製剤の使用削減・有効利用につながると考えられた.
著者
宮崎 邦洋 村山 菜月 山本 裕樹 牛山 史明 大澤 昇平 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

サブスクリプション方式のサービスを採用している企業が増えつつある昨今,ユーザ離脱予測はより重要な課題となっている.既存研究では既に多くの機械学習モデルを用いた研究が行われているが,ユーザ離脱予測は時系列データと非時系列データなどの多様なデータ組み合わせて学習させねばならず,それらを上手く組み合わせた学習モデルは十分に研究されていない.一方で,深層学習の技術は依然発達しており,その特徴としては様々なデータとモデルをEnd-to-Endで学習できることが挙げられる.本研究では,ロボアドバイザーのサービスを運営するウェルスナビ株式会社のデータを用い,深層学習を用いたユーザ離脱予測モデルを提案する.具体的には時系列データや非時系列データを一つのモデルで学習させる手法を提案する.実験ではベンチマークとなる既存研究の分類器の精度を上回る結果を得たことで,本手法の有効性が実証された.
著者
靏巻 峰夫 久保 朱里 山本 祐吾 吉田 登
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.II_23-II_34, 2016 (Released:2017-04-10)
参考文献数
28
被引用文献数
2

少子高齢化,過疎化の問題に同時に直面する地方圏域では生活排水処理,廃棄物処理等の静脈系インフラの維持運営は難しさを増している.加えて,低炭素社会や経済性の要請によってインフラ運営が非効率にならないよう改善も必要とされている.本研究では,従来,別系統のシステムで運営されている生活排水処理と可燃ごみ処理を連携させてエネルギーリサイクルの促進と効率化を図ることによって,このような圏域でも適用できるシステムにより削減できる温室効果ガス量を検討したものである.可燃ごみのメタン発酵,発酵分離水の処理,発酵残渣及び排水処理汚泥の焼却等の対策に技術進展を加味した連携によって現在のシステムに対して約40%の削減の可能性があることがわかり,連携の有効性を明らかにした.
著者
加茂 泰広 田島 和昌 小田 英俊 木下 昇 富永 雅也 山本 美保子 米満 伸久 竹島 史直 中尾 一彦
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.1219-1224, 2018 (Released:2018-06-20)
参考文献数
17

症例は79歳女性.食欲不振から全身状態悪化し当院救急搬送.精査の結果糖尿病性ケトアシドーシスの診断となり当院入院となった.治療経過中に腹部膨満感出現,腹部CTにて結腸の拡張を認め下部消化管内視鏡検査にて結腸全体の多彩な潰瘍性病変を認め,腸管サイトメガロウイルス(CMV)感染症の診断となり,ガンシクロビルによる加療を開始した.その後症状は速やかに改善,治癒となったがその後便秘症状が出現し,下部消化管内視鏡検査にてS状結腸にスコープ通過不能な狭窄を認めた.腸管CMV感染症治癒後瘢痕による消化管狭窄と診断,狭窄解除目的に内視鏡的バルーン拡張術(EBD)を施行,術後経過良好で現在再発なく経過している.
著者
池田 宥一郎 飯塚 博幸 山本 雅人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1B1OS11a05, 2018 (Released:2018-07-30)

近年の情報科学の発展は,動物行動学の研究に大きく寄与している.我々は札幌市円山動物園において人工知能により動物を管理する負担の軽減を試みを行っている.我々の目標の1つは,健康管理と飼育環境の整備のためにチンパンジーのエソグラムを自動的に作成することである.エソグラムとはある特定の個体や種の全行動パターンの目録であり,動物の行動を研究するうえでもっとも基本的な記録である. エソグラムの作成には個体識別が必要があるため,本研究では画像認識分野で高い精度を出している畳み込みニューラルネットワークを用いて個々のチンパンジーを認識できるか検証した。 実験の結果,我々のシステムはチンパンジーの個体識別が可能であることを示した。
著者
神戸 義人 横田 春樹 山本 侑子 沼田 美和 大沢 愛美 成澤 勉 横須賀 浩二 内藤 祥 裴 英洙
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.576-583, 2016 (Released:2016-11-01)
参考文献数
8

インターネットの普及、およびそのサービスの発展が著しく、インターネット依存(以下、ネット依存)の懸念が広がっている。また、メンタルヘルスや生活習慣との関連性も危惧されている。今回、当財団での健診受診者に対してネット依存に関する調査を実施し、ネット依存度をスコア化することで社会人におけるネット依存の現状を調査した。対象は当財団における2015年度の健診受診者のうち、235名を対象にネット依存の現状を調査した。調査は、Kimberly Young博士の開発したヤングテストを使用した。ネット依存度はヤングテストでスコア化(100点満点)し、40点以上でネット依存傾向ありと判断し、点数が高い方がネット依存度は高度となる。235名のうち、男性129名、女性106名。平均年齢は40.0歳、ネット依存度の平均スコアは34.2点。分布は、20代が44名でスコアが41.6点、30代が67名でスコアが34.9点、40代が87名でスコアが31.6点、50代以上が37名でスコアが30.1点であった。男女別では、男性のスコアが34.7点、女性が33.7点であった。ネットは若年者により多く普及していると言われており、今回の結果からも年代が低いほどスコアが高値となり、特に20代では約60%の回答者にネット依存傾向があった。ネット社会がますます加速する中で、ネットによる弊害も多く発生している。ネット依存による生活の乱れや体調不良等の増加も予測されるため、健診を通じてネット依存による危険性の啓発を検討したい。
著者
堀向 健太 津村 由紀 山本 貴和子 正田 哲雄 二村 昌樹 野村 伊知郎 成田 雅美 大矢 幸弘
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1543-1549, 2011-11-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
5

【背景と目的】重症アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis;AD)の治療を行っている最中,特にステロイド外用剤(以下ス剤)の連日塗布から間欠塗布へと移行する寛解導入期の終わりから寛解維持期の始めに相当する時期に,全身の皮疹や掻痒は改善しているにも関わらず,患者の掌蹠に汗疱様の水疱・丘疹が出現することがある.我々はこの病態を「AD寛解前汗疱様発疹」と称している.AD寛解前汗疱様発疹はス剤抵抗性の皮疹やアトピー性皮膚炎の再燃と誤解し治療が頓挫する危険性がある.そこで,発症率や患者の特徴について,後方視的に検討し,重症患者の治療上留意すべき現象として本邦初の症例集積研究として報告する.【対象と方法】2007年4月から2009年3月までに当科にADの治療目的に入院した89例を対象とし,発症年齢,AD治療開始後の発症病日,治療後の寛解までの日数,季節性,治療経過,AD重症度との関連,検査所見との関連を後方視的に調査した.【結果】AD寛解前汗疱様発疹は13例(14.6%)に発症しており,治療後の発症病日は16.7±10.4日(4〜32日),平均年齢は6.2±6.1歳(3カ月〜23歳)だった.入院時のSCORADは平均50.8±17.9(16〜91)であり,1歳未満を除いてSCORADを検討すると発症者が無発症者に比べ有意に高値であり,重症患者がより発症しやすいと考えられた.ス剤の局所的な強化により全例が軽快したが,治療後の軽快まで18.5±12.0日(4〜50日)を要し,概して難治であった.なお,汗疱は一般に夏に悪化するといわれているが,季節性は認められなかった.【結論】AD寛解前汗疱様発疹の病態に関しては不明な点が多く,皮疹が改善してきている時期に発症するために,患者が不安に感じる.標準治療の普及の障害になりうるため,その周知と検討が必要と考えられた.
著者
坂 拓弥 山本 清龍
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.798, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)

2013年,環境省はグリーン復興の一つとして,青森県八戸市蕪島から福島県相馬市松川浦までの区間を地域の自然や暮らし,利用者と地域の人々などを「結ぶ道」とするため,みちのく潮風トレイルの整備を開始した。トレイルには震災復興の役割に加え,交流人口の増加や観光復興が期待されており,今後,地域の受入体制の構築,強化が必要である。そこで本研究では,青森県八戸市から岩手県久慈市までの区間を対象に,①三陸沿岸部の来訪者,実際にトレイルを歩いたハイカー,受入側であるトレイルサポーター,地域の関係者の4者のトレイルに関わる意識を明らかにすること,②トレイルの管理と地域の協働に関する課題を明らかにした上で協働の方向性を論考することの2点を目的とした。研究結果から,来訪者のトレイルの認知度は低いものの利用意向には前向きなこと,ハイカーは道迷いに不安を感じ,案内標識の整備を期待していること,サポーターは活躍の場を求めていることが明らかになった。さらに,地域の関係者へのヒアリング等から,協働の方向性としてサポーターの連携と協議の場の必要性が示唆された。