著者
山本 圭
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.2_267-2_287, 2012 (Released:2016-02-24)
参考文献数
39

This paper aims to re - think the relationship between populism and democracy, and clarify that populism can hold some advantages for democratic societies. In order to do this I shall, first of all, make a survey of some arguments that have dealt with this relationship, and show that they face a difficult antinomy. I will then argue that the primary reason for this dilemma resides in “two strand theory” in the concept of modern democracy.   Secondly, this paper focuses on theories of “radical democracy” to indicate how and why recent democratic theories move closer to populism. After reviewing some representative theories of radical democracy, I shall pick up Ernesto Laclau's political theory on populism, as his thought provides an appropriate example of the encounter between democracy and populism. Finally, through these considerations, I will attempt to clarify “the democratic utilities of populism.”
著者
最所 和宏 豊田 正武 高木 加代子 佐竹 元吉 高橋 悟 山本 裕昭 葛西 健 橋本 勢津 斎藤 行生
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.46-50_1, 1994-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
10
被引用文献数
5 8 2

平成4年4月岩手県岩泉町の山林において野生ミツバチのはちみつによる神経毒症状を呈する中毒事故が発生した. この食中毒の原因物質を検索するため. 中毒はちみつ中の花粉の鏡検を行ったところ, Aconitum 属植物の花粉と形状のよく一致する花粉の存在が確認され, その出現率は68.3%であった. また, このはちみつをラットに投与すると神経毒症状を呈した. はちみつ抽出物のTLCによりアコニチンと同一のRf値を示す物質の存在か認められ, GC/MSのフラグメントイオンによりアコニチンと確認した. そこで牛薬中のアコニチン系アルカロイドの迅速抽出精製法に準拠して, 中毒はちみつ中のアコニチと系アルカロイドを抽出し, HPLCにより定性・定量を行った. 中毒はちみつ中のアコニチンレベルは10.7ppmであり, この濃度はヒメダカ致死試験による推足値と一致した. 以上より. はちみつによる本食中毒の病因物質はアコニチンと推定した.
著者
中島 敦司 山本 将功 大南 真緒 仲里 長浩 廣岡 ありさ
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.26-31, 2011 (Released:2012-03-14)
参考文献数
10

本研究では,キンモクセイの2度咲き現象が近年の温暖化,高温化の影響である可能性を検討する目的で,花芽分化期の夏季から開花期の秋季にかけて野外の気温に対して3℃ 加温したグロースチャンバー内で育成する実験をおこなった。その結果,加温処理によって開花の開始は遅れ,開花期間は長期化した。また,花ごとの開花日数は,開花期の後期に開花した花で短縮化された。さらに,加温によって開花期に複数回のピークのある2~3度咲き現象が引き起こされた。この2~3度咲き現象には,1)集団内での個体ごとの開花時期のばらつきによる見た目の上での2~3度咲き,2)同一個体内での枝,花芽の着生部ごとの開花時期のばらつきによる見た目の上での2~3度咲き,3)同一箇所の花芽の着生部に複数の花芽が形成され,それらが段階的に開花する2~3度咲き,4)それらが複合された2~3度咲きの4パターンあることが分かった。
著者
張 成年 山本 敏博 渡辺 一俊 藤浪 祐一郎 兼松 正衛 長谷川 夏樹 岡村 寛 水田 浩治 宮脇 大 秦 安史 櫻井 泉 生嶋 登 北田 修一 谷本 尚史 羽生 和弘 小林 豊 鳥羽 光晴
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.190-197, 2013 (Released:2013-03-22)
参考文献数
17
被引用文献数
3 2

アサリ殻模様の非対称性は優性遺伝形質である。非対称型(A)頻度は北海道と関東周辺で高く(14.5~28.1%),東北,浜名湖以西,中国で低かった(0~9.9%)。千葉県盤州では A 型頻度が低いと考えられる地域のアサリが 2007 年まで放流されてきた。盤洲の 2005 年度標本では殻長 20 mm 未満で A 型が 22%,25 mm 以上で 0% であり大型グループで放流個体が多いことが示されたが,2011 年以降の標本ではサイズによらず A 型が 17.2~20.3% 見られ,放流個体による遺伝的攪乱が限定的であることが示された。
著者
青木 稔弥 青田 寿美 神林 尚子 北村 啓子 木戸 雄一 ロバート キャンベル 小林 実 佐々木 亨 佐藤 至子 高木 元 高橋(山下) 則子 谷川 惠一 中丸 宣明 福井 辰彦 間城 美砂 柳 宗利 山田 俊治 山本 和明
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館 2006年度秋季特別展 仮名垣魯文百覧会展示目録
巻号頁・発行日
pp.1-49, 2006-11-01

平成18年10月17日~11月2日に開催した国文学研究資料館2006年度秋季特別展「仮名垣魯文(ROBUN)百覧会」の展示目録。仮名垣魯文を中心とする、幕末・明治開化期文学に照明を当てたもので、当館が平成10年(1998)に近代部門を設けて以来初めての、関連分野の蒐書展示となる。〈仮名垣魯文(ROBUN)の肖像〉〈江戸の残照〉〈開化の寵児〉〈報道する戯作者〉〈魯文の交友圏〉〈毎日新聞社新屋文庫蔵 魯文関連資料の紹介〉〈その他〉のテーマごとに、7ブロック・13セクションに分けて資料を展示。魯文が生きた波乱と変動の時代を背景に読み込みながら、魯文と同時代戯作者たちの群像を、彼らの文業と共に通覧した。
著者
Viliame Waqalevu 松井 英明 本田 晃伸 Serge Dossou 山本 淳 塩崎 一弘 小谷 知也
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.139-155, 2019-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
71

Brachionus plicatilis 複合種 SS および L 型に及ぼす3 種の栄養強化剤(DHA 強化クロレラ,冷凍ナンノクロロプシスおよび乳化筋子油)の餌料効果を比べた(対照区:濃縮淡水クロレラ)。両型ワムシの増殖速度と脂肪酸含量は試験区間で変化した。 非極性脂質と極性脂質の含量はワムシ型間で変化した。可溶性タンパク質は両型で DHA 強化クロレラおよび生クロレラ給餌で多かった。冷凍ナンノクロロプシスを除いた全ての試験区で,SS 型の可溶性タンパク質含量は L 型よりも高かった。 ワムシ型に応じて,培養方法,強化剤の投与量および脂肪酸要求量を考慮する必要がある。
著者
山本 章
出版者
公益社団法人 日本薬剤学会
雑誌
薬剤学 (ISSN:03727629)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.102-105, 2014 (Released:2014-09-01)
参考文献数
5
著者
宮崎 百代 小林 憲太郎 山本 真貴子 松田 航 廣瀬 恵佳 植村 樹 佐々木 亮 木村 昭夫
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.392-395, 2020-12-28 (Released:2020-12-28)
参考文献数
7

脂肪吸引術は, 体形の美容的改善を目的とした保険外診療である。手術は全身麻酔下で小さな切開孔から盲目的に広範囲の脂肪吸引を行う。外来手術で行われる症例が多いが, 時に術後当日に救急搬送を要する患者が発生し, 救急部門でその合併症治療に迫られることがある。今回われわれは, そのような患者の実態調査と他院保険外診療による合併症患者の診療請求のあり方を後方視的に検討した。2年半の間に該当症例は4症例であり, 全患者が入院診療を必要とした。半数は輸血を要するほどの貧血を呈していた。また併発した合併症に対し手術療法が必要となった症例もあった。当院当科では, 事務部門と協議し, 東京保険医協会のコメントをもとに保険診療としたが, 診療費は多額になる症例もあり, 保険診療とすることで公的医療費の負担が増すことを考えると, 手術した施設に支払いを請求するなど他の対策も講じる必要がある。